拝啓 夏目漱石先生

自称「漱石先生の門下生(ただのファン)」による日記

鉄腕アトムが使わなかった意外な道具/ベルセルク「第83話」

2006-06-09 22:57:56 | 漫画
●去る6月4日の中日スポーツの朝刊に、『鉄腕アトム』グッズコレクターの人の記事が載っていた。最新の『PLUTO』を読んだばかりということで「アトム熱」が微妙に上がっていた時期だったためじっくり読んでみた。ただのレアグッズ自慢かな~とか思ってたら、アトムについての知識があまり無い私にとってはとても興味深いことが書いてあったりしたのです。
『鉄腕アトム』が描かれたのは今から約50年前。この漫画の舞台は21世紀なので、作者・手塚治虫は未来の世界をいろいろと空想しながらこの漫画を描いたのだろう。連なる高層ビル、空を走る車、人間社会に溶け込むロボットたちなどなど…。これらの空想の多くは残念ながら、実際に21世紀になった今でも実現してはいない。50年前に手塚が描いたアトムのいる未来都市に現実が追いつくのはいつだろう。それとも、やはりあの未来都市は漫画の世界だけのものなのだろうか。未来好きの私などはたまにアトムさながらのメトロポリスが実現する夢などを見たりするが、やっぱり夢の中だけの話?
アトムの世界に現実が追いつく。こんなことはやっぱり私が生きている間では不可能だろう。100年後?200年後?500年後?とりあえず、空を走る「Air car」が走っている様は500年後でも想像しがたい。そこで記事の話。他にも実現不可能な気がする未来アイテムが沢山出てくる『鉄腕アトム』だが、興味深いことにアトムの世界には、現在の我々の生活に欠かすことなどもはや考えられない「携帯電話」が登場していないという。これはアトムファンの間ではとても有名なことらしい。トランシーバーは登場するものの、アトムがお茶の水博士に連絡を取ろう思ったときはお店などで電話を借りるという。しかもコードつきの電話。さすがの手塚治虫も、誰もが電話を携帯する未来がやってくるとは想像しそこねたということか。でも、人間の1000倍の聴力、おしりマシンガン、ジェット飛行、超速の計算力、60ヶ国語通訳機能、瞬時に他者の善悪を見極める機能など、無敵のパワー(マジで)を持つロボットアトム君が通信手段としてコード有り電話を使うってのはなんともほほえましいではないか。もちろん、さすがに浦沢直樹版アトムの『PLUTO』ではそんなの使いませんが。まるでテレパシーのように、道具なしで通信してます。

●漫画『ベルセルク』の「幻」と言われている第83話を読んだ。なぜ「幻」かというと、雑誌「ヤングアニマル」に掲載されたものの作者の判断によって単行本には収録されなかったため。内容について深く描きすぎて今後の展開に支障をきたすと思っての行動だとか。しかし単行本でストーリーを追う人にとってはやっぱりその83話の内容が気になるわけで…。膨大な蔵書を誇る国会図書館にならその当時の「ヤングアニマル」もあるのでそこでチェックしたいところだが如何せん、どっかの信じられない程の外道が83話の『ベルセルク』のページを切り取ってパクっていってしまったため、もう読めない状態に。しかし、ひょんなことからネットで83話のデータを手に入れてしまい、読んでしまった。「幻」も探せば転がっている便利な世界だ。気になる内容はグリフィスと神との対話。個人的には、『ベルセルク』の最終話を読んでしまった気分…。