★ Serena ★

カナダ暮らしのエスペランチスト、自然愛好家。
エスペラントやカナダの野草、ネーチャークラブの活動など思いつくままに。

フキタンポポ

2010-03-20 22:13:35 | 野の花 - 冬から春へ
Coltsfoot

今日は恒例のコハクチョウ目当てのアゥティングでしたが、白鳥は殆ど見当たらず、それでも幾種類かの水鳥やマスクラットに出会いおしゃべりや冗談で笑いながら一日を過ごしました。
終わり頃に見つけたのがこの花です。

英語名:Coltsfoot
学名:Tussilago farfara
和名:フキタンポポ/蕗蒲公英
エスペラント名:Tusilago / ĉevalpiedo

咳止めなどに効果があるとして過去には薬用に用いられていたという、その名も「咳止め/Tussilago」です。
葉は蕗の葉に似ていますが、花が消えてからようやく姿を現します。その葉の形が小馬の足に似ていると言うのでついたのか英語名。日本名は花がタンポポのようなのと葉が蕗に似ているからです。原産はヨーロッパ・中国。

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Wood poppy の花が咲いた

2009-06-24 05:40:02 | 野の花 - 冬から春へ
Wood poppy

裏庭の一番奥、蕗を植えてある辺りに黄色い物がゆらゆら。。。。
なんだろうと思ったら花でした。先月植えた「森の黄色い芥子の花」なんです。
え?
話が違うんじゃない?
花期は三月~五月とどの情報にも書いてあるのに。いま六月も半ばを過ぎたんですけど。。。
私が花は終わって実を結んでいると思った、その実は蕾だったと言うわけなんでしょうか。
近付いてみると花は一つではありません。合計三つ咲いていて未だ蕾らしいものも見えます。
花を咲かせてくれる分には異議は無いので「シメシメ」ってところ。
この花はとても稀だというので皆さん大切に育てているらしいし、私もその仲間入りです。

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森の黄色い芥子の花

2009-05-21 11:59:47 | 野の花 - 冬から春へ
Wood poppy

昨夜はネーチャークラブの室内での集いで、この日を最後に秋まで室内活動はお休みになります。そして、仲間同士のプラント・セール(持ち寄った苗を売る資金集め活動)がありました。
私の背丈ほどにも育った、花もつけている藤の苗木を持って来た人も居てビックリ。
私の関心は原産の植物ですから、このウッドポッピーが原産、しかも稀であることを知っては無視できなくなって買ってしまいました。育てるの難しくないの?と聞いたら野生だよ、との返事。
誰かマメな人が種から育てたのでしょうか、私の買った苗にも花の終わった後の粒(Seedpods)が二つついています。これから種が取れたら私も試してみよう。。。
そこまで辿り着くかどうか判らないのに、もうそんなことを考えていました。

英語名:Wood poppy, Celandine poppy, Mock poppy, Yellow poppy
学名:Stylophorum diphyllum
和名:不明
エスペラント名:Ne scia

この苗がうまくついて来年花を咲かせるまで私の花の写真はないので、こちらで見てください。wood poppy information 及び plant datail です。
今のところ日本語の説明は見つかっていません。

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そして。。。春のきざし

2009-04-18 10:07:55 | 野の花 - 冬から春へ

今年最高の暑さ(20℃くらいまで行ったでしょう)だったという昨日、それとは知らず何時もの服装でナイアガラグレンに出かけました。帰路は汗ビショ。水とカメラだけ持って、一時間ほど歩いた収穫がこれです。
三月十九日に歩いた時は何の気配も見えなかったのに。四週間という時間は大したものだ、という印象でした。

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写真は二枚、花と蕾。参考ページは可愛いかるさんツノコマクサです。

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写真は二枚。サンギアーナ・カナデンシスが参考ページです。

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こちらはミスミソウ、写真は三枚です。
英語名:Round-lobed Hepatica
学名:Anemone americana (旧 Hepatica americana)
エスペラント名:Hepatiko


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野生の生姜


多分、Cutleaved toothwort と憶測した花でしたが、Purple Cress (別名 limestone bittercress) と判明しました。学名は Cardamine douglassii です。和名、エスペラント名共に不明です。

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ジャイアンツ・ポットホール(甌穴)とトラゥト・リリー(黄花のカタクリ)の二枚。

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可愛いかるさん

2008-05-06 15:35:02 | 野の花 - 冬から春へ
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子供の頃の記憶です。農家の小さい子供達がはいていたゆったりしたもんぺを母が「かるさん」と呼んでいたこと。その子達もそう呼んでいたかどうかの記憶はありませんが、調べてみたら下町のきもの屋さんの広告の中に次のような説明を見付ました。
「かるさん」の呼称、ポルトガル語のカルサンに由来します。
カルサンは、文禄・慶長の頃にはもっとも斬新な流行服飾で
秀吉・家康をはじめ広く上下にわたり、ことに有名なのは
大阪の陣に家康がこれをはいたことまた、細川ガラシヤ夫人が
最後の折りに着用したと伝えられております。
江戸時代になると、武家階級から庶民に移り、大工・左官・魚屋
などに浸透して行き、明治以降今日に至るまで労働着として
農山村の人々に用いられております。これは地方によって少々
異なりますが直線裁ちのモンペ形式のものが多いです。
一方、伝統的な形式のものは、画家・陶芸家たちの間で
仕事着として着用されております。
今年もツノコマクサの咲く季節が来ました。可愛らしいかるさんを逆さに吊るしたようなこの花の写真をひっくり返してみましたら、幼い子供のよちよち歩きが思い出されます。英語ではダッチマンズ・ブリーチス(オランダ人のもんぺ)です。
この花については古い記事をご覧下さい。


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スパイスブッシュは花盛り

2008-05-03 19:18:50 | 野の花 - 冬から春へ

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毎春花を見逃してしまっていたスパイスブッシュの黄色く柔らかな花が、花盛りです。
夏の終わり頃可愛いフットボール型の赤い実になりますが、この実は乾燥させ粉にしてオールスパイスの代用品として使えます。オールスパイスは余るほど有るのでまだ使ってみたことはありませんが。葉っぱも樹皮も揉んだり引掻いたりすると芳香を提供してくれます。
過去には薬用としても使われていたそうですが、実から取れる油は傷やリューマチの薬として、煎じた樹皮や若い枝はお茶として使えます。

英語名:Spice Bush
学名:Lindera benzoin
和名:不明(他のブログなどでは皆'スパイスブッシュ'を使っている)
エスペラント名:なお不明

写真は今盛りの花。
二枚目が赤くなり始めた実と葉。
私はこの葉の形からも見分けることが出来る様になりましたが、枝を引掻いて香りで確認できます。
三枚目、可愛い実を少し間近に。


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ブルー・コホーシュ

2007-04-25 20:59:23 | 野の花 - 冬から春へ
<クリックして大きな写真へ
学名:Caulophyllum thalictroides
英語名:Blue cohosh、Squaw Root 又は Papoose Root
和名:なし。似た植物にルイヨウボタン(類葉牡丹)がある。
エスペラント名:Ne scia
新しい芽はみんな緑という季節に一風変わった色の新芽が出ています。天空の彼方の見知らぬ星からたどり着いた植物動物?と疑いたくなるほど聊か不気味な色合いです。拡大してみるとその雰囲気は益々大きくなって・・・

と、二日後に行ってみると既に花を開いているのがあり、濃い紫の葉は緑色を帯び始めていました。
秋には美しい青い実を付けるブルー・コホーシュです。夏には緑色の葉を茂らせ堅い青い実を育てているのですが、まだ花を見たことが無かったので熱心に写真を撮りました。
<開き始めた花<葉の色も緑に。。<益々緑が濃くなって。。<<雄蕊の角が開いている。クリックして拡大<<黄色い花粉も見える。クリックして拡大
Blue cohosh
ちょっと変わった花で、中心を見ると、雌蕊らしき物の回りに6個の雄蕊らしきものが並んでいますが、その周りをもう一回雌蕊かなといえそうなものが6個囲んでいます。雌蕊のすぐ外側にある雄蕊らしきものは上部についている二個の黄色い角状の物を開き始めています。どうやらそこから花粉が出ているようです。
これを肉眼で見るのはとても難しいのです。何しろ花の大きさはやっと1cmくらいですから。写真にしてやっと気が付いたのです。
この様子からもなにやら異星からの植物と思わざるを得ません。
因みにこの植物はお産を楽にするというので北米原住民の女性たちが出産予定の数日前から服用したそうですが、現在でも薬として利用されているようです。検索するとドッサリ薬の広告が出てきました。
英語名Squaw RootのSquawは原住民の女性の意味で、Papoose RootのPapooseは原住民の赤ちゃんの意味です。
和名の類葉牡丹は私にはピンと来ません。牡丹というとやはり豪華な牡丹の花を連想してしまいます。葉が似ているというだけのことらしいのですが、この目立たない小さな花と牡丹では比較にもならないですから。

参考ページ
ワシントンDC近郊の花めぐり
missouriplants.com
Connecticut Wildflowers

ながはしスミレ

2006-05-09 09:23:34 | 野の花 - 冬から春へ
Long spurred violet
Long spurred violet-2
学名:Viola rostrata
和名:ナガハシスミレ(長嘴すみれ)
英語名:Long spurred violet
エスペラント名:Violo rostra(と思う)

花の尻尾(距)が長いスミレです。
日本語ではこれを嘴に見立てて「長嘴すみれ」
白っぽいのはナイアガラ・グレンで見つけたもの。
ピンクっぽいのがシャグバーク・ネーチャー・プリザーヴに咲いていました。
この花も何度も見ていながらウッカリして距の長さに気付いておらず通り過ぎていたのですが、今春は何故かスミレに縁があって、何種類か写真に撮りました。

Long spurred violet

ウブラリア・グランディフロラ

2006-05-07 13:09:47 | 野の花 - 冬から春へ

Uvularia Grandiflora

               
 学名:Uvularia Grandiflora
 英語名:Large flowered Bellwort
 和名:ウブラリア・グランディフロラ、つまり学名をそのまま。
 エスペラント名:????
探しようが無いので何方かが教えてくださるまで待つつもり。

ちょっとひねくれた下向きに咲く花が特徴です。
ユリ科の花で、日本のホウチャク草に近いのだそうですが。。。
http://www.mitomori.co.jp/hanazukan2/hana2.3.99uvula.html
日本語で検索してもこんな程度しか見当たりません。

花を敢えて表面から見ると
                                                                                                 

カナダ菫

2006-05-06 16:46:09 | 野の花 - 冬から春へ
Canada violet
ようやく見つけたカナダスミレです。
写真の右肩に正面から見た花を入れました。特徴は花びらは白く紫の筋が入っていて、花びらの裏がピンク色をしていることです。向こう向きの花がその裏側の色を見せています。

学名:Viola canadensis
和名:(勝手ですが)カナダスミレ
エスペラント名:(これも勝手ですが)Violo kanada

植物学者から苦情が出るかもしれませんが、一般人はこれで承知してくれるでしょう。
この花を見つけたのは今日行って来た、Ridgewayにある Shagbark Nature preserve という森の中で、沢山咲いていました。

今朝は寒く、肌着の他ゴルフシャツ、フランネルシャツを重ねた上にジャケットを着ていても寒さが身に沁みました。朝のうち雨だったのでジーンズの上に雨ズボンを穿いていたお陰で腰から下は暖かだったのですが、ジャケットのフリースの裏を剥いだままにしておいたことが悔やまれたほどです。
これからは車の中に可能性を考慮して色々入れておこうと思います。

スプリング・ビューティ

2006-05-02 22:09:32 | 野の花 - 冬から春へ
Spring Beauty
学名:Claytonia virginica
和名:なし。
エスペラント名:見つからない。
そこで勝手に英語からPrintempa beleco。

私の小さな英和辞典には「クライト二ア属の観賞用植物」となっているだけ。
観賞用というと鉢植えを連想するのですが、野に咲いている花です。
過去には原住民や植民地人たちが食用にしていたということで、ふんだんに咲き誇っていたのでしょうね。
今でも野草を食べることに興味を持っている人は食べているとか。
食用になるのは根の部分で、小さな芋のような形をした根は甘い栗の実のような味がするそうです。
これはヴァージニア・スプリング・ビューティですが、楕円形の幅の有る葉を付けるのがカロライナ・スプリング・ビューティ(Claytonia caroliniana)。
濃いピンクの筋が可憐です。

土筆だれの子?

2006-04-25 19:57:49 | 野の花 - 冬から春へ
春ともなれば土筆(horsetail)もわんさと出て来ます。
先日のアウティングの時も土筆と杉菜の関係で一寸した議論がありました。
以前にも同じような意見のやりとりが有ったのですが、誰も本気で調べてみようとしなかったようです。
つまりあまりに有り触れていてってことかもしれません。

「小学生の頃、土筆誰の子、杉菜の子って歌で覚えさせられたよ」と言っても
「イヤ、親子じゃない」
「全然無関係な違う植物よ」
「でも、根は続いているよ、掘ってみて」
「一年目と二年目じゃない?」

それ、ガーリックマスタードの話しでしょ。は我が陰の声。
先日から裏庭のガーリックマスタードを根絶やしにしようと雨上がりを狙って奮闘しているのです。もう花を開こうとしている二年目の草だけでも抜いてしまいたい。

もう一つホーステールってのが有るじゃない?その関係は? エトセトラ、エトセトラ。。
それで Once for all(definitive) 調べてみました。

土筆は、正しくは杉菜の胞子茎(ほうしけい)子孫繁殖の義務があるわけで、「杉菜の子」で良いのかもしれません。
ちょうど蕗のとうと蕗の関係に似ています。

もう一つのホーステールは別名スカワリング・ラッシュ(すり磨き用のイ、昔すり磨き用に使った)つまり木賊です。土筆、杉菜はField horsetail というのが正しい名前のようでした。どちらもトクサ属。
それにしても、ややこしい話しです。

土筆は15種類も有るそうです。どれも同じように見えるけれど。。。
日本では杉菜が遅れて出て来るようですが、こちらのは同時です。これも種類の違いによるのでしょう。

ついでにエスペラントではどう言うのかな、と和エス辞典を調べたら:
     土筆=mang^ebla ekvizeto
     杉菜=ekvizeto
     木賊=polura ekvizeto
でした。艶の有る杉菜ですって???

カナダコマクサ

2005-04-29 06:41:12 | 野の花 - 冬から春へ
Squirrel Corn (Dicentra Canadensis)

おそらく2年くらい前の春だったと思います。私は一人でナイアガラ・グレンに下りて行きました。
その時に偶然見つけたのがこの花です。即座にコマクサを思い出しました。コマクサは私の通った高校の校章でもあり、懐かしい花です。色は白だけどコマクサの一種に違いないと思いながら撮ったのがこの写真です。
いろいろ調べて、英語ではsquirrel corn(栗鼠のとうもろこし)と呼ばれていることが判りました。
エスペラントならMaizo de Sciuro と言うことになります。その由来は根に黄色いとうもろこしの粒のような塊茎がついているからとのこと。羊歯のような葉と茎はこの塊茎から芽生えるのです。北米の東部から西部の中央辺りまでの肥沃な森林地帯に生え、カラクサケマンの類に属します。
必要とする養分がツノコマクサとよく似ていることもあって隣り合わせに生えていることもしばしばというわけで、この時もツノコマクサの近くで見つけたのでした。ツノコマクサの方がよりふんだんに生えているようです。四月から五月に掛けてが花の時期です。

野生の生姜

2005-04-27 18:49:49 | 野の花 - 冬から春へ
あれから十日、私の企画で日系人に呼びかけたナイアガラ・グレンへの遠足の日です。
ずうっと芳しくない天気が続いていたので延期は出来ないかという声もありました。私の考えでは私たちは延期できても花は延期してくれないのです。それに、英語で言うGut feeling と言うのが有って天気は大丈夫と信じていましたから。
天気予報は最高15℃、曇りがちの晴れ、夕方から雨なのです。朝のうちは薄ら寒く曇っていて気温は7℃。九時頃から雨が降り出しました。小雨程度なら実行と決めてあったのですが、夕方の筈がもう来てしまったと恨めしい気がしなくも無いのです。それでも、私のGut feeling は大丈夫と言っていました。
駐車場の近くで旅行者風の日本人らしい若者が一人、水仙の花などを写真に撮っていました。もう少し近くて声の届く所にいたら、「一緒に来ない?」と声を掛けて上げられたのですが、彼は私の存在には気付いていないようでした。気付いていても「旅先で日本人なんかと関りあいたくない」タイプの人だったかもしれませんし、敢えてこちらから百メートルも二百メートルも歩いて行って声を掛けてあげようとも思いません。縁があればそういう機会と言うものは自然と起るものですから。
集まったのは私を含めて六人、内グレンは初めての人が三人です。
この程度の雨でも日本人なら傘をさすだろうなァと思いながら80段の階段を降りました。
下りた途端にほっこり暖かい空気を感じました。マイクロ・クライメト(局部的地域の気象)と呼ばれるここだけの特殊な気象の所以でしょう。いつの間にか小雨は止み、次第に空は青空に変わって太陽さえ輝き始めました。寒い寒いと重ね着してきた誰かさんは又それを脱ぐのにお忙し。
咲いている花々は、雪割り草は既に無く、ツノコマクサは見事に満開、野生の生姜も十日前より立派な花になっていましたが、思いがけなかったのは「赤い延齢草」でした。ダッファリン島では未だ固い蕾だったので、まだ早いと期待していなかった花、嬉しい驚きです。ここが東に向いて開いており、西側は絶壁で屏風の役目をしているための「マイクロ・クライメト」が功を奏しているわけでした。やがて白い延齢草(大花の延齢草、オンタリオ州の州花)もたくさん見つけました。
今回のおまけは「緑色の延齢草」です。もちろん異常な現象でいわば奇形児なのですが偶に起るのです。ほぼ満開で咲き誇っていたのはトラウト。リリー、「黄花の片栗」でした。それにスプリング・ビューティ(Spring beauty)、カット・リーフ・トゥースウォート(Cutleaf toothwort) も見つけました。これから日本名を探さなければならない草です。
残念ながら今回はカナダ・コマクサを見つけられませんでした。
2時間強歩いて戻り、ベンチは今日も使えなかったので、草の上でおしゃべりしながらピクニックの昼食を楽しみました。
初めての人も来て良かったと言ってくれたことはとても嬉しかったです。また違う季節に来ようと約束して分かれました。

今日は野生の生姜を紹介しましょう。

Wild Ginger (Asarum canadense)
葉の陰に隠れた根元に一つだけ目立たない色で花を咲かせるので、うっかり見落としていた花です。他の花のように鮮やかでもあでやかでもないこの花に何故か共感をおぼえます。「変った花ね」と言った人の気持ちも同じだったでしょう。
多年草で高さは精々30センチくらいまで。 葉は艶がありハート型で根元部分は柔らかな産毛に覆われてます。
三枚の花びらを持つ壷のような形をした花は直径が大きくても4センチくらいで、茶色を帯びた濃い紫色。早春から春遅くまで続き続けます。葉の根元に隠れたように咲き周囲の枯葉と同じような色で目立ち難く、時には赤っぽかったり緑っぽいものもあるようです。
肥沃な森林を好む北米原産のこの草は根によって繁殖するので、固まって生えていることが多いのです。花の無い時期でも一寸地面に指を入れ根元を引っかいてみると指に生姜の香りが付くので判断できます。
原住民は私たちが店で買った生姜を使うように、食べ物に香りをつけるのに使ったようですが、生姜とは無関係な植物です。悪くなった肉とか毒を含んだ食べ物を食べてしまったような時の毒消し、或いはそういう食べ物を食べたために起こったとされる"呪い"を解く目的などにも食べたのだそうです。疑わしい肉を食べてしまってから病気を防ぐために食べたという話は無数にあるのでその効果の程は証明されそうです。

薬用としてはお腹に溜まるガスなどの消化問題や痛みに貼るハップ剤として使われ、また乾燥した葉の粉末はくしゃみを促すのに用いられたそうですし、堕胎にはかなりな大量を服用したとか。発汗や解熱、喉の痛みや咳止めなどにも使われたのですが、この植物が微生物に対してある種の抵抗力を持っていることを考えると全く根拠が無いことではないでしょう。


ツノコマクサ

2005-04-24 06:13:11 | 野の花 - 冬から春へ
Dutchman's Breeches (Dicentra cucullaria)

名前だけは知っているけれどまだ見た事の無い花、いつか見たいものだと願っている花は、きっと誰にでもあるでしょう。
このツノコマクサも私にとってそういう花の一つでした。ツノコマクサと言う日本名があることは勿論、Breechesが何を意味するかも知らない暢気さで見たいものだと思っていたのです。
それが、こんな身近に咲いていようとは。。。
ある春の日私は一人でナイアガラ・グレンに下りて行きました。その時は野生の生姜の花を写真に撮りたかったのです。根元に咲くことを知らずに見逃していた花でした。この花についてはまた後日改めて書きましょう。
ふと見上げた大岩の上にツノコマクサは白い花を咲かせていたのです。少し遠すぎて、足場も悪いため、巧く写真に撮れませんでした。他にも見つけたのですがどれも私の手の届かない巨大な岩の上です。辛うじて撮った写真は残念ながらボケていて、その春は失敗。翌春改めで出掛けました。今度はどうにか見られる写真です。
それはそれは嬉しかったものです。
花は細い茎に並んでぶら下り、上に行くほど小さく、その形はふっくらした「V」の字で、逆さにつるしたズボンのように見えます。Breechesは宮廷に仕える人たちが穿いていた膝までのズボンのことで、当然そこから付いた名前です。その独特な形がじつに可愛らしいのです。
葉は細かくきざみが入っていて人参の葉に似ています。そう言えば駒草の葉もこんな形をしていたんだったと思い出しました。私が駒草を見たのは奥羽の駒ケ岳、そして毎夏この花を見に駒ケ岳に上るのがどんなに待ち遠しかったか。最近では心無い人、と言うよりは馬鹿な人たちが庭に植えようかと言う気持ちで乱獲、絶滅の危機に瀕していると聞きます。あの砂礫の尾根に霧に濡れ震えていた可憐な花を救う手も無く、私は遠くから悲しんでいるだけです。

昔、北部に住む原住民の間では「惚れ薬」として使われていたとか。若者がこの根を噛み、思いを寄せる女性に近づくことで、その匂いを嗅いだ女性は自分の意思に反してさえ彼の後について来ると信じられていたそうです。薬草としても梅毒や皮膚病に効くと信じられていたようですが、触って皮膚炎になる可能性もあるとの事なので、どんなに思いつめてもこれを噛んで片思いの相手に近寄ろうなど、ゆめゆめ思うこと無かれ、です。

エスペラント名は探し得ませんでしたが、そしてこの前、Pantaloneto de Nederlandano と勝手な命名をしましたが長過ぎるので、Kuloto de Nederlandano が良いかなと思っています。私の勝手な命名に異議を唱える人も多いでしょうが、まだ名前が無いのなら、誰かが付けなければなりません。その誰かが私や私に同意する何人かであっても良いのでは?植物学者が既に学名を付けていますから、まじめな話はそれに従えば良いわけです。一般的な呼び名はどっち道過去に無名の誰ともわからない人々が付けたものですし、エスペラント名を付ける人が無名のEterna komencanto の集団であってもいっこうに構わないでしょう。