飛び出せ! 北の宇宙基地

北の地である北海道で、人工衛星の開発などを行っている 北海道工業大学 佐鳥研究室の活動日記です。

宇宙関連情報: 新たな半導体単結晶製造技術

2009-06-24 07:00:00 | 北海道衛星
新たな半導体単結晶製造技術の開発について

http://www.jaxa.jp/press/2009/06/20090617_monocrystal_j.html

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)では、独立行政法人新エネルギー・産業技術
総合開発機構(NEDO)を中心とした共同研究契約により、日本電信電話株式会
社及びフルウチ化学株式会社との共同実施の下、JAXAの宇宙実験による知識を
活用して、温度と濃度勾配を一致させる新たな結晶成長を考案し、さらに融液
の厚みを薄くすることで対流を抑制しつつ結晶化させる技術を開発し、これを
利用して世界で初めて巨大(30mm角)なインジウムガリウムヒ素(InGaAs)の
単結晶材料を製造することに成功しました。(図左)
 この結晶材料を用いて製造した半導体レーザー(図中央)を使用し、光ファ
イバー通信で用いられる波長1.3μm帯で、20kmの遠隔地へ毎秒10の10乗回の点
滅信号のエラーなし光ファイバ通信実験に成功しました。
 このインジウムガリウムヒ素の半導体レーザーは、従来型のインジウムリン
(InP)のものに比べて、温度が上昇しても出力の低下が少ない(図右)ため
に冷却の必要がなく、省エネルギーであるという利点があり、将来的には光
通信都市間ネットワークターミナルの消費電力を大幅に低減できる半導体レー
ザーとして期待されます。
 なお、2010年秋から2011年にかけて日本実験棟「きぼう」内での微小重力環
境での結晶成長実験を計画しています。宇宙ではより組成の均一な理想的な単
結晶を製造することができるため、地上実験での単結晶と比較することによっ
て、地上でより性能のよい理想的な単結晶製造技術の開発に役立てることを目
指します。

図 新結晶成長法の原理(左)、新開発レーザーの構造(中央)、出力温度依
  存性比較の概念図(右)
http://www.jaxa.jp/press/2009/06/20090617_monocrystal_j.html#img


出典: JAXA Press Release


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