施川ユウキ『バーナード嬢曰く』が好きである。
ということで、前回そのおもしろさを語ったうえで、
「このマンガに出てきた本、何冊読んだか数えてみよう」
と締めたんだけど、やってみると意外と数が多くて大変だったので、今回ここでネタにして元を取りたいと思う。
果たして、何冊読んでるんでしょうか。みんなも一緒に、数えてみてね!(←やらないだろ)
☆1巻
■『カラマーゾフの兄弟』ドストエフスキー(未読)
表紙がまずこれ。こんな長いの読んでるわけないけど、なにかの本で
「《大審問官》のシーンだけでも、読んだ方がいい」
と書いてあったから、そうした。
スカタン丸出しだが『ド嬢』的には正しい読み方で、「読了した」と言い切って問題ないだろう(←だめだろ)。
■『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』フィリップ・K・ディック(読了)
高校生のころ読んだけど、陰鬱とした印象しか残ってない。
『ブレードランナー』はリアルタイムより少し下の世代なので、それほどの衝撃はなかったが、大人になって、この映画の影響力を様々知って、それはおもしろかった。
ディックはハマる人はハマるので、一度は読んだらいいかも。
■『流れよわが涙、と警官は言った』フィリップ・K・ディック(未読)
一発で憶える名タイトルだから、読了した気になってるよね。
■『たったひとつの冴えたやり方』ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア(読了)
高校生のころ読んだ。もちろん傑作。
海外SF好きのカズレーザーさんは
「挿絵が入る本は好きじゃない」
と言ってたけど、これは挿絵が大正解。川原由美子さんの絵がズッパまり。
コーティ・キャスに捧げる詩を書いたこともある。見られたら潔く自決します。
■『愛はさだめ、さだめは死』ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア(未読)
『たったひとつの』から連打をねらったが、内容も訳文もヘビーすぎて、メチャしんどくなり挫折。
■『10月はたそがれの国』レイ・ブラッドベリ(未読)
ブラッドベリの主要作品はだいたい読んでるけど、これは未読。
レイでは「生まれた子供が青いピラミッドだった」という『明日の子供』にぶっ飛んだ。しかも大感動。
■『くらやみの速さはどれくらい』エリザベス・ムーン(未読)
未読どころか、作者のことをマンガで初めて知った。
■『あるいは牡蠣でいっぱいの海』アヴラム・デイヴィッドスン(読了)
神林の言うとおり、名タイトルは訳し直す必要ない気もするけど、難しいね。
『刑務所のリタ・ヘイワース』とか、日本人にはピンとこないものは、しょうがないけど。
■『あるいは酒でいっぱいの海』筒井康隆(未読)
筒井康隆はおもしろいけど、グロの部分がダメなときがある。
■『死ね、名演奏家、死ね』シオドア・スタージョン(読了)
神林がキレてた「マエストロを殺せ!」の方で読みました。でも、スタージョンはそんなに合わない。
■『海底二万里』ジュール・ヴェルヌ(未読)
古典だから、「読了したっぽい雰囲気」になってるよね。
■『天の光はすべて星』フレドリック・ブラウン(未読)
フレドリック・ブラウンは大好きな作家だけど、これはまだ。なんか、雰囲気がマジメっぽくて……。
■『櫻の園』チェーホフ(読了)
高校生のころ読んだ。もちろん動機は、
「流行りものにしか興味のないクラスメートどもとくらべて、ロシア文学をたしなむオレ様チョー知的でカッケー」
中身は全然覚えてない。まあ、そんなもんだ。
この作家については沼野充義『チェーホフ 七分の絶望と三分の希望』がくわしい。日本映画の『櫻の園』は傑作。
■『失楽園』ジョン・ミルトン(未読)
読んでるわけがない。
■『スターメイカー』オラフ・ステープルトン(未読)
名前は知ってるけど、読んだことはない。
■『幼年期の終り』アーサー・C・クラーク(読了)
「SFっておもしろい!」と感じさせてくれたのはハインライン『夏への扉』と、フレドリック・ブラウン『火星人ゴーホーム』。
「すごい!」と思わせてくれたのは山田正紀『神狩り』とこれ。
■『あなたの人生の物語』テッド・チャン(読了)
読書人生オールタイムベスト候補。全人類必読。
■『読書について』ショーペンハウエル(読了)
高校生のころ読んで衝撃を受けた。「読書」を「ネット」に変換すると、今でも通じる話ばかり。
■『真夜中は別の顔』シドニィ・シェルダン(未読)
未読。昔「超訳」ってありましたよね?
■『罪と罰』ドストエフスキー(読了)
海外旅行中、ヒマなので読んだ。長いし読みにくい。
『デスノート』好きな人は、読んでみていいかも。要するに、リュークが現れない豆腐メンタルのライト君の物語。てか、たぶんデスノのタネ本。
もともと『刑事コロンボ』の元ネタとも言われている。ポルフィーリー→コロンボ→古畑任三郎→竜崎という流れ。
■『悪の華』『パリの憂鬱』ボードレール(読了)
ファンだった中島らもさんが影響を受けたというので、高校生のころ読んだ。
中身については、なにも憶えてない。デカダン趣味がまるでないらしい。
■『恋空』美嘉(未読)
いろいろ言われましたが、ガッキーがかわいいので無罪です。
■『スローターハウス5』カート・ヴォネガット(読了)
某ネットレビューで、
「ドレスデン空爆を、こんな茶化したように書くなんて!」
と、まさにカートが作中でため息をついたような人がいたのが印象的。
■『百年の孤独』ガブリエル・ガルシア=マルケス(読了)
読書人生オールタイムベストワン候補。究極の文学。
■『ハローサマー・グッドバイ』マイクル・コーニイ(読了)
ロバート・F・ヤングとかリリカル系SFは若干苦手だが、いい小説だし、好きだという人の気持ちはわかる。
ラストも、ミスヲタ的に見てもすばらしい。
■『地球最後の男』リチャード・マシスン(読了)
オマージュ作品である藤子・F・不二雄『流血鬼』のオチには
「日本人ならこうやなあ」
と感心した記憶がある。
■『エンダーのゲーム』オースン・スコット・カード(読了)
「ひとりの英雄を生むためには、彼の人生や周囲の人間の幸福など、多くのものを犠牲にしなければならない」
という考えは、たぶん「正解」なんだろうけど、したり顔でそれを語るヤツは何様だと思う。
だって、オレもアンタも「犠牲」にされる側なのに。
■『周ロック・ホームズ 雨の軽井沢殺人事件』志茂田景樹(未読)
読んでるわけないけど、メチャクチャ読みたい。
■『プランク・ダイブ』『ディアスポラ』グレッグ・イーガン(未読)
イーガンは『祈りの海』を読んだが、サッパリ響かなかった。
のちにオーケンが同じことをエッセイに書いてて、ホッとした記憶が。
■『変身』フランツ・カフカ(読了)
ドイツ文学科で学んでいたので一応読んだ。カフカって合わねー。
……て、なんか自分、さっきから読書家にバカにされそうなことばっかり書いてるな。
■『銃・病原菌・鉄』ジャレド・ダイヤモンド(未読)
未読。すごいおもしろくて、勉強になるらしい。
■『世界史』ウィリアム・H・マクニール(読了)
世界史をざっとおさらいできる本。東大生に人気らしい。
げ、1回で終わらなかった。
楽しいけど(自分だけ)、意外と大変だな、こりゃ(続く)。