「県政オンブズマン静岡(静岡県庁の光と闇)~よりよき未来のために~」管理人のブログ

注)teacupブログから移転の2022年5月以前の投稿には、文字コードの違いから多くの文字化けがあります。

健康福祉部企画調整費の闇

2012-06-30 21:34:00 | H24県予算評価
今日は県が一般に公表していないブラックボックス予算「健康福祉部企画調整費」の使途を紹介する。


議会で認められた予算の使途は「健康福祉施策の推進に必要な調査等を行う。」というものだが、その実態は①(まるいち)の3件と③(まるさん)の3件で146万6千円、6%程度が調査等というべきもので、残りの大部は開示された公文書によれば「年度途中における緊急の行政課題への対応経費(15件)」というものである。

しかしこの15件を個別具体に見ると、別予算で事業化された「食育推進全国大会」事業の実質予算増額ともいうべき「第6回食育推進全国大会関連事業」(②の4番目)が、前述調査費用を上回る257万円も使われている。
御丁寧にも、この説明には「広報関係事業の追加」としてうちわ4万枚作成などと書かれており、本来の予算で行うべき事業をこの「企画調整費」で実質増額補正していたことは明白である。

また、②の中の「モンゴル公式訪問」や「中国訪問事業」がどうして緊急の行政課題なのか?
トイレの改修や図書の更新などというものにまで「企画調整費」で可能となればもはや予算制度の意味も希薄だ。
どんぶり勘定で使途自由なこのような予算こそ、せめて事後にでもその使途を自ら公開して評価に付すべきであろう。

交通基盤部企画調整費の闇

2012-06-28 19:28:00 | H24県予算評価
今日は交通基盤部企画調整費の使途を紹介する。

予算議案上の予算の説明(使途)は「交通基盤施策の推進に必要な調査等を行う。」というものであるが、個別具体的な13事業を見ればこれまで紹介した部局調整費に比べれば調査研究に係る事業が多いものの、本来は独立した事業費として予算化すべき使途も目立つ。
10番の「新東名高速道路開通記念イベント関連事業」、11番の「富士山静岡空港ターミナル地区西側駐機場供用開始イベント開催事業費」、「富士山の日関連空港賑わいイベント開催事業」などのイベント事業費は、「企画調整費」に紛れ込ませるべきものではなく独立した事業予算に組み込むべきものである。
そうでなければ、何度もいうが議会の予算審議が無意味化する。
また、実質、表向きの空港予算以外にこういうものがあるというのでは空港関連予算を低く見せるための隠ぺいと同意といえる。

13番の「交通基盤部釜山研修派遣費」などは視察研修となっているが、なぜ釜山なのか?
静岡空港からのチャーター便の空席を埋めるための詭弁のように見える。
この手の「視察研修」は要チェックであり、追加の公文書開示請求の優先対象だ。

また、2番のリクルート事業であるが、若手職員による出身大学訪問であるとか見学ツアーであるとか、本来、事業内容が適切なのか議論があるべきで、こういうものが県議会の予算審議なしに行える「企画調整費」のブラックボックスぶりを象徴する事業である。

文化観光部企画調整費の闇

2012-06-26 22:49:00 | H24県予算評価
今日は文化・観光部の企画調整費を紹介する。

見てのとおり空港関係の支出が約半分を占めている。

この「文化・観光部企画調整費」もまた、予算説明上は「文化・観光部施策の推進に必要な調査等を行う。」とされているものだが、どんな調査をしているのかと思いきや、役人による議会スルーの新規事業が居並ぶ。
特に7番の「台湾定期便利用促進事業」約896万円や8番の「新規路線利用促進及び新規就航促進業務」などは、本来、議会で審議され事業として予算額を決めた

空港企画広報推進事業費  19,400,000
空港競争力強化事業費  373,000,000
空港定期便拡充促進事業費  180,000,000
航空物流推進事業費   12,000,000

などの予算で行うべきものだが、この企画調整費によって事実上予算増額という結果をもたらしている。
表向きの空港予算以外にもこういった隠れ空港予算があるのが現実だ。

本年度予算の策定過程で県議会が予算縮減を求め、現実に縮減した事業があったが、この企画調整費を使えば議会の抵抗もむなしい。
財務省の前に国会議員が無力であるように、県庁役人の前に県議会も無力である。
それにしても、県議会での川勝や県議らの(静岡県)ふじのくに人民服(武襯衣(むしゃ))姿が、かつての中国に似てよく似合う。

企画広報部県政推進調整費の闇

2012-06-25 20:50:00 | H24県予算評価
平成23年度の予算額4,580万円に対して本年度予算6,350万円とこのご時世に増額著しい企画広報部の県政推進調整費。

しかも県議会で可決した予算上はすべて委託料。議案書では「県政を推進する上で必要な調査等を行う。」との説明しかない。

では、実際この予算がどのように使われたのか?
そして、今回開示された公文書は次のとおり。

予算額4,580万円に対して、この文書上では約1,989万円しか使われていないことになる。
この疑問の答えはまもなく開かれる県議会の決算から明らかになってくるものだが、一方でなぜ今年度予算で大幅増となったのかの疑問は晴れない。
うがった見方をすれば、来年の知事選に向けて自由に使えるお金を確保したとも見えなくもない。

さて、その使途についてであるが、県議会で認められた使途である「県政を推進する上で必要な調査を行う。」との説明からは想像できない税金の使われ方が見て取れる。
静岡茶の新聞広告に580万円を筆頭に、浙江省との友好提携30周年記念広報用の広報グッズ作成に451万円、トークショーに299万円、さらに、部長執務室の備品費用に18万円というものまである。
肝心の「県政を推進する上で必要な調査」は見当たらない。

議会が干渉できない役人の自由な予算「部局調整費」。
役人の前では、裸の王様は知事だけでなく県議会も同様である。

このシロアリ巣食う構造を放置して今消費税が増税されようとしている。
本当に日本人は人が良すぎる。

深まる闇、経済産業部企画調整費

2012-06-23 23:05:00 | 近況活動報告
5月8日に受理された「平成23年度経済産業部企画調整費の具体的使途のわかる公文書(取りまとめたものがなければ同事業費に係る支出負担行為伺のすべて)」の公文書開示請求

そして開示されたのが5月29日に紹介の公文書
その筆頭に記載されていたのが「財務会計の適正執行推進事業」であり、内容は「年間を通じた適正な経理処理の執行等を図るため、部内の経理担当者を対象とした会議の開催、経理監付職員等による出先機関巡回指導、コンプライアンス研修会を実施する。」の80万円であることはこれまでに記したとおりであるが、このたび公開されたこの80万円の具体的使途に対して公開されたのが次の公文書である。

見てのとおり「財務会計の適正執行推進事業」として費消された企画調整費の合計金額は335,713円でしかない。

「平成23年度経済産業部企画調整費の具体的使途のわかる公文書(取りまとめたものがなければ同事業費に係る支出負担行為伺のすべて)」として公開された公文書には80万円と記載されているのにどうしたことなのか。

差額はどこに行ってしまったのか?
執行残となっているのか別の使途で費消されたのか?
何の説明もない。不誠実極まりない公文書の開示姿勢だ。

そもそも、「年間を通じた適正な経理処理の執行等を図るため、部内の経理担当者を対象とした会議の開催、経理監付職員等による出先機関巡回指導、コンプライアンス研修会を実施する」という目的と実際の使い方(ほとんどが定型的会議の旅費に使われている)はあまりにかけ離れている。

今回のように追加の請求をしなかったら、あやうく役人にだまされるところであった。
闇深い経済産業部。
現在、開示期限の延長でまだ公開されていないモンゴル関係の2事業の開示の後、この部局については抽出ではなくすべての企画調整費事業について精査する必要がありそうだ。