どちらが振るかという出だしでしたが、丸田先生が居飛車
大山先生は四間飛車で、互いに位を取りました。
丸田先生の74歩は75銀を嫌ったのですが、先に53銀のほうが安全でした。それを見てから大山先生は穴熊に。4筋の位を取られているので美濃囲いでは進展性がないのでこのほうが自然でしょう。
丸田先生の73桂は欲張りで、玉を固めておくべきです。位取りにしながら攻めも狙うのは空中分解しやすいのです。
隙ありと見て穴熊のパンツ脱ぎ、この場合の好手です。穴熊でも堅さを重視しないのが大山先生らしいです。
銀を引かれて46歩があるので丸田先生は動かなくてはいけません。
角交換を狙えば飛車をうくのが好手。45桂があるので取るしかなさそうです。
丸田先生は困っています。12玉としたくても16歩から端攻めを狙われます。
73角成としてもらえれば、と期待をしても角を打たれて
2枚換えです。角を合わせればとりあえずは収まりましたが
大山先生は素朴に銀を打ちます。35歩とやりたくなりますが、穴熊に傷が増えますね。
銀を取られても桂を取って37桂を使えば4枚目の攻め駒です。これで優勢。
お代わりで金銀をはがしてから飛車を入手。
41飛に31角しかないのが苦しいですね。いろいろな決め方がありそうですが、大山先生は金を攻めます。
端に銀を放り込んで
丸田先生は金がないので竜を追い払えず、端玉には端歩、で投了図。
位取りは穴熊に対しても有力なのですが、もっと囲いに手をかけてじっくり指したいです。後で1,2筋から攻めると穴熊は堅くはありません。丸田先生が右桂まで使おうとしたので、大山先生の37桂が好手になってしまいました。
振り飛車穴熊の気持ちのいい勝ち方です。
この数日後に、第25期棋聖戦第3局があって、大山先生が居飛車側をもって上手く指していますのでもう一度ご覧ください。(大山全集では最初に解説付きの棋譜があるので順序が変わっています。)
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:大山棋聖
後手:丸田祐三9段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 4四歩(43)
5 6八銀(79)
6 4二銀(31)
7 6七銀(68)
8 4三銀(42)
9 5六歩(57)
10 5四歩(53)
11 6五歩(66)
12 1四歩(13)
13 9六歩(97)
14 6二銀(71)
15 6六銀(67)
16 4二玉(51)
17 6八飛(28)
18 3二玉(42)
19 4八玉(59)
20 4五歩(44)
21 3八玉(48)
22 5二金(61)
23 5八金(69)
24 8四歩(83)
25 2八玉(38)
26 8五歩(84)
27 7七角(88)
28 7四歩(73)
29 1八香(19)
30 3三角(22)
31 1九玉(28)
32 2二玉(32)
33 2八銀(39)
34 3二金(41)
35 3九金(49)
36 7三桂(81)
37 4八金(58)
38 9四歩(93)
39 3六歩(37)
40 5三銀(62)
41 3七桂(29)
42 4四銀(53)
43 5七銀(66)
44 8六歩(85)
45 同 歩(87)
46 5三銀(44)
47 6六飛(68)
48 同 角(33)
49 同 角(77)
50 5五歩(54)
51 同 角(66)
52 4四銀(53)
53 7一角打
54 6五桂(73)
55 4四角(55)
56 同 銀(43)
57 同 角成(71)
58 3三角打
59 同 馬(44)
60 同 桂(21)
61 6六銀(57)
62 6九飛打
63 4四銀打
64 6六飛成(69)
65 3三銀成(44)
66 同 金(32)
67 4五桂(37)
68 4四銀打
69 3三桂成(45)
70 同 銀(44)
71 4五桂打
72 4四銀打
73 3三桂成(45)
74 同 銀(44)
75 5五角打
76 同 龍(66)
77 同 歩(56)
78 8六飛(82)
79 4一飛打
80 3一角打
81 4三銀打
82 同 金(52)
83 同 飛成(41)
84 3二銀打
85 1三銀打
86 同 玉(22)
87 3二龍(43)
88 2二銀打
89 1六歩(17)
90 投了
まで89手で先手の勝ち