昭和50年2月、板谷進先生と第24期王将戦です。
大山先生の先手中飛車で5筋を交換する形です。今は85歩を決める形が多いですね。
5筋を交換して角が77に戻せる、1手儲けたことに近いので振り飛車としては気分がよいでしょう。
角交換を避けるには55歩もあるし66歩もあります。と、昔の定跡書に載っているのですが、今なら交換を避けないかもしれません。
これには居飛車は85歩の1手が悔しいので、飛車を中央にもっていくほうがよいとされます。
板谷先生が中央を抑えれば、大山先生は7筋から動きました。
板谷先生が63金から74歩ならおとなしいのですが、73金の1手ですませて
中央から戦います。
銀を進出すれば大山先生は飛車きり。ケンカ将棋という感じです。
板谷先生は銀をさばき
飛車を成る。こう指さずに99角成は77角でさばかれます。87竜があるので
大山先生は77銀と使います。これは悔しいですが、2枚換えなので と金を使えばよいという判断です。それに対して14歩とは。
端を攻めて指せるという板谷先生の大局観が素晴らしかったです。これで攻め駒は5枚。切れません。
角を切って寄り筋です。54金と打ったのが空振りで、こんなことなら46から打つべきだったと後悔したでしょう。
端をこじ開けて取れば17歩です。
57香には竜を逃げません。48香は気づきにくい手。取り合いもできず、48同金は17歩成同玉19飛か11香で寄ります。
59金とかわせば26桂。連続の好手です。
26同歩に同竜で守り切れず、逃げ出せば58歩も手筋。右金で取れば詰み、左金で取れば17歩成。
竜と交換になりましたが
詰めろ。受けにくいです。
銀を使わせて攻防の角を打てば難しそうですが
49金から清算して角を打てば受け無しです。
わかれは互角だと思いますが、板谷先生が14歩から15歩と伸ばす構想に脱帽です。大山先生も気が付かなかったか軽視したか、54金が敗着です。46から打っていれば難しそうです。
そのあとの手順の寄せを鑑賞しましょう。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:大山棋聖
後手:板谷進8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 5六歩(57)
4 5四歩(53)
5 5八飛(28)
6 6二銀(71)
7 5五歩(56)
8 同 歩(54)
9 同 角(88)
10 4二玉(51)
11 7七角(55)
12 3二玉(42)
13 6八銀(79)
14 3四歩(33)
15 6六歩(67)
16 4二銀(31)
17 6七銀(68)
18 5三銀(62)
19 4八玉(59)
20 5二飛(82)
21 3八玉(48)
22 5四銀(53)
23 2八玉(38)
24 5五歩打
25 3八銀(39)
26 7四歩(73)
27 7八飛(58)
28 6二金(61)
29 9六歩(97)
30 6四歩(63)
31 7五歩(76)
32 同 歩(74)
33 8六角(77)
34 7三金(62)
35 7五飛(78)
36 5六歩(55)
37 5八歩打
38 5五銀(54)
39 7三飛成(75)
40 同 桂(81)
41 7四歩打
42 6六銀(55)
43 同 銀(67)
44 同 角(22)
45 7三歩成(74)
46 5七歩成(56)
47 同 歩(58)
48 同 飛成(52)
49 7七銀打
50 4四角(66)
51 6三と(73)
52 1四歩(13)
53 6四と(63)
54 1五歩(14)
55 6八金(69)
56 5六龍(57)
57 5四金打
58 1六歩(15)
59 同 歩(17)
60 1八歩打
61 同 香(19)
62 1七歩打
63 同 香(18)
64 同 角成(44)
65 同 桂(29)
66 1六香(11)
67 1八歩打
68 1七香成(16)
69 同 歩(18)
70 1六歩打
71 5七香打
72 4八香打
73 5九金(49)
74 2六桂打
75 同 歩(27)
76 同 龍(56)
77 3九玉(28)
78 5八歩打
79 2七歩打
80 5九歩成(58)
81 2六歩(27)
82 1九飛打
83 2九桂打
84 1八飛成(19)
85 1二飛打
86 2二銀打
87 7六角打
88 4九金打
89 同 角(76)
90 同 と(59)
91 同 銀(38)
92 2七角打
93 投了
まで92手で後手の勝ち
大山先生の先手中飛車で5筋を交換する形です。今は85歩を決める形が多いですね。
5筋を交換して角が77に戻せる、1手儲けたことに近いので振り飛車としては気分がよいでしょう。
角交換を避けるには55歩もあるし66歩もあります。と、昔の定跡書に載っているのですが、今なら交換を避けないかもしれません。
これには居飛車は85歩の1手が悔しいので、飛車を中央にもっていくほうがよいとされます。
板谷先生が中央を抑えれば、大山先生は7筋から動きました。
板谷先生が63金から74歩ならおとなしいのですが、73金の1手ですませて
中央から戦います。
銀を進出すれば大山先生は飛車きり。ケンカ将棋という感じです。
板谷先生は銀をさばき
飛車を成る。こう指さずに99角成は77角でさばかれます。87竜があるので
大山先生は77銀と使います。これは悔しいですが、2枚換えなので と金を使えばよいという判断です。それに対して14歩とは。
端を攻めて指せるという板谷先生の大局観が素晴らしかったです。これで攻め駒は5枚。切れません。
角を切って寄り筋です。54金と打ったのが空振りで、こんなことなら46から打つべきだったと後悔したでしょう。
端をこじ開けて取れば17歩です。
57香には竜を逃げません。48香は気づきにくい手。取り合いもできず、48同金は17歩成同玉19飛か11香で寄ります。
59金とかわせば26桂。連続の好手です。
26同歩に同竜で守り切れず、逃げ出せば58歩も手筋。右金で取れば詰み、左金で取れば17歩成。
竜と交換になりましたが
詰めろ。受けにくいです。
銀を使わせて攻防の角を打てば難しそうですが
49金から清算して角を打てば受け無しです。
わかれは互角だと思いますが、板谷先生が14歩から15歩と伸ばす構想に脱帽です。大山先生も気が付かなかったか軽視したか、54金が敗着です。46から打っていれば難しそうです。
そのあとの手順の寄せを鑑賞しましょう。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:大山棋聖
後手:板谷進8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 5六歩(57)
4 5四歩(53)
5 5八飛(28)
6 6二銀(71)
7 5五歩(56)
8 同 歩(54)
9 同 角(88)
10 4二玉(51)
11 7七角(55)
12 3二玉(42)
13 6八銀(79)
14 3四歩(33)
15 6六歩(67)
16 4二銀(31)
17 6七銀(68)
18 5三銀(62)
19 4八玉(59)
20 5二飛(82)
21 3八玉(48)
22 5四銀(53)
23 2八玉(38)
24 5五歩打
25 3八銀(39)
26 7四歩(73)
27 7八飛(58)
28 6二金(61)
29 9六歩(97)
30 6四歩(63)
31 7五歩(76)
32 同 歩(74)
33 8六角(77)
34 7三金(62)
35 7五飛(78)
36 5六歩(55)
37 5八歩打
38 5五銀(54)
39 7三飛成(75)
40 同 桂(81)
41 7四歩打
42 6六銀(55)
43 同 銀(67)
44 同 角(22)
45 7三歩成(74)
46 5七歩成(56)
47 同 歩(58)
48 同 飛成(52)
49 7七銀打
50 4四角(66)
51 6三と(73)
52 1四歩(13)
53 6四と(63)
54 1五歩(14)
55 6八金(69)
56 5六龍(57)
57 5四金打
58 1六歩(15)
59 同 歩(17)
60 1八歩打
61 同 香(19)
62 1七歩打
63 同 香(18)
64 同 角成(44)
65 同 桂(29)
66 1六香(11)
67 1八歩打
68 1七香成(16)
69 同 歩(18)
70 1六歩打
71 5七香打
72 4八香打
73 5九金(49)
74 2六桂打
75 同 歩(27)
76 同 龍(56)
77 3九玉(28)
78 5八歩打
79 2七歩打
80 5九歩成(58)
81 2六歩(27)
82 1九飛打
83 2九桂打
84 1八飛成(19)
85 1二飛打
86 2二銀打
87 7六角打
88 4九金打
89 同 角(76)
90 同 と(59)
91 同 銀(38)
92 2七角打
93 投了
まで92手で後手の勝ち