しろくま日記

読んだ本の感想を記録してみたいと思います。
なんだか忘れてしまうので。

コンプリート・ロボット(短編集未収録作品)アイザック・アシモフ著 小尾芙佐訳 ソニーマガジンズ

2018-08-11 | 海外SF
アシモフのSF短編集ほぼ制覇したのですが....。

本書「コンプリート・ロボット」はアシモフのロボットもの31編を集めた短編集ですが、その中で5編だけ他の短編集に収載されていない作品が入っています。

すでに絶版となっており、古本もamazonで調べると8,000円超えと高価です...。
図書館で借りようかなぁ...とも思ったのですが他ならぬ「アシモフ」ですので大人買いしました。

この手のamazonで古本が高い本はブックオフ・オンラインの方が安めな傾向があり本書もそちらで登録していたら5,000円台の出物があったのでそちらで購入しました。



内容紹介(amazon紹介文より)
巨匠アイザック・アシモフのロボット短篇全集!
「サイエンス・フィクションを書いていたというたったそれだけの理由で、わたしは自分では知らずして——世界の様相を変えつつある一連の事象の発端をきっていたのである」<アイザック・アシモフ>
7冊の短編集と単行本未収録作から、巨匠アイザック・アシモフのロボットSF全31篇を完全収録。幻の本邦初訳作を含む、初のロボット短篇全集!


折角買ったので全部読むのが本来「筋」だとは思うのですが....。

ここ数年で未収録作品全作読んでいるので、分厚い(2段組572ページ)本書を読む気にならず未収録作5作のみ拾い読みしました。

よって本書全体を読んでアシモフのロッボットものを「これでもかと読んで」「どのような感慨をもつか?」という視点とは無縁の感想となりますので悪しからずです。

ただ...かなり古い作品もあるのでわざわざ分厚い(繰り返しですが...)「本書を買って読む」という行動をする人はかなり少ないのではという気はしました。(私も買ったけど読まなかったし)

ということで未収録作品5作、各編の感想です。

〇親友 A Boy's Best Friend 1975年 小尾芙佐訳(邦訳本書初出)
 月面でロッボットーマット(ロボット犬)ロバットと楽しい日々を過ごす少年への贈り物は...。

 ショート・ショート的な長さですが、少年とロバットの関係がよく書かれている作品です。
 「機械」の立ち位置を考え続けたアシモフの佳品という感じ。


〇物の見方 Point of View 1975年(初出伊藤典夫訳 SFマガジン1995年12月号)
 巨大コンピューター マルチヴァックの技師の13歳の息子が父親の職場を訪れると、マルチヴァックにある問題が生じていた。息子は「子どもならでは」の意見を。

これまたショート・ショート的な作品。
まぁ...ワンアイディアな感じ。

〇考える! Think! 1977年 小尾芙佐訳(邦訳本書初出)
女性研究員ジェニーはマイ-コンピューター=マイクを使い、思考を電子的に読み取る研究をしており、幹部研究員にその意義を説明しているとあるアイディアが出て...。

これまた短い作品、なんとなーくオチはわかったのですが...。(アシモフ好みのコンピューターの神化)なんでそうなるかがよく理解できませんでした。
主人公の女性研究員がアシモフっぽくて魅力的ではありました。

〇ほんとうの恋人 True Love 1977年 小隅黎訳 講談社「ミニミニSF傑作展」1983年
マルチヴァックのプログラム ジョーを使って技師ミルトンはこっそり自分の恋人探しをするためジョーを改良していくが....。

ショート・ショート。
まぁワンアイディアですね....。前掲の「考える!」とよく考えると同系列??

〇ミラー・イメージ Mirror Image 1972年 風見潤 「ミステリマガジン1977年4月」 
イライジャ・ベイリ、R.ダニールものの短編。
宇宙船で神経生物物理学の恒星間会議に出席するために移動中のスペーサーの名声高い老数学者と新進気鋭の若手数学者が新発見をどちらが思いついたかで意見が食い違いそれを調査することになったイライジャは学者のそばにいたロボットそれぞれに質問した。
最初は全く同じ答え(ミラー・イメージ)であったが食い違いを見つけ...。

「鋼鉄都市」「はだかの太陽」が1950年代の作品、第3長編となる「夜明けのロボット」が1983年刊行ですから、その間に書かれた短編です。
アシモフもイライジャのことは結構気に入っていたんでしょうね。
ダニールの方は....アシモフ未来史のなかで重要な役割を果たすキャラですからまぁ推して知るべしなんでしょう。

日本での初出が「ミステリマガジン」であることからもわかると思いますが、このシリーズの他作品同様「ミステリー」となります。
もっともアシモフの「学者」「学会」もの、好きの傾向ももよく出ている作品ですので必ずしもイライジャーもダニールも出る必要なかった気もしますが....。
解決の最後のところの「人間」のベテラン刑事ならではの洞察はイライジャならではですかねぇ。
楽しめました。

「ミラー・イメージ」以外は短編集未収録なのもうなずける小品です...ので余程のアシモフマニアでなければ購入ではなく図書館の利用を薦めたいと思いますが、まぁ「この本1冊読み通したらどんな感想持つんだろう?」というのはちょっと興味があったりします。
この辺は老後の楽しみに~。

アシモフの作品その他にも邦訳されていて短編集に載っていないものはありある程度把握はしているんですが...。
どこまで読むかですね。
といいながらSFマガジンに載ったものは現時点で全部読んだんですが(その感想はまたの機会に(

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