さるみみ屋

夫サボさん、私さるみみと2000年生まれ長男コナンくん
2004年産次男エナリくんとの「人生楽ありゃ苦もあるさ」日記。

1Q84はあれで完結なのか?

2010-05-03 07:18:41 | さるみみ文庫
ようやく「あれ」の3巻を読み終わった。
いろんな意見がもちろんあるんだと思うけど、
1、2巻を読んだ後に感じた何とも言えない「救いがない」感覚が
ここではちょっとだけ解放されて終わったと思う。

もちろんエンタテインメント小説が大好きな私にとっては
「え?結局牛河が出て来た意味は?」
「あのNHK集金人って天吾の父親が幽体離脱とかしちゃって
青豆やふかえりのところに行ってたってこと?」
「結局逃げ切れたの?」
「リトルピープルとかマザ、ドウタは結局なんだった???」
などと解決していない部分の多さにちょっとした戸惑いがあるんだけど
これは別に村上春樹ファン的には可なのか。

なんか宗教がベースにあってもっとオウムとかそういうものを
意識しているのかと思ったけど、全然別のものだったね。

どちらかというと「孤独」と「怒り」が漂っていた感が。
私としては1、2巻では孤独よりも怒りがメインで
3巻は孤独の方が強い印象だったな。

でもこれってもともとは恋愛小説ってことだったっけ?
ま、ジャンルなどどうでもいいか。
いずれにしても、やっぱり村上春樹的表現が私は苦手だ。

あんなふうに普段会話してる人がいたら驚きなんですけど…
そんなこと考える私が既によくないのかしらね。
そうした「小難しい表現」をいちいち自分で解釈できるレベルに
読み砕くのに時間がかかってしまうのよね…私って。
例えばさ、
「論理の通らないことを論理的に説明するのは難しい」ってことを
「六本木のオイスターバーで本物の真珠にめぐり合うくらい難しい」なんて
例に出されても、私はそこを読み過ごすことができずに
「オイスター・バーってあるんだ。年中やってるの?夏になったら
カキは食べない方がいいんじゃないのかな」とか
「本当に真珠入ってるのか?」「いや、養殖だったら入ってないか」
などと言葉そのものを理解する前にいろんなことも入ってきたりして
とにかくダメなのよね…

ちょっとおしゃれでインテリな作品全体に漂う雰囲気を損ないかねない読み。
ダメダメだわさ。
それはいいとして結論。

とにかく読後感は1、2よりも断然よかったな。

ただ、いろいろな疑問が解決されないままだったことがちょっと。
マダムを突き動かしていた怒りが終息して先、彼女はどうなるのか
牛河はなぜあそこで必要だったのか
結局天吾と父親の関係は解決したことになったのか
青豆たちはどうなったのか
1984の世界に戻っても青豆の妊娠は終わっていないのか

たぶんそれぞれが1本の作品足り得たもので、それらを一つの作品の中に
入れたときにどこをどれくらいずつ書いてどこで辞めるかが
どれも難しいんだろうね。
どこも強く書いてしまうと別の物語になっちゃうし。
だから、どれも「いい具合」に絶妙のバランスで書かれているのだろうけど
やっぱり私にはそういう解決の仕方が苦手なのだよ。

すごい疲労感漂ったので、次は軽めの新書に入ることにした。

夫が「4-6月でスタートして12月まででしょ。1-3月まであって
ちょうど1年だから絶対4巻あるって」と言っている。
そんな話あるのかよ、って思う。
だって1-3月作ったらそれってさ、1984年ではなくて翌年1985年に
なっちゃってるでしょ。
サボさんなら「年度では1984年だ」とか言うかもしれないけど、
村上春樹に「お役所感覚」はないと思うんだよね~(笑)

ま、そういうことを考えるあたりが既に「俗物」と呼ばれてもおかしくないか。

いずれにせよ、時間はかかったけど読破しましたとさ。