先手番大山先生の手を考えます。
第1問
定跡の手ですが、大山新手らしいです。
A 86飛 B 88飛 C 82角成
第2問
攻防の手です。
A 46銀 B 56角 C 41角
第3問
これも攻防になります。
A 84金 B 35歩 C 37桂
第4問
どう攻めますか?
A 53桂右成 B 43桂成 C 43金
第5問
竜取りで返されて困ったようですが。
A 35銀 B 59香 C 86香
先手番大山先生の手を考えます。
第1問
定跡の手ですが、大山新手らしいです。
A 86飛 B 88飛 C 82角成
第2問
攻防の手です。
A 46銀 B 56角 C 41角
第3問
これも攻防になります。
A 84金 B 35歩 C 37桂
第4問
どう攻めますか?
A 53桂右成 B 43桂成 C 43金
第5問
竜取りで返されて困ったようですが。
A 35銀 B 59香 C 86香
今日の棋譜20200106
昭和46年8月、塚田正夫先生と第10期十段戦です。(大山全集ではこの時の大山先生の肩書が王将になっていますが、名人を含む三冠なので名人と書くはずです。)
塚田先生の振り飛車を予想して大山先生は76歩34歩に26歩を突いたのかもしれませんが、基本は居飛車党ですから塚田先生は84歩。
大山先生はこの頃は相居飛車でも構わないとは思っていたでしょう、それにしても横歩取りとは思いませんでした。指さないけれど知識としてはあったのでしょう。
塚田先生は相横歩取りへ。一番激しい序盤です。この頃の流行(と呼べるほど局数があったかどうか)なのでしょう。内藤先生の33角が市民権を得るまでには多かったのだと思います。
77銀(77歩や77桂もある)74飛に同飛(36飛もある)同歩82歩。(後には46角が流行しますが。)82同銀に
55角を打って両取り、塚田先生は85飛で返します。Wikipdediaには大山先生の新手だと書いてありますからこの将棋のことでしょう、大山先生はここで86飛と合わせます。
86同飛しかなく(82歩同銀の効果)同銀に26飛。私はこのあたりまでの手順には見覚えがあるのですが、28歩同銀26飛ではなかったかな。この将棋の後で修正されたのでしょう。82角成86飛は後手有利なので
77銀72金28歩。これで一段落したようですが、この形は82角成からの強攻があります。(左右逆で22角成の手順はどこかで覚えていますが)
82同金に71飛。61角などの受けは83歩があるので攻めが続きます。
62玉で続くのかがわからなかったのですが、41飛成に61角。これは52角打で竜を殺せるので後手が指しやすいでしょう。大山先生の強攻は失敗だったようですが
なぜか52角打ではないですね。84歩(52角打51銀72玉32竜同銀83金同金同歩成同玉62銀成を気にしたか、ならば51銀には73玉か?)45桂66銀86歩と進みます。互いに小技を出した後で
54角はおかしな手(に見えます)で銀で殺されるのです。
57桂成同玉に52角。なるほど銀を使わせたので角を打たなくても(71銀がないので)竜が死ぬし、飛を持って69飛があると。
54銀41角の取り合いです。でも53銀成同玉35角の筋がありますね。塚田先生の策の凝らし過ぎかな。この図は失敗でしょう。
大山先生は53銀成ではなく単に35角でした。56飛打でしのがれますが
48玉(先手玉が安定したのが大きい)42銀に45銀。56飛が死んでいます。25飛の返しに
飛角の取り合いです。どちらが得をしたのかよくわからない手順ですが、この図は角歩歩と銀桂の交換で損得なしくらい。先手玉のほうが堅いというか安定していて、持ち駒飛が使いやすいですから大山先生の有利です。
21飛から香を取れば駒得で優勢
と思ったら、塚田先生も手をひねり出しました。23角(銀取り)55銀直87歩成68金22角。竜を殺します。
飛を手に入れて69飛はわかりやすいのですが、田楽刺しがあってはまだ後手が苦しいです。67角成も続かないので
89飛成23香成同金。これで後手から見て角銀と飛歩3の交換、竜と金を作っているのでそれほど駒損ではないです。ただ玉の堅さに差があり、まだ苦しいです。
大山先生は56角(金取り)34香46銀(飛取り)25飛74角、8筋を攻めました。
73金にも83角成と切り込んで、薄い後手玉に迫ります。
塚田先生はもう少し良い手順があればよかったのですが、56桂38玉26歩(詰めろ)も18角で受けられて
と金を使って攻めることにしました。
桂を取られましたが金をはがせます。
55桂の詰めろには36歩で良いので
金を取って74角。両取りで粘ります。
大山先生は右桂を使って(先手玉が広くなります)
5段目に桂が3枚並びました。小駒だけでもうるさそうな攻めです。塚田先生は金を打って受けますが
大山先生は84歩74角75歩同金66金、ちょっと不思議な受け方(攻め方)で65桂を守り
44歩に43桂成。これは決まりましたね。
銀を取った後は飛を取りに行きます。52飛が打てれば勝ちなので
72玉と逃げられても21飛の金取りで間に合うでしょう。
塚田先生は89角から厳しく反撃するのですが
84歩同竜と引き上げさせられるのが痛くて、香を走っても
ちょっと届きません。
88竜に大山先生は37玉で入玉を目指しました。金を打たれて阻止されたようですが
24銀34銀に86香が詰めろ。85歩には84金の筋でもう一枚金があれば詰めろになるのです。
86同竜に33竜、これで35金を消すことができます。
金を取ってここまで。
この頃までは大山先生も横歩取りを指せるのですね。内藤先生の33角で職人芸のような時代になり、近年の85飛の大流行のようになっては(もう亡くなっていますが)指す気も起きないのでしょうが。相居飛車でも定跡が進化していないところならば指しても良いのでしょう。
本局のような駒の振り替わり、派手な手順は私の苦手とするところで、横歩取りには手を出したことがありません。大山先生の玉が安定しているのが大きくて、大体は先手有利に進んでいるようです。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1971/08/28
手合割:平手
先手:大山名人
後手:塚田正夫9段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 8四歩(83)
5 2五歩(26)
6 8五歩(84)
7 7八金(69)
8 3二金(41)
9 2四歩(25)
10 同 歩(23)
11 同 飛(28)
12 8六歩(85)
13 同 歩(87)
14 同 飛(82)
15 3四飛(24)
16 8八角成(22)
17 同 銀(79)
18 7六飛(86)
19 7七銀(88)
20 7四飛(76)
21 同 飛(34)
22 同 歩(73)
23 8二歩打
24 同 銀(71)
25 5五角打
26 8五飛打
27 8六飛打
28 同 飛(85)
29 同 銀(77)
30 2六飛打
31 7七銀(86)
32 7二金(61)
33 2八歩打
34 3三桂(21)
35 8二角成(55)
36 同 金(72)
37 7一飛打
38 6二玉(51)
39 4一飛成(71)
40 6一角打
41 8四歩打
42 4五桂(33)
43 6六銀(77)
44 8六歩打
45 6八玉(59)
46 5四角打
47 6五銀打
48 5七桂成(45)
49 同 玉(68)
50 5二角(61)
51 5四銀(65)
52 4一角(52)
53 3五角打
54 5六飛打
55 4八玉(57)
56 4二銀(31)
57 4五銀(54)
58 2五飛(26)
59 5六銀(45)
60 3五飛(25)
61 2一飛打
62 3一金(32)
63 1一飛成(21)
64 2三角(41)
65 5五銀(56)
66 8七歩成(86)
67 6八金(78)
68 2二角打
69 同 龍(11)
70 同 金(31)
71 5八金(68)
72 6九飛打
73 2四香打
74 8九飛成(69)
75 2三香成(24)
76 同 金(22)
77 5六角打
78 3四香打
79 4六銀(55)
80 2五飛(35)
81 7四角(56)
82 7三金(82)
83 8三角成(74)
84 同 金(73)
85 同 歩成(84)
86 5六桂打
87 3八玉(48)
88 2六歩打
89 1八角打
90 7八と(87)
91 5七銀(66)
92 7九龍(89)
93 5六銀(57)
94 6八と(78)
95 4八金(58)
96 5九と(68)
97 5五桂打
98 3六歩打
99 同 歩(37)
100 4九と(59)
101 同 金(48)
102 7四角打
103 6五桂打
104 8三角(74)
105 3七桂(29)
106 2七歩成(26)
107 同 角(18)
108 2六飛(25)
109 4五桂(37)
110 6四金打
111 8四歩打
112 7四角(83)
113 7五歩打
114 同 金(64)
115 6六金打
116 同 金(75)
117 同 歩(67)
118 4四歩(43)
119 3七銀(46)
120 2四飛(26)
121 4三桂成(55)
122 4五歩(44)
123 4二成桂(43)
124 8八龍(79)
125 5八歩打
126 8四龍(88)
127 1五銀打
128 2七飛成(24)
129 同 歩(28)
130 7二玉(62)
131 2一飛打
132 8九角打
133 5七歩(58)
134 8八龍(84)
135 4八金(49)
136 4四桂打
137 8四歩打
138 同 龍(88)
139 2三飛成(21)
140 3六香(34)
141 同 銀(37)
142 同 桂(44)
143 5八金(48)
144 8八龍(84)
145 3七玉(38)
146 3五金打
147 2四銀(15)
148 3四銀打
149 8六香打
150 同 龍(88)
151 3三龍(23)
152 8五角(74)
153 3五銀(24)
154 投了
まで153手で先手の勝ち