大山先生の先手三間飛車、有吉先生は天守閣美濃です。
当時は53の銀を33にもっていく4枚美濃は開発されておらず、(だれが始めたのでしたっけ?)
両者美濃囲いという将棋です。角の位置と85歩が違いですが
大山先生は端から動きました。
81の桂を跳ねていないときは戦いにはなりません。大山先生はあくまで軽く動こうとします。
53の銀を62に引いたのを見て動きますが
飛車をぶつけられないのではやや失敗。
87歩の筋もあり、ゆっくりできないので桂を跳ねると、玉を固めた有吉先生は火の玉流です。
飛車交換になり、ここからの数手で決まります。
64歩は桂を使おうという意味もあり本手でしょう。69飛には65飛ではないかと思うのですが。飛角交換で後手を引いても桂を使えます。
先に桂を取ればよさそうに見えるのですが、66歩が痛い。と金を防げません。
銀を取り馬を潜り、有吉先生が好調です。
大山先生の反撃ですが
その桂で攻められます。これで4枚の攻めですから切れません。
58金打が手堅く見えましたが、銀打で
寄せられました。
投了図。
いかにも火の玉流、有吉先生の厳しい寄せでした。玉を固めたら猛攻するのです。
大山先生は動き過ぎだとは思うのですが、65飛でまあまあではなかったかと思います。こういう互いに玉の堅い将棋、美濃と左美濃とか、相穴熊とかは中盤の駒のぶつかり合い、終盤の入り口くらいで勝敗が決まってしまうのでそのあたりを読んで検討してみてください。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:大山棋聖
後手:有吉道夫8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八飛(28)
4 3四歩(33)
5 6六歩(67)
6 8五歩(84)
7 7七角(88)
8 6二銀(71)
9 6八銀(79)
10 4二玉(51)
11 4八玉(59)
12 3二玉(42)
13 3八玉(48)
14 7四歩(73)
15 5八金(69)
16 5二金(61)
17 5六歩(57)
18 5四歩(53)
19 2八玉(38)
20 1四歩(13)
21 1六歩(17)
22 2四歩(23)
23 3八銀(39)
24 2三玉(32)
25 5七銀(68)
26 3二銀(31)
27 4六歩(47)
28 4四歩(43)
29 3六歩(37)
30 9四歩(93)
31 4七金(58)
32 6四歩(63)
33 9六歩(97)
34 5三銀(62)
35 2六歩(27)
36 4三金(52)
37 3七桂(29)
38 6二飛(82)
39 6八飛(78)
40 3三桂(21)
41 9七香(99)
42 3一角(22)
43 9五歩(96)
44 同 歩(94)
45 9八飛(68)
46 8二飛(62)
47 9五香(97)
48 9二歩打
49 9六飛(98)
50 2二玉(23)
51 5九角(77)
52 6二銀(53)
53 8六歩(87)
54 5一銀(62)
55 8五歩(86)
56 同 飛(82)
57 8六歩打
58 8二飛(85)
59 7七桂(89)
60 6五歩(64)
61 同 歩(66)
62 8六飛(82)
63 同 飛(96)
64 同 角(31)
65 6四歩(65)
66 6九飛打
67 8五飛打
68 9七角成(86)
69 8一飛成(85)
70 6六歩打
71 6三歩成(64)
72 6七歩成(66)
73 6四歩打
74 5七と(67)
75 同 金(47)
76 7九馬(97)
77 4七金(57)
78 4五歩(44)
79 5三桂打
80 同 金(43)
81 同 と(63)
82 4六歩(45)
83 4八金(47)
84 4七桂打
85 5八金打
86 6八銀打
87 同 角(59)
88 同 馬(79)
89 同 金(58)
90 3九角打
91 2七玉(28)
92 4九飛成(69)
93 同 金(48)
94 2八金打
95 1七玉(27)
96 3八金(28)
97 3九金(49)
98 同 桂成(47)
99 投了
まで98手で後手の勝ち