名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
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大山将棋研究(35); 棒銀から引き角

2016-01-15 | 大山将棋研究
昭和47年4月、中原先生と第31期名人戦第3局です。

大山先生の四間飛車に中原先生は棒銀ですが、手順を工夫しているのでしょう。

大山先生は左に金を上がって袖飛車を見せると、中原先生は引き角に。
引き角棒銀はあまりうまくいった例がないのですが、78金の形ならまあまあです。

でも強烈な手が飛び出しました。中原先生のうっかりです。先に75歩と抑えればないのですが、それも指しにくいし、やはり引き角棒銀はうまくいかないです。

中原先生は辛抱して居角に戻すのですが、76飛から77桂がぴったり間に合いました。

この歩は、唯一の反撃の筋。

駒がぶつかって86と で勝負の形になったかと思ったのですが

金銀をはがして、さらに64金と使うのがなるほどの手順です。これで大山先生が優勢です。

中原先生も反撃というか勝負に持ち込もうとするのですが、53銀から83歩で寄せです。

つい32金打から角を取りたくなりますが、この王手で44を塞いで

金を寄って使うのがプロらしい手順です。取れません。

角を取って王手飛車をかけて終わりです。


大山先生の快勝譜。中原先生のポカでした。棋譜並べとしては、大山陣の姿の良さを覚えておくために並べたいです。序盤で左に行った金銀がしっかり攻めと守りに使えました。


#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.22 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山名人
後手:中原十段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 6六歩(67)
6 6二銀(71)
7 6八飛(28)
8 4二玉(51)
9 4八玉(59)
10 3二玉(42)
11 3八銀(39)
12 5四歩(53)
13 6七銀(78)
14 1四歩(13)
15 1六歩(17)
16 7四歩(73)
17 3九玉(48)
18 4二銀(31)
19 4六歩(47)
20 8五歩(84)
21 7七角(88)
22 7三銀(62)
23 7八金(69)
24 5二金(61)
25 3六歩(37)
26 3三銀(42)
27 5八銀(67)
28 7五歩(74)
29 6七金(78)
30 8四銀(73)
31 6五歩(66)
32 3一角(22)
33 7八飛(68)
34 7六歩(75)
35 同 金(67)
36 7二飛(82)
37 8五金(76)
38 7三銀(84)
39 7四歩打
40 6二銀(73)
41 5九角(77)
42 8二飛(72)
43 8六歩(87)
44 2二角(31)
45 7六飛(78)
46 4二銀(33)
47 7七桂(89)
48 5三銀(42)
49 3七角(59)
50 5五歩(54)
51 7五金(85)
52 8七歩打
53 8五桂(77)
54 8八歩成(87)
55 4五歩(46)
56 8七と(88)
57 2八玉(39)
58 5四銀(53)
59 6四歩(65)
60 同 歩(63)
61 7三歩成(74)
62 8六と(87)
63 6二と(73)
64 7六と(86)
65 5二と(62)
66 同 金(41)
67 6四金(75)
68 4五銀(54)
69 5三銀打
70 6七と(76)
71 同 銀(58)
72 6八飛打
73 8三歩打
74 5三金(52)
75 同 金(64)
76 8三飛(82)
77 4二金打
78 3三玉(32)
79 5五角(37)
80 4四歩(43)
81 3二金(42)
82 2四玉(33)
83 2二金(32)
84 5三飛(83)
85 4二角打
86 投了
まで85手で先手の勝ち





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20160115今日の一手<その244>; 我慢してよい時

2016-01-15 | 今日の一手
20160115今日の一手

11月29日の名南将棋大会からNさんとMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。





昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
先手の1歩得です。後手は歩切れなのでカウントします。
玉の堅さは同程度。
先手の攻め駒は59飛1枚。66銀は攻め駒にカウントできるかもしれません。
後手の攻め駒は65桂1枚。52飛も入れてもよさそうです。
総合すれば互角です。

大局観として
後手が攻勢を取っています。57歩成が見えていますから、どう受けるか。玉の堅さは同程度。ですが、まだ大さばきができるわけではありません。もう少し固めておきたいです。つまり、しばらくは受けつつ、反撃ができるようにしておくという局面です。


× 実戦は53歩から華々しくいきました。

53同飛65銀同銀45桂

45同銀33角成同桂45歩46角

この角が痛いですね。金取りと36桂があります。
77角36桂38玉48桂成同金57銀

後手の攻めが好調で、いくばくもなく寄せられてしまいました。


○ 58歩は屈伏のようですが

後手が歩切れですから我慢してもいいと思います。55銀左には47銀と頑張って受けます。

66銀と取られても困りません。82飛78金86飛には97角

82飛65銀同銀53桂

86歩41桂成同玉77桂76銀73金

こういうのが一例で、5筋を謝っておけば反撃も利きます。

55銀左とぶつけても効果がなければ、黙って82飛78金86飛とするのですが、77桂とぶつける調子。

87歩97角76飛65銀同銀53桂

やはり両取りの筋があります。

戻って、77桂に同桂成同角82飛87歩くらいか。

これから互いに陣形整備です。


△ 歩を謝るのが嫌なら38金と固めておきます。

57歩成同銀引同桂成同銀87銀

77角76銀成56桂

77成銀同桂55銀左64桂同銀

これで角銀交換の駒損ですがすっきりしています。54歩同飛45銀51飛34銀22角66歩

左桂を使えそうなので悪くありません。

戻って、38金には55銀左が気になります。

46銀と57歩成どちらかを見られて、ここでどう指しておくか難しいです。


× 後の46銀を防いで47銀は薄くて危険なようですが無いことはなくて

57歩成同金(同銀は68銀の筋がある)同桂成同銀87金

66角55銀左45桂44角84角

綱渡りのようですが、後手が歩切れなので角を逃げることもできます。
86金66銀76金53歩

82飛55銀同角同飛同銀73角打

84飛同角成88飛48馬57銀

この変化が一本道というわけではありませんが、金をはがされると薄いので、やはり避けたほうがよいのだと思います。


△ 77桂は力強い手。

57桂成同銀引同歩成同銀87銀

97角76銀不成(96銀成もある)56桂

55銀左64桂同銀78歩

こんな調子です。中央で銀桂交換は返し技をかけやすいのでそんなに怖くないです。


問題図では1歩得です。だから58歩と打って我慢してもよいのだと思います。駒得なら我慢して長期戦でよいのです。すると後手の65桂が残りますから、どこかで77桂とぶつけて左桂をさばく手が残ります。

謝らないで38金とか47銀とかでもそんなに悪くはない(互角に近い)のですが、65桂をさばかれたことになるのでやや損でしょう。

実戦の53歩も手筋の攻めが続くのですが、左桂が使えていないですし、駒をたくさん渡すので反撃がきつくなりました。


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