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朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

日本のカレーライスが好きだ。 幡ヶ谷『スパイス』

2020年11月19日 | カレー、ハヤシ
いまだに子供のような、ピュアな心(嘲笑)と味覚を持つ私は、当然カレーは大好物である。
ライスはもちろん、うどんやパン、カレー風味の料理も含め、キレンジャーのごとく食べまくっている。
近年は、水分多めのカレーをナンやサフランライスに添える、インド風のカレー店が増えているが、
私はやっぱり、とろみのあるソースを白いご飯にかけて食べる、日本風のカレーライスが好きだ。
そんな「日本のカレー」を出すお店で、もっともお気に入りなのが、渋谷区幡ヶ谷の『スパイス』さん。


喫茶店のような店構えのこちらのお店、創業は1973年。


私の初訪問は、今から30年ほど前。先輩に連れていかれ、ランチで利用したのだが、
安くてウマくて感激し、おまけに量が多くてビックリさせられた。
普通サイズでもじゅうぶん大盛で、食欲旺盛だった若い頃の私でさえ、大盛を頼むのは躊躇したくらいだ。
メニューは「ポーク」「ビーフ」「チキン」のカレー3種に、2種を組み合わせた「ミックス」、そして「大盛」。
あとは2種の「サラダ」とドリンク類のみで、トッピングも「たまご(生・ゆで)」だけで、カツやコロッケなどはない。
最近、コロナの影響でテイクアウト弁当が加わったが、初訪問時からほとんどメニューは変わっていない。
少数精鋭の品揃えながら、47年間も営業を続けていることが、こちらのカレーの美味しさを証明している。

下記が最近のメニュー表。「エッグカレー」はゆで玉子がゴロンと入る。「お子様カレー」は当然未食だ。

※以前はさらにハイグレードな「サラダC」もあった

はっきりとは覚えてないけれど、30年間で100円くらいしか値上げしていないのでは。
この日のオーダーは、甘口のポークと、辛口のチキンの合い盛り(ミックス)700円を大盛160円で。
まずは、コロナ以前は卓上に設置してあった、福神漬けとピーマンの漬物が小皿で出てきた。


緑と赤のコントラストが美しい…と見とれているうちに、待望のミックスカレー・大盛が登場。
喫茶店風の外観とは裏腹な、危険な盛り具合がわかるよう、3種のアングルで撮影してみた。
まずは真横から。ご飯はもちろん、カレーソースもあふれんばかり!


そして真上から。左がチキンで、右がポーク。色が違うのがおわかりだろうか。


最後に正面から撮影。ブームになるだいぶ前から、スパイスさんはダムカレーを出していたのだ。


表面張力で器のスレスレに盛り上がった、カレーソースの下にもご飯が隠れているので、相当な量である。
しかもこちらのカレーソースは、いつまでも熱々なので、食べ進めるのにも苦労する。
中には大きめの豚肉と鶏肉が入っており、特に豚肉は、噛みしめるとカレー以外の旨味も広がる。


ポークは(甘口)と記載されているが、ちゃんと辛味もあり、甘いというかマイルドな印象。
小麦粉を炒めたような香りがして、黄色っぽくて粘度がある、家庭的で懐かしいタイプのカレーである。
チキンは(辛口)という表記どおり。むしろ激辛と思う方もいるはず。
サラッとしたソースは、たまにセロリのような香味野菜を感じる。某カレールウのCMではないが、爽やかな辛さだ。
私は、いかにも「日本のカレー」らしい、ポークが一番好きなのだが、店主のオススメはチキンらしい。
ご飯もカレーも、熱々かつ大盛だったが、やっぱり味がイイので、難なく食べ切ることができた。

ついでに、2年前に食べたビーフとポークのミックス・大盛も紹介しておく。


奥に見える、紙ナプキンで巻かれたスプーンも懐かしいね。





(中辛)のビーフは、デミクラスソースのような褐色をしており、辛さよりもほろ苦さを感じる。
ちなみに、こちらのお店を取材した、伊丹由宇さんの著書「こだわりの店 乱れ食い」にて、
「ポークはポタっと、ビーフはトロッと、チキンはサラッと仕上げる」
「カレーこそが、俺の命。根っからのカレー好き」という店主の言葉が紹介されている。

さっきのポーク&チキンは、食べ終えた証拠写真がなかったので、このときの画像を掲載。 
シルバーのお皿が昭和チックでいいね!


実は、2年前の方が食べるのに苦労したので、完食したとき嬉しくなり、つい撮影してしまったのだ。
さらに、10年以上前にガラケーで撮影していた画像も掲載しておく。画質の悪さはカンベン。
こちらは、普通のチキン&ビーフに、ポークのソース単品350円と、三冠を達成(?)したときの画像。


わかりづらいが、普通サイズでもご飯の量は一般的な店の大盛レベルである。
そしてこちらは、ポークカレーの大盛。ミックスじゃなくてもご飯は山盛りだ。


実は数年ぶりの大盛で、かなり苦戦したため、会計時に「前からこんなに量多かったですか?」とたずねたところ、
お店のお母さんが「開店以来、味も量も変えてませんよ」教えてくれた。値段もあまり変わっていないのは先述したとおり。
私が久々の入店だったからか、「胃が小さくなられたのでは?」なんて心配されてしまった。
胃が小さくなったのかを確かめるために、以後は毎回大盛を頼み続け、現在に至っているワケだ。
そもそも、幡ヶ谷付近を訪れる機会が減ったため、久々にスパイスに来たのだから腹イッパイ食べておこう!
という意地汚い動機もあったりする。もちろん、まだ残したことはない。
ただ先日食べたときは、日が空けて食後から約19時間経過しても、お腹がキツかったことを告白しておく(悶)。

味や見た目だけでなく良心的な価格、さらに銀のお皿やスプーンの紙ナプキンなど、
私が愛する「日本のカレー屋さん」に当てはまるスパイスさんだが、もうひとつ特筆したいのが、店主夫妻の存在。
接客担当のお母さんは、いつでもやさしい笑顔で、丁寧な応対をしてくれる。
一方、調理担当のお父さんは、ちょっとコワモテの頑固職人風。かつては厨房から出ることは珍しかった。
なので私は、言葉を交わした機会は少ないのだが、学生時代のある日、先輩と食後に麻雀のハナシをしていたら、
珍しくお父さんが「おい、麻雀やるのか?」と混ざってきて、自身の過去の経験などを語ってくれ、
最後に「まあ、あんまり派手にやるなよ」と忠告してくれたことがあった。
それほど厳しい口調ではなかったため、我々も「ハイ、わかりましたー」と笑いながら応じたのだが、
今振り返ってみると、お父さんの「派手にやるなよ」というのは、麻雀自体もそうだが、
勝ち負けの他に、低額とはいえ賭け金の移動にも触れていた、我々の会話にも向けられていたのだろう。
今さらながら、世間知らず(注:今も)でケツの青い若造だった、当時の私の非礼をお詫びしつつ、
そんな私を、人生の先輩として叱ってくれた、お父さんこと渡辺店主に感謝したい。
上記のような、店主と客のやり取りも、日本のカレー屋さんというか、昭和の飲食店の特徴だよね。

最近は二代目が厨房に入り、お母さんの代わりに、お父さんが配膳や接客をやるときもある。
ご夫妻は変わらず元気だし、カレーの味や店内の雰囲気も、以前と変わらぬまま。
なので私は今後も、若造だったあの頃に戻り、山盛りご飯に緊張しながら、絶品カレーにパクつくことにする。
スパイスさんにはいつまでも、「日本のカレー」を守り続けてほしい



カレーの店 SPICE(スパイス)
東京都渋谷区西原2-28-2
京王線幡ヶ谷駅から徒歩約2分半
営業時間11時~20時 
定休日 月曜
※最近は時短営業で、11~19時となっていますが、以前から19時には売り切れていました
※早じまいなどの情報はお店のTwitterで確認を→twitter.com/spice_1973
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