2009-06-11 インドと10月に宇宙実験 「植物工場」可能性探る:JAXAとISROの共同
宇宙航空研究開発機構(JAXA)が今年秋、インドと共同で回収型の人工衛星を使った生命科学実験を行うことが分かった。日本とインドが共同で宇宙実験をするのは初めて。宇宙大国入りを目指すインドと協力関係を築くことで、米スペースシャトルや国際宇宙ステーション(ISS)の運用終了後も長期的に科学実験の機会を確保していく狙いがある。
共同実験に使うのは、インド宇宙研究機関(ISRO)が開発した回収カプセル型の実験衛星「SRE2号」。JAXAの小型実験装置などを搭載し、10月にインド南東部沿岸から打ち上げる。
実験装置にスピルリナという原始的な藻類を入れ、高度約625キロの軌道上で培養。約2週間後、帰還カプセルを海上で回収する。光合成に与える無重力の影響を遺伝子レベルで分析し、宇宙で食糧を生産する「植物工場」の可能性などを共同研究する。
JAXAは近くインド側と協力協定を締結し、6月中にも実験装置を輸送。研究には東大、中央大、茨城大なども参加する。約2年前、インド側から共同実験の提案があり、研究者レベルで検討を続けていた。
日本は昨年からISSの実験棟「きぼう」で宇宙実験を始めた。しかし、米国はISSの運用計画を2015年までしか示しておらず、その後の見通しは不透明だ。ISS計画が打ち切られると、日本は宇宙実験の場を失うことになる。
回収型衛星はISSと比べて短期間で小規模の実験しかできない半面、低コストで運用しやすい利点がある。日本では平成14年に1基を打ち上げたが、その後の計画はない。JAXAはインドとの協力関係を深め、今後も継続的に実験機会を確保したい考えだ。
一方、2015年に有人宇宙飛行を目指すインドは、宇宙での科学実験を強化している。回収型衛星は07年に1号機を打ち上げ、材料分野の研究を独自に行った。今回の2号機は、日本の先端技術を習得して生命科学研究を加速させるのが狙いとみられる。
JAXAは中国との間でも来年以降、有人宇宙船「神舟」または回収型衛星を使って、半導体の結晶成長に関する共同研究を行う方向で協議しており、ISS計画に参加していないアジアの宇宙新興国との連携を模索する動きが活発化しそうだ。(産経:長内洋介)
出典: http://www.spaceref.co.jp/
宇宙航空研究開発機構(JAXA)が今年秋、インドと共同で回収型の人工衛星を使った生命科学実験を行うことが分かった。日本とインドが共同で宇宙実験をするのは初めて。宇宙大国入りを目指すインドと協力関係を築くことで、米スペースシャトルや国際宇宙ステーション(ISS)の運用終了後も長期的に科学実験の機会を確保していく狙いがある。
共同実験に使うのは、インド宇宙研究機関(ISRO)が開発した回収カプセル型の実験衛星「SRE2号」。JAXAの小型実験装置などを搭載し、10月にインド南東部沿岸から打ち上げる。
実験装置にスピルリナという原始的な藻類を入れ、高度約625キロの軌道上で培養。約2週間後、帰還カプセルを海上で回収する。光合成に与える無重力の影響を遺伝子レベルで分析し、宇宙で食糧を生産する「植物工場」の可能性などを共同研究する。
JAXAは近くインド側と協力協定を締結し、6月中にも実験装置を輸送。研究には東大、中央大、茨城大なども参加する。約2年前、インド側から共同実験の提案があり、研究者レベルで検討を続けていた。
日本は昨年からISSの実験棟「きぼう」で宇宙実験を始めた。しかし、米国はISSの運用計画を2015年までしか示しておらず、その後の見通しは不透明だ。ISS計画が打ち切られると、日本は宇宙実験の場を失うことになる。
回収型衛星はISSと比べて短期間で小規模の実験しかできない半面、低コストで運用しやすい利点がある。日本では平成14年に1基を打ち上げたが、その後の計画はない。JAXAはインドとの協力関係を深め、今後も継続的に実験機会を確保したい考えだ。
一方、2015年に有人宇宙飛行を目指すインドは、宇宙での科学実験を強化している。回収型衛星は07年に1号機を打ち上げ、材料分野の研究を独自に行った。今回の2号機は、日本の先端技術を習得して生命科学研究を加速させるのが狙いとみられる。
JAXAは中国との間でも来年以降、有人宇宙船「神舟」または回収型衛星を使って、半導体の結晶成長に関する共同研究を行う方向で協議しており、ISS計画に参加していないアジアの宇宙新興国との連携を模索する動きが活発化しそうだ。(産経:長内洋介)
出典: http://www.spaceref.co.jp/
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