「県政オンブズマン静岡(静岡県庁の光と闇)~よりよき未来のために~」管理人のブログ

注)teacupブログから移転の2022年5月以前の投稿には、文字コードの違いから多くの文字化けがあります。

フェーズ5へ

2009-04-30 07:06:00 | 新型インフルエンザ
WHOは警戒段階をフェーズ5に引き上げた。

なお、フェーズが上がっても、現状、国内発生がないことから基本的に昨日までと日常生活上異なることはない。
新ガイドライン上、依然として第一段階の海外発生期であり、第二段階の国内発生早期ではない。

米国での死亡例

2009-04-29 23:56:00 | 新型インフルエンザ
今日は何事もなく無事終わりそうだ。
そんな中注目のニュースだったのはメキシコ以外での死亡例。
もちろん通常の季節性インフルエンザでさえ手遅れで肺炎を併発し死亡することは珍しくないのでメキシコ以外での死亡者もあって何ら不思議ではない。
問題はどのような状況で死亡したのかだ。
ウイルスがタミフル耐性を獲得したとしたら一大事だ。
結局、今現在の情報では、メキシコ以外の初の死亡例としてアメリカで1歳11カ月の幼児が死亡との報道があり、その詳細が不明だったが、最新の情報では2週間も前からメキシコで発病していた幼児で重症化し渡米して治療中だったとのことである。
いわば、発見の遅れが招いた不幸な死であろう。

流行国から帰国し寒気がしたら黄色信号、その後高熱となったら赤信号、即保健所に連絡し受診を決断されたい。

海外渡航はよく考え、覚悟を持つべき。

2009-04-29 12:05:00 | 新型インフルエンザ
お隣の韓国でもメキシコからの帰国者に感染の可能性が高い「推定患者」が見つかったようである。
今後、アジア各国にも拡大するだろう。日本も例外ではないかもしれない。

有効とされているタミフルとリレンザは発熱から48時間以内の有効性は認められているが、それ以降の有効性は認められていない(H5N1は別である)。
そもそもウイルスの増殖を抑える薬なので早期であればあるほど効果があるのであって、ウイルスを殺す(不活化する)薬ではないからだ。
手遅れになって肺炎を併発すればもはや抗生物質で肺炎の原因菌を殺しながら自己の免疫力によるインフルエンザウイルス抑制に期待するしかなくなる。これが危険な状態なのである。通常のインフルエンザでさえ流行年次には人口動態を左右するほどで、毎年毎年、予防接種や手洗い・うがい・マスクが呼びかけられるのもそのためだ。
アジアには医療環境が劣悪なところも多く、合併症の原因となる細菌をもらいやすい衛生環境のところが多い。
医療崩壊などといっても、やはり日本の医療はアジア各国に比べれば優れているのだ。
何よりも、体調が悪くなったときの意思疎通に必要な言葉の問題がない。

よって、もちろん個人的見解であるが、新型インフルエンザが落ち着くまではよほどの理由がない限り2日以上滞在の渡航はやめることをお勧めする。
最悪、二度と日本の土を踏めないかもという覚悟で行ってほしい。

ひとときの安息

2009-04-29 10:16:00 | 日記
土日があってなきような状況だったのとは打って変わり昨夜が遅かったのもあるが久しぶりに安眠したため、はや10時を回るというのんびりした出だしとなった。
というのも、緊急用携帯の携帯者を上位者からに変更してもらったからだ。
医療機関から患者疑いの判断を求められたときに、ちょっと待ってください所長に連絡を取ってから連絡します、などと悠長なことを言っていたら何のための緊急電話だということになる。
情報が入ったら即判断・行動へという流れにするためにはもちろん組織の規模にもよるが、自身で責任を持ってその場で判断できる者から順に携帯するのが合理的である。
もちろん、携帯者だけで対応せよということではない。
携帯者の判断に基づき召集できるように、実際の初動に従事する必要職員は輪番で担保しての話だ。
いわば司令塔の役目をせよということで、本来の役割のはずなのだが、いろんな消極的理由をもってなかなか実現に至らなかったのだが、今回のような緊急事態の状況もあって、ついに、何のために管理職手当て貰ってるんだと厳しく言って、かねてからの懸案を解決させてもらった。
とにかく、役所というのは慣例を覆すには、例え合理性があっても相当のエネルギーが必要だ。裏金始め悪慣行が世間の常識とかけ離れても残っていたのも無理はない。

今日はとりあえずいざというときの出動要員であるが、まだ出番はないだろう。
ゴールデンウィーク中やその後が心配だ。
ただでさえ(どこの国からに限らず)帰国後体調を崩すことは多い。
心配になった帰国者が相談の上受診希望をしたら対応しなければならないだろう。
理はともかくある意味上に押し付けるような形になった手前、できるだけのサメ[トはしなければならない。ちょうど在宅でやることも多いので輪番以外のときでも即応できるようにしておくつもりだ。

新型インフルエンザ(その2)

2009-04-28 23:35:00 | 新型インフルエンザ
専門家とはある意味損な役割だ。
このブログでは当初から弱毒型で早期発見早期治療でそれほど心配は要らないと書いているが(http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/381.html)ようやく弱毒型と認知されるようになってきたからだ。
恐らく事件が公になった当初から彼らも今回の新型インフルエンザが弱毒型であることは分かっていたはずなのだが、万が一を考えると「可能性もある」という言葉をつけて保険をかけなければ専門家生命につながりかねないのが災いして、その万が一の方がかえって大げさに報道されてしまったのが実相であろう。
今年2月に私が講師となって行った講演でも取り上げたが、そもそも、強毒型か弱毒型かはウイルス表面に突き出たヘマグルチニンの開裂部位の塩基配列に一義的に依拠するものであって、現在H5とH7でしか強毒型特有の塩基配列(アルギニンやリジンといったアミノ酸が6~8個並んだ特異な配列、通常は1個)となっていない。
その強毒型は、宿主すなわち人の全身の臓器に存在するタンパク質分解酵素で開裂しウイルスが細胞内に進入・増殖するが、開裂部位が特異でない塩基配列の場合は呼吸器など限定された臓器にしか存在しないタンパク質分解酵素で開裂しそこにおいてしか進入しないから(全身でウイルスが増殖しない)弱毒型というのである。
もちろん弱毒型が合わさっても絶対に特異な配列にならないとはいえないが、世界的な鳥インフル監視状況の中で何の兆候なしにH1が突然強毒型にとは考えられない。

さらに、公になった段階にあっても、強毒型特有の多臓器不全での死という惨状が報道されなかったことは1月以上のメキシコでのまん延状況から考えて、その死のほとんどは通常のインフルエンザ同様の肺炎合併症例との推測はつく。

若年層での死亡例にしても弱毒型のスパニッシュインフルエンザと同様、若い人ほど活動的で感染の危険があることに加え、適切な医療に早期に結びつかなかった、特に現在では、たかが風邪という過信が災いし手遅れになりやすい、と考えればそれほど不自然ではない。

とりあえずフェーズは4に上がり、新型インフルエンザと認定されたわけだが、本命のH5N1ではなかったのは幸いというべきだ。
今回の一連の事件は天が人類に与えた本番前の予行演習として貴重な体験となっていくであろう。