goo blog サービス終了のお知らせ 

思い出の釣り・これからの釣り

欧州の釣り、竹竿、その他、その時々の徒然の思いを綴るつもりです

ノルマンディー紀行(パリ編)

2014-09-23 16:18:11 | 欧州釣行記/Fishing Trips in Europe
パリを起点に一週間でPont Audemer近郊での釣りに、家族も納得出来る観光地を組み込むという難問は、以前フランスに詳しい知人から聞いた、「ノルマンディーならモンサンミッシェルみたいな日本でも有名なところだけでなく、Etretat(エトルタ)のような絶景のところもありますよ」という情報に助けられ、結局、パリ2泊、Pont Audemer 2泊、Etretat 2泊、パリ1泊という旅程に落ち着きました。
この旅程の動き方ですが、パリからレンタカーで動くのはちょっと面倒なので、パリからノルマンディーの大都市Rouen(ルーアン)までは列車、RouenからPont Audemer、Etretatはレンタカーを使うことにします。
9月13日(土)、全日空機でパリはシャルル・ドゴール(CDG)空港に到着。トランクは通常のコンベアで出てきますが、釣り竿はハーディーの4フィートの竿入れに入れ預けてますので、Odd Size Luggage(規定外寸法荷物)として別のところから引き取ることになります。今回は空港のポーターがコンベアのところまで持って来てくれたのでそれを受領しました。


Hardyの竿ケース。アルミチューブを皮で覆っており、2.5kgと重いのが難点ですが安心して竿を飛行機に預けることが出来ます。

Star Alliance所属全日空はターミナル1に到着しますので、荷物を受け取ったらターミナルの到着階よりバスの目印に従い外に出ます。パリの宿はMontparnasse(モンパルナス)に取ってあるので、Air France(エール・フランス)が運行する空港バス、Les Carsの4番線、CDG-Gare de Lyon(リヨン駅)-Montparnasseに乗り込みます。大人片道のチケット代はEUR 17.50。これは事前にバスの待合室の券売機で購入しました。クレジットカード払いしかないので、それが嫌ならバスの運転手に直接現金で支払うことも可能です。
CDGを出発して、今回は工事のため停まりませんでしたが、Gare de Lyonを経由し、Montparnasse駅の脇、Hotel Pullman Montparnasseの目の前に、大体1時間ちょっとで到着します。重い荷物を引きずって電車に乗るより快適なので、プライベートでのパリ行きでは何時もこのバスを利用します。(出張ですと、機内持ち込み荷物しかもたないので、もっぱら電車ですが)

9月14日(日)はMontmartre(モンマルトル)散策、Louvre(ルーブル美術館)で学校の教科書でもお馴染みの絵画鑑賞です。Louvre所蔵絵画では、19世紀フランス絵画、Ingres(アングル)、Delacroix(ドラクロワ)が特に好きなので、何時も人だかりのモナリザは遠慮被り、毎回日本式2階の75号室に一番時間をかけます。


MontmartreのSacre Coeur(サクレ・ケール)。oeの発音はドイツの文豪ゲーテ(Goethe)のoeと似た発音なので、クールと表記するのは、ちと、納得し難いです。


MontmartreのBrasserie Restaurant。観光スポットからちょっと外れるとゆったりしたところが残ってます。


IngresのGrande Odalisque。学校の教科書で見た絵画が満載のLouvreは何時行っても興味深いです。

夜は、8月に東京に遊びに来た際、一緒に痛飲したフランスの友人家族と食事。Champs de Marsでエッフェル塔の夜景を楽しみます。明日はいよいよノルマンディーに出発です。




ノルマンディー紀行(序章)

2014-09-21 16:03:57 | 欧州釣行記/Fishing Trips in Europe
今年は仕事の関係と夏の暑さで6月以降釣りに行く機会がなく過ごしてきました。
ただ、漠然とシャルル・リッツがその著書"A Fly Fisher's Life"の中で世界でも一番のチョークストリームと自慢するフランスはノルマンディーのRisle(リール)川に行ってみたいな、と、頭に浮かんでいた事は事実です。

リッツの著書、パリの地図、パリの釣具店La maison de la moucheで買ったフランス毛針Panama

業務の都合で夏休みを取り損ね、漸く一週間の休みが取れる目処がついた9月、それならノルマンディーに釣り竿を担いで行ってこようと踏ん切りを付けました。
Risleはパリを流れる事で有名なSeine(セーヌ)川の支流。Seineが海に流れ込む河口の少し上流でSeineに流れ込みますが、その流程は長く優に100数十キロはあります。
RitzはAclouがお気に入りだったようですが、私はPont Audemer(ポントードメール)という街を中心に考える事にしました。
その理由?簡単です。フランスの毛針にその街の名前を取ったPont Audemerという有名な毛針があるからです。これはテイルがなく、ウィングが針の前方についているモールフライと呼ばれるタイプの毛針で、ノルマンディーのドライフライ釣り師の間で広く使われているもの。
さて、Pont Audemerでpeche a la mouche(毛針釣り)と打ち込んで検索すれば、この便利な世の中、直ぐにRisleに漁区を持つ地元の釣り団体のサイトが発見できます。それによると、毛針専用のParcours No Kill(ノーキル区間)が3区間ある等、なかなか良さそうな感じではあります。(http://aappma27500.chez.com/renseignements_%20pratiques.htm)


Conde sur RisleのRisle川。川藻が茂り、所々水の流れも早いチョークストリーム。だだっ広いところなので風が吹くと毛針釣りには辛いものがあり、強めの調子の竿が重宝します。


フランスへの出入りはパリ。それにこのPont Audemerを加え、家族連れなのでそれ以外にもう一カ所を一週間に詰め込む算段をする事と相成りました。

(Gmundner Traun) Hotel Marienbrücke閉鎖

2014-06-08 21:44:29 | 欧州釣行記/Fishing Trips in Europe
この夏2年振りに欧州で休みを過ごそうかと考えつつ、Parisで何日か滞在し、Pont d'Audemer辺りに宿を取ってシャルル・リッツが通ったノルマンディーのRisle川釣行をするのはどうかな、いっそ、それからSalzburgまで足を伸ばせばGmundner Traunも行けるかな、とインターネットを見ていたら、どうもリッツの定宿でハンス・ゲベーツロイターの胸像が立つあのWaldhotel Marienbrückeがここ数年閉鎖されている様子。
本当かどうかは知りませんが、ホテル業を引き継ぐ投資家も見当たらず、朽ちるに任せているなどと穏当でないコメントも発見しました。

これは2008年4月に撮影したもの。その時はまだ沢山の客がいて賑わっていたのですが。。。本当だとしたら大変悲しい事です。



Marienbrückeがなくなったら、Hans-Ruedi Hebeisen氏はトラウンの釣りをする時、どこに泊まるのかしら。

Etrachseeの牛

2014-01-04 17:52:27 | 欧州釣行記/Fishing Trips in Europe
オーストリアはシュタイヤーマルク州の山間の街Murau(ムーラウ)はハンガリーの首都ブダペストより500km以上離れておりますが、週末の釣り、冬のスキー、と良く訪れた思い出に残る街です。
Mur川の釣りの他、更に車で30分程度山へ登って行くとEtrachsee(エトラッハゼー)という湖があり、その湖畔の宿でチケットを買えば、一介の旅人でもフライフィッシングで虹鱒、ブラウントラウト、アルプスイワナを釣る事が出来ます。



宿にはボートが4隻ほどあり、基本はそのボートから釣るのですが、一カ所後ろが開けた牧草地になっている場所があり、そこからでしたら岸からも釣りをする事が出来ます。ただ、遠浅になっているので満足のいくサイズの魚を釣るにはコンスタントに20ヤードは毛針を投げる必要があります。



さて、問題はその牧草地。牧草地と言えば当然牛が放されている訳で、場合により興味津々の牛が近くに寄って来て釣りを妨害されます。上の写真では、牛が岸に来ない様に縄が張ってあるので大丈夫でしたが、そうでない場合もこれありでした。



私は牛の事を知らないので何と言う種類の牛か分からないのですが、この写真のような薄茶色と白色の二色を身にまとった、ちょっととぼけた顔の牛がムーラウ周辺では多い様でした。





牛の妨害に負けずに毛針を投げる事が出来れば、20~15ヤード岸から離れたかけあがり部分でちょっと大きなアルプスイワナがウェットフライにアタックしてきます。写真は最終モデルのPerfection 9'にSpitfire Perfect。

Etrachseeの宿、Landhaus Etrachseeの詳細はwww.etrachsee.atでご覧下さい。女将さんと夏場居た若い娘さんの写真も未だ健在です。

Fischa-Dagnitzの鱒

2014-01-02 19:27:42 | 欧州釣行記/Fishing Trips in Europe
新年明けましておめでとうございます。

昨年は年頭にあたり旧年に増して釣りに行くとの抱負を述べましたが、全くもって抱負倒れになってしまいました。今年もそうなる気配が濃厚ですが、昨年の会津田島の様に新たな釣りの開拓にも勤しみたいと思います。


この写真は2005年5月16日に、オーストリアはウィーン郊外のチョークストリームFischa川は、Fischa-Dagnitzと呼ばれる漁区で釣った鱒のもの。竿はPerfection 9'、リールはPerfect Spitfire、シルクラインはKaizer No.2 (AFTM 4-5)、タモはSharpe's、バスバックはTrout & Salmon誌の付録品。

Grosse Muehl

2012-04-29 17:55:30 | 欧州釣行記/Fishing Trips in Europe
オーストリアはリンツの北方、ドイツ・チェコとの国境近くにMühlviertelと呼ばれる地域があります。その地を流れるGroße Mühlはドイツ語圏ではフライフィッシングで有名な川です。

2001年9月11日のWorld Trade CenterとPentagonへのテロ攻撃の後、暫くの間飛行機を使う事を禁止された事から、同年の夏休みを車で行ける近場で過ごす事になり、Muehlviertelにあるスパで一週間過ごしました。その際、Große Mühlで一日釣りをする事が出来ました。



Fliegenfischen in aller Welt: 世界のフライフィッシングという本にも、ドイツ語圏の釣り場の一つとして紹介されているGroße Mühlです。





ここでは、流れが急なこの川でのニンフフィッシングが取り上げられておりますが、無論ドライでもウェットでも大丈夫です。







2001年9月27日に釣りをしたと記録にあります。竿は1958年製のPerfection 9'、リールはBougle及びPerfect 3 3/8、リールラインはKaizer Silkの1番(AFTM #3-4)、2番(AFTM #4-5程度)です。この川で釣れたのはブラウントラウト、ブルックトラウトとグレイリング。虹鱒は釣れなかったようです。 写真の魚はブラウントラウト。私の釣りにいつも同行するトラウトフィッシャーバックの網が見えます。



岸辺が牧草地なので、ラインを心配なく伸ばす事が出来ます。



ブラウントラウト。



これは、ブルックトラウトです。



この日の釣りでどのような毛針を使ったか、記録にも記憶にも無いのですが、多分ウェットフライを使ったものと思います。1990年代の半ば以降、ウェットフライの出番の方が多くなり、この当時もフライボックスの中身の多くはウェットフライでした。



グレイリング。ドイツ語圏では釣りの対象魚として高い地位を保っております。






丘陵に牧草地が広がる中部欧州の田舎の典型的な風景です。



もう10年以上も経つのですね。とても懐かしい思いでです。

Katschbach(オーストリア・シュタイアーマルク州)

2012-02-19 07:27:02 | 欧州釣行記/Fishing Trips in Europe
オーストリアのほぼ真ん中に位置するのがSteiermark州で、既に何回か紹介しましたEtrachsee、Mur川を擁するMurauは更にSteirmarkの中ほどに位置するスキーで有名な街です。2000年の年末・2001年の年始にスキーのため訪れたのが最初の出会いでしたが、その際、手にしたパンフレットで鱒釣りが出来る事を知りました。
2001年3月のイースターシーズンに再度Murauを訪れましたが、その時にはスキーの道具の他、釣道具も車に載せ持参しました。

スキーの合間に向かった先がKatschbachです。



KatschbachはMurau市街から車で20分程度離れた場所にあり、名前のBachから判るように一寸した小川です。川幅は5~7メートル程度でしょうか。その川の7km程の区間がDay Ticketで釣り人に解放されておりました。



大した川ではないのですが、1995年10月HellenthalのOlefbachで釣りをして以来の欧州での釣りでしたので、思い出に残っております。記録を見ましたら、2001年3月18日に釣りをしております。もうすぐ11年が経とうとしているのですね。



川は典型的な山岳渓流で、日本に良くあるもの。ハッチに気を使うような川ではなさそうです。魚は虹鱒とBachforelle(川鱒、英語ではブラウントラウト)が居るそうですが、釣れたのは虹鱒ばかりでした。正確な数は記憶にありませんが、飽きない程度にそこそこ釣れた様に思います。雪解け水が入って流れがきつく、ドライ、ウェットでは話にならない状態でしたので、兎に角重いニンフを使ったのですが、その中で特に良く釣れたのがGold Bead付きのPrince Nympheでした。何故その様なニンフを持っていたのか思い出せないニンフですが、何かが特にその状況で虹鱒にアピールしたのでしょう。



愛用のPerfection 9'にPerfect 3 1/8、SharpeのTelescopic Net。リールラインはKaizer Silk。



川から車に戻るまで、農地を通って行きます。欧州では、川に入る際私有地を通る必要があれば、私有地を通行しても良いという法制が多い様です。以前行ったニュージーランドでもその筈でしたが、何せ鉄条網で囲われている所が多く、難儀した思い出があります。



Murauには良いスキー場があり、有名なのはWorld Cupの会場にもなるKreischbergですが、他に家内のような初心者も楽しめる緩やかなスロープの多いFrauenbergというスキー場もあります。10~20歳台の現役時代と違い、足腰が弱くなった私にはKreischbergの7kmノンストップ滑降は1回で全身がバラバラになりそうなくらいでしたので、何回かFrauenbergでのんびりとスキーを楽しみました。



これでもし温泉があったら、日本人には堪らないですね。

Gmundner Traun

2011-09-25 00:50:28 | 欧州釣行記/Fishing Trips in Europe
ドイツ語圏の釣師にとり、Gmundner Traun(グムンドナー・トラウン)の響きは、英国の釣師にとってのTest、Itchen、Avon、Kennet、etc、仏国の釣師にとってのRisleの様なものかも知れません。歴史的という観点からは、日本人にとっての日光湯川にも比する事が出来るでしょうか。

外国ではトラウンとのみ言われ勝ちな、この川は、オーストリア西部、ドイツ国境近くを流れる川で、ウィーンからアウトバーンを走ると、ザルツブルクの一寸手前で下り、南に30km程下道を走ると見えてきます。



ドイツ語圏ではオーストリア・ハンガリー二重帝国時代より数多くの貴顕が毛鉤釣に訪れた川として知られてましたが、特にCharles Ritz(シャルル・リッツ)の著作により世界に広く知られる事となりました。

(A Fly Fisher's Life: Ritzの名著)

Ritzと彼の友でリバーキーパーのHans Gebetsroither(ハンス・ゲベーツロイター)が、グレイリング、鱒を夫々の道具で釣り上げる記述は今でも示唆に富むと同時にトラウン川への憧れを掻き立てます。Ritzの竿はPezon et Michelの物だったでしょうが、Gebetsroitherの竿はオーストリア派の特徴であるガチガチに固い調子の超短竿(6'以下)であった事でしょう。

尚、オーストリアではGebetsroither Stil(ゲベーツロイター流)のキャスティング教本が出版される等、そのキャスティング法はポピュラーで、Brunner氏の製作した短く強い竹竿と合わせトラウンを中心に見ることが出来ます。


(Fliegenwerfen: Fly Casting オーストリア派の教本の一つ)

(Hotel MarienbrueckeにあるHans Gebetsroitherの記念碑が教本の裏表紙を飾る)


(Ritzの定宿であったHotel Marienbrueckeの前に立つHans Gebetsroitherの石碑。向かって右はHansの弟子であったスイスのHans-Ruedi Hebeisen氏。Hebeisen氏は著名な釣り人且つ業界の著名人)


(Hotel Marienbruecke。全く旧式の釣宿。でも、夕食のクオリティは馬鹿には出来ない)

この川の川幅は30m~60mくらいだった様に記憶しております。早瀬と瀞場が適当な間隔であり、水は透明度が高い場所もあれば、緑色に見える深場もありで、変化に富んでおります。









一番の圧巻は魚の数とその大きさ。川にはブラウン・トラウト、虹鱒、グレイリングとゲームフィッシュが居ます。百年以上前には鮭と間違う様な鱒で有名だった川ですが、今も50cm~60cm以上の魚を数多く育んでいます。

ブダペストからは片道500km以上離れていますので、140km~150km/hで走っても5時間はかかりますが、それでも、この川に何度か行く機会を得ました。その時の経験では、6月の釣りが一番良さそうな印象を受けました。しかし、夏の早朝・夕方はドライフライで良く釣れるそうですし、秋も大型フライで大物を狙う事が出来るようです。

日本とは違い、欧州の川は個人が所有出来ます。このGmundner Traunは90年代から2004年まで独のRudi Heger氏(或いは彼の会社)の所有になっており、入漁料が目の玉の飛び出る値段(年券のみで数十万円)だったのですが、2005年よりFreunde der Gmundner Traun(グムンドナー・トラウン友の会)の所有になり、入漁料は正確に憶えてはおりませんが、EUR 50.00程度だった様に思います。この川にしてはお値打ちではないでしょうか。

欧州に戻って、Gmundner Traunで釣りをしたい!!


(虹鱒47cm。RitzのFario ClubにあやかったSharpeのFario 8'5''で)


(Perfection 9'に1912年チェックのPerfect 3 3/8)




(コンディションが合えば、尺以上の鱒は幾らでも釣れるという感じでした)

ロシア極東の思い出

2011-05-21 03:29:58 | 欧州釣行記/Fishing Trips in Europe
チュニジア、エジプトの革命が「Facebook革命」と一部報道で言われ、さも、Facebookというツールが革命の原動力である、という様なoverstatementがされておりますが、つい先日、私にもFacebookで思わぬ便りがありました。

今を去ること20年以上前、横浜から船に乗り、ナホトカに到着、そこから鉄道でハバロフスクへ行き、そこからシベリア鉄道で欧州へ行くという事を3回もしていた頃の事、知り合ったハバロフスクの家族の所に4回程ホームステイした事がありました。

ご夫婦と学校に上がる前の娘さん2人の家族。夏、秋、厳寒の冬と異なるシーズンにお世話になりましたが、お父さん・お母さんも釣りをするというので、その度毎一緒に釣りに行きました。


ハバロフスクから車で片道3~4時間くらいでしょうか、ムヒェンという林業の村があります。お父さんの両親は、もともと第二次大戦中独ソに分割占領されたポーランドに住んでいたウクライナ人で、スターリンにより沿海州へ追放され、ムヒェンに定住した人達。そのムヒェンの村に住むご両親のところに泊まりに行きました。

因みに、「共産主義とは電化である」とレーニンが語った事から(何となく、大震災後の日本を暗示するような言葉ですね:オール電化でなくて良かった)、ご両親の家には電気は来てましたが、水道・ガスはありません。水は家の中の井戸からポンプで汲み、火は薪で起こします。トイレはポットン便所で、溜まったものは肥料にします。お風呂は、大きな金鍋にお湯を沸かし、そのお湯を金鍋にぶっ掛けて湯気を作るサウナです。夏のサウナは格別で、涼を取りにサウナ小屋の前に座ると、遠くから村人の合唱が聞こえる。本当のロシアの農村でした。

今は知りませんが、当時ソ連時代とソ連崩壊の直後は、国内にもパスポートコントロールがあり、外国人は特定の都市しか訪問する事が出来ませんでした。その国内の関所を詳しくは述べませんが、ともあれ通過してその村を訪問したのも懐かしい思い出です。


ムヒェンの川で毛鉤釣り。多分、この川で毛鉤釣りをしたのは、歴史上私が初めてだったと思います。


秋には、アムール川での釣り。これは露語でシューカ、英語でパイクです。この写真を撮った後、漁業コルホーズでイクラのてんこ盛りとウォトカの歓待を受け、フラフラになった事を覚えております。

当時、ケターと呼ばれる鮭を秋のアムール川で皆で捕らえ、氷点下のバルコニーに山積みにし、冬の間の朝食と夕食は毎日黒パンにバターを塗りそこにイクラを載せたものを食べてました。昼はボルシチに鮭でした。
尚、写真のパイクは小骨もろともすり身にして団子を作り、それを確か揚げて食べました。結構美味しかったと思います。
ソ連が崩壊した直後、真冬のハバロフスクでは、電気、ガス、スチーム暖房が途絶えがちで、零下40度以下の気候下、着れるものを着込んで寝たり、皆で温まりあったりしたものでした。


冬は、凍結したアムール川で穴釣り。この写真を撮った時は零下30度くらい。槍のようなもので厚さ60~70cmもある氷に穴を開ける作業で体は温まります。シューバという厚手のフェルト地のコートで裏地に羊の毛をあてがったものを着込んで寒さを凌ぎます。


穴はしょっちゅうザルで掻いていないと直ぐ凍ってしまいます。糸は氷が着きカリカリです。

冒頭のFacebookですが、その娘さんの一人から私に連絡があったものです。もう27歳でサンクトペテルブルクに住んでいるとか。子供の時の面影は顔に残ってますが、立派になったものだと感慨深いものがありました。露語は暫く使っていないのでさび付いてますが、何とか露語で返事を出しました。

Stausee Wienerbruck

2011-01-02 14:06:05 | 欧州釣行記/Fishing Trips in Europe
Wienerbruckはウィーンから見て南西に位置し、車で約1時間半程度のところにあります。近くにはMariazell、Annabergという山がある他は特に有名な所は見当たらず、オーストリアの普通のきれいな田舎村です。ここには谷を堰きとめた湖があり、それが今回紹介するStausee Wienerbruckです。


(浅瀬になっていて良くライズがある湾)


(インレットを望む)

この湖はオーストリア釣魚連盟の漁区の一つで、入漁券は湖の入り口にある喫茶店で購入出来ます。但し、下オーストリア州にあるため、同州の釣り免許の所持が必要条件であり、一般の外国人には敷居が高いと言わざるを得ないでしょう。実際、何回か釣行した限り、近辺に外国人の姿を見た事は一度もなく、釣りをしていると結構好奇の目を感じたものです。湖での対象魚は虹鱒とブラウン鱒。他にコイ科の魚も生息していて、時々毛鉤で釣り上げました。

この湖を知った切っ掛けは、年券を持っていたウィーン近郊のFischa川で釣りをしていた際、話をした釣り人から、大物釣りの場所として紹介された事です。それならと、Viscount Grey 10'6''を担いで行ったところ、第一投目で47cmのブラウン鱒を釣り上げ、成程、釣り人の話の通りと得心しました。


この湖の釣りは基本的にボートの釣りです。ボート釣りとは言ってもロッホスタイルのウェットフライ3本チームというより、ライズを狙って遠投する釣りをやっておりました。


(De Luxe No1 9'6''ライズを狙い撃ちするのに適したシャープなアクション)


(Perfect 1912 Checkと一緒に)


(Phantom 10'。Holokonaなので軽く遠投も楽)


(De Luxe Double Built 9'6''一寸柔らかいアクションで風があるとキツイ)


(SharpeのFario 8'5''。ボート釣りには残念ながら不釣合いですね)

ボートは2隻だけなので、他の釣り人にあった事は一回だけです。湖を独り占めし大物鱒のライズを仕留めるという日本では出来ない釣り。10フィート以上の大物竿を使える場所でもあります。また何時か戻って毛鉤を投げたいものです。