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朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

安価で頑固な(?)本格カレー 神保町『仙臺(せんだい)』

2021年04月14日 | カレー、ハヤシ
夏の大会の前哨戦となる、高校野球・春季東京都大会が開幕。
母校日大三は、ここまで3勝を挙げ、ベスト8に進出しているが、試合内容は正直冴えない。
先日の3回戦では、8回までの24アウトのうち、20個がフライアウトという奇跡(?)を起こした。
フライばっかり打ち上げる野球部を嘆き、試合後のランチは揚げ物を食べまくろうと決意。発想が単純だね。
高円寺『あげもんや』は、八王子球場からはちょいと遠いので、ココイチこと『CoCo壱番屋』で妥協。
「ポークカレー」普通サイズに、「ロースカツ」「フィッシュフライ」「クリームコロッケ」を乗せた。


いいトシこいて、バカ丸出しのオーダーである。計算してみたところ、総カロリーは1766だと。
カロリーよりも気になったのが価格。1176円とはずいぶん高くなった…あ、それは追加トッピングのせいか。
とはいえ、基本のポークカレーも、現在は514円に。昔は400円くらいだったはず。
日本で一番有名なカレーチェーンでさえ514円なのに、自家製の本格カレーを、さらに安価で提供する個人店もある。
そのお店は、神保町の『仙臺』さん。「せんだい」と読むらしいが、もちろん私は知らなかった。


場所は神保町駅からほど近い、うどん『丸香』や担々麺『五ノ井』のある通り。マニア垂涎のストリートだね。
以前、この辺で日雇いをしていた帰りに寄ったが、コロナ禍もあり、最近はご無沙汰している。
以下で、過去に私が食べたメニューを、順に紹介していこう。

あるネット記事によると、こちらの店主はかつて、レストランの料理長やカレー店の社長も務めた、一流シェフらしい。
いかにも頑固オヤジ風で、眼光も鋭い(ダジャレではない)シェフとは、最低限の会話しかしたことがない。
とはいえ、店内はカウンター席のみだし、カレーだけでなく他の料理もお手頃価格なので、気安く入れるお店である。
最初の入店時、私はまず「生ビール」を頼み、「ビーフシチュー」をツマミに飲むことにした。
生ビール400円を飲みながら、カウンター越しに、頑固オヤジ殿の調理作業を見学させていただく。
ビーフシチューは、調理済みのものを温めるだけかと思いきや、
鍋にバターを溶かし、牛肉を炒め、野菜を煮込み…と、注文後に完成させるタイプであった。
数分後、手元にナイフとフォークが用意された。店構えはカレースタンド風だが、立派な洋食店のようだ。


数分後、高級店で使用しそうな、白くて四角いお皿に盛り付けられた、「ビーフシチュー」がやってきた。


第一印象は「想像と違う…」だ。なぜなら、これで980円だから。もっと取られそうなビジュアルである。


牛肉は柔らかく煮込まれていたので、不慣れなナイフとフォークは使わず、ハシとスプーンで食べた。
バターを加えたシチューのベースは、店主自慢のデミグラスソース。「ハヤシライス」も絶対にウマいだろう。
ビーフ以外の具材はポテト、人参、ピーマン、玉ねぎ、キノコ類、そしてブドウの実まで入っている。


ソースにはワインも使っているだろうから、原料のブドウを入れるのは、理にかなっているのかも。
スプーンを駆使し、余すことなくシチューをたいらげたのち、
シメのお食事として「ポークカレー」を追加。こちらはすぐに出てきた。


ハヤシライスのようなこげ茶色をした、じっくり煮込まれた欧風カレーが、なんと450円!
大きな豚肉がいくつか入っており、なかなかボリューミー。コクだけでなく、野菜由来と思われる甘味も感じた。
ご飯の量も、ココイチと同じ300グラムと、決して少なくないが、美味しかったのですぐに食べ終えた。


店主とは対照的に、温厚そうなお母さんにお会計をお願いし、「ごちそうさまでした」。

ちょっと店主は怖いけど、また食べにこよう、と決意した仙臺さんだが、
いかんせん、神保町界隈はウマい店が多いので、再訪したのは数ヶ月先となった。
この日もビールと一緒に一品料理。選んだのは、最高値の「牛たんやき」1400円。
最初の方で、お店の外看板の画像を掲載したが、そこに「牛たん」の文字があったのを覚えていただろうか。
店主は仙台出身で、屋号の「仙臺」は旧字らしいし。そして仙台といえば、牛タンが名物
値段以上の価値はあるだろうと期待し注文。今回も、店主の調理を眺めながらビールを飲む。
仕上げに、助手(息子さん?)の方が、たんに切れ込みを入れ、牛たんやきが完成!


ソテーされたピーマンとキャベツに、辛口の薬味2種、そして分厚い牛タンが4枚。


おそらく、大半の方が満足するのだろうが、貧乏性かつ、最近歯が悪くて硬い食品がツラい私は、
「タンは薄い方がいい」という結論に至ってしまった。頑固店主、ゴメン。
なお、最初にビールと牛たんやきを注文した際、店主に「お食事は?」とたずねられたので、
「あ、あとでカレーか何かを追加します」と返答したのだが、そのひと言が反映されたのか、
追加オーダー時、助手の方に「もうカレーしかできません」と告げられてしまった。
ラストオーダーの時間が近かったため、フライパンなどの後片付けを済ませてしまったようだ。
カレーか何かの「何か」には、オムライスも含んでいたのに…仕方なく「カツカレー」を注文。
牛たんやきを調理し終えた店主が、とんかつを丁寧に仕込んでいたのを眺めていたが、
自家製らしい柔らかそうなパン粉をつけたとんかつが、実にウマそうだったので。
数秒後、カツカレー680円がもう出てきた。安いのはありがたいが、カツは明らかに揚げ置きだ。


だいたい、フライパンを片付けたということは、油も落とした=揚げ物不可に決まっている。
どうやらさっきの「柔らかパン粉とんかつ」は、翌日に使う分の仕込みだったようだ。
カレーはともかく、揚げ置きのカツは、やっぱりイマイチだったね。


その後、仙臺さんを紹介した別のネット記事を目にした。それによると、
【店主は常に不機嫌】そうか、私の前だけじゃなかったんだ。
【長居する客は叱る】それは当然。私も飲食店勤務時代、混雑時は容赦なく長居客を追っ払った。
【夫婦仲はいい】店主が奥様に指示を出すときは、ちょっとドライな印象だが、不仲でないならよかった。
私が入店した時間は、そんなに混んでなかったので、ビールを飲んでゆっくりしたのだが、それもダメなのかなあ。

ネットでは、店主の態度を非難するコメントをたまに見かけるが、私はそれほど気にならない。
ニラまれたことはあるけど、理不尽に怒られたこともないし、彼のような職人気質は嫌いじゃない。
私が嫌いなのは、修行経験も料理の腕もなく、ラーメンしか作れねえくせに、妙にエラそうなバカ店員や、
調理、接客、お店の運営・経営、文章執筆などの経験もねえくせに、妙にエラそうな食べロガーだ。
店主自身も、ネット記事やTV番組などで、「頑固職人」扱いされているのは知っていたようだが、
態度を改める気はないらしい。私も今のままで、問題ないと思うよ。
あ、前回訪問時、ラストオーダー前なのに「カレー以外の注文不可」だったのは残念だったな(苦笑)。
というワケで、3度目の訪問では、「オムライス」を頼むことに。こちらが、最終訪問時のメニュー表。


昨年春頃、「さすがに安すぎた」と気付いたのか、少々値上げしメニュー数も絞った。
なお、昼と夜ではメニューが異なるが、昼は食事関係に限定しているだけで、価格自体は昼も夜も同じである。
ポークカレーは500円に改定されたが、それでもまだココイチより安い
カツカレーは730円、ビーフシチューは1200円、牛たんやきは1600円になったが、一般的には安価な部類だろう。

オムライスは、別に焼いたオムレツを、あとから乗せたり巻いたりするタイプもあるが、
こちらは、フライパンで炒めながら、オムレツでケチャップライスを包む、昔ながらの調理法だ。
数分後、頑固店主が慣れた手つきで、オムライス800円を完成させた。


この日はちょっと、包むのに失敗したのか、オムレツの中央部分が裂けたのを、ケチャップで隠し…


イヤ、これはきっと、猫舌の私が食べやすいように、密封を避けてくれたんだろう。ありがとうシェフ。
まあ、腹に入ってしまえば同じことだからね。実際、味自体は文句なかったし。
あと、付け合わせのかき玉スープが、意外とウマかったことも報告しておく。


お会計を済ませ、店主にも「ごちそうさまです」と告げると、「どうも~」と返事してくれた。
幡ヶ谷『スパイス』の親父さんと同様、こちらのシェフも、頑固かもしれないが決して偏屈ではない。
だいたい、あんな手の込んだカレーを、安く食べさせてくれる御方は、いい人に決まっている!
頑固職人の安価な本格カレー、近いうちにまた食べに行くぞ。



仙臺(せんだい)
東京都千代田区神田神保町1-64-1
地下鉄神保町駅から徒歩約5分、JR御茶ノ水駅から徒歩約9分、水道橋からは徒歩約8分
営業時間 11時~15時、15時半~21時 土曜は昼営業のみ
現在は20時閉店だと思われます
定休日 日曜、年末年始
※早めの店じまいあり
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