我が家には定期的に舞鶴から海産物を車に積んで売りに来る人がいる。
私が買う主な物は昆布、かつお節、煮干しだ。昆布は一束で買う。
出汁に昆布と、鰹ぶし、煮干しは使うのでいいが、縮緬雑魚や
干物類は量が多いので買わない。11月は鰊漬け用の身欠き鰊を持って来てもらう。
値段は少々高いが品質は良い。
私が幼い頃はおばあさんがやってきた。柳ごおりに海産物を詰めていた。
昆布や煮干しのほかに、塩鯖、へしこ(鯖の糠漬け)などもあった。
祖母と同年齢だったのか、うちで昼食など食べていた。1軒1件売り歩いていた。
行商宿もあったのでそこを定宿にして1週間ほど滞在していた。その行商の
おばあさんは子供にも優しくて親切だった。父がへしこが好物だったので
たくさん買っていた。
道路網が整備され車での販売に変わった。移動販売車と富山の薬売り
包丁屋さんなどが、かっての行商の流れを組んでいるのかもしれないが
風情はない。