「県政オンブズマン静岡(静岡県庁の光と闇)~よりよき未来のために~」管理人のブログ

注)teacupブログから移転の2022年5月以前の投稿には、文字コードの違いから多くの文字化けがあります。

ターミナル地区西側整備事業費38,000,000円

2012-04-25 22:17:00 | H24県予算評価
平成24年度静岡県予算のうち「ターミナル地区西側整備事業費」3,800万円について、以下に短評する。

この事業の目的は予算調書に記載のとおり「空港西側地区に民間航空関連事業の誘致を進めるための交通基盤」というもので昨年度からの継続事業である。
ちなみに昨年度のこの事業は28億円をかけて西側小型機エプロン整備を行っている。
そして今年度はその継続として、格納庫建設と格納庫地のライフライン整備のため3,800万円を予算化したものである。

利用者が右肩下がりとなり路線も増えない中で、なぜこれだけの追加投資をするのかという疑問も当然あるべきだが、公共事業とは先行事業が良くても悪くても理由をつけては継続していくことが彼ら役人とそれにたかる政治家や企業群にとっては「最善」なのである。

実際、民間ならば予測が大きく外れた失敗事業への追加投資にはより慎重になり、費用対効果の検証は不可欠であるが、彼ら役人たちは「事業の必要性」として「格納庫地区のライフライン整備を県が行うことで、富士山静岡空港の利便性の向上を図る」としたのみで、実に安易に予算化を行っている。
「風が吹けば桶屋が儲かる」式の論理で予算がお手盛りできる静岡県の財政運営を見ればこの県政に希望が見えないのも無理からぬことだ。要するに県民不在なのだ。予算の見えない化は、役人と政治家の蜜月を支えている主要な原因の一つだ。

<巻末資料>
参考に民間で企画書にあたる県の予算調書を添付する。県ではこの程度の企画能力で予算が付くというレベルの低さをご確認いただきたい。静岡県が改革進む大阪府のように予算編成過程の情報公開ができない理由もよくわかることでしょう。
「ターミナル地区西側整備事業費PDF」

富士山静岡空港利便性向上事業費223,744,000円

2012-04-15 19:39:00 | H24県予算評価
平成24年度静岡県予算のうち「富士山静岡空港利便性向上事業費」2億2,374万4千円について、以下に短評する。

この事業の目的は予算調書に記載のとおり「利用者の満足度を高め、より多くの利用に結びつけるため、空港施設等の利便性向上、質の高いサービスの提供を図る」というもので昨年度からの継続事業である。
継続事業であるので、過去の成果を彼らがどのように評価しているかをまず見てみよう。

自己評価として、「1年間を通じて、呈茶サービス、富士山PR、県内産業・観光のPRなど、広く静岡県の情報を発信することができた。引き続き本県のPR行っていく。」「県外、国外の静岡空港利用者に静岡の魅力の発信やおもてなしを行うことにより、静岡県への再訪に貢献した。」

根拠なき手前味噌な自己満足。まるで小学生の作文だ。こんな自己評価を根拠に税金が垂れ流されているのが本県行財政の特質である。
まともな反省ができずに発展などあろうはずがない。
空港の民間委託よりも、県行政の民間委託のほうが先決のようだ。

さて、この予算の内訳であるが、本年度は県職員天下り先の企業富士山静岡空港株式会社への補助金が1億6,927万5千円と最大で、これは旅客搭乗橋の整備に対する補助金である。
空港ターミナルビルと同じように県は補助という形で天下り法人に整備させ、その天下り法人が県が補助する航空会社に貸し出すことで収益を上げるという天下り会社支援の仕組みである。

次に多いのが公的利活用スペースとして空港ターミナルビルを借りる賃料で4,235万1千円、他部局分の利活用スペースを含めると8,609万7千円にもなる。これもすべて、天下り法人にして黒字経営を誇る「富士山静岡空港株式会社」に支払われるものである。

県は大赤字で「富士山静岡空港株式会社」が儲かり、高給の役員が居座る構造は石川県政のたくらみの遺産だ。
ずばり、この予算の本質は「富士山静岡空港株式会社」支援のための予算である。


<巻末資料>
参考に民間で企画書にあたる県の予算調書を添付する。県ではこの程度の企画能力で予算が付くというレベルの低さをご確認いただきたい。静岡県が改革進む大阪府のように予算編成過程の情報公開ができない理由もよくわかることでしょう。
「富士山静岡空港利便性向上事業費PDF」

静岡空港利用者の推移(開港3年目第10月)~税金投じ続けても震災時並み~

2012-04-09 19:06:00 | 静岡空港
静岡空港利用者数(搭乗者数)の推移

(注)開港初年については月ごとの発表のなかった上海便各月推計データを加味した上で3か年を比較したグラフです。
以下、開港3年目の第10月となる3月実績に基づき傾向を概観する。
<傾向等>
昨年3月の震災により急減した前年同月に比べた本年の実績(公表値)は、震災前の初年度比で9か月間平均の水準で推移すると仮定し推計した値を下回り、結局震災直後の状況とほぼ同じ67人増の40,796人(対前年比100.2%)にとどまった。
これにより、3年目の年計は初年の63万人、2年目の51万人をさらに下回る43万人程度と推計され、右肩下がりの状況である。
ただし、年間で需要の多い3月ということもあるが搭乗率は高めであり、無駄な路線が整理され底を打つ日も近いと見られるが、上昇への気配はまったく見られない。
この低迷を口実に、ほとんど県民への恩恵もないままでの税金垂れ流し状況の固定化が懸念される。

では、以下に今月の実績を記す。
<平成24年3月までの実績:対前年同月比>
路線:搭乗者数対前年同月比(H24.3/H23.3):搭乗率[H24.3;H23.3]

札幌線:145.4%(6,717人/4,619人):[72.0%;57.6%]
福岡線:133.3%(7,541人/5,656人):[76.8%;52.7%]
沖縄線:97.2%(6,015人/6,189人):[84.3%;83.2%]
小松線:-%(-人/997人):[-%;57.4%]
熊本線:-%(-人/1,806人):[-%;36.7%]
松本線:-%(-人/2,956人):[-%;76.2%]
鹿児島線:95.2%(2,009人/2,111人):[74.9%;43.5%]

国内定期便計:91.6%(22,282人/24,334人):[76.9%;58.5%]

国内線チャーター便計:25.6%(238人/929人):[79.3%;80.9%]

ソウル線:109.4%(12,720人/11,630人):[66.5%;53.7%]
上海線:86.9%(1,909人/2,198人):[61.1%;49.3%]

国際線定期便計:105.8%(14,629人/13,828人):[65.8%;52.9%]

国際線チャーター便計:222.6%(3,647人/1,638人):[67.6%;65.5%]

全路線計:100.2%(40,796人/40,729人):[71.7%;57.1%)]

空港行政費25,440,000円

2012-04-08 22:35:00 | H24県予算評価
平成24年度静岡県予算のうち「空港行政費」2,544万円について、以下に短評する。

この事業の目的は予算調書に記載のとおり「内部管理業務」であり、うち4割ほどが「空港管理事務所島田支局」の運営費である。
事務所の運営費とは電気・ガス・水道や職員の旅費、非常勤職員の報酬、木々質の賃料など一般的なものでこれといった特徴はない。
残り6割ほどは本庁の内部管理分であるが、この中で最も多いのが県職員の旅費482万5千円である。
積算根拠中に
会議・行事参加として、
15,600円×6人×12月=1,123,200円との記述があるが、それ以上の具体的根拠は示されていない。

戦略の位置づけで「効率的な行政運営」となっているが、本当にこの趣獅ノ沿ったものか、本年度の実績を年度末には公文書の開示請求を通じて検証してみたい。

<巻末資料>
参考に民間で企画書にあたる県の予算調書を添付する。県ではこの程度の企画能力で予算が付くというレベルの低さをご確認いただきたい。静岡県が改革進む大阪府のように予算編成過程の情報公開ができない理由もよくわかることでしょう。
「空港行政費PDF」

浙江省友好提携30周年記念事業費27,525,000円

2012-04-05 21:57:00 | H24県予算評価
今日は本来は「空港行政費」の順番であるが、昨日開催された浙江省友好提携30周年記念式典にちなみ、この予算を紹介する。

目的の詳細は長いので上の画像または末尾のPDFを見ていただくとして、要は「本県と浙江省の素晴らしさを両県省民が共有すること」と「30年にわたる交流の成果に基づき、相互にメリットのある交流を一層促進する」ことの二つである。
注目は実施方法の欄に、「実施主体」として「県内の民放テレビ局、広報作成ツール制作会社」とあることで、最近の報道の扱いの大きさも納得だ。

予算のうち最も大きいのが予算の4割を占める「友好提携30周年記念品交換」1,100万円であり、以下のとおり、うち1千万円が(本県が贈呈する記念品制作の)委託料である。どこに委託するか不明だが、実施主体の「広報作成ツール制作会社」というのが気になる。これについては、今年度中に公文書開示請求でその全容を解明したい。

さて、記念品の次に多いのが、昨日来の浙江省代表団受け入れ、記念式典、交流会にかかる費用であるが、これは1,004万5千円の予算で全体の36%に相当する。
節別内訳をみれば委託料に次いで多い「食糧費」が大きな割合を占めているのがわかるが、これはその字のとおり飲み食いの費用である。その次に会場の使用料などの「使用料賃借料」が大きいが、友好代表団の宿泊料のほか一室10万円の県知事らの控室の費用も含まれている。

まあ、30周年という区切りでにぎやかにというのも分からなくもないが、枯渇している「税金」を使ってやるということを認識してのことかと疑いたくもなる。
そもそも、「30年にわたる交流の成果」や「相互にメリットある交流」について、具体的記載は一切ない。これで事業の検証が可能であろうか。
抽象的な言葉だけで予算化する姿勢は考え物である。民間でこのような抽象的な根拠のみで事業化する例はあるまい。
根本的に県民不在の予算案作成過程のブラックボックス化が査定能力だけでなく事情企画力の劣化をも招いている。
ゆえに、本県で無駄がなくなるわけがないのである。

<巻末資料>
参考に民間で企画書にあたる県の予算調書を添付する。県ではこの程度の企画能力で予算が付くというレベルの低さをご確認いただきたい。静岡県が改革進む大阪府のように予算編成過程の情報公開ができない理由もよくわかることでしょう。
「浙江省友好提携30周年記念事業費PDF」