昨日の続きで
後手が95歩ではなくて33金として、玉頭を守ったらどうでしょうか。65歩44歩74歩
先手は銀を逃げずに攻めます。45歩73歩成は簡単に先手有利です。74同歩は64歩同銀直 (左も同じ) 54銀
75歩 (75金も同じ) に (76歩には64角だから) 53銀成が利いて 、53同銀75角
駒損ですが飛角銀をさばいて先手優勢に近いです。
戻って
74同銀のほうが少し紛らわしいかもしれませんが、強く64歩45歩63歩成
銀は取り返せるので問題なし。
ということで
ここでは本に書いてある74同金ですが、64歩同金には本に書いてある65桂よりも、AIに聞くと65歩のほうが優ります。
しかも45歩には金を取らずに85桂だと。
85同飛には86飛 (あるいは64歩同銀左86飛) で簡単です。 65金には53角成64銀71馬84飛 (85飛なら86飛) 26飛
すぐに取れる駒を取らない不思議な手順でしたが、先手は駒損もなく、後手陣は大きく乱れています。評価値は+866でほぼ先手優勢。もちろん戸辺先生の本の手順が間違っているわけではないのですが、先手がより良くなるのでした。
もっと戻って、
AIによると後手の最善は44歩の所で31角です。
36飛65歩34銀
6筋は手厚すぎるので、先手は玉頭に目を向けます。34同金同飛33歩36飛64銀左
この図の評価値は+267、先手良しですがこの後の指し方に迷うところです。AIは15歩同歩12歩同香11金が第1候補で、他に66歩とか67金とか。まだ後手は先手の攻め間違いを期待できるのではないでしょうか。
最後に後手がおとなしく44歩を突いて
玉頭銀を嫌った場合ですが、46歩84金に65歩同歩45歩
45同歩同銀はこれまでの変化よりも先手が攻めやすいです。後手の最善は66歩、86歩同歩同飛と進むのですが、評価値では先手良しのまま。戸辺先生の本に書いてあるのは55歩同銀45歩ですが
56歩54歩65桂よりも、すぐに65桂と跳ねて55角53桂成
先手は桂損になるのですが、53同金56飛44角88角
後手は収拾困難で、評価値は+842のほぼ先手優勢です。
なお44角の所で54歩ならば
55飛同歩74歩64歩71角52飛62銀
これも先手の攻めが続きます。評価値は+1172の先手優勢。
先手の石田流本組がしっかり組みあがると後手の棒金は苦しいです。組みあがる前に攻めればまずまず戦えます。
本に書いてある形の他に、
後手が森内俊之先生だったと思いますが (先手陣の形が違うかも) 、引き角にしてから棒金にする工夫はありそうで、評価値は+35ですから、後手も指せるでしょう。
2006年の森下三浦のNHK杯戦では
後手が7筋の歩を銀で交換して
83に引いて棒金ではなくて棒銀で攻めたという工夫もあります。これも評価値は互角ですから、後手が採用しても良いでしょう。
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