今日の東京新聞の本音のコラム欄に、「廃炉産業」と題して、ルポライターの鎌田慧氏が書いているので紹介したい。
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本気なのかと目を疑ったのが、日本原子力発電(原電)東海第二原発の運転申請報道である。運転開始から来年で40年、廃炉の年限が来ているのに、さらに20年も運転するという。
茨城県にある東海原発は、首都圏に最も近いポンコツである。30キロ圏内には、14市町村96万人が暮らしている。事故が発生したとき、およそ100万人の人間がどこに逃げるのか。まともな神経があるなら、踏み込めない恐怖の再稼働である。
フクシマでは、避難の逃避行で多くの入院患者が死亡した。故郷と生業をうしなって自殺者が出た。子どもたちに甲状腺がんがふえ、避難者の経済的困窮は深まり、地域の放射線は消えず、汚染水は止まらない。
安倍首相の「アンダーコントロール」など真っ赤なウソだったことがわかったことが、時間と共に証明されている。
それでも再稼働の号令をかけている官邸は、原爆が落とされてもまだ聖戦をあおっていた「大本営」の無責任な頑迷さだ。原発敗戦をみとめ、復興に向かうべきだ。
一基5千億円以上と見込む廃炉作業で、地域経済を立て直せばいい。再稼働のための安全対策費1800億円は、むだな投資だ。廃炉費用に回した方がはるかに経済効果が高い。
電力会社もちあいの原電は「日本原子力発電」として、安全な廃炉の技術確立に役立ってほしい。
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注)私が、東京新聞の「本音のコラム」を紹介するのは、短い文章で、ズバリと本質を着いた文だからです。これは、また、私の勉強にもなっているのです。