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名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集20200111

2020-01-11 | 大山将棋研究

先手番中原先生の手を考えます。

第1問

 

棒銀で角交換になったら、この手を覚えておきましょう。

A 66歩  B 35歩  C 88角

 

第2問

 

角の打ち込みに気を付けねばなりませんが、これが中原先生の構想でした。

A 46歩  B 55歩  C 89飛

 

第3問

 

交換した桂を打ったのですから攻め続けます。

A 15歩  B 45桂  C 51角

 

第4問

 

これが詰めろ。

A 71飛  B 63銀不成  C 77桂

 

第5問

 

詰みがあります。枝分かれがあって長いほうは9手。

 


大山将棋研究(1469);四間飛車に棒銀(中原誠)

2020-01-11 | 大山将棋研究

今日の棋譜20200111

昭和46年9月、中原誠先生と第12期王位戦第5局です。

大山先生の四間飛車に

中原先生は棒銀です。

大山先生は定番の32金型ですが、袖飛車ではなくて角交換を挑みます。

この時の居飛車はどう指すかを名南将棋大会で尋ねられたことがあるのですが、66歩から玉を囲い

銀は引いて46歩から歩の交換を目指すというのが普通です。大山先生は向い飛車にして、46歩には33桂を用意してけん制しています。

中原先生は銀を引いて桂を跳ねました。右辺はこれで一段落して

中原先生は飛を引いて8筋へ。とりあえず桂を交換して55桂があるので

54歩85歩同歩同桂83歩

桂を交換して46歩を突けば、27角の打ち込み対策になっています。

大山先生が金を上がったのが疑問手になるとは思いませんでした。普通に72金か、あえて52金か。

桂を打たれて62銀と引けません。

金銀の連携が崩れたところで、中原先生は角を打ち込み

角を切って53金では乱暴ですが

45歩を打てば駒が取れます。

31角にも銀を取ってから金を取ればよいわけで

角と金銀の二枚換え、持ち歩がないけれど駒得といってよいでしょう。駒得なのに銀を打ち込みました

玉飛接近すべからず、飛を攻めるのが有効です。

43歩成でも良いのですが、金を打ちました。清算すると61飛が王手角取りで寄るのです。

大山先生は粘りにくい形なので、攻めるしかありません。49角から

金を逃げられても桂を打ち込み

王手飛取り。

しかしこの銀不成が詰めろです。(大山全集には「不成」表記がありません。)

99成銀は詰めろ逃れですが、74銀不成も詰めろ。(ここでも大山全集には「不成」表記がありません。)

64金を打っても85歩で詰みでした。74玉は52角63香75飛から、93玉は84角から詰みます。

 

8筋に飛を回られると、桂交換は少しだけ先手の得なのでしょう。攻めの桂と守りの桂の交換のようなものです。中原先生の攻め手に無駄がなく、強引なようでも成立していました。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1971/09/21
手合割:平手  
先手:中原誠十段
後手:大山王位
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二銀(71)
13 9六歩(97)
14 9四歩(93)
15 6八銀(79)
16 7一玉(62)
17 3六歩(37)
18 8二玉(71)
19 2五歩(26)
20 3三角(22)
21 3七銀(48)
22 4三銀(32)
23 2六銀(37)
24 3二金(41)
25 5八金(49)
26 1四歩(13)
27 1六歩(17)
28 6四歩(63)
29 5七銀(68)
30 4五歩(44)
31 3三角成(88)
32 同 金(32)
33 6六歩(67)
34 5四銀(43)
35 6七金(58)
36 8四歩(83)
37 6八金(69)
38 4三金(33)
39 7七桂(89)
40 7四歩(73)
41 3七銀(26)
42 2二飛(42)
43 4八銀(37)
44 3三桂(21)
45 3七桂(29)
46 6三銀(54)
47 8六歩(87)
48 7三桂(81)
49 2六飛(28)
50 8三玉(82)
51 2九飛(26)
52 8二玉(83)
53 8九飛(29)
54 5四歩(53)
55 8五歩(86)
56 同 歩(84)
57 同 桂(77)
58 8三歩打
59 7三桂成(85)
60 同 銀(72)
61 4六歩(47)
62 同 歩(45)
63 同 銀(57)
64 6二金(61)
65 4四歩打
66 同 金(43)
67 8五桂打
68 8四銀(73)
69 5一角打
70 3二飛(22)
71 6二角成(51)
72 同 飛(32)
73 5三金打
74 6一飛(62)
75 4五歩打
76 3一角打
77 6三金(53)
78 同 飛(61)
79 4四歩(45)
80 6五歩(64)
81 7三銀打
82 同 銀(84)
83 同 桂成(85)
84 同 玉(82)
85 5二銀打
86 8六桂打
87 6九玉(78)
88 6二飛(63)
89 6三金打
90 8四玉(73)
91 6二金(63)
92 4九角打
93 7七金(67)
94 6七桂打
95 同 金(77)
96 同 角成(49)
97 同 金(68)
98 7八銀打
99 5八玉(69)
100 8九銀成(78)
101 6三銀(52)
102 9九成銀(89)
103 7四銀(63)
104 9八飛打
105 4七玉(58)
106 6四金打
107 8五歩打
108 投了
まで107手で先手の勝ち


20200111今日の一手(その959);攻め駒4枚の力

2020-01-11 | 今日の一手

20200111今日の一手

11月23日の名南将棋大会から、HさんとNさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。(直前手は45歩打です。)

 

 

一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。

先手の香歩得で馬 と金を作り合っています。先手の駒得です。

玉の堅さは後手のほうが堅いです。(56銀66銀は守りに働いているとは言えない。)

先手の攻め駒は12飛と持ち駒桂香で3枚。

後手の攻め駒は持ち駒飛角桂で3枚。

総合すれば互角です。

 

☆ 大局観として

先手玉が堅くはないとはいえ、まだ手はついていませんから寄せを考える方が普通でしょう。駒得を生かして受けるのもありますが、37と で金を削られたら駒得は消えるので受けばかりでは勝てません。

前回の問題と似ている状況なのですが、ここでは攻める方に重点を置いて考えるところです。4枚目の攻め駒はどれにしましょうか。

 

☆ 簡単なまとめ

42馬が最強の手ですが

この先が読めるでしょうか?

手抜きは52馬、53金に63香(か53馬同銀63香)、62金引に64馬を確認してください。

 

 

△ 実戦は34馬でした。

駒を取りながら馬を攻め駒にできるのですから、一番自然に思えます。(でも歩得を重ねても評価は上がりません。)後手は62金引もありそうですが53金。そこで24馬

というのは後手の46桂を受けた守りの手です。方針がぶれたので疑問手になりました。49飛69香48と

24馬は受けとしてもあまり役立っていなくて形勢を損ねました。48同金同飛成43歩85桂

後手のほうが攻め駒4枚で受けきれなくなりました。

 

24馬では意味がなかったので43歩を打ってみます。

43同銀は同馬同金63香

角を渡しても構わないので寄せが速くなっています。駒損でも1対1の交換ならば攻め駒の数が減っていないのです。43金が離れた効果で寄せ切れそうです。

 

後手が43歩を無視すれば、49飛42歩成48と同金同飛成69香

この寄せ合いは形勢不明です。

 

 

△ 単に43歩は

と金を4枚目の攻め駒にしようというわけです。(13香成~23成香~32成香~42成香よりも2手速いです。)49飛42歩成48と同金同飛成69香

34馬53金を入れているかどうかの違いですが、馬を渡さないのが良いか、馬を攻め駒にしていないと見るべきか。似ているけれど少し違う変化で互角です。ここから62金引52と同金寄34馬62金寄53銀71金打

金銀を入れ替えて千日手のような、攻め切れるような、どちらでしょうか。

 

 

○ 42馬が一番強い手です。

53銀に75桂

42銀63桂成は後手玉が薄くなるので先手有利です。(馬を取られるのを嫌えば43馬71金に75桂ですが、43馬に62飛の受けもあるので一長一短です。)

62金引53馬同金62銀

62同金同飛成71角には83桂成

(これが見えなければ63香あたりですが)として寄っています。

 

42馬に62金引は

64馬63銀左37馬

守られたら長いですが、と金を抜けば駒得です。43歩の他に、75桂や65香もあるので攻めに困りません。

 

46桂の寄せ合いは

59金48と同金59角52馬

どこかで手を抜いて攻めれば良いでしょう。

 

53金には63香か

53馬同銀63香です。62桂と守れば同じことで、53馬同銀52金

食いついてしまえば勝ちやすいです。

 

 

○ 75桂は打ちたいところで

62金引には44馬

これで馬が攻めに使えます。後手は71桂とか守るほうが良いのかもしれませんが、やはり先手は と金を作って攻めることもできます。49飛の寄せ合いには62馬同金63香

金か銀をはがせますね。これは先手有利。

 

後手は75桂に手抜いて49飛、寄せ合いを目指すのでしょう。

63桂成同銀左34馬52桂

先手の駒得は広がっていますから、59金打~53香(か43歩)で有利です。

 

 

× 86香も打ちたいですが

49飛75桂48と

83香成からの寄り筋があるわけでもないので寄せ合い負けかもしれません。後手がこれを怖いと思えば86香に74歩ですから、86香自体が得ではありません。

 

 

× 95歩は

取れば歩を連打して86桂の筋ですね。後手は歩切れではあるのですが、構わず手抜いて49飛94歩48と

93桂や93香では厳しさに欠けます。これは後手有利のようです。

端歩のタイミングはもう少し早いか、もっと後で詰めろになるようなところで突きます。

 

 

△か○ 受けとしては49歩

43歩の攻めが消えてしまいますが、先に受ければ手堅い原則です。46桂や49飛を受けて、かなり手が稼げます。 

 

 

△ 59金は離れ駒ですが

△ 69金

も同じようなもので、39飛68金寄48と43歩59と79金46桂42歩成

後手の寄せの速度は変わっていないようですが、桂を使わせたのでちょっと違います。受けるならば47銀もありましたし、形によっては得できるかもしれません。

 

 

△ 69香を打つのも

先受けです。49飛~48と同金同飛成 の手順前後であまり違いません。攻めを考えるならば香を打ったので攻撃力は下がっています。

 

☆ まとめ

攻め駒4枚というのはマジックナンバーで、その4枚を効率的に使えば簡単に寄せられます。問題図では攻め駒が3枚、4枚目は馬か と金か端(99香)か、という選択です。

端はぬるいようで、と金(43歩)は互角、馬を使うのが一番速いです。性能が良いですから。ここでは角を渡しても自玉に影響が少ないというのが好材料で、馬を切る(捨てる)攻めが利きます。

他の攻め駒として12飛は使いやすいから良いとして、持ち駒の桂香をうまく使いきれるかどうか。86香は効果が小さいので、75桂をどこかで打つことを考えます。金を逃げれば63香を打てる、攻め駒がきれいに使えた、ということになるのです。