内藤先生は振り飛車封じに角交換をしますが
大山先生は54歩を突いてから向い飛車に。54歩としないでダイレクト向い飛車のように指す棋譜も並べましたね。
25歩と伸ばせたのはいいのですが53の地点をカバーしなければいけないので玉が薄くなります。
内藤先生は金で2筋を守っておいて銀を守りにつける構想でした。
先に玉を固められたので仕掛けます。でもやや無理気味。45同桂は46金なので45同銀に
金をぶつけます。
金打で受けるあたりが大山先生らしいです。
内藤先生は歩切れなので攻め駒3枚では手を作りにくいです。3歩突き捨てて桂を跳ねれば、大山先生は飛車をうくのがピッタリした受けです。
角の打ちあいは桂を取れるほうが大きく
内藤先生は74歩まで打てればよいのですが
その余裕がありません。
駒得ならそれを使って固めるのが手堅く
金を寄せて守るのは大山流。
角を取れれば受けきれるでしょう。
内藤先生の手がかりが無くなりました。
22銀はひねり出した手。大山先生は寄せ合いですっきり勝とうとしています。
桂飛と取らせ、銀金とはがして寄りです。
74桂にも馬が利いています。
投了図。
内藤先生の無理な動きから、大山先生に余裕を持って受けられ、最後まで差は詰まりませんでした。
その遠因は序盤の1手損にあるわけですが、それなら持久戦にして手損の影響をなくすというのが理屈です。
後手をもって受けを学び、また、攻めに転じるタイミングを学べます。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:内藤国雄9段
後手:大山棋聖
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2二角成(88)
4 同 銀(31)
5 6八銀(79)
6 3三銀(22)
7 7八金(69)
8 5四歩(53)
9 4八銀(39)
10 2二飛(82)
11 4六歩(47)
12 2四歩(23)
13 4七銀(48)
14 6二玉(51)
15 6九玉(59)
16 7二玉(62)
17 3六歩(37)
18 2五歩(24)
19 7九玉(69)
20 6二銀(71)
21 9六歩(97)
22 9四歩(93)
23 6六歩(67)
24 4四銀(33)
25 3八金(49)
26 6四歩(63)
27 3七金(38)
28 8二玉(72)
29 5六銀(47)
30 5五歩(54)
31 6七銀(56)
32 7二金(61)
33 4八飛(28)
34 3三桂(21)
35 8八玉(79)
36 7四歩(73)
37 4五歩(46)
38 同 銀(44)
39 4六金(37)
40 同 銀(45)
41 同 飛(48)
42 4二金打
43 3五歩(36)
44 同 歩(34)
45 6五歩(66)
46 同 歩(64)
47 7五歩(76)
48 同 歩(74)
49 7七桂(89)
50 2四飛(22)
51 8六飛(46)
52 3八角打
53 4六角打
54 2九角成(38)
55 5五角(46)
56 7三桂(81)
57 6四銀打
58 6三桂打
59 4六角(55)
60 5五歩打
61 同 銀(64)
62 同 桂(63)
63 同 角(46)
64 7四銀打
65 1六飛(86)
66 5二金(41)
67 4四歩打
68 5三金(42)
69 8六桂打
70 6三金(52)
71 7六歩打
72 4四金(53)
73 7四桂(86)
74 同 金(63)
75 7五歩(76)
76 5五金(44)
77 7四歩(75)
78 同 飛(24)
79 7五歩打
80 4四飛(74)
81 2二銀打
82 6六歩(65)
83 3三銀(22)
84 6七歩成(66)
85 4四銀(33)
86 7八と(67)
87 同 玉(88)
88 6六桂打
89 同 飛(16)
90 同 金(55)
91 7四桂打
92 同 馬(29)
93 同 歩(75)
94 8八金打
95 同 玉(78)
96 7六桂打
97 投了
まで96手で後手の勝ち