飛び出せ! 北の宇宙基地

北の地である北海道で、人工衛星の開発などを行っている 北海道工業大学 佐鳥研究室の活動日記です。

宇宙関連情報: ベテルギウスに爆発の兆候 大きさ急減、表面でこぼこ

2010-02-17 07:41:30 | 北海道衛星
オリオン座の1等星「ベテルギウス」で、超新星爆発へ向かうと見られる兆候が観測されている。米航空宇宙局(NASA)が6日に公開した画像には、星の表面の盛り上がりとみられる二つの大きな白い模様が写っていた。この15年で大きさが15%減ったという報告もあり、専門家は「爆発は数万年後かもしれないが、明日でもおかしくない」と話す。もし爆発すれば、満月ほどの明るさになり、昼でも見えるようになる。

 冬の大三角の一つでもあるベテルギウスは、赤色超巨星と呼ばれる巨大な星。直径は太陽の1千倍で、太陽系にあるとしたら、地球や火星はおろか木星までが覆われる大きさだ。重いため一生は短く、まだ数百万歳(太陽は46億歳)だが、すでに寿命に近い。最後は超新星爆発を起こし、ブラックホールなどになるとされる。

 地球からの距離は約600光年。地球からベテルギウスを見ると、東京から大阪に置いてあるソフトボールくらいの大きさにしか見えず、これまでは大きな望遠鏡でも点程度にしか見えなかった。だが近年は、複数の望遠鏡を組み合わせて解像度を上げることにより、その表面や周囲のガスの流れまで撮影できるようになった。

 昨年、米欧の研究者がほぼ同時に3本の論文を発表し、ベテルギウスが大量のガスを放出していることや大きさの急減が示された。ガスの放出によって星の表面が梅干しのようにでこぼこに膨らんでいるらしい。

 ただ、その後の別の観測では、大きさの変化はあまりないという報告も出ているという。3本の論文のうちの1本の著者で、独マックスプランク電波天文学研究所の大仲圭一研究員は「爆発がいつかは分からないが、死の直前を見ているのは間違いない。今まで想像するしかなかった星表面の様子も、実際に見て確かめられるようになってきた」と話す。(東山正宜)


出典:http://www.asahi.com/science/update/0109/TKY201001090278.html?ref=reca

「宇宙環境利用」という授業を通して感じたこと

2010-02-17 07:00:00 | 佐鳥新の教授&社長日記
北海道工業大学電気電子工学科の授業として「宇宙環境利用」という科目が今年で終了することとなった。過去には宇宙工学の理論を講義(=数式だらけの難解な講義を)したこともあったが、昨年からは専門性を持った教養としての宇宙開発を啓蒙的に教えることにより、電気電子工学の応用・発展分野としての意識を与えるような講義に切り替えた。

平成21年度の講義
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9月28日 ガイダンス、反物質推進
10月16日 世界の小型衛星
10月19日 第1回レポート課題 (JAXAの歴史)
10月26日 UNISECについて
11月9日 The Dream Is Alive
11月16日 第2回レポート課題 (月の水の発見)
11月25日 PLANET-C
11月30日 UNITEC-1
12月7日 MUSEC-C
12月14日 即応型宇宙システム 
12月21日 「かぐや」のビデオ
1月18日 宇宙探査+
1月25日 ハイパースペクトル技術とは (第1回ハイパースペクトル応用学会講演会の抜粋)
2月8日 第3回レポート課題(最終)


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第3回レポート課題: 
次の4項目を留意しながら宇宙産業の必要性についてあなたの考えを述べなさい。
 (1)航空産業の次に到来する新産業という観点、 (2)人口爆発と環境問題の観点
 (3)国際競争の観点、 (4)国防という観点
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※今日、レポートの採点が全て終了した。誰かのレポートをコピーしたような殆ど無く、自分で調べて自分で手書きで書いたレポートが多く、内容的にも、とてもユニークな答案が多かったという印象を受けた。
国防に関しては予想外に宇宙技術との連携を図るべきでるという反応が多かったことには出題者としても驚いた。正論である。俗世に塗れた社会人(※マスコミを含む)よりも、社会から毒されていない学生の方が実は真実をキャッチしているのかもしれない。

※宇宙開発と国防との関連に関し、「地球は近未来には宇宙人からの侵略を受ける可能性が高い。従って、現時点で宇宙開発を国家プロジェクトとして推し進めることが国防につながるのである・・・」と書いた学生が1名いた。一見すると、突拍子もない話のようにも聞こえるが、実は政治的な深い部分を彼は直感的に感じ取っているのだ。だから、私はこのレポートに対して通常評価点(30点満点)に加えて「+10点」を与えた。かつてケネディー大統領がアポロ計画を打ち立てたように、10年後の国家のビジョンを実現するための国家ビジョンには、せめて、これ位の発想は欲しいものだ。

尚、今回のレポートの平均点は配点の60%前後だと思われるが、宇宙産業の高付加価値性と、宇宙開発のポテンシャル的優位性等・・・」には、それなりの隔たりがあったようだ。