「合コンで盛り上がるゲームを教えてくださいよ!」。
と、そんなことを尋ねてきたのは、後輩ホクヨウ君である。
ホクヨウ君は今年大学生になったばかりの青年だが、受験勉強から解放されて、これから楽しいキャンパスライフを満喫する気満々である。
でもって彼の中には多くの若者同様に、
「キャンパスライフ」=「合コン」→「女の子と楽しいゲームで大盛りがあがり」→「お持ち帰りで、いやんその後のことはとてもここには書けない!」。
といった「勝利の方程式」が存在し、ゴールデンウィークにむけて、飲み屋の座興のネタを仕入れたいということらしい。
ゆるいところでは「しりとり」とか、「古今東西」、一時期テレビなどで「人狼」がはやったりしたが、それみたいなものであろう。
学生の合コンねえ。私もこう見えて大学生をやっていた時期もあったので、そういったイベントに参加してみたこともなくはない。
私の時代で飲み屋の座興といえば、まず「牛タンゲーム」や「せんだみつおゲーム」であった。
ちょっと前に流行った「斎藤さんゲーム」みたいなもんだが、あとは定番の「王様ゲーム」。「ポッキーゲーム」ってのもあったなあ。
これはお菓子のポッキーの両端を男女でくわえて、ぽりぽりとかじっていき、最後にチュッとやるかやらないかみたいな、軽薄な遊びである。
いかにノリとはいえ、まともな知性の持ち主なら、ようやりませんよ。ちょっとした試練である。
女の子とキスしそうな状況で試練もなにもないものだが、私にとってはそうだった。昔から、とかくこういったパリピ(当時はまだこんな言葉はなかったけど)なノリは苦手だったのだ。
これとともに人気だったのだが、正式名称は知らないが、「風船運びリレー」みたいなゲーム。
これは大きめの座敷などで、男女がほっぺたを使って風船を両側からはさみ、一緒に走るというもの。
一種の変形二人三脚で、これまたキャッキャ盛り上がること間違いなしだが、これまた自分にはつらかった。
知ってる間柄ならともかく、まだ会って間もない女子と、そんな恥ずかしいことなど日本男児である私が出来るはずもないではないか。
みんなは、まるでここは極楽浄土かというくらいに、楽しそうにはしゃぎまくっているんだけど、こちらがただただ、太宰治のように
「生まれてすいません」
な気分になってしまう。もう、どうしたらいいのやら。
なので、こういうスキンシップ系のゲームがはじまると、こっそりと抜けることが多かった。
じゃあ、最初から行くなよという話だが、当時はなにか、原秀則さんのマンガ『冬物語』なんかの影響で、
「学生というものは、チャラい遊びをしなければならない」
みたいな義務感のようなものがあり、やはり試練というか「修行」のつもりで行っていたのだ。なんの修行なのか。
唯一楽しかったといえば、たまに帰りの駅のホームなんかで、さっきまで飲み会の席にいた女の子と会ったりすること。
「あれ? なんで?」
「二次会どうしたん?」
なんて言い合って、話してみると、私と同じく
「あ、これはアカンやつや」
と逃げてきた子だったりする。
こういう人とは同病合い哀れむで、大いに盛り上がる。別の飲み屋行くか、それとも24時間のファミレスでコーヒーでも飲むかしながら、
「あーいうんは性にあいませんなあ」
「ほんまにねえ」
などと、しみじみと語り合うのだ。このときの、ホッとすることといったら!
なんて思い出もありまして、「彼女にするなら、結婚するなら、どんな女がええ?」というボーイズトークで、みなが
「家庭的な子」
「オシャレでかわいい子」
「イケイケのギャル」
「エロい女に決まってるやろ!」
などと盛り上がる中、ひとり
「一緒に梅の花でも見る茶飲み友達」
などと答えて「おまえには若さがない!」と笑われるのも、もしかしたらこの学生時代の経験があるからかもしれない。
などとボヤいていても、かわいい後輩の要望には応えたことにはならないので、次回はそんな「合コンのゲーム」が苦手だった自分がおススメする、楽しい遊びを紹介してみたい。
(続く→こちら)
と、そんなことを尋ねてきたのは、後輩ホクヨウ君である。
ホクヨウ君は今年大学生になったばかりの青年だが、受験勉強から解放されて、これから楽しいキャンパスライフを満喫する気満々である。
でもって彼の中には多くの若者同様に、
「キャンパスライフ」=「合コン」→「女の子と楽しいゲームで大盛りがあがり」→「お持ち帰りで、いやんその後のことはとてもここには書けない!」。
といった「勝利の方程式」が存在し、ゴールデンウィークにむけて、飲み屋の座興のネタを仕入れたいということらしい。
ゆるいところでは「しりとり」とか、「古今東西」、一時期テレビなどで「人狼」がはやったりしたが、それみたいなものであろう。
学生の合コンねえ。私もこう見えて大学生をやっていた時期もあったので、そういったイベントに参加してみたこともなくはない。
私の時代で飲み屋の座興といえば、まず「牛タンゲーム」や「せんだみつおゲーム」であった。
ちょっと前に流行った「斎藤さんゲーム」みたいなもんだが、あとは定番の「王様ゲーム」。「ポッキーゲーム」ってのもあったなあ。
これはお菓子のポッキーの両端を男女でくわえて、ぽりぽりとかじっていき、最後にチュッとやるかやらないかみたいな、軽薄な遊びである。
いかにノリとはいえ、まともな知性の持ち主なら、ようやりませんよ。ちょっとした試練である。
女の子とキスしそうな状況で試練もなにもないものだが、私にとってはそうだった。昔から、とかくこういったパリピ(当時はまだこんな言葉はなかったけど)なノリは苦手だったのだ。
これとともに人気だったのだが、正式名称は知らないが、「風船運びリレー」みたいなゲーム。
これは大きめの座敷などで、男女がほっぺたを使って風船を両側からはさみ、一緒に走るというもの。
一種の変形二人三脚で、これまたキャッキャ盛り上がること間違いなしだが、これまた自分にはつらかった。
知ってる間柄ならともかく、まだ会って間もない女子と、そんな恥ずかしいことなど日本男児である私が出来るはずもないではないか。
みんなは、まるでここは極楽浄土かというくらいに、楽しそうにはしゃぎまくっているんだけど、こちらがただただ、太宰治のように
「生まれてすいません」
な気分になってしまう。もう、どうしたらいいのやら。
なので、こういうスキンシップ系のゲームがはじまると、こっそりと抜けることが多かった。
じゃあ、最初から行くなよという話だが、当時はなにか、原秀則さんのマンガ『冬物語』なんかの影響で、
「学生というものは、チャラい遊びをしなければならない」
みたいな義務感のようなものがあり、やはり試練というか「修行」のつもりで行っていたのだ。なんの修行なのか。
唯一楽しかったといえば、たまに帰りの駅のホームなんかで、さっきまで飲み会の席にいた女の子と会ったりすること。
「あれ? なんで?」
「二次会どうしたん?」
なんて言い合って、話してみると、私と同じく
「あ、これはアカンやつや」
と逃げてきた子だったりする。
こういう人とは同病合い哀れむで、大いに盛り上がる。別の飲み屋行くか、それとも24時間のファミレスでコーヒーでも飲むかしながら、
「あーいうんは性にあいませんなあ」
「ほんまにねえ」
などと、しみじみと語り合うのだ。このときの、ホッとすることといったら!
なんて思い出もありまして、「彼女にするなら、結婚するなら、どんな女がええ?」というボーイズトークで、みなが
「家庭的な子」
「オシャレでかわいい子」
「イケイケのギャル」
「エロい女に決まってるやろ!」
などと盛り上がる中、ひとり
「一緒に梅の花でも見る茶飲み友達」
などと答えて「おまえには若さがない!」と笑われるのも、もしかしたらこの学生時代の経験があるからかもしれない。
などとボヤいていても、かわいい後輩の要望には応えたことにはならないので、次回はそんな「合コンのゲーム」が苦手だった自分がおススメする、楽しい遊びを紹介してみたい。
(続く→こちら)