パンデミック収束へー国際社会の連帯と協力を呼びかける
国際社会の連帯と協力は、一歩一歩、前進している
米国と中国の今お話したような状況のもとで、国際協力に望みがないのか。そんなことはありません。米国と中国によってさまざまな障害が持ち込まれるもとで、パンデミック収束にむけた国際社会の連帯と協力が、一歩一歩、前進していると言うことです。
4月2日、国連総会は、決議「新型コロナウイルスとたたかう 地球的連帯」をコンセンサス(一致点)で採択しました。5月19日、WHO総会は、曲折はありましたけれど、決議「新型コロナウイルスへの対応」を全会一致で採択しました。さらに、7月1日、国連安全保障理事会は、世界的な即時停戦を呼びかける決議を、全会一致で採択しました。日本を含む15の国の科学者団体ー学術会議アカデミーは、国際協力の緊急的必要性を訴える呼びかけを行ないました。
米中によって障害が持ち込まれるもとでも、ヨーロッパ各国、オセニア、ASEAN(東南アジア諸国連合)をはじめアジア諸国の努力によって、そして何よりも疫病に苦しむ全世界の民衆の声に押されて、一歩一歩、前進がつくられているのは重要であります。
パンデミック収束への国際協力をー日本共産党の4つの呼びかけ
日本共産党は、5月21日、「パンデミック収束へ 国際社会の連帯と協力を」と題する声明を発表し、国連と世界各国に働きかけてきました。私はこの場で、次の4つの方向で、国際社会の協調した取り組みを前進させることを呼びかけます。
第一は、医療・保健における大規模で包括的な協力です。
いまなすべき協力の内容は、米中もふくめて 全会一致で採択された5月19日のWHO総会決議に明記されています。パンデミックを封じ込めるためにあらゆるレベルの共同を強化すること、WHOの対応に関する公平・独立の調査などであります。いまなすべき協力の内容は明確であり、問われているのは、それを実行する米中両国政府も含めた各国政府の意思であることを強調したいと思います。
第二は、途上国に対する国際的支援であります
アフリカやアジアなどの低所得国の半数近くが、対外債務による窮状に陥り、コロナ対策の予算が圧迫されています。G20は最貧国の対外債務の返済の猶予を決めましたが、国連やアフリカ連合などは、さらなる支援を呼びかけています。米国のサンダース上院議員は、世界銀行総裁とIMF(国際通貨基金)専務理事にあてに、最貧国の債務免除を求める書簡を発表しました。この書簡には世界20ヶ国以上300人を超える議会人が賛同しており、私も、先日、これに賛同する手紙をサンダース上院議員に送ったことを報告しておきたいと思います。債務免除と共に、食糧支援も緊急に求められていることを強調したいと思います。
第三は、世界の紛争地での即時停戦、核兵器廃絶をはじめ軍縮を行ない、コロナ対策に力を集中することであります。
パンデミックで明白になったことは、武力紛争がコロナ危機を壊滅的なものとすること、軍備増強がウイルスとたたかう上で何の意味もないことではないでしょうか。巨大な原子力空母が新型コロナの感染で動けなくなる。空母、潜水艦などがいかに脆弱かが明るみに出ました。日本共産党は、即時の世界的停戦を呼びかけた国連安保理決議を全世界が厳格に履行することを強く求めるものであります。
韓国ではアメリカからの兵器購入の一部を先延ばしするなど、軍事費を削りコロナ対策に充てる措置をとりました。日本でもやるべきではないですか。辺野古新基地建設をはじめ、有害で不要不急の軍事費を削って、コロナ対策に充てよーこの声をあげようではありませんか。被爆75周年の今年、核兵器禁止条約の発効に向けて、国際社会がさらに前進するよう、力をつくす決意を表明するものです。
第四は、富裕層などへの課税でコロナ対策の財源をつくるなど、より公正な世界をめざすことであります。
パンデミック収束のために、WHOをはじめとした国際機関は、企業に対して拠出を呼びかけています。経済学者・トマス・ピケティ氏らフランスの研究者7人は、大企業や富裕層への課税強化を提唱しています。富裕層への課税強化、国際金融取引税の導入、国際協調での法人税率の引き上げなど「税の公平」を進めるべきであります。コロナ後の世界は、古い世界に戻るのではなく、国連総会で決定された「持続可能な開発目標(SDGs)を指針として、より公正な新しい世界を目指すべきではないでしょうか。
感染症対策に国際協調で取り組んで来た歴史ーいまこそ発展させるとき
みなさん。国際社会は、政治的立場の違いを超えて、感染症対策に国際協調で取り組んで来た歴史を持っています。
米ソ冷戦のもとでも、1950年代以降、ポリオ(小児まひ)に対して、米ソは協力して生ワクチン実用化に向けた取り組み行ないました。60年代以降、天然痘根絶プログラムでも、米ソ協力が実現し、1980年の天然痘根絶になりました。2014年のエボラ出血熱の流行の際には、米国オバマ政権が積極的な役割を発揮し、「国際エボラ緊急対応ミッション」が設立され、国際協調で封じ込めに成功しました。
ウイルスは簡単に国境を超えてしまいます。各国バラバラ対応では、感染症を抑えることはできません。こうした認識のもと、政治的対立をのりこえて国際協調を発展させてきた歴史を、人類はもっているではあります。
いまこそこうした歴史を発展させるときではないでしょうか。新型コロナ・パンデミックの収束にむけ、世界の多くの国ぐにの政府と市民社会の協力を発展させることを、心から訴えるものであります。
(つづく)
国際社会の連帯と協力は、一歩一歩、前進している
米国と中国の今お話したような状況のもとで、国際協力に望みがないのか。そんなことはありません。米国と中国によってさまざまな障害が持ち込まれるもとで、パンデミック収束にむけた国際社会の連帯と協力が、一歩一歩、前進していると言うことです。
4月2日、国連総会は、決議「新型コロナウイルスとたたかう 地球的連帯」をコンセンサス(一致点)で採択しました。5月19日、WHO総会は、曲折はありましたけれど、決議「新型コロナウイルスへの対応」を全会一致で採択しました。さらに、7月1日、国連安全保障理事会は、世界的な即時停戦を呼びかける決議を、全会一致で採択しました。日本を含む15の国の科学者団体ー学術会議アカデミーは、国際協力の緊急的必要性を訴える呼びかけを行ないました。
米中によって障害が持ち込まれるもとでも、ヨーロッパ各国、オセニア、ASEAN(東南アジア諸国連合)をはじめアジア諸国の努力によって、そして何よりも疫病に苦しむ全世界の民衆の声に押されて、一歩一歩、前進がつくられているのは重要であります。
パンデミック収束への国際協力をー日本共産党の4つの呼びかけ
日本共産党は、5月21日、「パンデミック収束へ 国際社会の連帯と協力を」と題する声明を発表し、国連と世界各国に働きかけてきました。私はこの場で、次の4つの方向で、国際社会の協調した取り組みを前進させることを呼びかけます。
第一は、医療・保健における大規模で包括的な協力です。
いまなすべき協力の内容は、米中もふくめて 全会一致で採択された5月19日のWHO総会決議に明記されています。パンデミックを封じ込めるためにあらゆるレベルの共同を強化すること、WHOの対応に関する公平・独立の調査などであります。いまなすべき協力の内容は明確であり、問われているのは、それを実行する米中両国政府も含めた各国政府の意思であることを強調したいと思います。
第二は、途上国に対する国際的支援であります
アフリカやアジアなどの低所得国の半数近くが、対外債務による窮状に陥り、コロナ対策の予算が圧迫されています。G20は最貧国の対外債務の返済の猶予を決めましたが、国連やアフリカ連合などは、さらなる支援を呼びかけています。米国のサンダース上院議員は、世界銀行総裁とIMF(国際通貨基金)専務理事にあてに、最貧国の債務免除を求める書簡を発表しました。この書簡には世界20ヶ国以上300人を超える議会人が賛同しており、私も、先日、これに賛同する手紙をサンダース上院議員に送ったことを報告しておきたいと思います。債務免除と共に、食糧支援も緊急に求められていることを強調したいと思います。
第三は、世界の紛争地での即時停戦、核兵器廃絶をはじめ軍縮を行ない、コロナ対策に力を集中することであります。
パンデミックで明白になったことは、武力紛争がコロナ危機を壊滅的なものとすること、軍備増強がウイルスとたたかう上で何の意味もないことではないでしょうか。巨大な原子力空母が新型コロナの感染で動けなくなる。空母、潜水艦などがいかに脆弱かが明るみに出ました。日本共産党は、即時の世界的停戦を呼びかけた国連安保理決議を全世界が厳格に履行することを強く求めるものであります。
韓国ではアメリカからの兵器購入の一部を先延ばしするなど、軍事費を削りコロナ対策に充てる措置をとりました。日本でもやるべきではないですか。辺野古新基地建設をはじめ、有害で不要不急の軍事費を削って、コロナ対策に充てよーこの声をあげようではありませんか。被爆75周年の今年、核兵器禁止条約の発効に向けて、国際社会がさらに前進するよう、力をつくす決意を表明するものです。
第四は、富裕層などへの課税でコロナ対策の財源をつくるなど、より公正な世界をめざすことであります。
パンデミック収束のために、WHOをはじめとした国際機関は、企業に対して拠出を呼びかけています。経済学者・トマス・ピケティ氏らフランスの研究者7人は、大企業や富裕層への課税強化を提唱しています。富裕層への課税強化、国際金融取引税の導入、国際協調での法人税率の引き上げなど「税の公平」を進めるべきであります。コロナ後の世界は、古い世界に戻るのではなく、国連総会で決定された「持続可能な開発目標(SDGs)を指針として、より公正な新しい世界を目指すべきではないでしょうか。
感染症対策に国際協調で取り組んで来た歴史ーいまこそ発展させるとき
みなさん。国際社会は、政治的立場の違いを超えて、感染症対策に国際協調で取り組んで来た歴史を持っています。
米ソ冷戦のもとでも、1950年代以降、ポリオ(小児まひ)に対して、米ソは協力して生ワクチン実用化に向けた取り組み行ないました。60年代以降、天然痘根絶プログラムでも、米ソ協力が実現し、1980年の天然痘根絶になりました。2014年のエボラ出血熱の流行の際には、米国オバマ政権が積極的な役割を発揮し、「国際エボラ緊急対応ミッション」が設立され、国際協調で封じ込めに成功しました。
ウイルスは簡単に国境を超えてしまいます。各国バラバラ対応では、感染症を抑えることはできません。こうした認識のもと、政治的対立をのりこえて国際協調を発展させてきた歴史を、人類はもっているではあります。
いまこそこうした歴史を発展させるときではないでしょうか。新型コロナ・パンデミックの収束にむけ、世界の多くの国ぐにの政府と市民社会の協力を発展させることを、心から訴えるものであります。
(つづく)