「県政オンブズマン静岡(静岡県庁の光と闇)~よりよき未来のために~」管理人のブログ

注)teacupブログから移転の2022年5月以前の投稿には、文字コードの違いから多くの文字化けがあります。

JAL最後の日

2010-03-31 22:09:00 | 静岡空港
今日を最後に静岡空港からJAL機体が消える。
わずか10ヵ月間の就航だった。
この間の収支は、JAL静岡支店によれば1日1往復の札幌便で8千万円、1日3便の福岡線で3億円超の赤字だったそうだ。(読売新聞)

県の役人も川勝も搭乗率が高いから収支が合うと未だに思っているようで、「搭乗率も他路線と比べてそん色ない」と納得していないようだが、読売新聞が伝える静岡支店長の次の言葉が現実を語っている。
「搭乗率はあくまで目安。何割を超えれば黒字になるというものではない。空港の運営経費は便数が多ければ単価が下がるが、1日4往復では割高になる。」

いわゆる、規模の経済を考えれば当然だ。
しかも、JALのように人件費が高コスト体質の航空会社においては収益構造(http://www2.ocn.ne.jp/~sizuoka1/kukou3b.html#①)から見ても納得だ。
明日からはFDAがJALに代わって運行するそうだが、かなり早期予約なら互角だがビジネス狙いの直前日までの運賃は相対的に高い。
搭乗率が高くても6月から減便の小松便同様、観光需要が主でビジネス需要が安定しなければいくら税金で支援を受けていても経営的には苦しいだろう。
しかも、再び安全性に疑問を持たれるような不祥事があればFDAも終わりだ。

今年は羽田の拡張・発着枠拡大・国際化と鉄道アクセスの改善、成田空港の発着枠拡大と新型スカイライナー「成田スカイアクセス」のデビューなど首都圏空港の競争激化が始まる。
少なくとも県東部は今でさえ少ない静岡空港利用だが、さらにそちらに流れるだろう。
成田に格安航空会社が算入すれば県中部圏の観光需要も大きく動く。

それでも県は多額の税金で静岡空港利用者、空港運営会社、FDAを支えるのだろう。
何のため、誰のための行政かなど真剣に考えることなく、ただただ天下りャXトのため、空港のためにと。

いっそ、県など無くせばいいのに、という声がでるのも時間の問題かもしれない。

経済効果?、費用便益比?、税収?、政策迷走を促す学問不在の現状

2010-03-30 22:26:00 | ノンジャンル
ゆとり教育によって学力が落ちたとして来年度から教科書が厚くなるという。
とりわけ、数学の力が国際的に劣ってきたのは深刻であり、この方向転換は少なくとも理数教育においては正しい。

今日県が公表した「平成17年静岡県産業関連表」、これはイベントなどの公共政策においてよく発表される経済効果(経済波及効果)を計算する際の基礎となるデータであるが、今回公表された産業別経済波及効果(第1次間接効果)でみるとわかるが、第一次産業が1.2748倍、第二次産業が1.3355倍、第三次産業が1.3406倍となっており、いずれも1倍を上回る。
そんなこと(1倍を上回ること)は、あたりまえという方はよくわかっている方で釈迦に説法であるが、ネット上の主張など世間一般には経費1億円のイベントで経済効果が1億円以上あれば成功だと勘違いしている御仁も多い。
まして、行政は採算性を考えなくていいという主張もある中では空港で5億円の赤字でも5億円の経済効果があればいいなどというのは、私はばかですと公言しているようなものだ。

例えば県民に10億円分の電化製品をプレゼントしたら経済効果は前述の産業別経済波及効果をみても1次波及効果だけで13億円以上の経済効果が出る。
だから良い政策だ、やろう、とはならない。
もちろん、経済が上向かないときに一時的に添加剤として行うことはあっても、目的は経済波及効果そのものではなく、経済回復のきっかけづくりだ。

現在の国の財政は、家計に例えれば、
月収40万円の中で、
毎月の支出が70万円(ローン元利払14万円、家計費45万円、地方君への仕送り11万円)
毎月の借金30万円
ローン残高は約5千万円
という状況だ。(http://home.hiroshima-u.ac.jp/er/EE_NZ.html

また、国民総生産に占める税収の割合は約16%(平成17年度)

すなわち、先の例の10億円を使って得られる税収は2億円程度、このうち国税は6割の1.2憶円になる。
地方だったら、県と市町合わせて0.8億円程度だ。

単純に考えて、県が来年度予算で投じる利用者補助金などの利活用支援の6億円や管理・周辺整備の17億円で増える税収は・・・
未来につながる投資でなければ、その増えたつけは全部後世代に回される。
それが、先に紹介した家計のローン残高となって表れるのだ。

公共政策で経済波及効果という指標はあまり意味がないのである。
むしろ指標として考えるべきは費用便益比である。(ただし、あくまで同種事業間の優先順位の比較指標に過ぎない。)

静岡空港建設事業に係る費用便益分析では県の公称値で86万人需要が費用が便益を上回る基準点(現実には下回るのが確実で費用に対する便益のないいわゆる不要事業であったことになる)となっていることはこれまでにもホームページ等で明らかにしてきた。
しかし、機材小型化の影響などで収入は見込みの前提を下回っており、しかも費用には純粋な維持管理費しか算入されていない、すなわち利活用支援費が計上されていないという偽装的なものである。国土交通省の基準によったから正しいと主張するが、国が正しいとは限らない。費用便益比分析とはだれがどこが作ったかではなく合理性の判断領域であり、学問でなければならないのだが、権威が合理性を凌駕しているという不幸な現状がこの国にはある。
裁判所があれほど過大な需要予測を合理的と判断したのもその延長線上にある。

今、わが国において必要なのは公共政策における費用便益比の再構築だが、国民の学力低下の中では理解は進まないしこれだけではうまくいかない。
まして、現政権の信用力低下の中では何をかいわんや。
残念ながら、現状では負のスパイラルは止まるという希望は見いだせない。

時差ぼけする間もなし

2010-03-28 22:11:00 | ノンジャンル
早くも活動全開。
県監査委員の非開示に対する意見書も無事作成完了。
以下に県民の今後の参考に例として添付しておく。
ikensyo1.pdf

現在注目すべきは税金で観光客に補助して訪中団にカウントするという補助金だ。
地方自治法232条に規定の「公益上必要がある場合」にとはまったくの自由裁量でないことは判例でも示されている。例え県議会で通ってもそのことで公益上の必要が認められるものでないことも同様に判例が出ている。

今後敵方が詰める訪中団事業の詳細を見極めたうえで、住民監査請求の可能性について検討していく必要がある。

時差ぼけしてる間もないが、3月下旬の休養というのは新年度に向けてかなり有効と分かった。来年以降も同じ時期に行けるよう計画を立てたい。

写真整理がまだできないが、今日も1枚


帰国しましたので活動再開します

2010-03-26 20:34:00 | ノンジャンル

17日から留守にしておりましたが、昨日、無事帰国しました。

さて、出国前に記しておいた(http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/556.html)うちの2~4に状況変化がありましたのでまずは報告を。

2については、皆様すでにご存じのとおり「原告の請求棄却」という予想どおりのお粗末な判決でした。
判決の全文を見たわけではなく報道の限りですが、需要予測は国土交通省の最新モデルに基づいている、開港後の現実と齟齬が生ずる部分があるものの認定当時の予測としては合理性が認められる、などと静岡地裁の川口代志子裁判長は判断したとのことですが、もちろん単純な利用者総数の齟齬なら景気やインフルエンザも理由にできるでしょうが、静岡空港需要予測の問題の本質は訴訟でも主張したとおりモデルそのものではなくデータの改ざんにあります。その証拠が需要予測上の3路線(札幌、福岡、沖縄)の予測と実績の構成比です。(http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/547.html
この改ざんの概要はhttp://www.s-jichiroren.com/juyo36.htmlのとおり、悪天候補正として北海道便だけを水増ししたからです。
結論としては、この国で裁判所は正しい判断をするという幻想は捨てるべきです。
しょせんは役所です。
次に3ですが、私の出国に合わせたように監査委員の意見書が発送され届いてました。
1月4日に異議申し立てを行ってから2か月以上もかけて作った意見書にしては不出来な上に、異議申立人には2か月も猶予を与えてくれず実質2週間で反論せよとのことです。
とはいえ、想定していたとおりというか、注文どおりに罠にはまってくれましたので週明けには提出できそうです。
小が大の敵を喰うには罠は非常に有効です。

最後に4ですが、今日、仕事から帰って早速平成16年度以降の「県民だより」と「静岡県議会だより」の会計書類(契約執行伺、支出負担行為伺、支出票)等を公文書開示請求しました。
4月と出納整理期間後の6月にも空港関係の公文書開示請求(http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/495.html)(http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/487.html)の下半期部分を請求の予定です。
なお、自所にも開示請求する可能性もあるため今年は活動をよりオープンにし、役人とは一線を画していきますのでいわゆる不意打ちはなくなるものと思います。より緊張感をもって仕事をしていただけるものとも期待しております。

記念に最後にもう一枚貼ってとりあえず今日は早く寝ます。眠い・・・


<告知> 17日(水)~25日(木)の間、休止します。

2010-03-17 05:26:00 | お知らせ
国内不在のため、3月17日(水)~25日(木)の間、休止します。
Eメールにも御返答できません。
よろしくご承知おきください。

なお、(私の携帯番号等をご存知の方につきましては、)現地時間は8時間遡る時間となりますので、日本時間午前7時から午後3時までの電話はご遠慮ください。携帯メールについては常時可能ですが、事後確認モードとしますのですぐに返信できませんのでご承知おきください。

休養後は、新年度に向けさらにパワーアップして、よりよき未来のためにこの国と県の行政の欺瞞を暴いていくことに身命を捧げていきたいと思います。引き続き皆様のご支援ご協力よろしくお願いします。

2010.3.14