名南将棋大会ブログ 名古屋

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20181108今日の一手(その781);大駒を使う攻防手

2018-11-08 | 今日の一手

20181108今日の一手

7月28日の名南将棋大会から、YさんとMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。

一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
桂2歩4と飛金の交換で持ち歩があります。馬を作られていても先手の駒得です。ただし終盤なので重視しません。
玉の堅さは馬と金銀2枚の比較ですね。将棋格言では馬のほうが強いのですが、同程度と見ておきます。
先手の攻め駒は37飛と持ち駒飛金銀で4枚。
後手の攻め駒は65桂と持ち駒銀2桂3で6枚。5枚以上は4枚と同等です。

総合すれば先手もちか。

何手で詰めろかを見てみると
後手玉は1手で詰めろは難しいです。2手かけて詰めろはいろいろあって現状は3手すき。
先手玉は77歩成が詰めろで2手すき。
先手番ですがこのままでは負けなので後手有利。
(後で書きますが、実は後手玉は詰めろがあり2手すき、先手有利です。)

☆ 大局観として
寄せ合いとしては、しっかり受けて先手玉の2手すきを4手すきにするか、攻防の手を指して後手玉を2手すき、先手玉を3手すきにできれば逆転です。
1手ずつ進めて2手すき対1手すきにしてから、しっかりした受けの手あるいは攻防の手(詰めろ逃れの詰めろ)を指してもよいわけですが、手が進むほどに難易度が上がります。


× 53歩は

金を取れば詰めろで2手すきの手。77歩成52歩成78と同玉77銀69玉68金

清算して56桂で詰まされます。普通の寄せ合いでは負けになるという確認でした。


△ 実戦は61飛の王手。

普通の合駒、51歩などは65飛成が好手で、65同馬は33飛成

で後手玉が詰みます。65飛成は先手玉を4手すき以上にできた受けの手になりました。

実戦は41桂の合駒です。

これならば65飛成は同馬と取っても後手玉が詰みません。ここから受けることも考えられますが、後手に1枚桂を使わせてもまだ桂を2枚持たれているのでたいした効果はありません。
思い切って41同飛成同玉44桂

と進みました。仮に77桂不成など詰めろをかけられても、52成桂同玉53銀41玉42金同馬同銀成同玉53角打

でちょうど詰みます。

実戦では43銀と受けて

32桂成同玉55角34桂

44銀と打ったのですが、77歩成33銀成41玉

で後手玉が詰まず、後手Mさんの勝ちに終わりました。55角~44銀以外にも何かありそうなところなのですが、見つけられません。(55角は攻防の位置ですが、駒を渡したので受けても逆転しません。)


○ 72飛ならば

受けにも利いています。77歩成に52飛成とすると

でも7筋で受けるのではなく、52竜の位置で5筋を受けているのです。後手玉は当然詰めろですし、78と同玉77銀69玉

68金から清算して56桂というのを52竜で受けています。

72飛に51歩と受ければ76飛成

桂をもらえば44桂があるのでありがたいです。これは先手が勝つでしょう。


○ 44角成は

33馬が詰めろになる2手すきの手。77の地点を受けていますし、71飛と打つ攻防の手も指せるようになります。77歩成同金85桂71飛41桂

これくらいの進行でしょう。先手玉が詰めろかどうかですが、33馬に88銀69玉77桂右不成78玉89銀不成88玉

詰みがないようです。ほかにも変化はあるかもしれませんが、44角成は攻防なのでその局面では逆転しています。


○ 難しい手ですが41銀というのは詰めろです。(実は問題図の後手玉は2手すきだったということになります。)

41同玉に61飛51歩(銀合い桂合いも同様)53歩が詰めろ。

42金52金31玉42金同馬52歩成

これも詰めろです。

であれば後手は51金

しかないです。51同飛成同玉53金72飛42歩

42同飛同金同玉44飛

合駒をしても53金31玉43金、31玉でも43金、53角成もあるので詰めろは続くでしょう。


△か× 受けるほうを考えてみると、76銀は

77歩65銀78歩成同玉

後手は65馬とできないので先手有利にも見えるのですが、77歩同玉85桂66玉(下に逃げるのは詰めろが続きやすい)77銀75玉73銀

入玉は難しそうですが、詰めろが途切れればチャンスです。84銀か85玉か。


× 66銀とかわすと

77銀65銀78銀成同玉

このほうが銀得になるのですが、上には逃げられません。77銀69玉46桂78歩

58歩同金57歩

57同飛58桂成同玉46桂

飛車の位置がずれたので、どこかで65馬と取られると負け筋(王手で取られることになりそう)です。

銀を取られないように、61飛51歩を入れてから(61飛に51金打も厄介ですが)65銀以下進めると

58歩もないし、65銀にひもがついています。けれど47桂同飛65馬

飛車の位置をずらされて、78銀成以下の詰めろです。


× 他には88銀77銀

というのも受けにくくなっています。


☆ まとめ

実は41銀以下詰めろが続くとは思いませんでした。ならば素直な寄せ合い1手勝ちの問題になります。
実戦の61飛も合駒41桂に限定される(それ以外は65飛成が攻防になる)ので、詰めろを続けるようなものです。飛車を切るのでやや攻めが細く、詰めろが続きませんでした。

後手の攻め駒が多すぎて、受けるのは難しいです。76銀77歩65銀以下、上に逃げて勝ちがあるかどうか。

72飛は52飛成と76飛成をみた攻防手でした。44角成~71飛というのも攻防です。

大駒が使える時は攻防手が出る可能性が高くなります。
これがよく言われる攻防手ですが、それ以外にも持ち駒の関係する攻防手があります。


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