菊池のぶひろの議会だより

日本共産党 桜川市議会議員 菊池のぶひろの活動報告です

徴兵制と民主主義(1)

2012年09月09日 21時18分24秒 | 社会・経済

8・15終戦記念日に戦争と平和を考えるために

《徴兵制と民主主義》1

第1部   徴兵制の歴史(前半)

 

問題1 今の日本には徴兵制はありません。それでは他の国々はどうでしょうか。世界の国々(約200か国)の中で、は、どれくらいあると思いますか。

予想 ア、〈徴兵制の国〉がほとんど。

イ、どちらかというと〈徴兵制の国〉が多い。

ウ、どちらかというと〈徴兵制の国〉が少ない。

エ、〈徴兵制の国〉はあまりない。

 注)徴兵制がない国=軍隊がない国ではありません。

希望者だけで軍隊を組織する国は志願制と言います。

  答 徴兵制の国〉74か国  〈志願制の国〉87か国  〈軍隊のない国〉25か国

    

〈徴兵制の国〉 アジアでは 中国、ベトナム、

        インドネシア、韓国 

ヨーロッパでは ロシア、

トルコ、ウクライナ

アメリカでは  メキシコ、

ブラジル、コロンビア チリ

アフリカでは 

 エジプト、モロッコ、マダガスカル

    〈志願制の国〉 アジアでは 

            日本、インド、オーストラリア、

            パキスタン

            ヨーロッパでは イギリス、フランス、

                ドイツ、イタリア、スペイン

            アメリカでは  アメリカ合衆国、

                   カナダ、アルゼンチン

            アフリカでは  

               ナイジェリア、南アフリカ、

注)徴兵制の国と志願制の国では、ほぼ同じ数ですが、人口の多い国では、志願制の国の方が多くなっているのです。アメリカ合衆国、インド、ヨーロッパの大国、日本などです。どちらかというと〈徴兵制の国〉は少ないのです。

問題2 それでは明治の初めころ、〈徴兵制の国〉はどれくらいあったと思いますか。明治の初期(明治維新がはじまって10年頃=1878年)に 「日本が模倣をしようと思った大国」  4つ(米、英、仏、独、)と日本ではどうでしょうか。

     

 予想  ア、5か国すべてが徴兵制を行っていた。

     イ、5か国すべてが徴兵制を行っていなかった。

     ウ、徴兵制を行う国と、行わない国があった。

   注)現在は、この5か国は、すべて徴兵制は行っていません。

答 日本    徴兵制(明治6年に徴兵令ができる)

  イギリス  志願制(第一次、第二次世界大戦時には徴兵制)

  アメリカ  志願制

       (南北戦争時と第一次、第二次世界大戦時には徴兵制)

  フランス  徴兵制   

  ドイツ   徴兵制

問題3、現代につながる徴兵制は近代(1800年代)に始まりました。それでは、近代以降

で徴兵制をはじめて行った国はどこだと思いますか。

 予想 

ア イギリス    イ、アメリカ    ウ、フランス     エ、ドイツ

注)いつから近代と呼ぶかは国によって違います。日本は明治維新以降が近代とされています。

  ここでは〈身分制の社会〉でなくなった時代が近代と考えてください。

   答  ウのフランスです

  

1789年、フランス革命がおこりました。近隣の君主制(王政)の国々は、革命が自国に波及するのを恐れて、軍隊を出して革命に干渉しました。フランスの革命政府は、それに対抗するために志願兵をつのり、1793年には徴兵制を実施し、短期間に数多くの国民を動員しました。他国の軍隊は「傭兵」を中心とした〈職業軍人の軍隊〉でした。

 一方、フランスの〈徴兵による軍隊〉は一般国民ばかりでした。この戦争はどちらが勝ったのでしょうか。

 勝ったのは、フランスの〈徴兵による軍隊〉でした。その後、フランスの軍隊は、ナポレオンが指揮するようになりました。そして、1800年ごろには、ヨーロッパの大部分がフランスの支配下に置かれる結果になりました。

 (徴兵制がある国=軍国主義という図式は成り立ちません。徴兵制と民主主義の関係をみなさんに考えていただくために、この問題を紹介します。フランスの王政復古の変遷とともに、徴兵制度がどのように変遷していったかが次号です。お楽しみに)


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