熊本市中央区水前寺に東海道五十三次を模したといわれる庭園には湖に見立てた池が配され、ゆるやかな起伏の築山とともに、庭園美を誇る桃山式の回遊庭園「水前寺成趣園」はある。寛永9年(1632)、肥後細川初代藩主「細川忠利公」が御茶屋を置いたところで、その後、三代目藩主網利公のときに庭園が完成し中国の詩人陶淵明の詩「帰去来辞」に因み「成趣園」と名づけられた。正門より入園、「古今伝授の間」の奥に当園の美しい景観を映し出している阿蘇の伏流水をたたえる「泉水池」(3年半前の熊本地震で枯渇したが現在は復活)、見返り橋の奥に当園のシンボル「富士築山」が聳える。池内には神社通り、見返り通り、湖畔通り、能楽堂通りが配されている。園内の北側には肥後細川家初代細川藤孝公他歴代(15柱)が祀られている「出水神社」、そして夏祭り薪能が行われる「能楽堂」がある。園内には梅、桜、花しょうぶ、椿、アジサイ、山茶花、シャクヤク、菊の花々、縁結びの梛の木により四季が彩られる。昭和4年に国の名勝・史跡に指定された。(1909)
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