Our World Time

2月20日水曜、みてください

2008年02月12日 | Weblog



▼みなさぁん、いま北海道は洞爺湖で、ロケの真っ最中です。
 洞爺湖を一望する、山上の「ウィンザーホテル洞爺」にいます。
 夏には、ここに世界の首脳たちが集まってサミットがひらかれる、美しいリゾートホテルです。
 いまは広大な雪景色のなかで、ブルーグレーの湖とともに、ひっそりと静まっています。


▼ロケは、2月20日水曜に放送される関西テレビの報道番組「ANCHOR」(アンカー)のいつものコーナー「青山のニュースDEズバリ」のためのロケーションです。

 ぼくはこの日、アジア出張の真っ最中で生放送には出演できないので代わりに放送するVTRを収録しているのですが、きょうのロケは、これまでと、ひと味ちがいます。

 たとえば!
 ぼくがスキーをしているシーンも、先ほど撮りました。
 大学時代はアルペン競技スキーヤーだったぼくも、スキーをするのは実に、きょうが13年ぶり。
 まったく無練習で、用具は何から何までレンタル、しかも、13年前には影も形もなかった新しいスキーの「カービングスキー」。
「かつてアルペン競技スキーヤーだったひとは、カービングスキーがあまりにも感覚が違うので、泣くような苦労をする」と聞いていましたし、どうなるかなぁ、とは多少、思ったけれど、とにかく練習する時間なんかない。

 13年ぶりにゲレンデを見て、スキー板をそこに置いて、さぁ足を入れようとして思い出した。
 骨折もまだ、治りきってはいないや。
 ついでに、前夜の睡眠時間は、2時間半ということも思い出した。
 それに足をどうやって、バインディング(締め具)に入れるのかも、一瞬、忘れているっぽい。
 
 だけどまぁ、現役時代も骨折したまま、リハビリも兼ねてガンガン滑っていた。
 ぼくの躯は、むしろ現役時代よりも筋力は付いている。バーベル挙げをはじめ、筋力トレーニングの方法が昔より、はるかに科学的になっているから。
 とにかく、なんとかなる。

 そう思っているうちに、躯は自然に反応して、もうスキーを蹴り出し、滑り出していた。
 さぁ、どうなったやら。
 それはね、番組をみてくださいね。
 同行してくれた番組スタッフの苦労が報われるためにも。


▼もちろん、報道番組なので、スキーシーンは単なる味つけです。
 サミットを北海道で開くからこそ、日本国が絶対に世界へ訴えねばならないこと、それから安倍さんが首相時代に洞爺湖をサミット会場に選んだ隠れた理由、などについて語りました。

 うーん。スキーシーンは味つけだけじゃなく、関テレスタッフ陣の、ぼくへの気配り、贈り物だったかも知れない。
 ロケで滑るのじゃない限り、今のぼくには、スキーを復活させる時間なんてあり得なかったから。

 ただ滑るんじゃなく、みてくださる視聴者が『わたしもサミット会場のここ洞爺湖へ行ってみたいな』と思えるように滑ったつもりです。
 サミットなんて縁遠い…のじゃなくて、洞爺湖で開くなら、みんながその現場を踏むこともできる。もしも現場を踏んでいただいたら、日本国と世界のかかわりが急に、きっと身近に感じられる。
 その思いは確かにあって、その目的があって、滑りました。

 だけどね、えへへ、生き返ったように、うれしくも、ありました。
 



※えー、写真はですね、宇宙人でしょうか。
 違うと思います。

 けさ早く、このホテルの温泉に行ったら、露天風呂の脇に雪の壁ができていました。
 ここに倒れ込んで、躯を冷やして、それから湯に飛び込むと、かぁっと躯が燃えるように血がめぐって、気持ちいいだろうなぁ。(実は、前にも、青森県の出張先でそれをやっているし)

 そう思って、まずは内風呂で躯を温めてから、朝陽が雪を照らし始めた外へ出て、ばったーんと、うつ伏せに雪に倒れ込む。
 その瞬間、もしも雪が薄くて下が岩だったら大怪我だなと、頭をかすめる。
 ぼくの仕事は人の安全を護ることだけど、おのれの安全にはあまり関心がないので、そのまま、ばったり。

 幸い、雪は深かったぁ。
 しかし、その深い雪で、窒息するかと思いました。

 次の瞬間、よこの露天風呂の湯に飛び込むと、痛いっ。
 痛いというほど刺激が強い。
 そして期待通り、躯が燃えるようにあったかくなる。

 あんまりスカッとするので、今度は仰向けに、やっぱり、まっぱで倒れてみました。

 ふと気づくと、一部始終を見ていたらしいガラスの向こう、内風呂につかったおじさんの顔が、右半分で笑って、左半分で引きつっていた…。
 ふひ、ふひ、ふひ。

 写真の右上に、北の朝陽の光が映っています。