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朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

「星降る街角」のラーメン店 立川『鴨福』改め『アンズノ木』

2022年06月22日 | ラーメン、つけ麺など
居酒屋やバーが閉まっている、定休日や昼間の時間帯に場所を借りて、営業する飲食店がある。
都内にはそのような、間借り営業の人気店が多いようで、以前紹介した『平日昼だけ』も、
当初は東高円寺の骨董品屋兼カフェバー、最近は荻窪駅近くのバーで、「平日昼だけ」間借り営業をしている。

昨年11月には、私の地元立川にも、昼間のスナックを間借りしたラーメン店『鴨福』が登場。
店主は以前、八王子で同名のお店を営んでおり、人気を博していたものの、諸事情によりやむなく閉業。
数年の時を経て、立川市で間借り営業ながら、鴨福を再開することになったそうだ。

お店のツイッターで再開が発表されると、待ちわびていた客が殺到したのか、連日行列ができた。
私が訪問したのは再開から数日後。開店直後の時間だったが、すでに満席&行列客数名。
店内着席まで20分ほど待ったが、女性従業員が丁寧に応対してくれたので、不満はなかった。
待っている間に、店頭に掲示されている、看板代わりのペナント(って呼称でいいのか?)を撮影。


屋号に「鴨」とあるように、ここは自家製麺と無添加がウリの鴨だしらーめんのお店である。
こちらは「主なメニュー」と「お知らせ」。個人的には、営業時間のコロンが半角:と全角:なのが気になった。


着席すると卓上にも、食材などの説明付きメニューが置いてあった。


この日は「鴨醬油らーめん」と「鴨塩らーめん」の二択なので、塩+味玉をオーダー。
「天然羅臼昆布黒走」、「ゆめちからrevolution」、そして「ハンガリー産マグレ・ド・カナール」と、
私が聞いたことのない食材を多数使用してあり、食べる前から期待が高まる。
男性店主の作業を見ていたが、スープは別の場所で炊いたものを、ジップロックに一人前ずつ保存し、注文ごとに再加熱。
間借りで不慣れな厨房に苦労しながらも、一杯ずつ丁寧に調理しているのがわかった。
席数自体も少ないし(カウンターのみ7席)、行列ができるのは仕方ないのかもしれない。

注文から約15分後、鴨塩らーめん800円+味玉100円が完成。


変わった形状の丼で、スープが熱々だからか、お皿を敷いて提供される。


実は私、鴨肉を食べる機会が少なく、若い頃にたまたま食べた鴨鍋が脂臭くてマズかったため、
鴨出汁ラーメンもあまり期待していなかったのだが、ひと口スープを飲んだだけで不安は解消。
さすがはハンガリー産マグレ・ド・カナール(←この日初めて知った言葉)。脂臭さは一切なし! 
むしろ、煮干し由来の風味に、鴨肉から出たダシとコクのある脂分が加わり、次から次へと旨味が押し寄せる。
透明だが上品ではなく、けれども決して下品ではない。こんな塩スープは初めてだよ。
ちなみに「マグレ~」とは、フォアグラを採取する品種だけが名乗ることを許される、最高峰の鴨胸肉のことらしい。 
自家製の麺は、私の大好きなモチモチの平打ちタイプで、噛み応えもすすり甲斐もある。


麺自体の風味もよく、さすがは上質小麦粉ゆめちからrevolution…ってのはもういいか。
具材はチャーシュー代わりの鴨ロース、鴨肉ワンタン、三つ葉、ネギ、追加の「マキシマムこい味玉」。
鴨ロースはピンク色の半生タイプ。食べやすいよう、切りこみも入っているのが親切。
鴨肉のロースとワンタンは、風味が淡泊なので、個人的には豚肉の方が好きかな。
「マキシマムこいたまご」は以前、『ビーフキッチンスタンド』でも紹介した、黄身の色が濃いのが特徴の玉子。


スープまで飲み干し、「美味しかったです」と店主に告げると「ありがとうございます」と返答してくれた。
売り切れる時間帯を質問したところ、「完売することはまずないですよ」と謙遜。女性店員だけでなく、店主も好人物だった。

帰り際、入口脇に置いてあった、店舗を貸しているスナックの看板も撮影。


スナックの正式名は『和風bar 星降る街角』。ロマンチックな屋号である。なので今回のブログタイトルにした。
さらに、鴨福ペナントの下に貼ってあった、スナック店主のポスターも撮影。


店主(プロデューサー?)は宍戸マサルさんという俳優で、「超力戦隊オーレンジャー」のレッド役を演じた方らしい。
ガキの頃は特撮番組が大好きだった私だが、オーレンジャーは最近の作品らしく、さすがにわからん。
※調べたところ、オーレンジャーの放映は1995~96年で、「最近」でもなかった

約1ヶ月後に再訪し、お店ツイッターで紹介していた、限定ラーメンが気になりオーダー。
卓上メニューは写真付きのもの変わっており、わかりやすくなった。


こちらが、限定メニューの「イベリコ豚バラとニラの辛味噌らーめん」900円。


丼にスープ、麺、大量のニラを盛りつけたところに、炒めた豚バラから抽出された油を注ぎ、あとから豚肉も乗せる。
熱々の油でニラが焦げるときの音が、実にウマそう。その瞬間に立ち上る香りも嗅ぎたかった。
ニラの下には、前回気に入った平打ち麺。丼の縁に添えられた辛味噌も、スープに溶いて混ぜる。


味はなかなか良かったが、味噌の風味とイベリコ豚が強すぎて、鴨のダシはあまり感じられなかった。
この日は、厨房内に貼ってあった、スナック店主関連のポスターも撮影。


宍戸マサルさんは、「新☆敏いとうとハッピー&ブルー」の一員として、歌手活動も行っているようだ。
店内には純烈のサイン色紙もあり、オーレンジャーの広い交友関係がうかがえる。

このときにも書いたが、大晦日にも訪問し、これまた限定メニューの「年越し蕎麦」1000円を食べた。


内容について、当日のお店ツイッターを引用すると、
「鰹の効いた鴨だしスープに甘めのカエシ、具材は炙り鴨、イベリコ豚の肉かすと天ぷら、麺には蕎麦粉を含有」とのこと。
炙り鴨が途中でなくなり、いつも使っている、レア仕様の鴨ロースに変更。
申しわけないが、私は半生肉は苦手なので、熱々スープに沈め、加熱してから食べた。


イベリコ豚の天ぷらや、鴨+鰹のスープ、そして蕎麦粉入りの細麺は、なかなかウマかった。いい年越しになったと思う。

年が明けても、鴨福さんの行列は途切れることはなく、並ぶのが嫌いな私は、なかなか入店できず。
一応、お店のツイッターはチェックしており、年明けからいろいろと変化があった模様。
1月下旬には鴨肉の価格高騰により、麺類を100円値上げ。ついでに、鴨以外のダシを使うラーメンも出すため、
看板を「鴨だしらーめん 鴨福」から「中華そば 鴨福」に変更。
店主は引き出しが多く、いろんなラーメンを発表しており、確かに鴨ダシに限定しなくてもよさそう。
だがその後も、海外で鳥インフルエンザが発生したことで、鴨肉の仕入れが減り続け、
ついに鴨ダシラーメンは、5月一杯で提供中止となり、6月からは『アンズノ木』に店名変更。
「果実の杏子の実のように、美味しく栄養価の高いラーメンで、お腹も心も満たしたい」の意が込められており、
アンズ出汁のスープや、アンズ入りラーメンなどは作っていないので、珍品マニアはご注意を(笑)。

先日、新店舗のラーメンを味わうべく、約半年ぶりの訪問。たしかにペナントが変わっていた。


書き忘れたが、最近は席に設置してある注文用紙に、客がチェックし提出する。会計も先払いだ。


鴨ダシから煮干し風味に変更しており、注文したのは「醤油煮干し中華そば」900円+ワンタン(2個)100円。
数分後、提供されたのがこちら。ツユの色が濃いね。


スープは、まず煮干しを感じたあとに、動物由来の脂と旨味がやってくる。鴨らーめんとよく似た構成だ。
塩味と醤油味の違いもあるだろうが、今回の方が荒々しいテイストで、私好みである。
そういえば、以前と同じく今回も「無化調」らしいが、風味はしっかりしている。

隣の先客が食べていたつけ麺は、中太のストレート麺だったが、ラーメンには太くちぢれた麺。


スープだけでなく、麺も新たに作り直したようで、濃い醤油味のスープとよく絡み、口内で存分に暴れる。
2個のはずのワンタンは3個入っており、サービスかと一瞬喜んだが、元から1個入っていたことを思い出した(苦笑)。


淡泊な鴨肉より、味がわかりやすい豚肉の方が、ワンタンには適していると再確認。
他の具材は、イベリコ豚のチャーシュー2枚と刻みネギのみ。チャーシューは厚めで、今回も切れ目が入っていた。
撮影はしなかったが、レンゲでスープをすくうと、溶け込んだ脂分=小さな泡が多数浮かぶ。
クドさは感じなかったが、なんとなく後ろめたい気持ちになり(←悲しい中年)、スープは少し残した。

6月から心機一転、再スタートを切った鴨福改めアンズノ木であったが、
今度はなんと、貸主のスナックの移転にともない、6月29日で一時閉店することに!
現在は、立川周辺で間借りができる店舗を探しているそうだが、いちファンとしては、
場所はどこでもいいので、一刻も早い再々出発(八王子時代を合わせると再々々?)を願ってやまない。
あと、スナックは興味のない私だが、『星降る街角』はちょっと気になるので、移転後には足を運んでみる…かも?



アンズノ木(旧鴨福)
東京都立川市錦町2-2-19
JR立川駅から徒歩約6分、モノレール立川南駅から徒歩約4分、JR西国立駅も徒歩圏内
営業時間 11時半~15時
定休日 日、月、現店舗は6月29日まで
※6月29日以降については、お店のツイッターを参照してください
追記 八王子に移転し、間借り営業していたお店も、2022年9月で閉店しました
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