名南将棋大会ブログ 名古屋

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20190107今日の一手(その811);攻め駒を責める

2019-01-07 | 今日の一手

20190107今日の一手

9月16日の名南将棋大会から、SさんとTさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
桂と香歩の交換で後手に持ち歩がありますからほぼ損得なしです。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は88角と持ち駒銀香香で4枚。
後手の攻め駒は22飛と持ち駒銀桂で3枚。

総合すれば互角です。

☆ 大局観として
先手は玉の堅さで劣っています。後手玉を薄くするか、先手玉を固めるか。
駒得を図って長い戦いにするというのもありそうなのですが、食いつかれないようにしなければなりません。
左翼に使えていない(攻め駒にしたかった)駒があります。働かせる余裕がなさそうなので、右翼に利を求めなければなりません。


× 実戦は19香で端を守ったわけですが、緊急性はないところでした。45歩と突かれて

角交換は玉の堅い後手の望むところです。44銀46歩同金44角同角42飛

駒得になっても金銀がバラバラで角をピンされました。43歩同飛35銀に18歩同香26桂

うまいところに桂を打たれて形勢を悪くしました。32角44飛同銀52歩21角成49角

駒得だからという場合ではありません。後手玉は手つかず、四枚で攻められて劣勢です。


○ 守るならば37金寄

としておけば45歩~46歩が金取りになりませんし、26銀にひもがつき、2筋の守りも強化されています。後手は45歩が無効なのです。

とすれば12飛24銀51角13歩

くらいのところで後手の飛角を押さえつつ、もたれて指すことができます。


× 普通は駒を打つ方が手堅い守りなのですが、27銀は34桂

銀を逃げても26歩があるので駒損になるやり取りです。


× 37銀打のほうがましですが

45歩の時に44銀を打てません。33同角成同桂44角69角48飛46歩同銀34桂

金銀4枚あっても先手玉が堅く見えないので難局です。


× 55銀は抑え込もうという手ですが

45歩同歩66桂

という筋があるので45歩は取れません。

64香

で攻め合うのですが、46歩48金引64銀同銀34桂37銀26香

いろいろ利かされて後手の寄せが速そうです。


△ 55香ならば52歩

利かしで角交換を避けているのですが、先手の角も働かないので得をしていない感じもします。


△ 59香は58歩同香52歩

飛車の横利きが止まるのです。


△ 57香52歩

の利かしならば少し得だという気がしますが、この後の手がどうか。(ここから後に述べる34銀が有力です。)


○ 35香は攻撃防御で

角交換を避けています。42角に31銀だと14桂

から25飛~15角で逃げられてしまうので

53銀のほうが正しいです。

清算してもらうと後手玉が薄くできます。14桂37銀25飛39玉15角64香

角をかわされても後手玉を薄くできるので十分に指せそうです。


○ 34銀も有効で

先手玉の囲いとしての堅さが上がっているわけでもないのですが、25歩をしっかり守れます。51角44角42飛53角成

52歩64香53歩63香成

食いついてしまえば大駒を捨てても良いのです。


× 24銀でも同じように見えるかもしれませんが

24同角同歩25歩37銀26桂

逆に角を切られて攻められてしまいます。後手の22飛が働くようになれば4枚の攻めで受けきれなくなります。


△ 74歩同歩

は飛車を攻め駒にしたことにはなりますが、7筋を継続して攻められないならば損をしているかもしれません。


△ 94歩同歩93歩同香

利かしは入りますが端を攻め続けられないので得なのかどうか。


× 他には76飛45歩

序盤のように石田流に組むのは間に合いません。後手ペースです。


☆ まとめ
相振り飛車は相居飛車に近い感覚なので、駒得でも攻められて劣勢になる場合が出現しやすいです。相手に攻められたら、受けきりをねらうか、攻め合いにするか、という方針(大局観ですね)を決めます。
問題図では寄せ合いの形になっていないのです。88角は使えそうですが、78飛89桂が攻撃に参加できていませんね。縦に攻め合って勝負するわけにいかないのです。後手のほうは左銀と香を攻め駒にしています。後は33角を攻めに使えれば十分な態勢になりそうでした。

35香や34銀は、攻撃防御というかB面攻撃というか、相手の攻め駒を攻める感じで、33角(や22飛)を責めることができました。

もう一つは45歩を先受けして37金寄というのが良い感じです。


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