思い出の釣り・これからの釣り

欧州の釣り、竹竿、その他、その時々の徒然の思いを綴るつもりです

Kaizer silk line

2021-08-08 15:41:58 | シルクライン/Silk Lines

手持ちの未使用シルクラインを20数年振りにおろし使うことにしました。ベルギー製のKaizerシルクラインです。

これはドイツ滞在時代に知ったシルクラインで、その後パリのLa maison de la moucheで、その昔、Pezon et Michelブランドのシルクラインを製造していたと聞かされることになるメーカーのもの。

今も入手可能なシルクラインとは違い、表面を滑らかにするためのグロッシーなコーティングは殆どなく極めて細身なシルクラインで戦前の竹竿に合わせて使うのにとても気持ちの良いラインです。No.2が#5/6となっておりますが、#6の重さがあるとは感じられません。

昔はシルクラインとガットを8の字巻きで結んだものですが、ブレイデッドループをタイイングシルクで留めそれをバーニッシュで固めるのが私の何時ものやり方です。

流石に本当の昔のシルクラインとは異なり表面にはよりコーティングが乗ってますが、それでも現時点で手に入るシルクラインとはコーティングの厚さが違います。このKaizerシルクラインは1990年代まではルクセンブルクのTony van der Molenという釣具店より入手出来たのですが、Kaizerは2000年を目前に廃業、シルクラインの製造機械は確か畜産業で使う道具の製造用に転売されたとの記事を以前読みました。ですのでもう入手は不可能で手持ちのものを大事に使っていかなければなりません。

何故、20数年も大事にとっていたのを使うことになったのか?
未だ、東京が今の緊急事態宣言に入る前、尾瀬に行きたいという家人を連れ丸沼湖畔の環湖荘に宿泊、3時間だけ丸沼でボート釣りが出来たのですが、その際使った元Phoenixの6番で以前自分で亜麻仁油の真空コーティングを施したシルクラインの先端を、毛針が岸の木に引っかかりどうしようもなく引っ張ったところ、ブッツリ切ってしまったのが理由。

丸沼は当然のように魚の気配すらなく完敗。

それでも、湖にボートを浮かべてラインを伸ばすのは楽しいものです。写真は元Phoenixのラインですが、今回下ろしたKaizerラインではどんな魚に出会えるのでしょうか。

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11 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
カイザー (yugawaski)
2021-08-09 09:09:08
こんにちは。
考えてみれば、このところ実釣から離れてしまっているのでシルクラインもとんとご無沙汰です。
横着な私の場合、シルクラインは巻き込んだリールごと冷蔵庫の野菜室で保管しています。
前回取り出した時は、リールから引き出して軽く赤ミューシリンを擦り込んだら全く問題ありませんでした。
以前の書き込みで拝見したのですが、シルクラインを炊飯器で温めるって凄いですね(笑)
ライン専用の炊飯器をお持ちなのでしょうか。
奥日光の漁期は9月まで。
緊急事態は8月一杯まで延長されてしまいましたが、解除になったら何とか行ってみたいと思っています。
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シルクライン (budsek)
2021-08-09 10:39:04
yugawaski様
コメントを頂き大変ありがとうございました。
私も自分で亜麻仁油をコーティングしたシルクライン以外はジプロックに入れて冷蔵庫で保管しております。日本の高温多湿の夏はどうも現在手に入る欧州のシルクラインのコーティングには悪いようで、ベタベタになってしまうので、以前Halfordの方法に従い亜麻仁油を真空含浸し、温めて再コーティングしたのですが、そこで発見したのが炊飯器での長時間保温により亜麻仁油を乾燥させる方法。毎日お米を食べなくて良いご家庭なら対応出来ると思います。拙宅も炊飯器はもう25年も使っているもの一つです。
気がつけばもう普通のシーズンは1ヶ月半で終わりですね。今年はこれまで色々と残念なシーズンでしたが、ここから何とか良い釣りが出来ますように。
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愉しそう (nori)
2021-08-09 14:00:00
budsekさま

毎日暑いですね。

さて、真夏の丸沼でのボート釣り、愉しそうですね。
私もかつてやりましたが、バンク際の木陰にドライフライを押し込むと、ポツポツ釣れて面白かったことを思い出しました。
シルクライン、私は最近使えてません。
というのも数年前、ティボー製の10年以上熟成させて愛用していたシルクラインを、長野の怪物鱒に(3xのティペットのほうではなくメインラインが)ブチ切られてしまい、ついでに私の癇癪もブチ切れて、以後お蔵入りとなっています。
PVCも使い心地が悪いわけではなのですが、なんだかしっくりこないまま、今日に至っています。
さて、どうしたもんですかね。

nori拝
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シルクラインの強さ (budsek)
2021-08-09 15:25:45
nori様
コメントを頂き大変ありがとうございました。
長野の怪物鱒に対峙出来るということ自体非常に羨ましいのですが、10年選手のシルクラインが鱒の引きに耐えられなかったことはとても残念なことであったとご同情申し上げます。
Sir Edward Greyの「Fly Fishing」の220ページに(lines) should be frequently tested and not trusted too long.と、ある時、彼が大西洋鮭をかけたところやり取りの途中でリールラインがぶっつり切れてしまったエピソードを載せ、(古い)リールラインの強さを過信すべからずチェックせよとあります。
私がシルクラインを使うのは戦前の竿、戦後50年代までの竿で、シルクラインの使用を前提にデザインされているそれらの竿での釣りを十分愉しむためです。しかし長野の怪物鱒や鮭を釣る場合にはPVCラインを使い、かつ、60年代以降の竿を使うとか、やはり特別な準備が必要になるのでしょうね。ただ、戦前のPayneにバルキーなシルクラインの組み合わせは竿への負担が大き過ぎるのではないかと心配です。
普段使いの場合でしたら、私の経験では、シルクラインで問題になることは特段なかったですし、多分60cmオーバーの鱒をかけることもほぼないので、今後も大丈夫かなと思っております。
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コメント多謝 (nori)
2021-08-09 17:16:17
budsek様

ファロドンのグレイ卿はそんなこと言ってましたかね。卿の腹立たしさが痛いほどよく分かります。
確かに、細身造りの戦前のペインで太いPVCラインを投げると、穂先への負荷が気になります。そろそろ日本製のシルクラインに挑戦しようかなとも薄々思い始めてますが、重い腰がなかなか上がりません。
まあ、悩むのも愉しみのうちと割り切って、もうしばらくグズグズしていたいと思います。
まだまだ厳しい暑さが続きますが、くれぐれもご自愛のほどを。

nori 拝復
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グレイ卿 (budsek)
2021-08-09 17:26:58
nori様
子爵は鮭とのやり取りの最中リールラインがリールの上あたりでブッツリ切れ慌ててそれを結び合わせて何とかファイトを続けたものの結局鉤が外れて呆然、とか、鮭がかかったはいいが、岩にラインを取られて引っ張らざるを得ずラインがブッツリ、とか、色々悲しい思いを経験されたようです。PVCならそういうことは確かになさそうです。
日本製のシルクラインへ挑戦される際は是非その感想を伺わせて頂ければ幸甚です。これ以上買う必要はないのですが、暗色のラインが見辛いところで薄い色のラインはやはり重宝するので、いつかはお世話になるかも知れないと思っております。
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御意 (nori)
2021-08-09 20:01:11
合点承知しました!
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Unknown (はいからはくち)
2021-08-18 21:07:56
お邪魔いたします。
やはり切れる物なのですね。私も岩の角でフェニックスを真っ二つにしたり ティレンツォやティボーも何本か途中で切れてしまった経験してます。リンシードオイルでの硬化には限界がありますし 素材そのものの強度はさほど強く無いので 扱いに気をつけるしかないのですね…。現在は多分製作を辞めてしまったイギリスのカドノ製を10年近く使ってますが #4の方はあちこち傷だらけでそろそろ限界に来てます。次はどうするか 悩みどころです。
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切れます (budsek)
2021-08-19 20:55:53
はいからはくち様
コメントを頂き大変ありがとうございました。
私の経験上、細い先端部分はPVCラインの様には行かず余り強い力で引っ張ると切れます。でもメインの太い部分は未だ切れたことはありませんし、Kaizerの一番細いラインは20数年使ってますが先端部分も含め未だ切れておりません。幸運もあったのは間違いありませんものの。
カドノラインとは希少なラインを使われておられますね。#4の耐久性が心配ということでしたら私がお勧めできるのは、重曹で古いコーティングを剥がし、真空容器でリンシードオイルを潤浸、それを炊飯器の保温機能を使い10時間程度温め、その後取り出し冷却乾燥し、それを10回程繰り返すやり方です。
これをやると少なくとも強度はアップするものと思います。その後、何年かに一回とか定期的にコーティングし直してやると長持ちするのではないでしょうか。
2014年5月の記事でシルクラインの真空潤浸コーティングの記録を残しておりますので、参考になればと思います。
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Unknown (はいからはくち)
2021-08-19 22:28:52
ありがとうございます。
カドノライン希少なのですか…大事に扱わないと とはいえあちこちひっかけたりこすったりで編み込んだ絹糸がほつれたり 切れてしまってきている状態です。 カドノライン 7〜8年前迄は日本で個人輸入されている方がいて そこからいくつか購入させて頂きました。今はそれもなくなり ヤフオクで個人輸入されているフェニックスを購入するか検討中です。リンシードオイルの浸透はやはり真空状態を作らないとしっかり染み込まないし 時間もかかり過ぎるのでしょうね。一度フェニックスでコーティング全てやり直したことがありますが大変だった記憶があります。カドノも後何年使えるか分かりませんが どうしようもなくなるまでは使い倒そうと思います。
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