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思い出の釣り・これからの釣り

欧州の釣り、竹竿、その他、その時々の徒然の思いを綴るつもりです

Murau釣行最終日

2015-07-25 11:24:00 | 欧州釣行記/Fishing Trips in Europe
前回は、7月8日(水)の午後雷雨にたたられてMur川での釣りを諦め、宿に帰ったらHardy Perfect Spitfireを釣り場に忘れたことに気がつき戻ってみたら、Perfectを車で踏んでしまったという散々なところで終わりました。
さて、チュニスに戻るこの日の朝、起床して外を見ると雨こそ降っていないものの、厚い雲に覆われたMurauの町がそこにありました。


ホテルの方の好意で、チェックアウトは12時より遅くても良いことになり、兎に角、最終日も釣りをするべくMur川に向かってみると、
そこは昨日とは様相が一変し、茶色の水がごうごう流れる大増水の川になっておりました。


取りあえず、川岸の近くで水の流れが弱いところに毛針を入れてみますが、魚の気配を感じることなく、そうそうに見切りを付けました。


Stau Bodendorf区間最上流の橋に別れを告げ、増水でも何とかなりそうなEtrachseeに向かいます。


写真では良く判りませんが、Etrachseeも流れ込みの川が増水したようで、水位が高く、色も茶色になっておりました。ボートも水浸しで、まずはボートの水をそとにかき出すことから始めなければなりませんでした。


それでも何とか準備が終わり、Hardy Marvel 7'6''を継ぎ、濁り水でもアピールするだろうと金玉付きMarch Brown Spiderを結び数投します。するとアタリがあり結構竿を曲げられました。その魚を上げてみると、頭の形はアルプスイワナですが、模様が違う魚です。この湖にはアルプスイワナ、ブラウントラウト、虹鱒が住んでますが、その雑種もいると聞いており、多分アルプスイワナとブラウントラウトのF1、一代雑種ではないかと思いました。


体長は32cmで華奢なMarvelには大物でした。


濁ってコンディションが相当悪いと言っても、そこはEtrachsee。下界のMur川とは違い今日もアルプスイワナが遠来の釣り人の相手をしてくれました。


Marvelも曲がりぱなしです。


但し、竹竿を曲げるのは余りおすすめ出来ることではありません。特にティップが細い竿はそこを曲げ過ぎると折れる可能性が非常に高いもの。Marvelの調子は胴調子ですが、弱いティップセクションではなく、ミドルセクションでキャスティング時の負荷、並びに、魚とのやり取り時の負荷を受けることを想定したデザインになっているのではと想像致します。そのためと思いますが、この1938年製の竿のミドルセクションはどうもティップ、バットセクションよりも密度が高い材質の竹が使われているように感じます。


ボートの水を書き出したプラスチック製容器にイワナを入れてみました。


チュニスへの飛行機がウィーン空港から出発するのが18:50。16:50までにチェックインとして逆算するとムーラウからウィーンまで3時間としても余裕をみて13:00頃にはムーラウを出発する必要があります。そのため、09:30から釣りを開始して、11:00には終了です。


Etrachseeの女将さんに別れの挨拶をし、再開を期します。それから大急ぎで宿まで24kmを走り、荷造りをしてチェックアウト。13時までまだ時間があったので大急ぎで昼食を注文します。


アルコールは飲めませんので、アルコールフリーのMurauer Bier謹製のRadler(ビールと果汁のミックス飲料)を頂きました。
ウィーン空港までは途中渋滞もなく順調に走れ、16:00には到着。レンタカーもきちんと返し、Tunisairへのチェックインを済ませました。


18:50出発のチュニス行き。そろそろ搭乗開始です。


本当はいいのか判りませんが、チェックイン時にロッドチューブは機内持ち込み荷物にしてくれました。


チュニジア時間は20時過ぎにチュニス空港に到着。未だラマダン中だったのですが、パスポートコントロールで一組前の旅客が係官に何やらキャンディーらしきものを渡してます。それをほうばる係官。何故かと思いましたが、私の番になって、係官が一言。「イフタール」そうです。これは係官にとり日没後断食明けに初めて口にした食べ物だったのでした。また、アフリカでの暑い日々の始まりです。

Hardy Marvel 7'6''でのグレイリング釣り(Mur川)

2015-07-18 12:34:10 | 欧州釣行記/Fishing Trips in Europe
7月8日の午前中は、Mur川でWF Hardy 8'6''を使った釣りでグレイリングの数釣りが出来ました。
宿のHotel zum Brauhausでの昼食後、Mur川に戻り釣りを再開です。
午前中の釣りで数釣りはもうしなくとも心は満腹。そこで、Hardy Marvel 7'6''で釣りをしてみる事にしました。
元々、今回この竿を持って来たのは、Etrachseeに流れ込む小川で釣りをする事を想定したためです。Mur川はこの竿には大き過ぎ、もし風が強く吹くようなら足下以外は釣りにならない事でしょう。でも、この日は天候が不順ですが、まだ強風がある訳ではなかったので、Marvelでも釣りになりました。


Mur川で、小石が敷き詰められた川底で流れがフラットなところにドライフライを浮かべてみると、ライズがあり、グレイリングが鈎にかかりました。30cm以下の魚ですが、Marvelは良く曲がります。
竹竿ですが、6本の竹の切片を接着する接着剤が剥離すると折れる可能性があります。特に戦前の竿は接着剤の性能が限られているので、念には念を入れて細いティップに負荷を出来るだけかけない様に魚とのやり取りを行います。
Kaizerの1番(AFTM 3-4程度)シルクラインがMarvelを半月くらいに曲げます。それでも、戦後1950年代のものと違い、1930年代のMarvelはバットがしっかりしているように思います。





20cm後半の魚でも中々楽しめました。こんな短竿で釣りをしたのは、昨年末のBaginski竿での養沢釣行もそうですが、本当に久しぶり、長年なかった事です。


などと言っていると、また、Tups Indispensableが水面から消え、魚がかかります。




これもまた、可愛いグレイリングです。


こんな感じで1時間程度楽しんでいると急に雷が鳴り始め空が暗くなってきました。大粒の雨も降り始め、また雑木林に逃げ込みますが、強いシャワーのような雨になりずぶ濡れになりました。
雑木林から車に逃げ込み、退散するはめになりました。


ずぶ濡れでホテルに戻り、荷物をほどくと、Perfect Spitfireが見当たりません。釣り場に忘れてきた、と思いまた片道10kmを戻ります。
車を止めていた場所にPerfect Spitfireを見け、ホット胸を撫でおろしましたが、ドラムが回転しません。
宿に戻って良く見ると、ノブの部分が曲がってます。どうも車でリールを踏んだようでプレートが曲がってしまってました。
偶々持参のハーディープリーストでプレートを裏からトンカチ叩き、何とか釣りが出来るくらいまでプレートの曲がりを修正したものの、10数年連れ添ったリールの事故にショックを隠せませんでした。


ホテルの裏手にあるビール工場。写真では明るく映ってますが、空は暗く、大粒の雨が降り注ぎます。明日はウィーン空港からチュニスに戻る日。釣りが出来る状況になるのでしょうか。。。。。

Mur川のグレイリング釣り

2015-07-08 13:58:02 | 欧州釣行記/Fishing Trips in Europe
昨日は下界の酷暑のため、Mur川の釣り券を購入したにも拘らずEtrachseeのみの釣りになってしまいました。
気温もかなり下がった今日、午前中Mur川に行くことにしました。
Mur川の漁区は現在二カ所です。Stau St. GeorgenとStau Bodendorfというダムというより堰になっているところ。どちらも流れ込み部分が毛針釣りで狙えるところです。
私がMurに通い始めた当初はStau Bodendorfの上流4km程の本流も漁区に入っていて、殆どそこで釣りをしたものですが、以前書いた通り、2006年くらいに元チェコの外務大臣を勤めたKarel Schwarzenberg氏がMurの本流漁区を個人で購入し、それ以来本流での釣りは出来なくなっております。尚、Schwarzenberg一族はハプスブルク帝国の有力貴族でMurauも元々同一族の所領だったという縁があります。


さて、Stau Bodendorf漁区の最上流にある橋のたもとから入渓します。


直ぐ下流はこのような感じ。

そこでFrank Elder氏のHoney DunでPartridge鈎に巻いたTups Indispensable 14番を結びます。竿はWF Hardy 8'6''、リールはPerfect Spitfire 3 1/8。


一投目でいきなり魚が飛びつきますが、鈎にのらず、二投目を投げます。すると、毛針が下流に流れていく下から黒い影が浮上して、毛針に飛びつきました。
合わせをくれると、しっかり鈎がかりし魚がジャンプ。結構な大物です。WF Hardyは、昨日のMarvelと違い強い竿なのですが、ギュッと穂先が水面に刺さりそうになります。それをいなし、やりとりすること数分。上がったグレイリングは37cmの大物でした。写真では尾びれの方が曲がって写っているので余り大きく見えないのが残念といえば残念ですが。


グレイリングの特徴の大きな背びれ。これは一層大きい背びれですので、雄と思います。


Honey Dunを纏ったTupsに思わず飛びついたのが不運でしたね。


その後、多少下流に移動し、川底に川石が敷き詰められたフラットな水面に毛針を投げます。グレイリングが結構な数飛びついてくれて、毛針を乾かすのに苦労する程。






グレイリングは横から移すと銀色にしか見えませんが、上から見るとブラウン・グレイ色を基調に紫やグリーンといった色が出ていて奇麗な魚です。今日のグレイリングは殆どが虹鱒と同じ様に鈎がかりするとジャンプを見せました。余りグレイリングのジャンプは見たことがないので興味深い現象です。


昨日までの酷暑から気温が下がったので、寒冷前線が通過しているのでしょうか。にわかに暗くなり雷がゴロゴロ鳴り始めたので灌木の林の下に避難します。




雨が収まった後、またグレイリングをドライフライで何匹か釣ります。合計で15匹くらいを3時間で釣った勘定になります。


宿のHotel zum Brauhausの昼食時間は14:00まで。釣りを13時前に終了して宿に向かいました。Stau Bodendorfの区間の一番上流の橋には英語とイタリア語で「釣り禁止 私有地」と表示されておりました。オーストリア人、ドイツ人は分かっているからなのか、独語が無いのが面白いです。


昔はこの上流で沢山の魚を釣ったものですが。。。。尚、その後雷が激しくなり、今、宿でこうやってブログを書いてます。雷雨が去ったら、また釣りに戻ります。


やって来ましたMurauに

2015-07-07 22:36:15 | 欧州釣行記/Fishing Trips in Europe
やって来ましたオーストリアはムーラウに。
7月3日(金)、チュニスからデュッセルドルフに飛びそこから1時間半ばかり離れた街に住む家内の両親を訪問。月曜夕刻デュッセルドルフからウィーンに飛びました。先週来欧州はサハラ気候とテレビが言う程の酷暑。ドイツは35度以上、40度も記録。本日、7月7日火曜のオーストリアの天気は。。。酷暑です。

ウィーンは37度。私が目指すムーラウも35度くらいです。


いじけても仕方ないので、予約していたOpel Corsaを借りて出発です。


ウィーンの空港からムーラウまで3時間、250kmの道のりです。

しかしながら、温度計は非情な35度をさしております。一つ上の写真はSt. Lorenzenの旅行案内所ですが、そこでMur川のライセンスを売ってます。釣れない事を承知で、7月7日午後分と7月8日終日分を購入します。

ライセンスを買っても日中釣れないのが分かりきっているので、標高1400mのEtrachseeに向かいます。7年振りの再会に色々話が弾みますが、めでたくライセンスを購入し、ボートは「タダでいいわよ!!。」


Hardy De Luxe No.2 9'6''にHardy Perfect 1912 Checkのリールを合わせ、そこに昨年自分でコーティングしたシルクライン(昔はPhoenix Line 6番でした)を巻いたものを装着、投げるとすぐにアルプスイワナがかかりました。2015年初の鱒です。感動。

このEtrachseeは「爆釣の湖」と言われたところ。アルプスイワナの乱舞という感じでTups Indispensableにライズします。


あっという間に10数匹釣り、チュニジアで釣りが出来ないストレスを発散します。そろそろDe Luxeも飽きてきたので、7'6''のMarvelに替えてみます。


替えたとたんにドライフライに食いついたアルプスイワナ。Marvelでの初釣果です。


Etrachseeはブダペストから通った当時、2008年以前と変わらない風情です。








その間にもMarvelをアルプスイワナが曲げます。




これは30cm超で竿を良く曲げました。


などと言っていると竿がギュッと曲げ込まれました。


Marvelは戦後のものと比べ張りがある戦前のものですが、やはり、ペナペナ竿といえばペナペナです。De Luxe 9'6''から替えたとたん、なんという軽さ、なんという柔らかさと驚きました。しかし、力を入れず、前後の振に時間をかけてラインの負荷をしっかりかけてやると、力を入れずともシルクラインがスーッと飛んで行きます。そんな事をしていると竿が引き込まれMarvelも満月になりました。


Marvelの弾力で疲れきったアルプスイワナの大物は漸くタモに収まります。測ってみると36cm。アルプスイワナにしては大物です。


夜は20時近くなったので今日は上がります。


湖畔の宿。


ヤギ。


車の行く手を阻む牛。


MurauからEtrachseeまでは24km程度あります。その途中にあるKrakaudorf。


昔、学生時代、ドイツ語の読本でオーストリアの山間の村の物語を読みましたが、それを彷彿とさせる教会を中心とした村の佇まい。


Murauに辿り着いて、地ビールMurauer Bierを頂きます。美味に生き返りました。
さて、明日はどうしましょうか。

フランスRisle川再訪(完結)

2015-06-21 10:03:43 | 欧州釣行記/Fishing Trips in Europe
釣りはやはり一人で行くもの。釣りをしない家族を連れて行くものではありません。
6月7日(日)の20時にLa Belle Isle sur la Risleでの夕食を家人と約束したため、牛糞の香り高い牧場でアタリなく17時を迎えてしまった私は場所を変えるかどうかの決断を迫られました。
問題は、土地勘がないので別の場所にたどり着くためにどこに走ればいいか良くわからない事。このリスクを取る事にしました。
Conde sur Risleの世田谷区茶沢通り似の小道を南に下り、左折、D130という県道に戻ります。Gruenewald氏に貰った地図で、Pont Audemerに戻りつつ、高圧線を越えたら二つ目の小道を左折すれば良いと見当をつけ、車を走らせます。一つ目の小道らしきものを越え、前を見てみるとどうも二つ目の小道らしきものが見えます。どうも集落の共用道路のようです。ままよ、そこに車を乗り入れ走らせると小橋が見えその手前に車を止める場所があるではありませんか。ちゃんと地元の釣り団体の駐車場の看板もありました。ホッとします。



時間がないのでさっさと竿を繋ぎ、草をかき分けながら岸に向かいます。このRisle(リール)の両岸にはアザミが多く、素手で触れるとチクチクするだけでなくかぶれるので注意が必要です。



ここはNo Killエリア。下流の橋を望みます。



上流側は開けています。



水面にはライズがあります。但し、これは水面を割るものではなく、どうも水面直下のニンフを捕食するライズのようです。PTを初めウェイト無しのNorth Country Flies、ドライフライと投入しましたが、残念ながらアタリを得る事能わずでした。



ここも牛糞の香り高い牧場の脇です。




大きな牛が牧草を食べたり、川の水を飲んだりと長閑にしてますが、19時を回りゲームセットの我が身には、とてものほほんとした気分になれない光景でした。

こんな結末なら3回に分けなくとも前回で終了で良かったですね。トホホ。何れにせよ、今後どなたかがフランスに釣行される際の参考になれば幸いです。(完)

フランスRisle川再訪(その2)

2015-06-13 10:43:08 | 欧州釣行記/Fishing Trips in Europe
Risle(リール)川はフランス北東部ノルマンディー地方を流れるチョークストリーム(石灰台地を流れる川)。山岳渓流と違い一見鏡のような水面で川幅も広く、川に入ればすぐにずぼりとはまり込んでしまいますので、基本は川岸からテレスコピックのタモを持ち釣るのが基本となります。
シャルル・リッツのA Fly Fisher's Lifeを読んで頂けるとすぐお分かりになる通り、パリからも近いこのチョークストリームにリッツは頻繁に足を運んでおります。リッツが通ったのは同じRisleでもAclouという釣り場。Pont Audemerよりは数十キロ上流のBrionneの近辺の釣り場になります。
私がそれでもPont Audemerに行ったのは、Pont Audemerという名前の毛針があるくらい、Pont Audemer近辺でも昔から毛針釣りが行われている事、それからPont Audemerの街自体がノルマンディーの小さなベネチアと別名呼ばれるくらい情緒ある街だからです。
また、同地の釣り協会(漁協)AAPPMAのサイトも充実しており、十分情報を得た上で釣りが出来るからです。

http://aappma27500.com/parcours_mouche_no_kill.htm
このAAPPMAのサイトでグレイリングを手にしているのが、前回登場のGrunewald氏


さて、前日土曜日に釣り券を入手し、Grunewald氏の知己も得て、翌6月7日の日曜La Bell Isle sur la Risleでの朝食をゆっくり済ませ、家人を宿に残しRisle川に向かいました。宿にはフィットネス、サウナ・ジャグジー、室内プールがあり、家人を宿に残しても大丈夫なのが非常にありがたいところです。
今回ルーアンでレンタカーを借りる際、昨年9月と同様に一番小さなFiat 500クラスで予約したのですが、4ドアのVW Poloを割り当ててもらいました。前回のRenault Twingoよりも大きくかっちりしたドイツ車。
その車で昨年と同じConde sur Risleの駐車場に向かいます。竿は当然Pezon et MichelのFario Club 8'5''。それにいつものSpitfire Perfectの3 1/8を合わせます。


時は11時。前日Grunewald氏に教えてもらったNo Killエリアに向かいます。日曜日なので、ウォーキングの団体、犬を連れた人々等、大勢がRisle川の近辺を散策しております。上の写真の中央の橋がNo Killエリアの一番下流。


No Killエリアの上流を望みます。
No Killエリアではライズはありません。が、大きな魚の姿が見えます。胸が高鳴ります。東京のZoffで購入した釣り人用の度付き偏光グラスを通し良く見ると体高が高く尾びれがくの字になっているのが見えました。「コイ科の魚か」。
それでも、Frank Elder氏の育てたHoney Dunを巻いたドライフライを上流に投げ入れます。Fario Clubの胴を中心に手元まで感じる事の出来るアクションでのカースティングはそれだけで楽しいものです。
しかしながら。。。。ドライフライでのハードワークは残念ながら報われず、魚を水面に寄せる事が出来ません。それなら仕方なし。Pheasant Tailを結びコイではなく鱒が来る事を祈りつつ川にピッチングして行きます。
昼なので魚もやる気がないのか、それでも全然アタリを得る事が出来ません。
そうこうしていると、下流から大きな叫び声が聞こえ始めました。何かなと見ると子供がカヌーで上流に向かってやってくるではありませんか。大声でどなりながら、川に飛び込んだり、縦横無尽の大暴れです。それでも私の釣り姿が見えたようで子供の暴虐の限りをつくした大嵐もNo Killエリア下流の橋のちょっと上流で取りあえず止まりました。
時は14時。既に報われないハードワークで疲れた心と体は、子供のエネルギーを見せつけられてすっかり戦意喪失。場所を変える事に致しました。


向かったのは昨年魚を釣ったNo Killエリアよりも下流の牧場でRisleに支流が合流する場所。そこに移動する際、とんでもない数の人たちが川辺て思い思いに過ごしているのを目の当たりにしました。これはたまらん。しかしさすがに牧場の牛糞の香りがするところには誰もいなく、一安心。
またハードワークを繰り返します。午後になり風が強くなってきました。これが良く英国のチョークストリームで言われる強風というやつでしょうか。Fario Clubのような強い竿でないと英仏海峡付近のチョークストリームでの釣りは厳しいのかも知れません。


その合流点から更に下流に移動しハードワークを繰り返しましたが。残念ながら成果はありません。時は既に17時。非情に流れます。
家人には20時に夕食と約束しているので、焦りがつのります。(続く)

フランスRisle川再訪(その1)

2015-06-10 22:02:09 | 欧州釣行記/Fishing Trips in Europe
先週から今週にかけフランスに行って参りました。


荷物があり面倒になったのでシャルルドゴール空港からタクシーに乗りました。パリはいつ来てもいいです。

6月5日午後チュニスからパリに入り一泊。久しぶりに和食を楽しみ翌日パリからルーアン(Rouen)に列車で移動、ルーアン駅で予約してあったレンタカーに乗り、ルーアンの南郊で高速道路A13をカーン(Caen)方面に走りPont Audemer(ポントードメール)行き出口で降りPont Audemerの観光案内所を目指します。


パリ・ルーアンの間のIntercityの車中。結構混んでました。


車窓からルーアンの遠景を望んだところ。

6月6日は土曜日。事前に観光案内所は土曜日は17:30までやっているのを確認しており、到着したのは16:00前でしたので受付のアルバイトらしい高校生くらいの女の子2人に釣りのライセンスが欲しい旨伝えます。ところが、女の子達はニコニコしながら「釣りのライセンスを発行する権限がある人が今不在なのでライセンスは発行出来ません」と言うではありませんか。日曜日は観光案内所は閉まってます。あせって「どうしたらいいの?」と聞くと、「Decathlonで扱っているからそこで買って」とこれまたニコニコしながら宣います。Decathlonはフランスのスポーツ用品ディスカウント店。はてPont Audemerのどこにあるのか?「この道をこう行けばいいのよ」と多少はにかみながら案内嬢は教えてくれました。
昔ドイツでは土曜日の営業は午後2時まで。フランスですし、時代も変わったのでまだやっているとは思いましたが、大急ぎでDecathlonを探し、店の女性を捕まえて「釣りのライセンスが欲しいのですが」と聞くと、「ああ、それなら将にピッタリの専門家が居るわよ、あそこ、あそこ、マチアス!!」と叫んで、担当者に会わせてくれました。
さて、そのマチアス氏。Mathias Grunewald氏といい、ドイツ系の名前のフランス人の方で、地元釣り協会でフライフィッシングの担当をされている由。Risle(リール)川で毛針釣りをしたいのでライセンスを欲しい旨告げると親身に成って色々確認しライセンスを発行してくれました。「ドイツ、オーストリアでは釣り免許が必要だけど、フランスではお金を払うだけでOKなんですよ』、「そう言えば、今欧州でもテンカラが流行っていて、Risleのような大きな川でなく、山岳渓流で結構テンカラ釣りが人気になっているんですよ」、「名前の通り、ドイツ系で、ドイツ語も出来ますよ」とおっしゃるので、結構話が弾みました。


Pont AudemerのDecatholonの釣りコーナーの事務コーナー。Grunewald氏の仕事場。




Risle川での一週間釣券。EUR 32は欧州にしては安いです。

Decatholonで釣り券を確保し一安心。それからPont Audemer一の宿La Belle Isle sur la Risleに投宿します。これは18世紀のシャトーを宿にしたもの。美味しい食事にワイン、地元のカルバドス、他が楽しめます。お値段も結構致しますが。。。。(続く)

謹賀新年(Fischa-Dagnitz)

2015-01-02 14:56:26 | 欧州釣行記/Fishing Trips in Europe
新年明けましておめでとうございます。

昨年は、何時もの養沢以外にフランスのRisle(リール)川に行ったり、会津大川に行ったりと多少の実験をして、またハックルについての唯一の専門書を40年前に出版したFrank Elder氏が手ずから育てたOld English Game Cockのハックルを同氏の娘さんから入手する等、新しい事がそこそこ出来た年になりましたが、今年も何か新機軸を打ち出せるように、考え、面倒がらずに実行に移したいと思います。
欧州から帰ってきて今年夏で丸7年になり、楽しかった釣りも記憶の奥に徐々に滑り落ちて行きそうですが、昔良く通ったウィーン近郊の石灰台地のわき水の川(チョークストリーム)のFischa川はFischa-Dagnitz地域の釣りを年頭に思い出し、当時の写真を掲載致します。

竿は1958年製Hardy Perfection 9'、リールはSpitfire Perfectの2 7/8。シルクラインはKaizerの2番。


Fischa川の流れ。

ノルマンディー紀行(ああ無情編)

2014-10-05 12:30:10 | 欧州釣行記/Fishing Trips in Europe
前日はボウズ。これでは一体何の為に渡仏したのか分からないという思いで、翌9月17日朝7時に宿を出発、10時まで釣りをすることにしました。


昨日と同じ駐車場に車を止め出陣です。


ノルマンディーを駆け抜けたルノートゥインゴ。お疲れさま。


朝は日の出が7時くらいと遅く、当日の朝の気温は11度。


竿はW.L.Hardy 8'6''。牧場は朝露に濡れています。


釣りの時間は2時間ちょっとしかありません。昨日偵察したところをさっと一回りしましたが、魚の姿、もじりは見えず、昨日攻めたカーブの深みを中心に攻めることにしました。
ドライフライを幾つか試しましたが、全くライズの気配無し。今日はどうしても釣らなければならないので、水面下の釣りに切り替えます。一番実績のあるPheasant Tail 14番を投入し上流から深んどへ流し込み糸を張り気味にすると二三投目で「コツコツ」と来ました。よし、やった!!と合わせをくれました、が、なんとすっぽ抜け。ああ何ともはや。時計を見れば9時を回っています。その後時間を空けて再度PTを流しますが、アタリはありません。時間だけが無情に過ぎて行きます。ただ、今迄の経験で時間ギリギリで釣り上げた事ことが何度かありますので、最後まで諦めるなと自分を励まします。


それでもアタリの無いまま、時間は過ぎて行き後5分で10時。PTをGrey Goose 12番に替えて最後の挑戦をします。PT 14番よりも重く大きいGG12番はより深く流れてくれてくれたのか、金色の光とグレーのコンビネーションが食い気を誘ったのか、毛針が流れきろうとし多分水面に向かい動いたその時、魚の引きを感じました。
間髪入れずに合わせると、結構重い引きが竿先を絞り込みます。時間は9時58分。先ほどの予感が実現したことを感謝しつつ、これを取り込み損ねたら大ショックと重い慎重にやり取りします。魚の引きはトルクがあるのですが、虹鱒のような派手さはなく、ブラウントラウトかな?と思ったのもつかの間、水面に魚の姿が見えた瞬間、「ああコイ科の魚だ」。
この重い魚を岸に寄せ、愛用のSharpeのテレスコピックネットですくい上げました。時間は10時4分。まん丸の腹をした35cmの魚でした。取りあえずフランスまで来てのボウズは免れましたが、鱒には会えず仕舞の今釣行となりました。


宿に戻って、シャワーを浴び荷造りしてチェックアウト。




背の高い女将さんが「今日は釣れたの?」とおっしゃるので、「Oui, j'ai pris un poisson avec la mouche, il est treize cinq」「そんなに小さかったの?」何かおかしい。。。「そんなに小さくなかったですよ、これくらい。。。」「でも13.5cmでしょう?」「ああtrente-cinq (35cm)です」どうも仏語はまだまだ慣れません。


Pont Audemerに別れを告げ、北の海岸にある名勝Etretat(エトルタ)を目指します。ここは怪盗ルパンの生みの親モーリス・ルブランが暮らした家があり、ルパンシリーズの名作「奇巌城」のモデルとなった奇怪な岩もそびえ立つリゾート。ここで予想以上に楽しい時を満喫しました。ノルマンディーの釣行は、リッツの鱒釣りとは違うものになりましたが、それはそれで楽しい思いでが出来ました。来年以降のリベンジをまた計画するつもりです。


東側の断崖の上には教会があります。


教会の丘から西側の断崖を見ます。


Maurice Leblancの家はLe clos Lupin (ルパンの隠れ家)という博物館になっており、楽しめます。


博物館の庭から家を見ます。

エトルタ街中には古い建物が沢山あります。

ノルマンディー紀行(いよいよRisle川編)

2014-09-28 15:30:33 | 欧州釣行記/Fishing Trips in Europe
9月15日(月)パリよりPont Audemerへ移動です。
パリからノルマンディーへ向かう列車はその殆どがSt Lazare(サン・ラザール)駅よりの出発です。この駅はSeine川より北側、Hausmann(オスマン)大通り等、買い物ツアーでの訪問先で有名なパリの中心地に近く、非常に賑わうところにあり、大きな荷物を抱えて動くのは多少面倒です。尚、観光客が集まるパリの名所はスリが多いのでそれにも十分気をつけましょう。


駅について、Grandes Lignes(遠距離線)の発着する階に移動、チケットを購入し、Rouen行きの列車に乗り込みます。今回はRouenが終点の列車でしたが、他にLe Havre(ルアーヴル)、Dieppe(ディエップ)行きの列車もRouenに停まります。


RouenまでのチケットEUR 23.50


St Lazareを出発して1時間少しでRouenです。さほど遠くはありません。
Rouen駅構内にはHerz、Europecar等レンタカー会社のオフィスがあり、到着後そちらに向かい予約済みのレンタカーを借ります。レンタカーはRouen駅のパーキングハウスのレンタカー専用棟に駐車されており非常に便利。Rouen駅から出発して南に進みSeine川を渡るとすぐにA13の高速に出ます。そこをPont Audemer出口まで走ると暫くして到着です。Rouen駅出発から1時間くらいの道程です。


Pont AudemerのOffice de Tourisme(Tourist Office)。


翌日9月16日(火)Pont AudemerのTourist Officeで入漁券を購入します。最初地元釣り団体の案内にある入漁券販売所の一つCafe Aux Pecheursへ行ったのですが、そこのおじさんが「Mouche(毛針)ならOffice de Tourismeへ行きな」とおっしゃるので、シャルルドゴール広場のTourist Officeへ出直しました。一日入漁券はEUR 15。それを9月17日分も購入し合計EUR 30お支払いです。尚、Risleでの鱒釣りは9月の第三週の一杯。つまり、私が行ったのはシーズン最終週でした。


Risle川の入漁券。


Pont Audemerの街から釣り場があるConde sur Risleへ向かいます。取りあえず地図は持参したものの、この辺りは標識の無い狭い道が多く、釣り場への道がどこだか本当に判りません。ともかくD130をAppevilleまで走り、そこで右折しD39を右折。その狭いD39、世田谷区の茶沢通りの様な狭い道をConde sur Risleまで走り、右折。道なりに進むと村役場のような建物があり、そこにいたおじさん、おかみさん、娘さんに地図を見せながら尋ねます。「Nous sommes ou?」釣りに来た事を伝えると三人は議論を初め、娘さんが「子供達の集まるあの場所の近くよ」、と思い出したように口にし、Oui, Ouiと三人合意。どうも保育園の近くに釣り人用の駐車場があるようです。
教えられた様に進むと、茶沢通りを更に狭くした車一台が漸く通れる道がありそれを抜けて右折し、単線鉄道踏切を越えると確かに駐車場がありました。その先には保育園のような建物もあります。すぐに支度し牧場を越えるとそこにはチョークストリームがありました。石灰岩の大地をゆったりと流れるRisleです。


今日は9'4''のHardy LRH Dry WetにDry用のトップを付けて出陣です。ラインは自分でコーティングしたPhoenix DT。水温が安定し、アルカリ分の水が流れる川には川藻が一面に広がりゆらゆらと泳いでおります。魚がかかってもあそこに逃げ込まれたらさぞ骨を折ることでしょう。


9月中旬というのに気温は28~29度もあり、日中なので暑さがこたえます。川面には何の動きも見られず、魚の姿も認められません。取りあえず川の下流を500mくらい偵察しましたが、何も見えず、ドライフライを投げてみても釣れる気配が全然ありません。川の流れも結構早く上流に向けて投げないとすぐドラッグがかかってしまいます。


魚を求めて上流へ進んで行くと川がカーブしている左岸に小川が流れ込んでいるところがありました。カーブはえぐれ水深があり、覗くと結構大きな魚の姿も見えました。


えぐれに小川が合流しているのですが、その上流の本流にドライを投げて何回か流します。残念ながらドライには全く反応が無くそれを諦めPhesant Tailに換えてえぐれの中に流し込みます。二三回目でアタリを感じましたが、合わせてものらず、その後しつこくがんばりましたがアタリすら無くなりました。


実は、宿の食事が19:30よりなので、同行の家人に釣りは17:00までと約束してます。釣りを開始したのが14:00なので3時間だけの釣りですが、このコンディションではイブニングライズしかチャンスは無さそうです。


何とか釣らんと、小川の方を遡って見ました。魚の姿が藻の中に時々見えますが、反応なし。と、ドライにライズ!!ああ、でものらない。。。。


最後は集中力が途切れ、17時を迎えてしまいました。釣りには家人を同行させてはいけないと骨に沁みて思う残念なRisle初日でした。ああ、重い竿ケースをわざわざ担いでフランスまで来て、このままボウズでノルマンディー釣行を終えるのでしょうか。。。。尚、明日9月17日(水)はEtretatへの移動日です。


宿Le Coq aux Champsの食事は非常にレベルが高く、美味しゅうございました。