昭和47年7月、内藤先生との第13期王位戦第1局です。12期までは大山先生が連覇していて、ここでタイトルを失うことに。
内藤先生が石田流を目指し、大山先生は位取り。どちらが振るか決めたらまあこうなります。
74歩の交換に72飛の反発。これは手筋ではありますが、4筋の位取りと趣旨が合わず、疑問手です。
56銀と構えられて45歩を守りにくいです。守らずに7筋からの攻めを見せますが、内藤先生から65歩は軽いさばきの手です。
大山先生は角を交換して98飛を強制。8筋突破を目指せば78飛と使います。
8筋は金で守って73桂に46歩が思いつかない手です。46同歩には48飛でしょうか?65桂46飛77桂成に44歩で角筋を止めて77桂と取り返す意味か。あるいは65桂には73角から46角成を含みに46同歩には45歩か45銀のつもりかもしれません。
内藤先生から45歩と取ることになり、これは大分得をしました。桂馬をもらえば打ち込めます。
大山先生は4筋の位を奪還しましたが歩切れ。
内藤先生からの端攻めが厳しいものとなりました。振り飛車から銀で香を取る筋が実現すればかなり勝ちやすくなります。
金を投入して必死の防戦も角打ちが両方に利いています。
この香が決め手です。
63角成を先に(41から)42金直と受けるのは大山先生らしい手ですが
12銀が先手で入れば61飛成も先手です。13金は21銀不成から25桂ですし、これは困った。
41銀のひもを切り21銀成で寄せようとする手です。
もう受けようがありません。
投了図では大差になってしまいました。
72飛が疑問手で、そこから内藤先生が少しリードしています。中盤の46歩の意味がよくわかりません。そのあと端を攻めて香車を取ったころからは内藤先生の寄せ方を学べます。
大山先生は名人を失って不調を感じていたのでしょう、感覚がおかしくなっています。そのまえの十段リーグや王座戦でも内藤先生が快勝ですし、大山先生の最盛期は過ぎました。でもここから何十年も崩れないで活躍できるのが素晴らしく、こういうタイプはほかにいません。
歳を取ると読みが鈍くなってくるのですが、それを感覚で十分カバーできているのだと思います。それを勉強したいと思って大山先生の将棋を並べます。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:内藤8段
後手:大山王位
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 9六歩(97)
4 4四歩(43)
5 7五歩(76)
6 6二銀(71)
7 7八飛(28)
8 5四歩(53)
9 6八銀(79)
10 4二玉(51)
11 4八玉(59)
12 3二玉(42)
13 3八玉(48)
14 4二銀(31)
15 2八玉(38)
16 1四歩(13)
17 1六歩(17)
18 4五歩(44)
19 6六歩(67)
20 4三銀(42)
21 6七銀(68)
22 5二金(61)
23 3八銀(39)
24 8四歩(83)
25 7四歩(75)
26 7二飛(82)
27 7三歩成(74)
28 同 銀(62)
29 5六銀(67)
30 8五歩(84)
31 6八金(69)
32 7四銀(73)
33 6五歩(66)
34 8八角成(22)
35 同 飛(78)
36 3三角打
37 9八飛(88)
38 8二飛(72)
39 7八飛(98)
40 7五歩打
41 7七金(68)
42 8六歩(85)
43 同 歩(87)
44 7三桂(81)
45 4六歩(47)
46 5五歩(54)
47 4七銀(56)
48 6五桂(73)
49 4五歩(46)
50 4四歩打
51 同 歩(45)
52 同 銀(43)
53 3六銀(47)
54 4五歩打
55 1五歩(16)
56 同 歩(14)
57 1二歩打
58 同 香(11)
59 1三歩打
60 同 香(12)
61 1四歩打
62 同 香(13)
63 2五銀(36)
64 7七桂成(65)
65 同 飛(78)
66 4三金(52)
67 1四銀(25)
68 2四金打
69 4七角打
70 8六飛(82)
71 2六香打
72 4六歩(45)
73 7四角(47)
74 1四金(24)
75 7五飛(77)
76 4二金(41)
77 6五角(74)
78 6四歩(63)
79 1二銀打
80 6五歩(64)
81 2三香成(26)
82 3一玉(32)
83 7一飛成(75)
84 4一銀打
85 5四桂打
86 同 金(43)
87 4三歩打
88 同 金(42)
89 2一銀成(12)
90 4二玉(31)
91 3三成香(23)
92 同 玉(42)
93 4一龍(71)
94 4七歩成(46)
95 3二角打
96 投了
まで95手で先手の勝ち
内藤先生が石田流を目指し、大山先生は位取り。どちらが振るか決めたらまあこうなります。
74歩の交換に72飛の反発。これは手筋ではありますが、4筋の位取りと趣旨が合わず、疑問手です。
56銀と構えられて45歩を守りにくいです。守らずに7筋からの攻めを見せますが、内藤先生から65歩は軽いさばきの手です。
大山先生は角を交換して98飛を強制。8筋突破を目指せば78飛と使います。
8筋は金で守って73桂に46歩が思いつかない手です。46同歩には48飛でしょうか?65桂46飛77桂成に44歩で角筋を止めて77桂と取り返す意味か。あるいは65桂には73角から46角成を含みに46同歩には45歩か45銀のつもりかもしれません。
内藤先生から45歩と取ることになり、これは大分得をしました。桂馬をもらえば打ち込めます。
大山先生は4筋の位を奪還しましたが歩切れ。
内藤先生からの端攻めが厳しいものとなりました。振り飛車から銀で香を取る筋が実現すればかなり勝ちやすくなります。
金を投入して必死の防戦も角打ちが両方に利いています。
この香が決め手です。
63角成を先に(41から)42金直と受けるのは大山先生らしい手ですが
12銀が先手で入れば61飛成も先手です。13金は21銀不成から25桂ですし、これは困った。
41銀のひもを切り21銀成で寄せようとする手です。
もう受けようがありません。
投了図では大差になってしまいました。
72飛が疑問手で、そこから内藤先生が少しリードしています。中盤の46歩の意味がよくわかりません。そのあと端を攻めて香車を取ったころからは内藤先生の寄せ方を学べます。
大山先生は名人を失って不調を感じていたのでしょう、感覚がおかしくなっています。そのまえの十段リーグや王座戦でも内藤先生が快勝ですし、大山先生の最盛期は過ぎました。でもここから何十年も崩れないで活躍できるのが素晴らしく、こういうタイプはほかにいません。
歳を取ると読みが鈍くなってくるのですが、それを感覚で十分カバーできているのだと思います。それを勉強したいと思って大山先生の将棋を並べます。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:内藤8段
後手:大山王位
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 9六歩(97)
4 4四歩(43)
5 7五歩(76)
6 6二銀(71)
7 7八飛(28)
8 5四歩(53)
9 6八銀(79)
10 4二玉(51)
11 4八玉(59)
12 3二玉(42)
13 3八玉(48)
14 4二銀(31)
15 2八玉(38)
16 1四歩(13)
17 1六歩(17)
18 4五歩(44)
19 6六歩(67)
20 4三銀(42)
21 6七銀(68)
22 5二金(61)
23 3八銀(39)
24 8四歩(83)
25 7四歩(75)
26 7二飛(82)
27 7三歩成(74)
28 同 銀(62)
29 5六銀(67)
30 8五歩(84)
31 6八金(69)
32 7四銀(73)
33 6五歩(66)
34 8八角成(22)
35 同 飛(78)
36 3三角打
37 9八飛(88)
38 8二飛(72)
39 7八飛(98)
40 7五歩打
41 7七金(68)
42 8六歩(85)
43 同 歩(87)
44 7三桂(81)
45 4六歩(47)
46 5五歩(54)
47 4七銀(56)
48 6五桂(73)
49 4五歩(46)
50 4四歩打
51 同 歩(45)
52 同 銀(43)
53 3六銀(47)
54 4五歩打
55 1五歩(16)
56 同 歩(14)
57 1二歩打
58 同 香(11)
59 1三歩打
60 同 香(12)
61 1四歩打
62 同 香(13)
63 2五銀(36)
64 7七桂成(65)
65 同 飛(78)
66 4三金(52)
67 1四銀(25)
68 2四金打
69 4七角打
70 8六飛(82)
71 2六香打
72 4六歩(45)
73 7四角(47)
74 1四金(24)
75 7五飛(77)
76 4二金(41)
77 6五角(74)
78 6四歩(63)
79 1二銀打
80 6五歩(64)
81 2三香成(26)
82 3一玉(32)
83 7一飛成(75)
84 4一銀打
85 5四桂打
86 同 金(43)
87 4三歩打
88 同 金(42)
89 2一銀成(12)
90 4二玉(31)
91 3三成香(23)
92 同 玉(42)
93 4一龍(71)
94 4七歩成(46)
95 3二角打
96 投了
まで95手で先手の勝ち