飛び出せ! 北の宇宙基地

北の地である北海道で、人工衛星の開発などを行っている 北海道工業大学 佐鳥研究室の活動日記です。

読書メモ(リサ・ランドール_異次元は存在する)

2007-08-02 00:29:17 | 佐鳥新の教授&社長日記
4月1日のブログで『数理科学2004年1月号 特集「ブレーンワールド新展開」』より「ブレーンワールドとは何か」という記事を紹介したが、リサ・ランドール教授はこの理論の提唱者である。宇宙飛行士の若田光一さんとの対談をまとめたものだが、内容は刺激的である。これまで宇宙の余剰次元はコンパクト化といて素粒子の内部に押し込めるのが常識的であったが、この人のブレーンワールドではむしろ広大な余剰次元の中に3次元宇宙がくっついていると考える。つまり、目に見えない世界が厳然として存在し、それは宇宙よりも大きく、そして私たちの宇宙に影響を与えているのである。ランドール教授が一般向けに書いた「ワープする宇宙~5次元時空の謎を解く(原題:”Warped Passages: Unraveling the Mysteries of the Universe’s Hidden Dimensions”)」も近日発刊されるようだ。

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書 名: リサ・ランドール_異次元は存在する
執筆者: リサ・ランドール  若田 光一
出版社: NHK出版


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第1章 わたしたちは異次元世界に囲まれている
 5次元世界とは何か
 わたしたちは「膜」に存在する
 3次元世界を2次元世界から見る
 高次元世界を確信したとき
 科学の2つのコミュニケーション

第2章 万物の成り立ちを解き明かしたい
 異次元ブームの到来
 「解き明かすこと」の楽しさを共有したい
 異次元の世界に魅了された少女時代
 「成功したければ質問しなさい」
 「女性科学者」というレッテル

第3章 5次元世界と宇宙の謎
 宇宙の謎を解くカギは重力
 異次元の存在の検証へ ~2007年の加速器実験
 人工衛星で重力波を検出する
 ほかの3次元世界や生命体は?
 ダークマターとダークエネルギー
 宇宙には見えないものが数多く存在する
 5次元世界と未来のわたしたち
 21世紀への提言
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リサ・ランドール(Lisa Randall)

1962年生まれ。ハーバード大学卒業。専門は素粒子物理学、ひも理論、宇宙論。プリンストン大学、マサチューセッツ工科大学を経て、ハーバード大学物理学教室で教授に着任、現在に至る。1999年、目には見えない5次元世界の存在によって理論物理学の難問を解決する方法を論文に発表して一躍注目を集めた。その研究内容は科学者だけではなく多くの人々を魅了し、著書「ワープする宇宙~5次元時空の謎を解く(原題:”Warped Passages: Unraveling the Mysteries of the Universe’s Hidden Dimensions”)」は全米ベストセラーである。今、最も注目されている科学者である。

L. Randall and R. Sundrum, Phys.Rev.Lett.83: 3370-3373, 1999
L. Randall and R. Sundrum, Phys.Rev.Lett.83:4690-4693, 1999



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