★ Serena ★

カナダ暮らしのエスペランチスト、自然愛好家。
エスペラントやカナダの野草、ネーチャークラブの活動など思いつくままに。

黄色いアザミ

2006-07-24 10:27:57 | 野の花 - 夏から秋へ
アレチノゲシ?

学名:Sonchus arvensis
英語名:Perennial Sow-thistle
花が黄色いアザミを見たいと思っていました。
これは私が希望していた花とは違いますが、少なくとも花が黄色なので写真を撮ってきた次第です。
手に負えない雑草と見なされているようなのですが、この花に限ったことではないでしょう。
和名を探したら、アレチノゲシ(荒地野芥子)と出て来たのですが、花が全く違います。多分イトコかハトコに当たるのでしょうけれど。
花は菊の花に似ていますが葉は紛れも無く薊です。
今後の宿題ですが、どなたかから情報が入るかも知れませんね。

明日からこのブログは十日ばかりお休みです。カルガリーのコンピューターは日本語を書けるように設定されていませんし、書く時間も無いでしょう。
赤ちゃんが居るので今までのような行動は出来ませんがそれでも何か計画してくれているようで楽しみです。その報告は後ほど。。
行って来まァす

トンボはトンボはトンボはトンボ。。

2006-07-23 21:03:02 | 昆 虫
昨日の"スポンタネオゥス・アウティング”は家を出るときは降りそうな空とは言えまだ希望が持てたのに集合場所に集まった頃から降り出しました。予報の気温は28℃、体感気温は33℃もあったので、レインジャケットでは蒸し暑いと思い私はレインパンツだけにし傘を持って行ったのですが、しっかりビニールのレインジャケットを持った人、加えて傘も持った人など皆さんかなり重装備です。合計16人。「雨の日にしては集まりが良い。。」と言う声や「だから気違いの集まりなのよ。。」と言う声も聞こえました。
昨日の言い出しっぺはポール。彼の知人らしい若い女性が車を止め窓を開けて言いました。
「Do you know, it's raining?」
ポールはニタニタ笑いながら何か答えています。彼のニタニタ笑いは彼の素顔で、何時も何か悪戯をたくらんでいるかに見えるのです。だから、真面目な話をする時は「これ、真面目な話し」とことわりを言わなければ誰も信じてくれません。

昨日の目的はトンボ探しでした。ですから、とんぼのいる所、居るらしい所を目掛けて行きます。
集合場所から4台の車に分乗して出発し最初に停まったのは大きな池の畔。この頃から土砂降りです。ポールは網と桶を持って池に入って行き
トンボの抜け殻を見つけて来ました。その間他のメンバーは望遠鏡で空を仰いでいます。「Osprey(ミサゴ)だ!」これは私も肉眼で見つけたところだったので、
「あ、当たりだ」と嬉しくなりました。
誰かが化石を見つけてきました。
「ワ、綺麗」と言う声。「持って帰る?」「イヤ、いいよ。化石は家にいっぱい有るから。。ドーラ(奥さんの名前)も含めて」と言ったのはリック。「キャーッ」という反応が沸き起こりましたが、当のドーラはニヤニヤ笑っています。仲のいい夫婦です。
何の化石かな?
雨は小止み。また場所を変え、ウェインフリート村のほぼ真ん中辺り、路傍の草むらをポールが掻き回して歩きます。こうすると休んでいたトンボが飛び出し、すぐ何処かに停まるので見つけ易いのだとか。
車が一台停まりました。
「何が有るのですか?」
「トンボです」
「なるほどね。バーダーだろうとは思ったのだけれど。。」
それからその人は今来た方を指差し
「向こうに青サギの赤ちゃんが居ますよ、すごく可愛い」
と教えてくれたので、鳥に興味を持つメンバーは心を動かされたようでした。
草むらに赤とんぼが停まりました。
私にとってそれは「赤とんぼ」なのですが英語では何て言うのかな、と聞くと
「イエローレッグド・メードーホーク(Yellowlegged meadow hawk)」
たかが赤とんぼに大袈裟な名前。
ブルエットだナンダと彼らが騒いでいるのを聞いてもちょっと意味が判りませんが、このような長い名前を省略して呼ぶからなのです。
この2、3日で大分判ってきましたが、まだまだ。。
ドラゴン・フライは羽根を開いて停まり、ダムセル・フライは羽根を畳んで停まる、と言うことだけは憶えました。ダムセル・フライの日本語名はイトトンボです。こんなことも知りませんでした。
私にとって今のところトンボはトンボです。
肉眼では良く判らないこの昆虫の美しさをカメラを通して見せてもらっている内に、何故こんなに大騒ぎするのか理解できるような気がしてきました。
「I am happy」とポールが言っています。今日はかなり色々な種類のトンボを見つけ写真も良いのが撮れたからです。そしてみんなも同意しています。
私は私で満足していました。トンボはトンボはトンボ。。という私ですが見たかった黄色いアザミを見つけたからです。写真もマァマァだし。
結局予報に反して涼しい一日を過ごし帰宅しました。足は草臥れたけれど良い一日でした。

冷凍たまご

2006-07-21 19:33:28 | Weblog
仲良し子猫
今月の25日から8月2日までの予定で、カルガリーへ行って来ることにしました。そのため冷蔵庫の中の野菜など冷凍できない物は食べてしまわなければなりません。追加を買わないで、兎に角冷蔵庫を空にしようと努めています。そして卵の賞味期限が切れていることに気付きました。このような賞味期限というのは、その日以降については責任を持てませんという程度の意味ですから、割ってみると黄身はこんもりと盛上がっていてまだまだ新鮮です。でも、十日後の保障はありません。急いで食べてしまわなきゃ…。
それを聞いた娘が「卵は冷凍しておけるよ」

昨日お昼に招かれたいつものご夫妻のところでこの話しをしたら、彼らもビックリ。「若い人たちから学ぶ、と言うことも有るわけよね」と感心していました。

そのまま冷凍するのではなく、割って、殻から出して冷凍するのですが、後日どういう使い方をするかで、黄身白身を別けておくなどの心遣いは必要です。
幾つも残っていないのだけれど、ンじゃ試しにやってみようと、小さい容器に一個づつ入れて凍らせました。
郵便物の保留も、猫の"ヴァケーション"も、空港までのシャトルも予約し、あとはカバンの荷造りです。

小さな、小さなクリスマス・ツリー

2006-07-19 14:47:00 | 羊 歯

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学名:Lycopodium obscurum
英語名:Ground Pine
エスペラント名:不明 (Ne trovita)
和名:マンネンスギ

この格好の良いクリスマス・ツリーは高さが10㎝位しかありません。
シダの種類で、英語の名前にしても日本語の名前にしてもその形を良く言い表しています。
昔、原住民達は関節がこわばった時の薬に使ったとか。
角状に伸びているのが胞子嚢穂(ほうしのうすい)、まだ若いので瑞々しい緑色です。裏写真はまだ生えて間もない幼いもの。
もう少し詳しい説明はこちらのサイトを読んでください。

カンジキの話

2006-07-18 19:21:42 | カナダの民話
カンジキを履いたイヌイット昔々、西部の大きな川に沿ってイヌイット(エスキモー)の村がありました。冬が来て食べ物が不足するようになると、多くの村人が飢え死にするだろうことを彼等は知っていました。
ある夜男達が集会所に集まって話し合っていました。若者たちの中にはカリブーを追って内陸に奥深く入って行こうと言う者もいました。「いや、」とアイピリックが言いました。「もし、内陸深く入って行ったら雪が柔らかだからカリブーに近づくことなんてとても出来ない。カリブーはさっさと雪の上を逃げてしまうけど、君達はひどくのろのろ行く事になるんだよ。」
「僕が行く。」とサパが言いました。「僕がカリブーを見つけて、この谷間に追い込むよ。」
「君が死んでしまう事は確かだ」とアイピリックが言いました。 
川沿いに沢山の小さな木が生えていました。サパは注意深くその辺を見渡しました。なぜなら時々インデアン達がここに焚き木を集めに来ていたからです。でも今日は何故かインデアン達の姿は見えません。彼はゆっくりと雪が堅くてあまり深くない高い丘に沿って歩いて見ました。彼はその木々の枝をいくらか取ってロープで括り、それを額から背中に掛けて下げ、背負って持って行きました。
何日もの間サパはその高い丘に沿って歩き、やがてカリブーの沢山いる谷間に辿りつきました。サパは腰を下ろすと持って来た枝を使って何かを作り始めたのです。それが終ると彼はやはり持って来ていたカリブーの皮を被ってカリブーの群れに近づきました。カリブーの皮を被っているのでカリブーたちは彼が人間とは気が付きません。
サパはしばらく待ってからカリブー達が逃げ出すように大きな音を立てました。カリブー達が行ってしまうと被っていた皮を脱ぎ、枝で作った大きな靴を履いてカリブーの後を追いかけました。
何日もの間サパはカリブーの群れから離れない様にしていました。いつも彼の家族が住んでいる谷間の方に追い込むように仕向けながらです。大きな靴のおかげで柔らかい雪の上でも速く歩くことができました。間もなく彼の村人達が住む谷間の近くに来ました。彼は大きな靴を脱ぎ、それを雪の下に隠してから、カリブーを連れてきた事を村人達に告げに行きました。直ちに男達が出てきて、カリブーをすばやく凍った川沿いに追い、沢山獲物を得る事が出来ました。
その夜みんなが雪の家の中に座って肉を食べている時アイピリックが「今まで来たことが無いくらいキャンプに近い所にカリブーが来たおかげで美味しい肉を食べられるのは運が良い」と言いました。彼はサパがカリブーをキャンプに連れてきたことを信じられなかったのです。
「僕がカリブーを追い込んだのよ」とサパが言いました。「僕は彼等を見つける前に五回も眠ったんだぜ、それからここへ連れてきたんだ」
「どうやって柔らかい雪の上を歩けたんだ?」とアイピリックが聞きました。
「それは言えないよ」とサパが答えました。
誰もサパを信じませんでした。何日もの間彼は不服でした。しかしある夜彼は男共みんなに集会所に集まってもらい、どうやって雪の上を歩くか見せたいと言いました。
みんなが集まってから彼は小さい枝で作った大きな靴を見せました。すぐにみんなは興奮してしまいました。「今度から」とアイピリックが言いました。「インデアンの住む南の方へ行けるね。僕達は柔らかい雪の上を走れるから彼等に捕まる事がないもの。」
「彼等が僕達の靴を見たら同じ物を作ってしまうよ。」とサパが言いました。
「それよりみんなでカリブーを追って内陸へ行こうよ。 この川辺りにとどまって魚ばかり食べてるよりその方が良いよ。」
みんなサパの意見を聞き入れました。彼等はサパが真実を言っていることを知っていたのです。次の冬イヌイット達はカンジキを履き、大きなカリブーの群れを追いながら川辺りの谷間を後にしました。(イヌイットの伝説から)


冬景色を紹介した後、今度は冬の民話です。
少しは涼しい気分になるでしょうか。

カンジキは英語ではスノーシューなので、直訳では「雪靴」になってしまいます。事実そういう誤訳を良く見かけます。
日本のカンジキは楕円形ですが、カナダのはテニスのラケットのような形をしています。
スノーボードなどスピードを楽しむスポーツが流行ってきている中、昔ながらのカンジキを履いて冬のハイキングを楽しむ人達もまだまだ多いです。


暑中お見舞い申し上げます

2006-07-16 14:05:53 | Weblog
暑中お見舞い申し上げます
皆さんの茹だっている声が聞こえてきます。夏ですねぇ。
ブログ巡りをしていて感じるのはその暑さ。当然です。こちらも負けずに暑いのですから。
驚かないで下さい。
ここ4-5日は30℃を越す暑さが続き、体感気温は40℃を越す見込み。。今日の予報は45℃とのことで、早朝用事を済ませ、覚悟して閉じ籠もることにしました。

せめて写真で涼しさをお届けしましょう。
写真の中の人々は見知らぬ旅行者で、ナイアガラの滝壺を覗いているところです。
こういう晴れた日は爽やかで寒さをさほど感じません。

夏バテしないよう、みなさんお大事に!

雨後のキノコ達

2006-07-14 13:10:34 | 自 然
雨上がりの森で見つけた茸たち
下の小さい画像にマウスを乗せて下さい
もっと沢山あったけど写真が。。。
毒茸アマニータ、天狗茸の類コーラル・ファンガス。ベージュ色のサンゴのような。。コーラル・ファンガス。これは白いサンゴ。ターキーテール、瓦茸。細かいのが沢山集まって巨大に。。ターキーテールもどき。瓦茸を真似ている偽者。スライミー・ファンガス。見たところヌルヌルした感じなのでこの名が付いた。触ると堅く乾いている変な茸。

まだ雨が降り続きそうな空だったから集まりは悪く合計11人、気違いの集まりと自称する者ばかり。
風が吹くたびに梢から滴が降ってくる森の中を歩くこと1時間半、雨の後だから茸類は沢山あって「写真だけ撮っても名前書いておかないと忘れるよゥ、セレナ。」と心配してくれる人もいましたが、スライミーもコーラルもターキーテールも見れば判る茸ばかり。
色々調べる気力が無いので今回は写真のみです。
和名をしらべようとしてもあまり出てきません。アマニータはアマニータのままだったし。


今朝はナイアガラ公園のガイドライセンスを取りに行きました。
何年か前から毎年試験を受けなければならなくなって、今年は料金が35ドルから一気に50ドルに上がったこともあり、仕事が無ければ採算が合わないと受けていなかったのです。
そしたら、8月にガイドライセンス料金くらいは出る仕事が入りました。息子は割が悪いから、そんな仕事しなくても。。と言いますが、私はセラピーの心算でやってみようと引き受けました。
今月下旬にはカルガリーへ行って来る心算なので、今月中に取っておくべきと、実行した次第。
こういうことも自分を励まし励ましです。元気な振りをして生きていくことにも大分慣れて来たこの頃です。

インデァン・パイプ

2006-07-13 16:52:00 | 野の花 - 夏から秋へ
右の小さい画像へ順番にマウスを当てて。
ナルホド竜が子分を従えて。。後ろに居るのは傍観者?
傍観者達の後姿
お父さん竜とお母さん竜。脇には三頭の子竜が仲良く。。
スズランの花形の街灯みたいで可愛い。

学名:Monotropa uniflora
英語名:Indian Pipe, Corpse Plant
エスペラント名:不明(Ne trovita)
和名:ギンリョウソウモドキ(銀竜草擬き)、ユウレイタケ(幽霊茸)

インデアンパイプは「屍骸植物」という別名でも知られていますが、見分けが最も簡単な植物の一つでしょう。他の植物と異なり葉緑素が全く無いのです。蝋細工のような白っぽい色をしていて老いてくると黒く変色します。
インデアンパイプは10cmからせいぜい25cm位までしか伸びません。花は小さくてうつむいていますし、葉は鱗の様な形で6月から9月頃まで見られます。日陰で肥沃な森の、植物の腐敗している様な所を好むので腐った切り株の有るあたりに良く見かけます。
日本名を探していたら、アキノギンリョウソウ、ギンリョウソウモドキなどが出て来ました。これらのサイトの説明によると、初夏に出るギンリョウソウとは違い秋に出るからこのような名前なのだそうですが、私が撮影したのは今日、7月13日ですから、アキノギンリョウソウは当てはまらないのですが、学名は一致しているのです。写真を比べても全く同じに見えます。

以下は参考サイトです。
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/BotanicalGarden/HTMLs/akinoginryousou.html
http://www.fsm.affrc.go.jp/Joho/49/p4a.html
http://members8.tsukaeru.net/mikawauo/data/akinoginryousou.htm

このサイトによると日本では秋に咲くこのはながこちらでは初夏に咲くという説明です。何故なのか。でもそれ以外考えられません。
http://homepage2.nifty.com/hanapapa/USA/IndianPipe.html


空の国へ行ったテン

2006-07-12 14:05:37 | カナダの民話
北斗七星の伝説
テンは狩りに優れた動物でした。
大きくは無かったけれど、その決意の堅さで知られ偉大な権威と見なされていました。テンの息子はやはり偉大な猟師になりたいものと思っていました。或る日、息子は何か試しに捕まえてみようかと出かけて行きましたが、それは易しいことではありませんでした。至るところ雪はとても深く、とても寒かったからです。
当時、地球はいつも冬で暖かい気候などと言うものは無かったのです。息子は長い間収穫も無しに獲物を探して歩き廻りました。ああ、そしてついにリスを見つけたのです。音を立てぬようつま先だって、出来るだけ素早く近寄り襲いかかりました。両前足で抑えつけるとリスが話はじめました。
 「孫よ」とリスが言いました。「殺さないでくれ。いい助言を上げるから。」
「じゃあ言ってくれ。」と若いテンが言いました。
「見たところ君は寒さに震えているね。わしの言う通りにすれば、わしらは皆暖かい気候を楽しめるし、そうすれば、餌をさがすのも容易になり今のように餓えなくても良くなるのだ。」
「何をすればいいか言ってくれ、爺さん。」と若いテンは言ってリスを放しました。
リスは素早く近く木の一番高い枝に駈け登り、また話しはじめました。
「家にお帰り。そして何にも言っちゃいけない。ただ、家の中に座って泣き始めるんだな。お母さんがどうしたの、と聞くだろうけど返事をしてはいけない。もしお母さんが慰めようとしたり、食べ物を持ってきてくれても、強引に拒否しなくちゃいけないよ。お父さんが帰って来たら、やはりどうして泣いているんだと聞くだろう。その時は口を利いてもいいのだ。お父さんに言うんだね。“風が冷たすぎるし、雪が深すぎる。地球に暖かい気候を持ってこなくちゃ。”って。」空の国へ行ったテン
そこで、若いテンは家に帰りました。そして家の片隅に座り泣き始めました。お母さんがどうしたのと聞いても答えようとはせず、食べ物を持って来てくれると押し返しました。お父さんが帰って来ました。一人息子が泣いているのを見て側に来ました。
「どうかしたのかィ?」とテンが聞きました。
そこでやっと若いテンはリスが言った通りのことを父親に言いました。
「僕が泣いているのは風が冷たすぎるし、雪が深すぎるからなの。冬のために僕達はみんな餓えているんだよ。お父さんの力で暖かい気候を持ってきて欲しいんだ。」
「とっても難しいことを君は要求しているんだよ。」とテンは言いました。「でも、君の言うことは正しい。どこまで出来るか判らないけれど、力の限り試してみようじゃないか。」
それからテンは大宴会を開きました。友人たちをみんな呼び集め、これからしようとしていることを打ち明けました。
「今から、空の国が地球に一番近いところに行くつもりだ。」と彼は言いました。「空の国の人達が暖かい気候を全部持っている。その幾ばくかを持ち帰るつもりだ。そうすれば雪が溶けて、充分な食べ物が手に入るだろう。」
友人達はみなその計画を大変喜んで、同行を申し出ました。そこで、出掛ける時テンは最も強い友人達を選んで旅立ちました。それはカワウソと、山猫と、アナグマでした。四人は連れ立って長いこと雪の中を歩きました。彼等は山に向かっていました。毎日毎日、昨日よりも高い山を目指して歩き続けました。テンは干した鹿肉を持ってきていたのでそれを食べ、夜は雪の下で眠りました。
ついに、何日も何日も歩いた後で、やっと一番高い山にたどり着きその頂上に登ったのです。それからテンは袋からパイプとタバコを取り出しました。
「四方にタバコの煙を奉納しなければ」とテンは言い、四人でタバコを吸い、ギッチー・マニトゥに成功を祈りました。
空は彼等の頭上に非常に近いのですが、その上の国に入るための路を開けなければなりません。
「飛び上がらなくちゃ」とテンが言いました。「誰が先に行く?」
「僕がやって見よう」とカワウソが言い空に向かって飛び上がりましたが、空に穴を開けることは出来ませんでした。逆に、落ちて山の麓までお腹ですべり下りてしまいました。
今でもカワウソは雪の中をその時と同じように滑っています。
「今度はわしの番だ。」と山猫が言いました。山猫も飛び上がりました。空にかなり激しくぶつかり、落ちて気を失ってしまいました。そこで今度はテンが試してみましたが、彼でさえも充分な力が無く成功しません。
「君の番だ。」とテンはアナグマに言いました。「君が一番強いんだから。」
アナグマが飛び上がりました。非常に強くぶつかり落ちてしまいましたが、諦めません。何度も何度も飛び上がり、空にひびが入るまで続けました。もう一度飛び上がって、とうとう穴を開けることに成功しました。テンも彼に続いて空に入って行きました。
空の国はとても美しいところでした。暖かく、太陽が輝いていてあらゆる種類の草木や花々が育っているのです。そこら中で小鳥達が囀っているのが聞こえてきましたが、人の姿は見えません。どんどん進んで行くと、ロング・ハウスが何軒も建っているところへ来ました。
その中をのぞくと、鳥かごがいっぱいあって、それぞれ違った種類の小鳥が入っていました。
「狩りをするのにいい。」とテンは言いました。「開放しようじゃないの。」
手早くアナグマとテンは鳥かごを作るのに隅々を結んである皮ひもを噛み千切り、小鳥達を逃してやりました。小鳥達はみなさっき開けた穴から逃げ出したので、今世界にはあらゆる種類の小鳥達がいるのです。
アナグマとテンはさっき開けた空の穴を今度は大きく広げ始めました。空の国の暖かさがその穴を通って下の世界に落ちて行き、雪が溶け始め、雪の下にあった草や木の芽が緑色に変わり始めたのです。
空の人々が気付いて出てきました。アナグマとテンに向かって大声で怒鳴りながら走って来ました。
「泥棒!」と彼等は叫びました。「暖かい気候を盗むのを止めろ!」
アナグマは穴から飛び降りて逃げましたが、テンは穴を広げ続けました。充分大きく広げなければ空の人々がすぐ修理して塞いでしまうと思ったからです。そうすれば下界はまた冬に逆戻りではありませんか。
せっせとテンは穴を広げるために噛みつづけ、空の人々が近くまで来て捕らえられそうになるまで止めませんでした。穴は下界が半年は暖かくいられるに充分な大きさになりましたが、年中暖かい気候を楽しむのに充分ではありませんでした。だから毎年冬は戻ってくるのです。
テンは空の人々が空の穴を閉じようとするだろうと判っていたので、気を反らすために彼等を嘲って挑戦しました。
「わしはテンだ、偉大な猟師だ。」と彼は言いました。「お前らなんかがわしを捕らえられるものか。」そして空の国の一番高い木に登りました。
空の人々はみんな彼を追いかけましたが、もう後少しで捕まえられそうになった時、一番高い枝に飛び移りました。そこまでは誰も追いかけて来られません。
初めのうち、空の人々はどうしていいか判りませんでした。やがてテンに向かって矢を射はじめたのですが、テンには特別な能力があるので傷つきません。彼の尻尾のある一箇所だけが命取りの場所なのです。やがて空の人々にはそれが判ってきました。そして、ついにその急所に矢を射込んでしまいました。
テンは仰向けに転ろび、落ちて行きましたが、下界には落ちませんでした。約束を守ったことや、全ての人々のために良いことをしたテンをギッチ-・マニトゥが哀れに思って地上に落ちる前に空の星の仲間に入れてくれたのです。
今でも空を見上げたら、彼を見ることができます。人々はその星座の形を『大ビシャク』と呼んではいますけど。
毎年彼は空を横切って行きます。空の人の矢が彼を射止めた時、冬の空に仰向けに転びましたが、冬の終わり頃になると忠実にも彼は再び四足で立って、暖かい気候を地球に持ち帰るための長い旅に出て行くのです。(オジブエー族の民話)


今日は暑かった。。。

2006-07-11 19:31:03 | 自 然
Wainfleet Bog
このところしばらく涼しい日が続いていましたが、今日は体感気温が33℃になるという予報でした。朝の内はそれでも爽やかだったのですが。。。
今日は定期のアウティングではなく、インヴェントリー(在庫調べ)の筈だったのです。
火曜日の朝10時からではお勤めのある人は勿論来られませんから、合計七人の暇人ばかり。
どういう話し合いになっていたのか私は知りませんがこの湿地帯「ウェインフリート・ボグ」に出かけました。この間からドーラがトンボ、トンボと言っていたから、トンボが目的だったのかもしれません。湿地帯なので歩いていくトレールはピートモス、ふかふかの絨毯の上を歩いているような感触です。
目的地の水溜りに着いたら、トンボは数種類飛んでいましたが、眼で追い駆けるだけで眼が廻ります。彼らはトンボの名前を省略して使うので、ブルーだ、ナンだ、といっているのを聞いても私にはサッパリ判りません。
写真は、トンボの産卵状況を撮影しているポールの後ろでじっと待っている仲間たちです。なにしろここのボードウォークは狭くて追い越せないしすれ違うことも出来ません。水の深さは底知れずですから、だれも冒険はしません。
ポールはこんな感じで蛙も撮影していました。膝はドロンコ。奥さんに叱られるね、と言うコメントに、ボグに来ていたという証拠になるからイイや、という返事でした。
私は花を何種類か道々撮りました。ブルーベリーやラズベリーも熟れていたので立ち食いしながら。。。
駐車場に戻る頃は午後の1時半、持参のサンドイッチやおやつを食べた後は蝶を追い駆けました。捕まえて観察したら開放するのですが観察する前に逃げられたり、帰り際には車に迷い込んだ蝶を追い出すのに一苦労したり。
暑かったし、歩いたし、疲れたけれど良い運動だったという心地良い疲れです。
新しい蝶の名前も幾つか憶えました。今のところトンボまでは手が廻りません。

ミシガン百合

2006-07-10 22:06:02 | 野の花 - 夏から秋へ
Michigan lily

学名:Lilium michiganense
英語名:Michigan Lily
エスペラント名:Mic^igana lilio
和名:ミシガンゆり

この花も最初の撮影に失敗、撮り直しに出かけました。
みんなが次々に順番を待っているとなると、早く場所を空けなきゃ…と焦ってしまう癖があります。
誰も急かすわけではないのに。
その名のごとくミシガンで最初に見つけられた百合ですから、北米原産です。
とてもよく似たタークス・リリーという花に比べれば極ありふれた部類に入るそうなのですが、私は始めて見ました。
特徴は中の斑点がチョコレート色ということです。そして、花びらの先端が反り返って花の付け根辺りで集合することもタークス・リリーと違うところ、タークス・リリーの場合花の付け根を通り過ぎるほど花びらが長いようです。後姿も写して置きました。

カナダ・アネモネ

2006-07-09 19:42:35 | 野の花 - 春から夏へ
Canada Anemone

Canada Anemone field学名:Anemone canadensis
英語名:Canada anemone,
            Canadian anemone,
            Meadow anemone
エスペラント名:Kanada anemono
和名:カナダアネモネ

何度も出会い写真も撮っていながら何故か巧く行かなかった花です。
この春ようやく群生に出会いました。
この草の何処かに僅かながら毒の部分があって、家畜にも人間にもあまり有り難くない草、という説明もありました。
が、この清楚な白い花に異議を申し立てる人は少ないでしょう。
アネモネは古代ギリシャ語のanemos(風の意)から付いた名前だそうですが風とこの花との関係はちょっと判りません。
単純な五枚花びらの白さに初々しさを感じます。
英語を話す人たちのアネモネの発音がイマイチハッキリしません。アニモニーと発音しているらしいのですが、私の耳にはアニャモニのようにに聞こえます。

ヴァイパース・ビューグロス

2006-07-08 15:30:50 | 野の花 - 夏から秋へ
Viper's bugloss


英語名:Viper’s Bugloss,Blueweed
学名:Echium vulgare
エスペラント名:Ekio(unu el)
和名:シャゼンムラサキ、シベナガムラサキ

全体が毛で覆われていて、びっしり並んで咲く目立つ青い花の一つ一つは筒状、その筒の中からはみ出すように赤い雄蕊が覗いています。放置された農地やハイウエー脇などに群れて咲いている雑草ですが、和名を探すべく検索していたら、これを売っているサイトが沢山出てきてビックリ。
1683年頃既にヨーロッパから持ち込まれていたと言う花です。蛇に噛まれた時の薬になるというので持って来たのかも知れません。
英語名のViperはマムシ、毒蛇の意、学名のEchium もギリシャ語で蛇の意でこの草の実が蛇の頭に似ていることから付けられた名です。Buglossは古代ギリシャ語で、牛の舌という意味があり、その葉の形が牛の舌に似ているからなのだそうです。
青い花の中からチョロチョロ覗いている赤い雄蕊の様子がむしろ蛇を連想させますが…。
この花をサラダに散らして云々というサイトにも出会いました。ちょっと食べる気がしません。
まだ名前を知らなかった頃、遠目にはルピナス(登り藤)に似ていたので、あれっと思っていたら、「あれ、ルーピン?」と聞いた人がいたので、そう見えたのは私だけではないようでした。
和名はシャゼンムラサキ(ムラサキ科なので)、なにか優雅な名前です。シャゼンってどんな漢字を使うのでしょうね。
シベナガムラサキと呼ぶ人もいるそうですが、これは長く覗き出た雄蕊によることは言わずもがなでしょう。


黄色い山羊髭

2006-07-07 23:24:54 | 野の花 - 春から夏へ

学名:Tragopogon dubius
英語名:Yellow Goatsbeard
エスペラント名:Bokbarbo
和名:フトエバラモンギク

もともとはヨーロッパ産、根元の葉や根は食用になり、サラダにしたり煮て食べたりします。
つまり食用として初期のヨーロッパからの移住者達が持ってきたものでしょう。
1753年頃アドリア海付近で初めて採取されたとか。
朝咲いて昼頃は萎むと言う忙しい花。
学名のTragopogonはギリシャ語のTragos(山羊) Pogon(あご髭)に由来します。
どこが山羊髭???
説明によると、「実を結ぶ頭」なのだそうですが、萎んだ花がそうなのかナ。
綿毛はタンポポのそれにそっくりですが一回りも二回りも大きいです。花よりもこっちが目立つと書いてある本もありました。輝いているような綿毛で、一本一本は骨だけのパラソルのようで、魅力があります。この花の特徴はガクが花びらより長いことでしょう。
学名の由来から言ってもエスペラント名を探すのにあまり苦労しませんでした。和名は写真も見て確認したかったのですが、学名からやっと一つサイトを見つけただけです。
因みに、Goatsbeard(Aruncus dioicus)と言う花が別にあります。小花が房になっているその形が山羊の髭に似ているからだそうで、全く違う花です。

ワイルド・リーク

2006-07-04 23:15:54 | 野の花 - 春から夏へ

学名:Allium tricoccum
英語名:Wild Leek, Ramp
エスペラント名:Sovag^a poreo(勝手命名)
和名:野生ニラネギ

早春、ナイアガラ・グレンの林の中にこの美しい葉っぱの群を見て、何だろうと思っても葉を千切って臭いを嗅いで見るなど考えもしませんでした。ワイルド・リークと言われて初めて千切ってみた次第。
普段そこまで行動していたら本当に知識は増える一方なのでしょうけれど。。。
で、花はどんな花かしらと興味を持ち花の咲く時期と思しき頃出掛けて見ました。
行き先はファイヤーマンズ・パーク。ところがあった筈の場所に葉っぱは無く、蕾があった筈なのに咲いていません。大して広い公園でもなく、トレールだってそんなに込み入っているわけでもないのですが、探し回っている内に何故か迷ってしまいました。
変だぞ、だんだん森が深くなってくる。なにやら深い谷間も見えるとは?トレールは幅もあり良く利用されていることは明らかなのですが、私が考えていた方向には進んでいきません。
引き返すのが得策と踵を返して30分あまり無駄足でした。
ファイヤーマンズ・パークで迷子になったなどと言ったら笑われるので内緒にしていますが。

先日ウッドエンド自然保護地へのアウティングの際この花に気付きました。「あの花は何?」「ワイルド・リーク」
あ、そうなのか、花が咲く頃は葉っぱは消えているのだ。そういえば最後に葉っぱを見た時は茶色やオレンジ色に変色し早春のころの瑞々しさは無く地面に這いつくばっていたっけ。
花と葉がこんな別行動では関係が判らないではありませんか。
その日撮った写真は全てボツ。翌日一人で撮りなおしに出かけました。電話で話した時にその予定を言うと娘は「迷子にならないでよ」と言います。「あそこは一本道、迷いっこない」と豪語して出掛けたら、雷雨に会ってしまいました。花は風で揺れるので、出来上がりは。。。
そんな訳で3度目にやっと撮影完了という花です。

書き忘れていましたが、米国ミシガン州のシカゴ市の名前の由来はこの植物です。
原住民のポタワトミ語でチーカーグーァ(野生の葱又はスカンクを意味します)がその名の由来。
その周辺一帯は湿地帯の野生韮葱の腐敗する臭いが充満していたからなのだとか。
野生韮葱は葉も根も食用です。葉が茂る春にRamp festivalと称してお祭り騒ぎをするところも米国には有るそうです。

あまもりさん。
パセリ倶楽部というところを訪ねてみましたら、これまで私が使っていた小技集よりシンプルなのですよ。そして成功しました。ハイ、額縁もちゃんとつけましたです。今後もここを利用させていただきます。おおきにでした。