のんびり娘の謎

10円が2個で、、、12円?今日の前の日は、、、前の日?のんびり娘のお答えは、理解できない謎ばかり。さぁ、どうする?

ひらがな2

2012-07-06 07:26:19 | 小学校国語
書かれた文字は、時間はかかるけれど写すことはできる。
でも、つなげて書かれると、どこまでが一文字かがわからなくなる様子が見える。
連絡帳に書く内容が何行かに渡ると、もうどこを書いているかがわからなくなり
手が止まる。
自分の名前は書けるけれど、その中にあるひらがなを別のところで書かせようとすると
書けない。
書こうとする文字を、5つくらいの候補の中から選ばせようとしても選べない。

そのような状態から始めたサポートでしたが、
前の記事に書いたように、「音」と「文字」を対応させる。
ことに留意して続けているうちに、本人が、小さな声で
「音」を出しながら「文字」を書くようになりました。

書いている手元を見れば、どの文字が頭に残ってきたかは
わかりますので、本人がある程度自信を持って選べそうな字を、
50音表から選ばせる(といっても、「この辺り」と指さしてかなり限定します)
事もしながら、どの程度の文字が入っていっているかを
確かめつつサポートを続けます。


「音と文字が対応していない。」
最初、この状況に気が付いた時、私の頭に浮かんだのは、
書いてある「字」を押すと「音」が出る教育おもちゃでした。
ああいうもので家庭でじっくり取り組んでもらえたら・・・
そんなことを思いました。
でも、それはサポーターの私の口の出せるところではないし、
親の考えだってさまざまだし・・・。
また、「通級」のようなシステムがあればとも思いましたが、
やはり、現実的に、このようなお子さんに対応してくれるところは
近くにはなく・・・。

では、サポーターとしての私がつける範囲で、つける間に少しでも
力をつけていこうと、そうして関わっています。

やってみると、やはり「学校」という場でサポートできることの
意義を感じました。

生活の場の家庭で、「お勉強をやらせる」よりも、
お勉強の場の学校で、「お勉強をやらせる」方が自然で、子供への負担は少ないでしょう。
「取り出しというような特別な時間ではなく、皆が一斉に連絡帳を書いている間に、
他の子が終わると同じ位までの間に、彼用のやり方で「お勉強」ができる。
(このクラスの担任の先生は、書き終わった子から、ノートを先生のところに持ってこさせてチェックします。早くて雑な子のチェックを厳しくするなどして、遅い子との仕上がり時間の差が少ないように調整してくれますから、「遅れる→困る」というような心理的負担は少ないです)
他の学習場面でも、皆が音読をする時に、同じように音読しながら
横で私が文字を指さしていく。→自分で文字を指ささせる。
皆が、黒板に張られた歌詞カードを見ながら新しい歌を覚えていく時、
その子のすぐ後ろで、大きな声ではっきりと私も歌う。
(担任の先生も、見せるだけではなく、言葉でも歌詞を伝えています)

そうした、なんでもないことでも、積み上がっていくことで
彼の頭の中に「音と文字」をセットにして入れる役には立つと思うのです。
週1とか月1とかの事ではなく、毎日のことですから。

そうして、先日、「ひらがなの読み」のテストがありました。
入学当初、彼の読めた字は47文字中5文字。
先日のテストの結果は36文字。
自信がない文字は、小さい声になったり、時間がかかったりはしましたが、
かなり読めるようになっていました。

「学習」って、そういう面があるのですけど、
これが、1週間前だとこうはならなかったと思うんです。
ついているからそう思うんですけど、
この週間程度で、彼の中で読める字が急激に増えた。

それは、それまで「写す」ことで溜めてきた「字の形」に、
「声に出す」ことを続けてきて「音」が乗ってきたからではないかと思うのです。
「音」を出し始めたからすぐに「文字」を獲得したわけではない。
コツコツと貯めてきた「形としての字」に、「コツコツと続けてきた音」が
くっつく時期がようやくきたということなのだろうと思います。

入学当初、殆どのお子さんが47文字を軽がるクリアしていく「ひらがな」の
たった36文字が時間をかけて読めるようになったという状況は、
この時点で他のことの比較をしたら、それはかえって深刻な事態なのかもしれません。

でもね、今彼は「ざる」を手に入れた。
私はそう思っています。
これまでは「枠」だったから、入れても入れても
すりぬけて下に落ちてしまったものが、
ざるにあける味噌汁のように、
落ちていくものも多いけれど、わかめだのなんだのひっかっかって、
少しずつ穴がふさがれていく。
そうしたら、またひっかっかるものが増え・・・。

その第一歩なんだと思います。

彼のサポートはまだ始まったばかりで、
今後どのようになっていくかまだ見えませんけれど、
私は、「学校におけるサポート」で、こうしたお子さん達にも
良い影響が出るのではないかという仮定を持って
関わっていきたいと思います。

そして、折に触れここに記していくことで、
実証できれば・・・
学校でのサポートの必要性。
学校でのサポートのあり方について発信できるようになればいいなと
少しだけ偉そうに思ったりします。



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9 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
本当に・・ (しのぶ)
2012-07-07 06:48:53
すごいですよね、seiさんは!
お仕事、頑張ってください。
本当に、先生方に、こういう支援の仕方がある、こういう困り感のある子供がいる!
っていうのを知って欲しいと思います。

うちの息子は、支援の入り方次第で、普通級にいられた口ですから・・特にそう思います。
ここからは愚痴になってしまいますが。
本当に、うちの子、どうしましょう!
思春期をぬけたら、精神~のほうでも 手帳取得維持は難しいかも、です。(--;)
そういう子供でも、やっぱり普通の中で生きるのは、大変なんですけどね。なんというか、体の芯の硬さとか、不器用さがハンパないので。
数値に見えない自閉特有の、凸凹・・・それも厄介でございます。
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Unknown (ゆーぞー)
2012-07-08 13:48:16
支援級に1週間に1度お世話になっていますが。
私の見方が悪いのか、ほんとうに子どものことわかってる?
とよく思います。
とは言っても、私はプロです!っていう先生達にあれこれ言うのも気が引けて、はーそうですか。と答えるのみ。
思うに、支援級の先生方は、言葉は悪いですが、重度のお子さんに対する教育は勉強してきているけど、
もうちょっと軽い、普通級と支援級の間にいるような子どもについての勉強はしてきてないんじゃないかと思うんです。
 よって、普通級と支援級の間にいる子ども。seiさんのような先生がいない限り、悲劇ですよね。自分で、家庭で開拓しなくちゃやっていけないんですもの。
 seiさんのような、先生。もっとでてきてくれないですかね。いろんな意味で無理そうですが。
 
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Unknown (かろーら)
2012-07-08 15:53:11
「普通級と支援級の間にいる子どもについての勉強」

すごくわかります!!同感です。

微妙な匙加減のできる先生、子どもの困り感をぴんと察して下さる先生の層がもっと厚くなってくださればと私も感じてます。

でも、そういう勘は20年くらい教職につかないと無理なのでしょうか?

教育学部で教えてくれればいいのに。
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しのぶさん。 (sei)
2012-07-10 22:42:01
わかってもらえれば、それぞれの先生方で工夫のしようもあると思うので、なんとかわかってもらえるような形にできたらいいなと思います。
でも、まずはのんびり娘を自立への道に乗せられるかどうか・・・それが親としての本音です。

職を得るということ。自立するということ。そう簡単なことではないですもんね。
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ゆーぞーさん。 (sei)
2012-07-10 22:56:48
方法がわからないから、「出来ない」と思ってしまう。
「出来ない」と思い込んでいるから、方法を思いつけない。

こういうことを変えていくためには、具体的な方法や実例をたくさん知っていただくことが必要なんだろうと思うんです。

方法があると知らせていくことで、やらないのは先生の怠慢だというような空気に持っていければ・・そんなことを考えちゃうんですよね。
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かろーらさん。 (sei)
2012-07-10 23:02:06
決してそんなに時間の必要な作業ではないと思います。
ただ、一人一人の手元や目線をじっくり見る必要があるので、今の学校の「一斉指導」スタイルだと難しいのだろうとそう思っています。

ベテラン先生方が時々話していますが、
「昔は、そういう子は放課後残してマンツーマンで見られたんだけどねぇ・・・」
と、そういった「一対一」の時間が今は制度的に殆ど取れないから、先生方も個に対する理解を深められないのではないかと思うんです。

先生の資質の問題というよりも、先生一人でクラス全体をみるというシステムそのものに問題があるんじゃないかなぁ、
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一人ひとりのために (kyo)
2012-08-17 01:05:25
通常学級での文字のサポート、間違ってなかったなあとほっとしたのと同時に、お母さん方と同じ思いで先生方を見ている自分を再確認してしまいました。seiさんが言われるように長い年数が必要なわけでも困り感を見つけることができない先生ばかりでもないんですよね、みんな一緒に同じ量をこなさないといけない、遅くなる、違ったやり方ですることがまだまだよくないと思われてるのです。何をするのも遅い子たち(前を見ているけれど、耳に入ってない)は罵倒され続けています。こちらが先回りして声をかけるにも数人いるのでうまくいかないことが多く...
特別支援教育...特別でないみんなのための指導支援だと捉えていたのですがまだまだなのでしょうか。
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書くこと (kyo)
2012-08-17 01:20:36
高学年になっても授業中、板書を書き写すことに時間がかかる子には先生が書き出すと同時に1,2行ずつ私が書いて手元に渡すとそれほど遅れず写します。文字を言葉、文として読めず写すので時間がかかる場合と集中できず書きたくない子とに分かれているのですが。後者の生徒はこの方法で書くようになったと先生には喜んでもらってるのですが、いつまでもそれではだめですよね。徐々に自分の力で書くようにするにはどうすべきですか
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kyouさん。 (sei)
2012-09-25 23:59:22
ご相談いただきながら、お返事がすっかり遅くなってしまったこと、本当に申し訳ありませんでした。

今日、記事に書いたのですが、我が家ののんびり娘が、今日初めて3時間近くも一人で本を読んでました。

たったそれだけの事。たったそれだけの事が、親の私には、涙が出るほど嬉しかった。

つい一昨日です。
国語のテストを持ち帰ったのんびり娘が、
「自分の力で、問題を全部読んで解いたんだよ。それで、赤点にならなかったよ。」
と、大喜びしてました。点数はたったの40点。
それでも、これまでなかなかできなかった「読解」が、自分でちゃんと理解して出来たことが、嬉しかったんです。

小学校の先生は、なにかというと
「いつまでもこれでは・・」「手助けをしていると、自分ではやらなくなる・・」というけれど、
本当にそうなのかなって、のんびり娘の成長の仕方を見ていると思います。

「わからない」「できない」「まにあわない」を続けているよりも、kyoさんの手助けをえて、「できた」「わかった」「よかった」を積み上げているお子さんの方が、長い目で見た時に「続ける力」を育てられるのではないでしょうか。

「今、他と同じように出来ること」よりも、
「1年前のこの子よりも、着実に成長している」
という「変化」に注目することが、一人一人を伸ばすのではないかなと思うのです。

お互い、いつか「蟻の一穴」になれたらいいですね。

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