「県政オンブズマン静岡(静岡県庁の光と闇)~よりよき未来のために~」管理人のブログ

注)teacupブログから移転の2022年5月以前の投稿には、文字コードの違いから多くの文字化けがあります。

第23回全国市民オンブズマン香川大会報告その3

2016-10-03 19:20:00 | 近況活動報告
今日は各地報告で発表のあった仙台市民オンブズマンによる「議会の海外視察」訴訟についてです。
事件は「平成26年3月のニュージーランド視察について、視察に名を借りた観光旅行で違法不当」と主張し地裁で係争中のものです。
視察の目的はエネルギー問題や環境保護対策などと、いかにも有意義というテーマで視察に行っていますが、約360万円(一人90万円、4人)かけた成果であるその報告書はわずか10ページというお粗末なもの。
さらに、裁判では事前にそのテーマについて何を調べるかの事前検討すらされていなかったことなど、ずさんな視察実態が明らかになっています。

振り返って、先日HPにて特集し、不正旅費支出のあった海外視察「篠原清志部長の優雅な海外視察」について見返すと、視察目的である「フランス国内での食品関連産業クラスターの調査」「景観を生かした地域産業の振興の調査」と一応の名目は付けているものの、事前に視察での調査事項を精査したとは到底思えない報告書が5枚。しかも、試飲のできるワイナリーの入場料まで税金で支払い、成果のまとめに記載された内容9項目が何にどう生かされるのか全く不明である。

この裁判の行方を注視しつつ、改めて視察について監視と公表を強化していきたい。




第23回全国市民オンブズマン香川大会報告その2

2016-10-02 21:36:00 | 近況活動報告
今日も政務活動費の続きです。

まずはじめに、「政務活動費」そのものについて、振り返ってみましょう。
実は「政務活動費」というのは2012年の地方自治法改正によって「政務調査費」から衣替えした経費です。
これが単なる名称変更でないことは、過去のブログ記事「第20回全国市民オンブズマン京都大会報告その2」をご覧ください。
無関心が生んだ悲劇とも言える法の改悪でした。
今は、住民訴訟で訴えられる首長の責任を逃れさせようとの法改正が進められています。
無関心によって、歴史は何度も繰り返されるのです。
大会分科会の中でのある先生の「誰かがなんとかしてくれるというのではダメ。おかしいと思ったら自分でなんとかしないと。」との言葉が印象に残りました。そのとおりなのです。
それこそが社会人としての責任感です。

政務活動費の不正使用をしてきた議員んが悪いのは当然です。
でも、それを許してきた責任は我々にないのでしょうか。

以下は、富山市における政務活動費の不正の手口を整理したものです。
会社印鑑の作成まで行くと、数字書き足しと違って一見すると本物でしかありません。
見分けようとすれば、本物の社印と照合するか、会社に裏をとる取材が必要になります。
白紙領収書については、発行した者と口裏を合わせていたら、現に取引があったかを確認しなくてはなりませんから、容易なことではありません。
そういう意味でも領収書のWeb公開は多くの目に触れることにより内部通報等のきっかけにもなり有効なのです。
何よりも、積極的に公開されるとわかっていたら、不正使用との動機も起きにくくなるでしょう。
我々一人一人が社会人として、市民として、その責任感を持って実際に調査するというのは現実的ではありませんが、こういう情報公開化へ制度・仕組みを変える働きかけをすることでも十分その責任は果たせるのです。
ぜひ、みんさんのこえを政治や行政に届けましょう。


第23回全国市民オンブズマン香川大会報告その1

2016-10-01 19:43:00 | 近況活動報告
先週開催された第23回全国市民オンブズマン香川大会について、今日から数回に分けて報告します。
最初は、今大会のメインテーマにもなっている「政務活動費」についてです。

自民系会派と民進系会派による政務活動費の不正使用で全国ニュースにもなっている富山市議会は、政務活動費の執行率が100%(ちなみに、公明党、社民党、共産党系の会派も100%なのは、以前は使いきれずに返納していたため、議長からもっと政務活動をするようにと指導があったためとのことです)と突出し、しかも政務活動費の公表状況も以下のとおり消極的でした。
1 執行率・・・100%(平成27年度)
2 情報公開請求以外での閲覧の可否・・・不可
3 会計帳簿の作成義務と公表・・・なし
4 活動報告書の作成義務と公表・・・あり(情報公開請求必要)
5 視察報告書の作成義務と公表・・・あり(情報公開請求必要)
6 HP(Web)での領収書公開・・・なし
7 領収書開示請求でのCDによる提供・・・なし

では、かつて不正使用が全国的に注目を集めた兵庫県の現在はどうでしょう。
1 執行率・・・66.4%(平成27年度)
2 情報公開請求以外での閲覧の可否・・・可(Web)
3 会計帳簿の作成義務と公表・・・あり(Web公開)
4 活動報告書の作成義務と公表・・・あり(Web公開)
5 視察報告書の作成義務と公表・・・あり(Web公開)
6 HP(Web)での領収書公開・・・あり
7 領収書開示請求でのCDによる提供・・・あり

公明正大に政務活動をするならば、こういう結果になるはずです。

では、我が静岡県議会はどうでしょう。
1 執行率・・・89.3%(平成27年度)
2 情報公開請求以外での閲覧の可否・・・可(県庁での閲覧)
3 会計帳簿の作成義務と公表・・・なし
4 活動報告書の作成義務と公表・・・なし
5 視察報告書の作成義務と公表・・・あり(情報公開請求必要)
6 HP(Web)での領収書公開・・・なし
7 領収書開示請求でのCDによる提供・・・なし

情けないことに、富山市に近い状況です。

一方、川勝知事が県都構想で県の管轄下に置き自治を奪おうとしている静岡市はどうでしょう。
1 執行率・・・83.7%(平成27年度)
2 情報公開請求以外での閲覧の可否・・・可(市役所での閲覧)
3 会計帳簿の作成義務と公表・・・あり(市役所での閲覧)
4 活動報告書の作成義務と公表・・・あり(市役所での閲覧)
5 視察報告書の作成義務と公表・・・あり(市役所での閲覧)
6 HP(Web)での領収書公開・・・なし
7 領収書開示請求でのCDによる提供・・・あり

決して十分ではありませんが、静岡県議会に比べたらはるかに情報公開が進んでいます。

では、静岡市と違って川勝知事が評価している浜松市はというと。
1 執行率・・・91.3%(平成27年度)
2 情報公開請求以外での閲覧の可否・・・不可
3 会計帳簿の作成義務と公表・・・なし
4 活動報告書の作成義務と公表・・・なし
5 視察報告書の作成義務と公表・・・あり(情報公開請求必要)
6 HP(Web)での領収書公開・・・なし
7 領収書開示請求でのCDによる提供・・・なし

富山市議会並みのブラックボックスです。

大会では、特に領収書の公開が重視されました。
やましいことがなければ公開しても差し支えないはずです。
しかも、公文書開示請求で膨大なコピーを取るよりもCDで公開した方が効率的です。
逆にやましいことがあるからなるべく市民の目に触れないように隠そうとするのです。

そこで、今大会では、大会宣言に加え、以下の決議がなされました。県民、市民に胸の張れる政務活動を公明正大に行って欲しいものです。
(特記:既に報道されているとおり、静岡県内では藤枝市議会が県内初となる政務活動費領収書のWeb公開を今年度から始めることが明らかになりました。地域住民とともにあろうとする議会というのは実に羨ましいです。)