《問題5》
日露戦争では、たくさんの戦死者がでましたが、直接戦闘で死んだ人のほかに、脚気やチフスなどにかかって死んだ人(戦病死者)もたくさんいました。そういう人はまつられているでしょか。
注)日露戦争の戦没者は8万8千人となっています。そのうち2万4千人(27%)は病死者です。
予想
ア、まつられている 4人
イ、まつられていない 15人
説明
日露戦争より前の日清戦争では、戦死者は1904人ですが、病死者は1万1345人です。戦没者のうち、戦死者14%で、病死者86%です。当時は、軍事機密ということで発表されませんでした。衛生状態の悪さもありますが、脚気による死亡もおおかったと記録されています。
戦場で病気になっても、いつ死んでかはなかなか難しい。それが少数なら無視できますが、相当多いのです。長い間議論があったようですが、結局区別がつかないということもあり、答えは「ア」です。
〖コメント〗
ここは人生観が分かれるところです。厳密に考える人は
「戦病死者はダメ」と判断します。しかし、おおらかに考える人は
「一緒でもいいじゃん」となります。はっきり理由を述べる生徒さんはいませんでしたが、「病死を別にしたら、かわいそう」と、つぶやく声は聞こえました。
《問題6》
本居宣長(江戸時代の神道学者)は、「尋常ならず、すぐれて徳のある人は神になる」と言っています。
湊川神社は楠木正成、上杉神社は上杉謙信、常磐神社は水戸光圀、天満宮は菅原道真をまつってあります。
いままで、靖国神社にまつられた人は、合計人数でどのくらいになるでしょう。
予想
ア、 千人以下 0人
イ、 千人から1万人 3人
ウ、 10万人 13人
エ、 100万人以上 3人
説明
「神道では死ねば、だれでも神になれるのか」といわれれば、必ずしもそうとはいえません。それなりに国家に貢献した人が、神になれるのです。一芸に秀でた人が神になることもあります。
靖国神社の名簿には、幕末から明治維新、日清戦争、日露戦争をへて「大東亜戦争」までの戦没者246万人余がまつられています。このように靖国神社だけは、神社の中でも例外中の例外といわれています。
答えは「エ」です。
〖コメント〗
ここは、水戸市に常磐神社があり、水戸光圀のことは生徒さんも知っていますので、一安心です。しかし、常磐神社が光圀をまつった神社であることを知っている生徒さんはいませんでした。
日本の神社は、「偉い人」をまつるだけではありません。大子町には「コンニャク」をまつった蒟蒻神社があり、私も、板倉聖宣氏と仮説の仲間で一緒に見学にいっています。