昭和51年7月、加藤一二三先生と第15期十段戦です。

大山先生の四間飛車に、加藤先生の棒銀を期待しましたが、右64銀の急戦です。いろいろな戦法を試していた時期ですね。

大山先生は58金左としているので、いつもの78金にはなりません。銀を引くのはよくある受け方。

後手は2手得で攻めることになるのですが、その2手は84飛と73桂で、これは得とも損とも言えないところ、さらに94歩も必要なので、大山先生の手が進んでいます。加藤先生は気にせず55歩から75歩と突き進みます。

7筋は放置して銀をぶつけるのですが、その前に86歩と突いておきたいのです。大山先生なら86同角かもしれませんが、それにしてももう少し工夫が必要でした。

大山先生も強く迎え撃って、互いに離れ駒ができました。22玉の形にされたので、後手玉が薄く見えます。

33角は当然ですが、あっさり74歩とは。この局面、86歩同歩が入ってるなら後手も指せるのですが。

89馬に63と も強手。王手飛車の筋があるので駒の損得は気にせず突き進みます。

痛そうな銀が入り

王手飛車

大山先生は41の銀を捨てて両取りで取り返す変化を選びました。

なんだか後手がかなり駒を損した気がしますが、ここでは後手の駒得ですね。馬の処置が難しいのですが、24馬から守りに使うのがよかったのかもしれません。

82に引いて攻めを見たのですが、大山先生の好調な攻めです。

24桂にも馬筋を止めれば大山先生が有利。

攻める途中で馬取りになるのです。ここで71馬が疑問手。まだ83馬でした。

22銀の送りの手筋から詰めろ馬取り。

加藤先生は金にも逃げられて、駒損がひどいです。

ここでは59同飛成が攻めの手筋ですが、59同金39銀18玉59銀不成では28桂48銀成49金で少し足らないのでしょう、合駒を使わされて足りないです。

飛車を切りませんでしたが、合駒を使わされて攻め駒不足。

こうなると41角でもう一枚使わせて角を成る、大山先生は受けに回ります。

どんどん投入して

それから寄せに回りました。投了図。
加藤先生の仕掛けが失敗、両取りが何度も出てきました。それでもどうにかバランスをとっていたのですが、馬の扱いを間違えて大差になりました。
いろいろ手筋は出てくるので、さっと並べておきましょう。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:大山棋聖
後手:加藤一二三9段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 6六歩(67)
6 6二銀(71)
7 6八飛(28)
8 4二玉(51)
9 4八玉(59)
10 3二玉(42)
11 3八玉(48)
12 5四歩(53)
13 5八金(69)
14 5二金(61)
15 2八玉(38)
16 4二銀(31)
17 6七銀(78)
18 7四歩(73)
19 4六歩(47)
20 8五歩(84)
21 7七角(88)
22 5三銀(62)
23 3八銀(39)
24 6四銀(53)
25 7八銀(67)
26 7三桂(81)
27 6七銀(78)
28 8四飛(82)
29 7八飛(68)
30 9四歩(93)
31 5六歩(57)
32 5五歩(54)
33 4七金(58)
34 7五歩(74)
35 同 歩(76)
36 5六歩(55)
37 同 金(47)
38 5五銀(64)
39 6五歩(66)
40 5六銀(55)
41 2二角成(77)
42 同 玉(32)
43 5六銀(67)
44 3三角打
45 7四歩(75)
46 9九角成(33)
47 7三歩成(74)
48 8九馬(99)
49 6三と(73)
50 7八馬(89)
51 5二と(63)
52 同 金(41)
53 4一銀打
54 3一金打
55 6六角打
56 3三銀(42)
57 8四角(66)
58 4一金(31)
59 7一飛打
60 5六馬(78)
61 4一飛成(71)
62 4二金(52)
63 5一龍(41)
64 4六馬(56)
65 3六金打
66 8二馬(46)
67 3一金打
68 3二銀打
69 5四桂打
70 2四桂打
71 7三歩打
72 4一香打
73 4二桂成(54)
74 同 銀(33)
75 3二金(31)
76 同 玉(22)
77 5二龍(51)
78 7一馬(82)
79 2二銀打
80 同 玉(32)
81 4一龍(52)
82 3二金打
83 7一龍(41)
84 6九飛打
85 4六金(36)
86 6六歩打
87 7五角(84)
88 5三歩打
89 5九香打
90 5七桂打
91 同 香(59)
92 4八銀打
93 5九歩打
94 4九銀成(48)
95 同 銀(38)
96 5九飛成(69)
97 6六角(75)
98 4四銀打
99 4一角打
100 3一金打
101 8五角成(41)
102 6八龍(59)
103 5八桂打
104 6九龍(68)
105 4八銀(49)
106 6七歩打
107 5九金打
108 7八龍(69)
109 8六馬(85)
110 3三桂(21)
111 4四角(66)
112 同 歩(43)
113 4三歩打
114 同 金(32)
115 5二銀打
116 投了
まで115手で先手の勝ち

大山先生の四間飛車に、加藤先生の棒銀を期待しましたが、右64銀の急戦です。いろいろな戦法を試していた時期ですね。

大山先生は58金左としているので、いつもの78金にはなりません。銀を引くのはよくある受け方。

後手は2手得で攻めることになるのですが、その2手は84飛と73桂で、これは得とも損とも言えないところ、さらに94歩も必要なので、大山先生の手が進んでいます。加藤先生は気にせず55歩から75歩と突き進みます。

7筋は放置して銀をぶつけるのですが、その前に86歩と突いておきたいのです。大山先生なら86同角かもしれませんが、それにしてももう少し工夫が必要でした。

大山先生も強く迎え撃って、互いに離れ駒ができました。22玉の形にされたので、後手玉が薄く見えます。

33角は当然ですが、あっさり74歩とは。この局面、86歩同歩が入ってるなら後手も指せるのですが。

89馬に63と も強手。王手飛車の筋があるので駒の損得は気にせず突き進みます。

痛そうな銀が入り

王手飛車

大山先生は41の銀を捨てて両取りで取り返す変化を選びました。

なんだか後手がかなり駒を損した気がしますが、ここでは後手の駒得ですね。馬の処置が難しいのですが、24馬から守りに使うのがよかったのかもしれません。

82に引いて攻めを見たのですが、大山先生の好調な攻めです。

24桂にも馬筋を止めれば大山先生が有利。

攻める途中で馬取りになるのです。ここで71馬が疑問手。まだ83馬でした。

22銀の送りの手筋から詰めろ馬取り。

加藤先生は金にも逃げられて、駒損がひどいです。

ここでは59同飛成が攻めの手筋ですが、59同金39銀18玉59銀不成では28桂48銀成49金で少し足らないのでしょう、合駒を使わされて足りないです。

飛車を切りませんでしたが、合駒を使わされて攻め駒不足。

こうなると41角でもう一枚使わせて角を成る、大山先生は受けに回ります。

どんどん投入して

それから寄せに回りました。投了図。
加藤先生の仕掛けが失敗、両取りが何度も出てきました。それでもどうにかバランスをとっていたのですが、馬の扱いを間違えて大差になりました。
いろいろ手筋は出てくるので、さっと並べておきましょう。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:大山棋聖
後手:加藤一二三9段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 6六歩(67)
6 6二銀(71)
7 6八飛(28)
8 4二玉(51)
9 4八玉(59)
10 3二玉(42)
11 3八玉(48)
12 5四歩(53)
13 5八金(69)
14 5二金(61)
15 2八玉(38)
16 4二銀(31)
17 6七銀(78)
18 7四歩(73)
19 4六歩(47)
20 8五歩(84)
21 7七角(88)
22 5三銀(62)
23 3八銀(39)
24 6四銀(53)
25 7八銀(67)
26 7三桂(81)
27 6七銀(78)
28 8四飛(82)
29 7八飛(68)
30 9四歩(93)
31 5六歩(57)
32 5五歩(54)
33 4七金(58)
34 7五歩(74)
35 同 歩(76)
36 5六歩(55)
37 同 金(47)
38 5五銀(64)
39 6五歩(66)
40 5六銀(55)
41 2二角成(77)
42 同 玉(32)
43 5六銀(67)
44 3三角打
45 7四歩(75)
46 9九角成(33)
47 7三歩成(74)
48 8九馬(99)
49 6三と(73)
50 7八馬(89)
51 5二と(63)
52 同 金(41)
53 4一銀打
54 3一金打
55 6六角打
56 3三銀(42)
57 8四角(66)
58 4一金(31)
59 7一飛打
60 5六馬(78)
61 4一飛成(71)
62 4二金(52)
63 5一龍(41)
64 4六馬(56)
65 3六金打
66 8二馬(46)
67 3一金打
68 3二銀打
69 5四桂打
70 2四桂打
71 7三歩打
72 4一香打
73 4二桂成(54)
74 同 銀(33)
75 3二金(31)
76 同 玉(22)
77 5二龍(51)
78 7一馬(82)
79 2二銀打
80 同 玉(32)
81 4一龍(52)
82 3二金打
83 7一龍(41)
84 6九飛打
85 4六金(36)
86 6六歩打
87 7五角(84)
88 5三歩打
89 5九香打
90 5七桂打
91 同 香(59)
92 4八銀打
93 5九歩打
94 4九銀成(48)
95 同 銀(38)
96 5九飛成(69)
97 6六角(75)
98 4四銀打
99 4一角打
100 3一金打
101 8五角成(41)
102 6八龍(59)
103 5八桂打
104 6九龍(68)
105 4八銀(49)
106 6七歩打
107 5九金打
108 7八龍(69)
109 8六馬(85)
110 3三桂(21)
111 4四角(66)
112 同 歩(43)
113 4三歩打
114 同 金(32)
115 5二銀打
116 投了
まで115手で先手の勝ち