拝啓 夏目漱石先生

自称「漱石先生の門下生(ただのファン)」による日記

冨樫、逃げ出した後―Togashi's Dilemma

2006-06-02 22:23:37 | 漫画
『HUNTER×HUNTER』(冨樫義博原作)の連載が途中のまま凍結してしまってから4ヶ月近く経つ。次回への期待をブックブク増幅させまくる、めちゃめちゃ格好のよろしい、ゴンらハンター陣営のキャラが全員集合して敵地を見据えているラストのページ。あれがジャンプに載ったのはまだまだ寒かった2月。梅雨入り間近になってもその続きが掲載される気配はない。その間、漫画界ではいろいろなことが起こった。漫画版の『新世紀エヴァンゲリオン』の新刊が出た(一冊も読んだことないけど)。『20世紀少年』の第一部が突然完結し、浦沢直樹への失望の声が上がりまくった。しかし同じく浦沢直樹の漫画『PLUTO』ではストーリーが物凄い盛り上がりを見せたため、浦沢へのスタンスが愛憎入り混じるようになってしまった。超能力探偵少年が活躍する漫画・『DEATH NOTE』が静かに幕を下ろした。本当に色々なことが起きた。起こりすぎた。
3、4ヶ月前の「早く早く続きを見せて!」というような焦燥感は今の私にはもう全く無い。今の自分は気分的に漫画自体を欲していないようだ。読みまくる時期があればまったく触れもしない時期もあるのだ。人間だもの(みつを)。すっかり失せてしまった冨樫漫画への飢餓感。こうしてファンと呼ばれる人は離れていくのだろうか。しかし私は冨樫が復活さえすれば『HUNTER×HUNTER』がすぐにトップギアに入るという自信がある。冨樫は今何をやっているのだろうか。噂どおりFF12やってんだろうか。それとも漫画に出てくる敵キャラ、王とその側近の戦闘能力を強く設定しすぎたせいでいまだに今後の展開をどうするかで行き詰っているのか。もしも後者なら、じっくりじっくり考えて漫画を描いてくれればそれで良い。漫画を描くことから逃げ出し、放棄して他ごとをしているのなら…まぁそれでも信じて気長に待つよ。あのラストのページは本当にかっこよかったから。信じてるぜ(…これだから滑稽なんだよね、冨樫ファンって)。
逃げ出すといえば、集英社の少年ジャンプ所属の冨樫、彼は一瞬だけジャンプを「脱走」し、講談社の週刊少年マガジンでイラストを描いたことがある。今から6年前。2000年の一月。「マガジンの表紙は女の子の水着グラビア」という原則を打ち破りなぜか私の大好きなラルクが表紙・巻頭に登場した、全国の男子から「男の写真なんていらねぇ!女をだせ!」という苦情が殺到したかもしれない号。そこで冨樫はなぜかラルクの4人の似顔絵カットを挿絵として描いている。1999年の夏、ジャンプの目次に載る漫画家からのコメント欄で「ラルクのお台場でのライブに行った」と書き、ラルク好きを明かした冨樫。そんな彼は2000年の一月ごろ、同欄に「ラルクの4人にお会いしました。みなさん気さくだった」という旨のコメントを残している。ラルク好きが高じてか、一応ライバル出版社である講談社に乗り込み、取材を受けるラルクに会いに行き、イラストまで描いた冨樫。後にも先にも「週刊少年マガジン」に冨樫のイラストが載るのはこのラルクの件のみであろう。本当、当時は驚きましたよ。「なんでマガジンに冨樫の名前が!??」ってね。画像はその時のものです。みんな結構似ております。愛もこもってるような気がします。

追記
サッカー好きの母親に「今度のW杯、(トルコ代表の)イルハン出る?」と聞いたら「てゆーかトルコW杯出ないから」だと。えー…出ないのか、「あいつはイルハン!」。それにしてもイルハンって地味に凄い名前だ。韓国語にするとイル→日 ハン→韓でしょ?日韓。4年前、韓国人はこのネタで盛り上がったりしたのだろうか。…無いか。