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HASTICニュースレター
第129号 2014年6月13日
北海道宇宙科学技術創成センター
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-今月の目次-
☆ 北海道スペースポート研究会 設立総会 報告
☆ 経営企画委員会報告
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○ 「北海道スペースポート研究会」 設立総会 報告 ○
○ 会長に丹保・元北大総長を選任 ○
十勝管内大樹町に次世代型スペースプレーン(宇宙往還機)の離
発着場を国内で初めて造成しようという「北海道スペースポート
研究会」の設立総会が5月14日、札幌市北区の道総研プラザで開
かれ、26年度の事業計画などを決めるとともに、会長に丹保憲仁
・道総研理事長(元北海道大学総長)を選任した。
「スペースポート研究会」は北海道や北海道経済連合会、大樹町、
北海道宇宙科学技術創成センター(HASTIC)など10団体の発起人
の呼びかけで設立されたもので、総会には研究会の趣旨に賛同す
る道内外の宇宙関連企業や研究機関などから50人が参加。発起人
挨拶に立った秋葉鐐二郎・HASTIC会長は「スペースポートの実現
は北海道だけでなく、日本の宇宙開発の発展に寄与するだろう」
と意義を強調、来賓として招かれた北海道運輸局の渋武容・企画
観光部長と町村信孝・衆議院事務所の藤部英一所長が祝辞を述べ
た。
同研究会の設立趣意書によると、次世代の宇宙輸送システムはこ
れまでの「使い捨てロケット」から再利用が可能な水平離発着型
の宇宙往還機になると想定、大樹町の町立多目的航空公園を中核
とする200-600ヘクタールの地域に4キロの滑走路や大小ロケット
の打ち上げ場、空中発射システムの開発拠点などを目指そうとい
うもので、2020年までの初期投資額を約100億円と見込んでいる。
総会では、スペースポートのマスタープラン作りを柱とする本年
度の事業計画や規約、予算を承認したほか、会長、副会長、代表
幹事からなる役員を選任。会長に選ばれた丹保氏は「スペースポー
トの空間を確保できる地域は北海道にしかない。大きな夢をとも
に実現させよう」と抱負を述べ、閉会あいさつに立った大樹町の
伏見悦夫町長は「町多目的航空公園の滑走路はまだ1キロにすぎ
ないが、様々な宇宙実験に使われている。水平離発着できるスペー
スポートを一日も早く実現させたい」と地元の熱い期待を披露し
た。
総会後の懇談会では、研究会の事務局を務める伊藤献一・HASTIC
理事長が世界のスペースポート開発の現状や日本における新しい
ロケット射場の建設を検討する動きなどについて説明、仏領レユ
ニオン島(アフリカ)で宇宙港の実現を目指すギー・フィニョー
レ・宇宙コーディネーターが20年前の北大留学の経験を踏まえ、
「ともに大志を抱き、スペースポートの夢を実現させようと呼び
掛けた。
総会には新聞社やテレビ局など7社が訪れ、総会後の記者会見で
スペースポート構想の内容について熱心に質問するなど、道民の
関心の高さを示していた。選任された役員は次の通り。
顧問 町村 信孝 衆議院議員
役員
会長 丹保 憲仁 元北海道大学総長
副会長 近藤 龍夫 北海道経済連合会 会長
高向 巌 北海道商工会議所連合会 会頭
横内 龍三 北海道経済同友会 代表幹事
荒尾 孝司 北海道商工会連合会 会長
星野 尚夫 北海道観光振興機構 会長
米沢 則寿 十勝圏航空宇宙産業基地構想研究会
会長
代表幹事 伏見 悦夫 大樹町 町長
秋葉鐐二郎 北海道宇宙科学技術創成センター
会長
中村 栄作 北洋銀行 常務取締役
藤田 昭 エア・ウォーター株式会社 専務取締
役北海道代表
山中 康彦 清水建設株式会社 北海道支店執行役
員支店長
植松 務 株式会社植松電機 専務取締役
監事 籏本 道男 籏本道男公認会計士事務所 所長
○ 経営企画委員会 報告 ○
平成26年5月26日(月)14:30より、第118回経営企画委員会(出
席7、オブザーバー1)がHASTIC事務局で開催された。概要を以下
に報告する。
1.事業報告、展示会等
・山本一太・宇宙政策担当大臣が4月12日、大樹町の多目的航空
公園や町内の宇宙ベンチャー企業「インターステラテクノロジ
ズ」を担当大臣として初めて視察した。視察にはHASTICの伊藤
理事長や伏見・大樹町長、中川侑子・衆院議員らが同行、スペー
スポート構想や地域の取り組みについて説明、国の支援を要請
したが、山本大臣は「大樹の強みは広い土地があること。いつ
か大樹から宇宙船が飛び立つ構図になればいい」との期待感を
示した。
・北海道経産局の増山寿一局長らが5月9日、大樹町を訪れ、スペー
スポート構想が描かれている町多目的航空公園などを視察、伊
藤理事長が現地で説明を行った。伊藤理事長は引き続き、大樹
町に隣接する広尾、豊頃両町役場も訪問して構想への理解を求
めた。
・自民党政務調査会宇宙小委員会が4月18日と5月16日、東京の自
民党本部で開かれ、伊藤理事長と在京の役員らが傍聴した。5
月16日の会議では昨年12月以来の委員会で出された課題の整理
が行われ、スペースプレーンの開発や新射場を含む広域宇宙セ
ンターの建設については引き続き検討を行う、とする親委員会
への報告案が示された。
・日本航空宇宙工業会の商業宇宙活動法検討委員会が5月15日、
東京で開かれ、伊藤理事長が参加した。商業宇宙事業を巡る法
整備の課題が議論されたといい、5月26日の経営委員会で、
HASTICとして大樹町での民間のロケット打ち上げやスペースポー
ト構想の実現を可能とする案文を取り入れるよう、意見書を提
出することを確認した。
・大樹町に町宇宙交流センターSORA(木造平屋建て、155平方メー
トル)が4月30日に開設され、伊藤理事長がセレモニーに参加
した。同町美成の町多目的航空公園の駐車場横に建設されたも
ので、道の補助を受けた建設費は約4000万円。
・恒例の道庁展示が5月15,16日、道庁1階ロビーで開催された。
道内で取り組まれている宇宙開発事業をパネルやビデオで紹介。
ハイブリッドロケット「カムイ」の9種類の4分の1模型やJAXA
の大気球実験模型も展示され、2日間で600人の来場者を数えた。
・大樹町で民間企業によるロケット打ち上げが活発化しているこ
とを受け、道総合政策部の科学IT振興局科学技術振興課が主催
する関係機関連絡会議が6月中旬をめどに開かれることになっ
た。道内の関係機関やHASTIC、民間のロケット打ち上げ企業に
参加を呼び掛け、ロケット打ち上げ実験の情報を共有するとと
もに、連絡窓口の一元化などについて議論する。
・HASTICの26年度総会が6月26日、午後2時半から、北大学術交流
会館で開催される。事業報告や新年度の事業計画や予算案が審
議されるほか、午後4時から北大大学院の藤田修教授を講師に、
国際宇宙ステーションで計画されている無重力燃焼実験につい
て特別講演会が催される。
・サイエンスパークが8月6日、月寒グリーンドームで開催される。
「カムイ」ロケット90Pが実物展示されるほか、HASTIC会員の
岩谷圭介さんが「風船宇宙撮影」をテーマに講演を行う。
・国際宇宙会議の「IAC2014トロント」(9月29日~10月3日)に
は9平方㍍の展示スペースを確保、伊藤理事長、上杉副理事長
らが参加してHASTICの活動をPRする。
2.北海道スペースポート研究会
・「北海道スペースポート研究会」の設立総会が5月14日、道総
研プラザを会場に開かれた。道知事、道経連会長、大樹町長な
どからなる発起人10人の呼び掛けに応じ、研究会の参加を予定
している道内外の宇宙企業や団体、研究機関から50人が参加、
十勝管内大樹町に水平離発着のスペースポート基地を実現させ
ることで協力することを確認、会長に丹保憲仁・元北海道大学
総長を選任した。
・設立総会に先立ち、伊藤理事長や関係役員らが道内外の関連企
業を訪問、当面の目標としていた約50社の企業・団体から研究
会参加の内諾を取り付けた。
・「北海道スペースポート研究会」の設立を受け、伊藤理事長が
5月20日、JAXAに樋口副理事長を訪問、研究会の設立趣旨を説
明するとともに、活動支援策への協力を要請した。
・6月26日の経営委員会で研究会の今後の活動について話し合い、
当面の目標となるスペースポート構想のマスタープラン策定に
ついて、上杉副理事長を中心に2年をめどに作業を進めること
を申し合わせた。
3.役員改選
・役員改選については6月の総会で2年に一度の改選期を迎えるが、
HASTICの活動と深くかかわる「北海道スペースポート研究会」
を立ち上げた直後ということもあり、総会までさらに検討を続
けることを申し合わせた。
4.WG報告
・宇宙環境利用WG
・50M級微小重力実験システムの利用促進を引き続き図って行
く。
・JASMA学会誌の小型落下塔特集号への協力を行う。
5.その他
・6月の経営企画委員会は26日正午から、北大学術交流会館で、7
月は23日午後1時半から、HASTIC事務局で開催する予定。
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発行人 北海道宇宙科学技術創成センター理事長 伊藤 献一
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