飛び出せ! 北の宇宙基地

北の地である北海道で、人工衛星の開発などを行っている 北海道工業大学 佐鳥研究室の活動日記です。

読書メモ(地球大気の分光リモートセンシング)

2007-02-02 22:04:17 | 佐鳥新の教授&社長日記
書 名: 地球大気の分光リモートセンシング
著 書: 竹内 延夫 編
出版社: 学会出版センター


第1章 地球大気と分光学--------リモートセンシングの観点から
 ○衛星センサーのバンド設定の意味(Landsat-7の場合)
  TM1  450nm-520nm    沿岸の水域観測
  TM2  520nm-600nm    健全な植生調査
  TM3  630nm-690nm    クロロフィルの吸収
  TM4  750nm-900nm    バイオマスの調査
  TM5  1550nm-1750nm   植生の含水量測定
  TM6  2080nm-2350nm   熱水変質地区測定
  TM7  10400nm-12500nm  温度分布の測定

 ○衛星軌道と観測条件の関係
  重力場の歪による摂動効果として、衛星軌道が経度方法に回転することが知られている。この性質を利用して軌道高度と軌道傾斜角をうまく選べば、特定の場所を通過する時刻(地方時)を一定に保つことができる。この軌道を太陽同期軌道といい、地球観測衛星の多くは、比較的大気が安定していて太陽高度も高い午前10時-11時に降交点を通過するように設計されている。


第2章 大気環境のリモートセンシング
 ○分光学の基礎知識
  黒体放射、分子の振動回転スペクトル、吸収線強度、線幅、Voigt 関数

 ○吸収線データベース
  HITRAN、GEISA、ATMOS (HITRANのデータベースは特に有名)

 ○エアロゾルの分光学
  レーリー散乱(大気分子による光散乱)とミー散乱(エアロゾルによる光散乱)

 ○衛星データによるエアロゾルの観測例
  センサー:NOAA AVHRRのチャンネル1(中心波長630nm)による観測例
  ・汚染の少ない海洋型エアロゾルは硫酸塩と海塩粒子
  ・粒径は半径0.1μmでσ=2.03μmの正規分布
  ・複素屈折率は1.4-0.1iで近似できる


第3章 大気観測センサー
 ○スキャンミラーセンサー(機械的に観測方向を移動させて測定する方式)

 ○プッシュブブルーム式センサー(固定式ラインセンサーのこと)

 ○回折格子型センサー

 ○フーリエ分光型センサー(マイケルソン干渉計など)
  干渉信号の入力時に全スペクトルを利用することから、スリット分光器より明るい光学系が組める。高いS/Nが得られる。

 ○衛星搭載用マイケルソン干渉計の紹介
  IRIS(NASAのNimbus3,4に搭載)、IMG(日本のADEOSに搭載)

 ○スペースライダー
  衛星から地上に向かって強いパルスレーザーを照射し、エアロゾルによる散乱光を計測する。
  受光用の望遠鏡(衛星搭載)は直径1m程度。


第4章 衛星リモートセンシングによる地球大気の観測

第5章 今後の展望