★ Serena ★

カナダ暮らしのエスペランチスト、自然愛好家。
エスペラントやカナダの野草、ネーチャークラブの活動など思いつくままに。

再びナイアガラ・グレン

2006-04-30 08:58:47 | ナイアガラ・グレン
Monumento

昨日のアウティングはナイアガラ・グレンでした。
天気は最高。気温は20度まで上がるという予想なのに皆さんしっかり着込んできていたのには驚きました。歩けば暑くなるのに。。。確かに暑くなりましたが、歩き終わって昼食に座った時は風が涼し過ぎるくらいで、気分の良い一日でした。途中で見つけたこの岩。何か「奥の細道」にでも立っていそうな石碑を思わせるので面白半分に撮ったものです。Purple Trillium
この赤いトリリアムも正式な名前は「紫トリリアム」です。逆光が綺麗だったので無理して近づいて撮りました。
別名、Stinking Benjamin(臭いベンジャミン)由来はいずれ調べたいですが、今のところ判りません。
残念だったのは私の好きなブラッドルートの花が既に終わってしまっていたことです。
でも、ベルウォートが此処にも咲いていることを知ったこと、昨年わからなかった草が「野生の韮」と判ったことは収穫でした。
それに、グレンの上の方、ウィンターグリーン・フラットにはスプリング・ビューティが満開で、此処に咲くことを知らなかったので、これも嬉しい収穫でした。
このトリリアムはWake Robinと言うのだそうです。臭いベンジャミンは虫を呼び寄せるため臭いのだそうですが、これは臭いませんから。

ヘヤーカット

2006-04-28 20:23:14 | Weblog
violet

所得税の申告も二人分送ったし、気も楽になったところで、髪の毛が眼に煩わしくなったのでヘヤーカットに行きました。
四十年来自分の髪の毛は自分で切っていたのですが、夫の死後、一つまみづづ小刻みに切っていく忍耐力が無くなり、もう専門家に頼ろうと言う気になったのです。特に後方の自分には見えないところが難しく神経も疲れます。先だって切ってもらったのが九週間前でした。今回は別なヘヤードレッサー、割引クーポンが郵便受けに入っていたのでそれを利用しました。
私の髪を切ってくれたのは30代前半と思われる女性でアクセントから東ヨーロッパの出身と見ましたが敢えて質問しませんでした。
でも彼女自身は良くしゃべります、どうでも良いようなことを。
家族や友人にも言えない様な話しを顧客がシャベル相手はヘヤードレッサーだと聞いたことがありますが、そのような胸を開く機会を与えようとしているのかな、とさえ思いました。彼女達はそのように訓練されているのかもしれません。技術はイマイチ。でも安かったし、自分でするよりは楽だし、苦情は言いません。

今日の写真は裏庭のスミレです。カナダスミレと思っていたのですが少し違います。正確な名前が判るまで時間が掛かりそうです。

明日はナチュラリスト達とナイアガラグレンへのアウテイングです。トリリアムが綺麗だったと電話メッセージが入っていました。何処よりも早く春の花が咲き始めるのは冷たい風から守られている窪地だからでしょう。

土筆だれの子?

2006-04-25 19:57:49 | 野の花 - 冬から春へ
春ともなれば土筆(horsetail)もわんさと出て来ます。
先日のアウティングの時も土筆と杉菜の関係で一寸した議論がありました。
以前にも同じような意見のやりとりが有ったのですが、誰も本気で調べてみようとしなかったようです。
つまりあまりに有り触れていてってことかもしれません。

「小学生の頃、土筆誰の子、杉菜の子って歌で覚えさせられたよ」と言っても
「イヤ、親子じゃない」
「全然無関係な違う植物よ」
「でも、根は続いているよ、掘ってみて」
「一年目と二年目じゃない?」

それ、ガーリックマスタードの話しでしょ。は我が陰の声。
先日から裏庭のガーリックマスタードを根絶やしにしようと雨上がりを狙って奮闘しているのです。もう花を開こうとしている二年目の草だけでも抜いてしまいたい。

もう一つホーステールってのが有るじゃない?その関係は? エトセトラ、エトセトラ。。
それで Once for all(definitive) 調べてみました。

土筆は、正しくは杉菜の胞子茎(ほうしけい)子孫繁殖の義務があるわけで、「杉菜の子」で良いのかもしれません。
ちょうど蕗のとうと蕗の関係に似ています。

もう一つのホーステールは別名スカワリング・ラッシュ(すり磨き用のイ、昔すり磨き用に使った)つまり木賊です。土筆、杉菜はField horsetail というのが正しい名前のようでした。どちらもトクサ属。
それにしても、ややこしい話しです。

土筆は15種類も有るそうです。どれも同じように見えるけれど。。。
日本では杉菜が遅れて出て来るようですが、こちらのは同時です。これも種類の違いによるのでしょう。

ついでにエスペラントではどう言うのかな、と和エス辞典を調べたら:
     土筆=mang^ebla ekvizeto
     杉菜=ekvizeto
     木賊=polura ekvizeto
でした。艶の有る杉菜ですって???

所得税の申告

2006-04-24 20:50:02 | Weblog




 締め切りがあと一週間に迫っているのに何もしていません。しぶしぶ吾身に鞭打って。。。開いてみたものの思うように進みません。
夫の分はあと二ヶ月延期されているので、その分楽ですが毎年の事ながら気が進みません。今年はことさらのような気がします。大した収入でもないのだからこんなに大騒ぎして計算するのが馬鹿馬鹿しい気さえします。
でも、頑張らなきゃ。罰金を科せられたらなお腹が立つでしょうから、頑張らなきゃ。
そう言いながらこのブログ書きで時間を費やしています。

久しぶりのアウティング

2006-04-24 09:51:35 | 自 然
Baldeagle's nest

Muskrat's nest


昨日は久しぶりにナチュラリスト達とのアウティングに参加しました。
上の写真はどんな所か、参考までに。写真として評価しないで下さい。
私のチビカメラだから撮れないと言うより遠すぎて望遠鏡で見てもこの程度なのです。スコープを持っている人が何人か居ます。そのスコープで覗いて、やっと巣の中の母鳥の頭が見えました。
マスクラット、つまりジャコウネズミの姿を私は見ませんでしたが。
「ア、水の中に何か泳いでいた。。」
「ってことは魚?」
「毛皮だった、犬かしら?」
「犬?こんな所に?まさか。。」

「さっきビーバー泳いでいるの、見た?」
「ビーバーは此処には居ないよ。あれはカナダだけのものだもン(ビーバーはカナダの象徴、この人のジョーク)」
「ビーバーが巣を作るのは水の流れている所だよ。此処は湿地。それは麝香鼠でしょ。」
と言うような会話が時折出てきます。
Great Blue Heron
ニューヨーク州、オンタリオ湖南岸に位置し、広さが 10,818エーカー(4,378.0446ヘクタール)というIroquois National Wildlife Refuge(イロコワ国立野生動物保護地、1958年に設置) は各所に展望用の駐車場があり車で廻るのですが、運がよければ色々な鳥や動物を見られます。今回はVirginia Rail(クイナの一種)をじっくり見られたことが大きな収穫でした。
忙しい鳥でヒョコヒョコ行ったり来たり。呼び寄せの録音された声に引かれて「あなた、何処に居るの?」と言わんばかりに何度も目の前に現れてくれました。
天候はイマイチ状態。雨の予報で、みな雨具は持っていましたが、朝のうちは曇り、少し寒くなったなと思ったら雨、その後暫らくの間は雨も止んでヤレヤレ、陽射し、青空に続いて土砂降りという一日でした。
湿地帯の周辺にボードウォークの出来ている所もあり散策もしました。大きなFiddlehead(ワラビやゼンマイのように先が巻いて綿状のものに包まれている、食用になり、店に出ていることもある)やピンクのスミレも見ました。
右の写真は大青鷺。何羽も頭上を飛んで行きました。飛んでいる姿は悠々としていて好きです。
帰る頃数百羽のカナダ雁が目の前の湿地に集まり始め、空が真っ黒になるほど(ちょっと大袈裟)次から次と飛んできました。
その光景はカナダ雁じゃない鳥を見せて!などと言っていた人も、「圧巻!」と言っていた位見事でした。
疲れたけれど、行って良かったという一日でした。




クレーグ・キールバーガーという青年

2006-04-19 21:57:37 | カナダの偉人
昨夜のニュースでクレーグ・キールバーガーが「ワールド・チルドレンズ・プライズ」を受賞したことを知りました。12歳の時ニュースになって以来折々彼に関する報道に接してきましたが、検索すると日本にも彼の起こしたフリー・ザ・チルドレンの支部があります。そこで、日本でもこのニュースが報道されたかどうか興味がありニュースの方を検索してみましたが見当たりませんでした。
日本支部でも活動している子供達、若者達が居るということを考えた時、彼らを励ます意味でも報道して欲しかったな、と思います。
特に日本の子供達は恵まれていて「おしん」は過去のものと思っている向きが多いでしょうから、世界には奴隷のように働かされている子供達がまだまだ沢山居ることや、そのような子供達の権利を取り戻そうと助け合い精神で活動している子供達も居ることを知って欲しかったからです。
そんな訳で、私はこの23歳の青年クレーグ・キールバーガーをカナダの偉人の一人に数えます。
以下はウィキペデイアからの抜粋です。残念ながら日本語では載っていませんでした。

クレーグ・キールバーガー(1982年12月17日生まれ):カナダ人、人道主義者、こどもの権利(特に児童労働)の活動家である。12歳の時非営利組織「フリー・ザ・チルドレン」を形成したことで良く知られる。彼はトロント・スターという新聞にパキスタンのイクバル・マシフという少年が「たこ部屋」を脱走し、児童労働に反対の発言をした為に殺害されたという記事を読んで心を動かされ、この組織を始めた。クレーグはノーベル平和賞に3回推薦されており、多くの他の賞をその活動ゆえに受けている。最も最近の受賞は子供の権利に関するワールド・チルドレンズ・プライズで、現在トロント大学で「平和と闘争」を勉強中である。
彼がフリー・ザ・チルドレンを組織した当時、メンバーはみな18歳以下であった。現在でもフリー・ザ・チルドレンは若者によって動かされている組織で、世界中に広がるネットワークの子供達の数は百万人である。クレーグは兄のマークと幾つかの組織を始めたが、その一つが「リーダーズ・トゥデー」でリーダーシップの訓練と、世界の不公平に対して若者を教育しお互いに助け合うネットワーキングの組織であり、若者達にリーダーとしての能力を与え、憎みあいを止めさせる意味での進歩を目指すものである。


エスペラントの理想と通うものがあります。

散 骨 を 済 ま せ ま し た。

2006-04-17 20:40:24 | Weblog
Our Island
今日はイースターの月曜日、風が少し冷たいとは言え爽やかな良い日和でした。
なんとなくこの日に決まったのはカルガリーの娘家族がこの日を挟んで来てくれていた事と息子もこの日を含めて休みが取れたことが理由です。
MSの長女は風邪気味だというので、赤ん坊も居ることだし、二日前から来るのを控えていたのですが、今朝になって、もう其処まで来ていると電話があり私達と殆ど同時に目的地に着きました。
川の眺めも良く、子供達にとっては幼い昔父親と遊びに来た思い出の地。
子供達と「自分たちの島」と決めていた小さな島を最期の地にしたかった夫の気持ちが良く判りました。
絶対此処だよ、と何度も念を押した夫の最後の望みをどうしても叶えてやりたかったのです。
最も身近な家族だけのささやかなお別れ、儀式も何も無く、クリスチャンとして洗礼を受けていたとは言え、宗教というものを大きく纏めて見ていたような人だったので教会にも縁の無いこの別れ方が最も適しているように思えました。
水に流すと雲が広がるように静かに下流に向かっていく夫の遺灰をそれぞれがこもごもの思いで見送りました。
一つの区切り。最終的な別れ。責任を果たした安堵感。そしてなんともやりきれない思い。
休日だし、好天気では他人とぶつかる事もあり得るので、それを避けようと早朝を選んだのですが、草が枯れたままの地面が侘びしい時期だし、人影はなく、文字通り「私達だけの島」です。その意味でも「Perfect day」 でした。

新しいベッドを買う

2006-04-10 20:39:43 | 夫の入院
今日は長年の念願だったベッドを買いました。
マットレスは10年に一度は買い換えなければならないのだそうですが、私達のはもうン十年使っています。
もう長いこと新しいのをと要求する私に夫は寝心地はいいから変える気がないの一点張りでした。中のコイルが変形しているし決して寝心地が良いわけはありません。負け惜しみとも取れましたが、つい譲ってしまっていたのです。
今回、子供達が粗大ゴミの始末をしてくれるので序でに古いのを捨ててもらうことにしたわけでした。

ベッド専門店を二、三見て歩き家具屋も訪ねました。
ベッドそのものの値打ちも然ることながら、セールスマンの態度に動かされて決めたのが今回の買い物です。

押し売りがましい態度は避けたいという理由からだろうと思うのですが、あまり詳しい説明をしてくれないのが他の店でした。
こちらの質問に短く答える。つまり、誰かの言葉を借りると「あまり売りたくないような。。。」態度です。
ここのセールスマン、クリスは熱心でした。押し付けがましさは無く、店の方針や試用期間や交換など、一種の「保険」についての説明もしてくれました。
セールスマンですから売るのが商売です。売る気が無いセールスマンでは話になりません。私が選んだのはクリス自身も使って満足しているという銘柄品です。実際に使ってみて、もう少し硬いほうがいいとか柔らかい方がいいとか気が変わったら取り替えることが出来ます。21日の試用期間は新しいベッドに慣れるのに21日掛かると言う統計が出ているからなのだそうですが、他の店ではこのような話は出てきませんでした。

私自身が前もって歩き回り、これと決めていたので、今回は娘が同行、彼の説明を改めて聞いてくれて、配達の日や時間も話し合って支払いをしました。
三週間寝てみて嫌なら取り替えることが出来ると言うのは、大枚を払う立場としてはありがたいサーヴィスです。勿論その必要が無いことを願っては居ますが。
久しぶりの大きな買い物でした。でも、気分は爽やかです。

久しぶりの孫娘

2006-04-09 18:38:07 | Weblog
先日までモントリオールで活躍していた娘家族が今日やってきました。
久しぶりに見る孫娘のちゃんは愛想良くにこやかに対面。這い這いの真似事も始めています。抱くとトッチリと重く、私は長く抱いていられません。
赤ちゃんの成長の速さを改めて感じました。
抱いていてリズムを取りながら、何気なく私の口から出てきたメロディは「ディ・チャルダーシュ・フーシュティン(チャルダーシュの女王)」というオペレッタ。
夫のドイツ時代、町のオーケストラに席を置いていましたが、私が訪ねた時公演していたのがこのオペレッタでした。チャルダーシュはハンガリーの民俗舞踊の一つです。
そのオーケストラの指揮者の計らいで、私は彼の側に座らせてもらい、オケボックスの中でこのオペレッタを見ました。
ヨーロッパの人達は、現在はどうか知りませんが当時はオペレッタ一つ見るのにも正装して出掛けるのです。セーター姿の私は観客席に座るには気が引ける状況だったので、指揮者の心遣いでした。
その日のことが思い出され、夫がこの子に語りかけようとしているように思えたり、何か絆を感じていました。

この一年

2006-04-06 09:58:46 | 夫の入院
Snowdrops

今日は私がこのブログを書き始めて一年目の記念日です。写真は最初に載せたスノードロップス、今年も咲いて萎んで行きました。
当初は撮り溜めた野の花の写真を主に書いていく心算でした。
過去は変えられないけれど未来は変えられる、と聞いたことがあります。これには「ある程度までは」という言葉の挿入が必要ですが。

昨夜いつもの時間が過ぎても息子からの電話が無く、悪い予想が脳裏に浮かび、時間の都合が付かないのだろうとは思いながら、つい彼の携帯電話にメッセージを入れてしまいました。
空を飛ぶ仕事、ニュースは見ていないけれど墜落事故など無かったかしら??という不安です。やはり、予定の変更があり、時間の都合が付かなかったのだそうです。
孤独ゆえにこのような不安に翻弄されるのだと思ってもどうしようもありません。

そして今日は夫が逝って百日目でもあります。ブログを書き始めた当初予想もしなかった未来でした。
昨日食料品を買いに出て、二、三の知人に会いました。
「Adjusted?」夫の居ない暮らしに調節できたか、ということです。
「Difficult, eh?」難しいよね、同情と共に、「次は僕かもしれないんだ、君独りではないよ」だから頑張れ!という励ましの気持ちも込められています。

まだ、完全には信じられなくて、或いは信じたくなくて、何となく帰ってくるのを待っているような自分を情けなく思う日もあります。
「そういう日の繰り返しで時間が過ぎていくのだと思う」と娘が言います。
そういう「時間」に逆らうこともないのだと。

今後の一年がどのように発展していくのでしょう。
私にとって Adjust の期間だと思うのですが、励まし支えになってくれる人々が多く居ることに感謝しながら、このブログも続けて行きたいものです。

シュガー・ブッシュを訪ねて

2006-04-05 12:12:09 | カナダ風物詩
4月1日土曜日、訪ねてくれた友人と近くの砂糖楓の農園を訪れました。農園のお店は何度か立ち寄ったことが有るのですが林の中まで行くのは今回が初めてです。下の地図は林の中のトレールの順路を示しています。
Trail-Map / クリックして大きな地図へ
あえて訳せば「砂糖林」ですが、シュガーブッシュの方が何となくピンと来ます。ページが狭いので地図は小さく載せましたが、クリックすれば少し大きく見られます。
この林まではトラクター扮するワゴンで。。。

Wagon切符を買ったら、このワゴンに乗ります。たった5分乗るだけですが、風雪から乗客を守るため周囲は厚手のビニールで囲ってあります。床は網目になっているので風は下から入ってきます。

Wagon-Insideヘイ・ライドと呼んでいるだけあって、座席は干草です。
この日は風がやや冷たく、みなさんしっかり着込んでいました。

  

Entrance

Bucket

林の入り口に到着すると、こんなおじさんがお出迎え。

そして見本のバケツも、液体をなみなみと湛えて。本当に樹液だったかどうか味見をしなかったので判りません。

baking Stone-1インデァンに扮した少年がその昔のシロップの作り方を説明してくれます。
木の幹をくりぬいて舟のような形の容器を作り、それに砂糖楓の樹液を満たし、熱く焼いた石を繰り返し放り込み煮詰めるのです。
焼いた石を運ぶのには枝の形を利用した、二またのフォークを使います。
石が冷めたらまた火に入れて熱くします。
なんと気の長い話しでしょうか。一週間も十日も掛かってようやくシロップらしい物が出来るのです。
時代と共に、この作業の行程も用具も変化しました。
baking Stone-2
baking Stone-3

Box-pot時代と共に、木の皮のバケツはブリキのバケツに変わり、木の舟は鉄鍋に、そしてステンレススティールにと進歩していきました。
竈もしっかり築かれています。箱鍋の手前に区切られた部分は少し低くなっていて、多少煮詰まった樹液をこちらに異動させます。新しい樹液は常に奥の広い方に追加します。
右下は余興のフィドラー(ヴァイオリン弾き)、その後ろに火に掛けた鉄鍋が見えます。
その後方にあるのは屋台のお店で、暖かいアップルサイダーやメープルタッフィーなど売っていました。
アップルサイダーは日本のサイダーとは違います。リンゴを絞ったジュースですが、多少発酵した感じで、リンゴジュースとははっきり区別されています。
冷たくして飲んでも良いのですが、冬の飲み物としてはシナモンを入れ熱くして飲みます。

Box-pot-2Fiddler


Fiddler-Trader毛皮商人がフィドラーとおしゃべりしています。
インデアンの村から村へと渡り歩いて毛皮を買い集めて歩いた人たちは「森の走者」などと呼ばれていました。
そして彼らの職業の副産物として未踏の地が切り開かれていったのです。

Tapping-Rulerこちらには砂糖楓の幹の太さによって許されるタップ(幹に差し込む蛇口)の数を示した表がありました。
幹の周囲が
   80センチなら、1個
  112センチなら、2個
143.5センチなら、3個
192センチ以上なら、4個
です。
1本の木から取れる樹液は早春の40日ばかりの間に約40リットルで、それを10分の一に煮詰めます。
初期に採れるシロップは色が明るく、日本人は「1番絞り」などと呼んでいますが、お酒じゃあるまいし、が私の意見です。風味も軽く「ライト・グレード」と呼ばれます。
後に出来るほど色も濃くなり楓の風味も強くなるようですが糖分に変わりはありません。

Maple-Taffyこれがメープルタッフィー。
シロップを雪の上に流して固めます。
もう雪が何処にも見当たらない時だったので、何処から持ってきたの?と聞いたら、12マイルクリークの方を指差しました。谷間に残っていた雪を運んできたわけです。
この辺のクリーク(小川)はナイアガラ川の河口(オンタリオ湖)から何マイル離れている所に流れ込んでいるかで名前が付けられています。4マイルクリーク、16マイルクリーク等々。

New wayバケツに集め、馬橇で小屋まで運んだ時代は過去のものとなりました。
現代は幹に差し込んだタップをビニールのチューブに接続し、小屋まで流します。人件費の節約にもなるのでしょうが、あまり風情が有るとは言えません。
ガイドの脇から青いチューブが横に出ているのが見えます。

    
Outhouse Suspention bridge
屋台のお店の近くにはこんな屋外便所がありました。英語ではアウトハウスと言います。
明り取りと換気はドアに開けた窓と脇の楓の葉を象った穴だけ。 
帰りはこの吊り橋を渡って帰ります。子供達が面白がって揺すっていましたが、この吊り橋なら恐くなく渡れます。

                                  
  
この行程におおよそ1時間、大人一人6ドルです。
10ドルにしても良いね、と我が友人が言ってましたが値打ちはあります。
またワゴンに乗って農園入り口に戻り、パンケーキ・ハウスで昼食を取りました。
日本人の家族連れも三組くらい来ていました。
パンケーキにメープルシロップを掛けて、スクランブルエッグスやソウセージ、ジャガイモのフライなど、美味しかったです。
コーヒーは飲み放題でしたが一度お代わりしただけで十分でした。
後で気が付いたのですがペッティング・ズーに寄るのを忘れていました。少し残念です。
帰路先日通った砂糖並木に行って見ました。バケツは既に取り外されていました。
幹から幹へ青いチューブが張り巡らされる日が来たら嫌だなァと思います。
参考:ホワイト・メドー・ファーム