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名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
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大山将棋問題集20200107

2020-01-07 | 大山将棋研究

先手番大山先生の手を考えます。

第1問

 

強く戦う前に指しておきたい手があります。

A 79金  B 59金左  C 72歩

 

第2問

 

駒損になりましたが、これで難しいです。

A 23銀  B 55竜  C 62歩

 

第3問

 

方針は一貫しています。

A 72歩  B 82歩  C 53歩

 

第4問

 

これで決まっています。

A 52と引  B 41銀  C 74馬


大山将棋研究(1465);石田崩し(中原誠)

2020-01-07 | 大山将棋研究

今日の棋譜20200107

昭和46年9月、中原誠先生と第12期王位戦第4局です。

大山先生の先手三間飛車で、85歩も34歩も突かれなければ75歩から石田流にするのは当然でしょう。

石田流を誘ったのは中原先生ですから、石田崩しにするのが予定通り、85歩を突いてある場合は棒金です。

大山先生は玉頭銀でけん制しました。33銀に65歩同歩36飛でも何とも言えませんが、

中原先生は34歩を取らせて棒金です。75歩同飛74金という形もありましたが、84金とすると

74歩同銀を強制できるので、金を75に出て攻めることができます。

大山先生は79金~65歩。この79金は後に利いてきます。

角を交換して66歩。66同金55角44角64角もあるでしょうし、75金も穏やか。本譜は55金で

大山先生の56歩の意味が良くわからず、54金とされて損な感じがするのですが、中原先生は67角。55歩34角成となれば後手よしです。

23銀成同玉55歩。後手玉が露出したので先手の得でしょう。中原先生は飛を取りにくくて

86飛58飛32玉56角。これで角を交換して

33銀のところでは他にも手が多かったのですが、2,3筋をカバーする33銀では5筋が薄いです。これが疑問手なのでしょう。

当然54歩同歩同飛とさばかれますが、銀を打って

飛を成らせて35角

59竜に58歩同金まで先手を取って5筋を守り、88歩でゆっくり攻めるというのが33銀からの予定でした。大山先生が角を打って88歩を取るのは仕方ないでしょう。

中原先生は飛を成らずに歩を垂らしました。竜よりも と金のほうが良いというわけですが・・・

大山先生は65歩(角を切る準備)同銀から後手の角を捕まえました。

87歩成55角54歩の時に角の取り合いです。

23角を打ってから銀を取るのが良い手で、いきなり41角成同玉34銀の強攻もありそう(桂を取って75桂がある)ですが、その前に48金。急がないですね。

32金打で守られて、89桂を取られても と金作りで間に合わせようとしています。52銀は55竜だし、51金も指しにくいのでしょうか

中原先生は28歩同玉44桂、控えの桂を打って

54銀上は55竜の防ぎですが、と金を作られました。

大山先生は2枚目の と金を作りに行きます。

と金を引ければ一人前で

また歩を垂らせば二人前でしょうか。これで優勢です。

中原先生は馬や竜を追って、ゆっくり攻めていくのですが

歩切れで仕方ないのですが、79竜でも99竜でもたいした攻めがありません。ここで大山先生は87同竜!

馬を出れば詰めろで

上に逃がさなければ勝ちです。

 

駒がぶつかってからが難しく、最善かどうかもよくわからない手の応酬が続きましたが、中原先生は先手の飛をさばかせたのが失敗です。大山先生の竜は守るのに心強く、と金攻めを間に合わせました。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1971/09/06
手合割:平手  
先手:大山王位
後手:中原誠十段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八飛(28)
4 6二銀(71)
5 7五歩(76)
6 6四歩(63)
7 6八銀(79)
8 4二玉(51)
9 6六歩(67)
10 3二玉(42)
11 6七銀(68)
12 3四歩(33)
13 4八玉(59)
14 8五歩(84)
15 7六飛(78)
16 6三銀(62)
17 3八玉(48)
18 4二銀(31)
19 9六歩(97)
20 7二金(61)
21 5六銀(67)
22 8三金(72)
23 4五銀(56)
24 7四歩(73)
25 3四銀(45)
26 8四金(83)
27 7四歩(75)
28 同 銀(63)
29 7八飛(76)
30 8六歩(85)
31 同 歩(87)
32 7五金(84)
33 7九金(69)
34 7六歩打
35 6五歩(66)
36 同 金(75)
37 2二角成(88)
38 同 玉(32)
39 6六歩打
40 5五金(65)
41 5六歩(57)
42 6七角打
43 2三銀成(34)
44 同 玉(22)
45 5五歩(56)
46 8六飛(82)
47 5八飛(78)
48 3二玉(23)
49 5六角打
50 同 角成(67)
51 同 飛(58)
52 3三銀(42)
53 5四歩(55)
54 同 歩(53)
55 同 飛(56)
56 6三銀打
57 5三飛成(54)
58 3五角打
59 5九龍(53)
60 5八歩打
61 同 金(49)
62 8八歩打
63 9七角打
64 8二飛(86)
65 8八角(97)
66 8六歩打
67 6五歩(66)
68 同 銀(74)
69 3六歩(37)
70 2四角(35)
71 8三歩打
72 同 飛(82)
73 2五金打
74 8七歩成(86)
75 5五角(88)
76 5四歩打
77 2四金(25)
78 5五歩(54)
79 2三角打
80 4二玉(32)
81 3三金(24)
82 同 桂(21)
83 4八金(58)
84 3二金打
85 3四角成(23)
86 8八と(87)
87 6九金(79)
88 8九と(88)
89 6二歩打
90 2八歩打
91 同 玉(38)
92 4四桂打
93 3五馬(34)
94 5四銀(63)
95 6一歩成(62)
96 5二金(41)
97 7二歩打
98 9九と(89)
99 7一歩成(72)
100 8八飛成(83)
101 5八龍(59)
102 8六龍(88)
103 7二と(71)
104 7七歩成(76)
105 6二と(61)
106 5三金(52)
107 1八玉(28)
108 9六龍(86)
109 4六歩(47)
110 8四角打
111 5二歩打
112 3四歩打
113 同 馬(35)
114 4六龍(96)
115 3五馬(34)
116 7六龍(46)
117 5一歩成(52)
118 3四歩打
119 5七馬(35)
120 6六銀(65)
121 4七馬(57)
122 6七と(77)
123 8八龍(58)
124 8七香打
125 同 龍(88)
126 同 龍(76)
127 7四馬(47)
128 2五桂(33)
129 2四銀打
130 投了
まで129手で先手の勝ち


20200107今日の一手(その957);穴熊感覚

2020-01-07 | 今日の一手

2020107今日の一手

11月23日の名南将棋大会から、OさんとIさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。

 

 

一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。

金と銀桂歩の交換で馬竜を作り合っていますから、先手の駒得です。(後手は歩切れなので歩も数えます。)

玉の堅さは後手のほうが堅いです。先手玉は遠くはあるのですが、金銀は2枚だけ。

先手の攻め駒は持ち駒飛銀桂で3枚。

後手の攻め駒は58竜と持ち駒角金で3枚。

総合すれば互角です。

 

☆ 大局観として

後手玉を攻めるとしたら53歩ですが、52歩成~61と で詰めろの3手すき(現状は4手すき)、先手玉は39歩成が詰めろ(現状は2手すき)です。攻防手も見当たらず、寄せ合いが2手違いでは逆転は難しく、受けを考えるしかないところです。幸いにして駒得ですから、受けに回っても楽しみはあります。

駒損をしない受けを考えるのが普通です。それが受けきれているかどうか。

だめならば金か銀を取らせて受けます。後手が歩切れなのでまだ難しいか。でも駒得とは言えなくなるので、その後で攻め合いにもっていけるかどうかを考えます。

 

 

△か× 穴熊党ではないと両取りを避ける48金から考えると思います。

57竜同金39銀の形で勝てないと思うのが穴熊党の感覚です。(持ち駒に金があれば49金と受けて難しいですが。)竜を切ってこない相手だと思えば勝負手と考えることはできるのですが。

 

☆ 簡単なまとめ

意外な感じはするのですが、38同金が正しいです。

1枚金か銀を取られても、穴熊の形を残すのが「それらしい」です。先手を取りたいので38同金がシンプルでした。

 

△か× 駒損を避ける48金でどうか。

69竜38金

あるいは59竜49飛(38金57竜も考えられる)

後手が竜を逃げるのならばどちらもまあまあです。

 

ということで怖いのは57竜

57同金39銀58飛

綱渡りの受けですが、48金同飛同銀成(不成もある)53歩

受けも難しくなったので、寄せ合いしかありません。でも後手玉は3手すきなのです。39歩成同銀同成銀28銀48角

千日手にもできず、受けもなくなっていきます。強く攻められるとまずいようです。対局相手の実力次第ということはあるのですが。

 

例えば後手が3つ前の図から28銀成同玉49銀を選べば48銀

これはまずまず指せそうで、金を上がって竜を切って来いというのは、受けの勝負手と言えそうです。

 

 

× 実戦は48銀と引きました。

39歩成同銀左で穴熊が安泰に見えましたが、16歩13馬17歩成同香38歩

後手には端で1歩手に入れる手段があり、(香は取りましたが)歩で銀を取られてしまいます。やむなく38同銀同竜39香47竜38銀

また穴熊を構築するのですが、38同竜同香47銀68飛58歩

受ける手も無くなり、64歩から反撃しても届きませんでした。

 

 

○ 38同金は

38同竜39銀打47竜13馬

38歩には48銀上と逃げることができるので、受けきりとは言えないにせよ、寄せ合いにもっていけそうです。

 

 

× 48銀打

駒を打つ方が手堅いという守りの原則がありますが、39歩成同銀右というのが嫌な形です。16歩13馬17歩成同香49金

後手から38歩や56歩が嫌らしく、駒損を避けにくいです。

 

 

△か× 13馬は

瞬間は駒得を拡大し、銀取りを防ぎました。(66馬よりも働いています。)39歩成同銀49金28銀打59竜

38飛と受けても楽しみがなくなるのです(寄せ合いも駒得も望めない)。後手も間違えてくれなさそうな手順ですし。

 

 

△か× 59歩は怪しい手です。

57竜38金59竜53歩

これは形勢不明です。

 

怖いのは59歩に39歩成

58歩38金

39銀同金28銀38銀39銀同銀成28金38金同金同成銀28金49銀38金同銀成28銀と長い呪文で金銀を入れ替えて、駒取りが途絶えたときに49角

あるいは49角ではなく49金39桂48角

とするのが良いのかもしれませんが、先手の受けは難しいです。

 

 

× さらに怪しいのは48飛の受け。

57竜38飛も面白くはないですが、39歩成58飛49角48飛38金

39銀同金28銀38銀39銀同銀不成28金58金

食いつかれて受けきりは望めません。

 

 

☆ まとめ

穴熊党ではないと両取りを避ける48金から考えると思います。

57竜同金39銀の形で勝てないと思うのが穴熊党の感覚です。(持ち駒に金があれば49金と受けて難しいですが。)竜を切ってこない相手だと思えば勝負手と考えることはできるのですが。

 

意外な感じはするのですが、38同金

後手の竜を近づけ先手を取って受けるのが(消去法ですが)最善でした。駒損を気にしているとだめなのです。とにかく固めてしまえば

有利ではありませんが、まだ戦えます。

 

相振り飛車の穴熊は、上から攻められるのが難点で、囲うまでに手数がかかることを含めて主流にはなりえません。(相居飛車の穴熊は手詰まりになれば現れるので、相振り飛車でも手詰まりになれば、ですが。)

問題図は飛交換になっているので、対抗型の振り飛車穴熊と同じようにも見えるのですが、どこかで38歩を打たれるから指しにくそうです。