某年金生活者のぼやき

まだまだお迎えが来そうに無い

クラーク博士の名言。Boys be ambitious like this old man.

2014-06-11 23:50:28 | ぼやき
クラーク博士の有名な言葉 Boys be ambitious には like this old man.と言う続きがあるそうだ。前半を「少年よ大志を抱け」とするのはオーバーで、前から、誤訳に近いと思っていた。北海道開拓時代の青年の気負いと使命感にはぴったりの「誤訳」。全部だと「君たち、年寄の私に負けるなよ」くらいじゃないかな。しかし、これじゃあパンチがきかない。大先生の激励の最後っ屁ということになっているから、重々しい大教訓でなければならない。like this old manがついていてはそうならない。だから切って、前半だけにしたのだろう。知恵者がいたんだ。伝説はこうして作られる。
 
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アメイジング・グレイス。奴隷船船長の悔恨。

2014-06-11 16:28:03 | ぼやき
 イギリス映画「アメイジング・グレイス」(2006年)というのをテレビで大分前に見た。イギリスの歴史映画には史実に忠実なものがあるので期待した。いやいや知らなかった。私でも知っているあの優美な曲アメイジング・グレイスが奴隷船船長だった牧師さんニュートンの悔恨と恩寵への感謝の歌だったとは。一回では満足できず、「つたや」から借りてきてまた見た。
 イギリス史でなじみの、奴隷貿易廃止運動の政治家ウイリアム・ウイルバーフォースと、若くして首相になった友人のウイリアム・ピットが立役者。1807年の奴隷貿易廃止から200年になるのを記念して作られたものだろう。長く苦しい議会活動と、次第に高まる市民の廃止要求運動が実って、ようやく廃止法案が可決されるまでを重厚に描いている。大演説で議場を沸かせる場面などない。むしろ、国益を害する者として非難される。フランスとの戦争で金がいくらでも必要な時に奴隷貿易と言う大きな財源をなくせというのは売国奴だ、と。イギリスがやらなければフランスに一人で稼がせるだけではないか、とか、敵(ナポレオン)のまわし者だ、とか。(ご明察の通り、時代が対外的にはフランス革命・ナポレオン戦争、国内ではアイルランド合併・物価特に穀物価格騰貴など、危機的な時だ。)
 ウイルバーフォースは大変な美声の持ち主だったらしい(本当かどうかは知らない)。聖職者になるか、議員で廃止運動をするか長く悩む。師の牧師ニュートンの作詞したアメイジング・グレイスを朗々と歌う。作曲者は誰なのだろう。
 議会制民主主義と言うのは能率の悪い、手間のかかるものだなと、見ていてつくずく思った。奴隷運搬船の凄まじい不潔さ、むごい扱われ方、正視できない実態を散々見せられても廃止案に賛成しない議員が多い。「国益」と言う口実、ありていに言えば「私益」が議員の投票行動を決める。イギリスが世界に誇る議会制民主主義が衆愚政治にしか見えなかった(最後は良識の府になるが。)デモクラシーの限界。それでもデモクラシーの下でなければもっとひどいことになる。こまったものだ。
 中学一年(昭和18年)の時の教練で配属将校に「貴様らデモクラシーだぞ」と叱られたことがある。皆の意見がばらばらで収拾がつかなかった時だ。それ以来、長く、デモクラシーと言うのは罵倒の言葉だと思っていた。戦後は逆転してデモクラシーが一番。でも、今の日本の国会は、衆愚政治の見本みたいにしかみえないがなぁ。 

 
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国会議員会館の食堂

2014-06-09 13:39:25 | ぼやき
 先日国会議員会館と言うところに行った。生まれて初めて。第一だか第二だか忘れた。天井の高い立派なビル。5月の真夜中に凄まじい轟音をとどろかせて戦闘機が何日も飛び回ったので、何をやってるんだ非常識な、と厚木飛行場周辺の住民10人 ばかりで抗議に行ったのだ。出てきたのは防衛省と外務省の若いお役人たち。返事は型通りで「米軍に問い合わせたところ、運用上の必要からだ、という返事でした。皆さんが大変辛い思いをされていることは重々承知しております。米軍には出来るだけ夜中には飛ばないよう申し入れてあります」という。後はのれんに腕押し。とうとう「どっち向いて仕事してるんだ。あんた方も日本人だろう」などと、怒りを抑えつつも、語気鋭く迫る人もいた。後で「良い年をしてお恥ずかしい」と反省していたが。
 終わってから食堂で昼飯を摂った。初めてなので何でも珍しい。一番驚いたのは、席が三通りに区分されていたこと。一番奥の窓際が議員専用の席。間仕切りもあって、見えにくくなっている。その手前は議員同伴の席。議員と歓談しながら食べるときはそこなのだろう。一番手前は一般席。私達は当然そこに座った。脇を大勢の中学生が通った。社会科の勉強で議会見学に来たと言う。気がつくとそういう中学生が沢山いた。終わって出たら、そこにも大勢の中学生(か小学生)が順番待ちをしていた。帰宅後孫に聞いたら「あれは一番つまらなかった。何も覚えていない」と言ったから皆行くのだろう。
 「つまらないのは議会見学だけじゃないな。役人の返事はもっとつまらない」と、これは年甲斐もない感想。それにしても議員さんと言うのは偉いんだな。食堂の座席まで区別している。
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反戦を詠む投稿歌

2014-06-09 01:43:15 | ぼやき
 久しぶりに朝日の歌壇俳壇から気になるものを拾ってみる。
① 反戦を詠む投稿歌増えにけり それだけ危機の迫れる証ぞ (佐佐木幸綱選)
② 霧まとい迫る不気味な艦隊のごと 集団的自衛権行使   (  々   )
③ 戦争を知らない人の大望で 開かれてゆくパンドラの箱  (高野公彦選)
④ 憲法の抜け穴探るまつりごと 議事堂古りて罅の入りたり (  々  )
⑤ 身に過ぎる気高き理想掲げ来て 我等がものに終に成し得ず(永田和宏選)
⑥ 菖蒲湯の男の子に戦させまいぞ             (稲畑汀子選)
⑦ 憲法の抜け道探ぐる木下闇               (金子兜太選)
 沢山の選者が毎回この様な短歌と俳句を選ぶ。投稿者の切実な思いが選者をうつのであろう。
 福島を思う歌はひところよりかなり減った。地名を詠みこんだ次の二首を、双葉の被災者の作とすぐわかる人も少なくなっているかもしれない。
⑧ 眺望よきこのマンションは心地良し されど夫は夜の森を恋ふ (国立市女性)
 「夜の森」は、まだ帰れない富岡町の一地域の名で桜の名所。日本百選にいつもはいっている。今年も綺麗だったろうが、花見は出来なかった。
⑨ また一人ましな現場を求め去る 浪江の空の渡り鳥のごと   (南相馬市男性)
 浪江も原発のすぐそばの町。住めない。請戸川と言うきれいな川があって、鮭が川を埋め尽くして遡上する。鮭は何も知らないで遡ってくるのだが、事故前と違って取る人は誰もいない。採卵・孵化・飼育・放流が出来なくなったから、何年かすると遡上も減るだろう。朝日俳壇に、前に「請戸川 何も知らずに 鮭遡る」というのがあって、このブログに載せたことがある。

 自分だけわかるような気がして、一人でウフッと言うようなのを見つけると楽しくなる。
⑩ 「田中くんは殊勲甲ね」と 六十年ロサンゼルスに住む姉の言う
 「殊勲甲」は戦時中の特別表彰。特に勇敢で戦果を上げた軍人に授けられた名誉。そこから偉業を達成すると殊勲甲と言われた。相撲で殊勲賞と言うのは戦時中の殊勲甲から来ている。ロサンゼルスのお婆さんはこの元の方だけ知っているのだろう。
⑪ ほととぎす禿頭なればつるり撫づ 
 ホトトギスは「てっぺん禿げたか」と鳴くそうだ。読んで私もつい頭を撫でた。            
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怖いTPP、国民皆保険制度の崩壊。

2014-06-08 13:41:43 | ぼやき
 集団的自衛権問題のおかげで、さっぱり聞こえてこなくなったのがTPP交渉の内容だ。内容を開示すると国民から文句噴出で不成立になるから、決まるまで伏せておくのだ。益々怖い。
 TPPは始め農業問題だけのように矮小化されて問題にされていた。しかし、それだけではなく、日本の医療、国民皆保険制度が崩壊する危険にさらされている。これはあまり表に出て来ていない。しかし、混合医療を推進するなど実質的には既にTPPに対応できるような「改革」が始められている。政府はもう危険きわまる成り行きを全部見通しているのだ。
 TPPには、よく知られていることだが、ISD条項というのがある。投資家が国家を相手にして訴訟を起こし、紛争の解決を図るもの。訴える先は投資家の国の裁判所。アメリカと他の国との間では既に行われている。あるアメリカの製薬会社がカナダ政府を相手どって、薬の特許を認めないのは不当だと訴え、1億ドルを請求して勝訴している。アメリカの裁判所が裁くのだから勝つにきまっている。日本は薬品の認定が遅い。それで訴えられる。「日本政府は薬品の輸入に非関税障壁を設けている、また、高額医療、高額薬を国民健康保険の対象からはずしている。そのためわが社は大変な損失を被っている」と、アメリカの製薬会社が損害賠償を申し立てる。当然勝つ。日本政府は困って無差別に高額医療、高額薬の利用、輸入を認め、すべてを保険の対象にする。保険の支出は天井知らずに増大する。健康保険の財源は枯渇し、国民は利用できなくなる。国民はアフラックなどの高額医療保険に入らなければ医者にかかれなくなる。既に日本で大活躍しているのは皆アメリカの保険会社だ。準備は全部出来ている。
 国民健康保険の破産を防ぐには、「安い」薬は保険で出し、「高いけれどもっとよく効く薬があります。保険は効かないのですが」とすすめる制度。つまり混合医療制度にするしかない(TPPに入れば)。それでも「高額薬を保険に入れないのは非関税障壁」と訴えられば負ける。結局、今のアメリカと同じく、低所得者は医者にかかれず、金持ちだけが病気を治せる、という社会になる。日本でも、金に不自由してない政治家や財界のボスたちは困らないが、大多数の国民は病気になったらお仕舞だ。
 今のアメリカは年収によって平均寿命に差が出る社会だが、日本もそうなるだろう。昔の政治家は「貧乏人は麦を食え」と言ったとされているが(これは「誤解」だったそうだ)、今の政治家は「貧乏人が早く死ぬ社会」を目指しているのだろう。何しろ、今一番元気で政府批判を繰り返しているのは貧乏な老人たちだから。
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