某年金生活者のぼやき

まだまだお迎えが来そうに無い

昔納めた年金が今!

2014-05-31 03:05:20 | ぼやき
 日本年金機構というところから2年近く前に問い合わせがきた。昭和23年から24年にかけて貴方は厚生年金を納付しているが、記憶はあるか、勤め先はどこだったか、と。17才から18才の頃だ。幸いまだボケていないので、すぐ思い出した。旧制の高等学校一年生の時。神田の出版社でアルバイトをしていた。本屋の小僧。高校が一年で廃校になり、今度は新制大学を受験させられたが、まだまだ制度不備で、入学したものの九月まで講義はなかった。だから8月一杯まで同じ出版社でアルバイトを続けていた。勤めたことは覚えているが、厚生年金は知らなかった。アルバイトだったのに、何と、厚生年金を会社が納付してくれていたのだ。感謝感激。社長を馬鹿にし(本当に馬鹿な二代目だった)、あれこれ文句を言っていたのが申し訳ない気分。組合が強かったのかな。私はバイトだから組合には入れなかったけれど、組合の会議や編集会議にはよく出ていた。今と違ってバイトも常勤並みの気分だったのだ。ボーナスは無かったが、少しもらった。後年、高校の非常勤講師をしていて、「昔は非常勤講師にもボーナスが出た」と知った。「これ良い、ボーナスよこせ」と非常勤教職員の組合を作ったがすぐ駄目になった。仕方なく、朝日新聞に「非常勤教職員にもボーナスよこせ」と投書して掲載され、パイロット万年筆を貰った。これで修士論文を書いた。
 日本年金機構の大変綿密な調査に感激したものの、その後、なかなか年金支給の連絡がなく「どうせ駄目なのだろう、昔のバイトの給料だから金額は多寡がしれているし、手間の方が高くつくだろう」くらいに思っていた。すると、先月やっと連絡がきた。国側の未支給は平成元年からだが、平成20年までの分は時効なので支払わない、と。「何よ、散々双方で調べたり、やり取りしたあげく時効かよ」とあきれたが、時効にかからぬ数年分が今月払い込まれた。貧乏な年金生活者には有難い数万円。時効の20年分も貰えたらかなりの額になるのに、とあさましくも一人で愚痴った。今まで支給しなかったのは国の責任なのになんで時効だよ、俺の責任じゃないだろうに、と。諦めていた筈が、慾をかいてしまった。
 66年前の厚生年金納付者に(あの出版社はもうない)、物価にスライドして年金を支給する、それも未支給分も加えて。時効分が沢山あったとはいえ、これは日本しかやらない真面目さだと私は思う。変なことばかりあって、やな政治家ばかりいるけれど、でもそういう連中以外は良い奴だ、日本も捨てたものじゃない、と思った。「何だ、金を貰ったらとたんにゴマスリかよ」と笑われそうだが。
コメント
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