さるみみ屋

夫サボさん、私さるみみと2000年生まれ長男コナンくん
2004年産次男エナリくんとの「人生楽ありゃ苦もあるさ」日記。

「一人称単数」読了

2020-08-11 17:23:08 | さるみみ文庫2020
出た出た、村上春樹作品。
今回は短編集ということで、あっという間に読み終わったわさ。
収録されているお話の中に「品川猿の告白」というのがあり、
「あ、品川猿!」と思ってちょっと小躍りしてみた。

最後の作品のみ書下ろしのようなので、多くのハルキストは既に読んでるものばかりで
目新しさはないんだろうけど、私はこの中で選ぶとすれば「謝肉祭」が気に入ったわね。
読んでいる間にシューマンの「謝肉祭」youtubeで聴きながら、っていつもの感じで。
ビートルズやジャズが出てくるあたりもいつもの村上春樹の展開なんだけど、
なんだろう?ちょっと春樹節が弱い?
私が村上春樹に慣れてしまった?
あまりにさっくりと読み終わりすぎて「あれ?村上春樹ごっこやる気持ちが高まらない!」
というのが今の感想かな。

なんか表情のある表紙だな、と思ったけど、中身的にはあまり心に残らなかったかも。
ハルキストのみなさん世界観に共感できずまたごめんなさい。

「夢をかなえるゾウ4」読了

2020-08-09 17:11:08 | さるみみ文庫2020
ついに出た、ガネーシャシリーズ!
ずっと待ってたけど、もう次回作はあれっきり出ないのかと思ってたこの「夢ゾウ」
1作目のインパクトがすごすぎたのと、前作の出来がなんかイマイチだったので
もう連続して書くネタないのかもな、と思ってたくらい。

でもそんなんじゃなかった。この4作目は若干説教臭くもあるけれど
「死」がテーマで、いろんなことを考えさせられる作品だった。笑いの要素だけでなく
本当にしっかり自分だったり家族のことを考えたり振り返るのに役立つ1冊だった。
もう一気読みしてしまって、(まあ前作までも2、3日で読んでたけど)
年内にもう一度シリーズ最初から読み直そうかとか思うほどだった。

このシリーズに出てくる「釈迦」などのキャラの中で、今回の「死神」はものすごくクールで
ガネーシャをやや食ってる感じも否めない。
ガネーシャの今までの無茶ぶりすぎる展開も若干弱まった気もするけれど、
テーマがテーマだけにふざけすぎないトーンもいいのかな、と思う。

自己啓発本として位置づけられているんだけど、今回に関してはちょっと違うんじゃないかな?

シリーズを今まで読んでない人も入りやすいので、ぜひこの4作目は読んでもらいたい。
出たばかりなのでネタバレすることは書かないほうがいいな、と思いこの辺でやめておくけど
でもホントによかった!今年は当たりが多いか??

「決壊 下巻」読了

2020-08-07 17:02:33 | さるみみ文庫2020
先月読み終わっていたんだけれど、いろいろあってブログ書く暇もなかったので
今更記事更新。

上巻を読み終わったのは4月の末だったんだけど、そこからかなり時間かかったのは
途中読んでてめちゃくちゃ怖かったから。
読書してて怖い、と思ったのは「黒い家」くらいなんだけど、この決壊は別の意味で
めちゃくちゃ怖かった。「黒い家」とは別の怖さね。

読了までに時間はかかったし、怖さもあったし、いろんな登場人物がまさに「決壊」していく
そんな様を見ている自分も若干メンタル壊れ気味だったりして、
いろんな思いで読んでいた感じ。

サボさんは実はこの作品が平野啓一郎を知った一番最初だったんだけど
これはかなりヘビーな作品だから、よくここから平野啓一郎に注目して彼の作品を
読み漁るようになったものだと思う。

だけど、間違いなくすごい作品だと思う。
やっぱり純文学と言えば世の中は「村上春樹」なんだと思うけど、私的には「平野啓一郎」の方が
ずっとずっと上を行っているのよね。
読書は好みもあるから、別にハルキストがいて、アンチ村上がいていいんだけど
でも「マチネの終わりに」で平野啓一郎の世界に入ってきた人には、断然「ドーン」とこの「決壊」も
読んでもらいたいと思う。そのくらい大きくて重たい作品だった。
サボさんにそんなことを伝えたら「もう一回読もうかな」って。
片手間で読める感じじゃないよ、これ。そんな仕事忙しい中で読む本じゃないよ、と思った。

古い作品だけど、今年読んだ中でTOP3に入るわ、間違いなく。

「発達障害」読了

2020-05-05 19:18:56 | さるみみ文庫2020
本田秀夫先生の著書。
この先生のことを私は知らなかったんだけど、帯にプロフェッショナルのことが
書かれていて「お?そんな有名な先生なの?」と半ばミーハー的な感じで本を手に取ったわけ。
で、このステイホーム週間で読んだんだけど、非常に読みやすかったし、
「そうだよね~」と思うところが多かった。

この先生が数年前に出した「自閉スペクトラム症」という本も読んでみようかと思ったわさ。

特に診断のつくかつかないか、のラインの人は割と多いと感じているし
そういう人たちでも周囲の理解があれば社会に適応できるケースが多いので
自身が自分の特性について知ることはもちろん大切だけれど、周囲の人たちが
どういう特性を持っている人なのかを理解して対応できるようになると
もっと生きづらさがなくなるよな、と思う。

さて休暇はあと一日。思い切り充実させなくては!

「ファーストラヴ」読了

2020-05-03 20:27:32 | さるみみ文庫2020
島本理生作品。以前評判だった「Red」を読んだときは「だめだ」と思ったが
今回は映画化される作品ということだったり、その主演が北川景子だったこととか
臨床心理士が主人公だったり、ということもあって興味を持って買ったはいいが。

まあ、ミステリーとしてどう見るか、という問題は別として、
心理士が紐解いていく過程を読む、という点では物足りなさが多かったかな、と思う。
ミステリーとしては、特にハラハラすることもなく、さくさく読み終わった感じで
どこにもひっかかりはなく。

でも、好きな人はやっぱりこの作家さん好きなんだろうな、という気がした。
文庫の表紙はめっちゃ怖い感じなんだけど…(爆)

映画化されてもそれほど面白くなりそうではないけれど、
まあ直前に読んだ決壊と比べるのがそもそも無理、という感じで。

あと数日のステイホーム期間にもう少し読書しなくちゃ、と思う今日この頃。
時間つぶしにはお勧めの1冊だわさ。

「決壊 上巻」読了

2020-04-29 17:23:37 | さるみみ文庫2020
平野啓一郎作品。サボさんが初めて読んだ平野作品がこれで
当時「すごく読みにくかった」と言ってて、でも途中からグイグイ引き込まれて
すごい作品だったから絶対読んで、と言われて何年が経過しただろうか。
コロナ外出自粛によって日の目を見た感じね。

哲学的な会話が随所にあって、なかなかつかむのが難しかった部分はあるし、
なかなか話が進まないのでどうなっちゃうんだろう…と思ったけれど
上巻の後半から加速度的に話が進んできた感じ。これは下巻早く読みたいんだけど…
残念ながら買ってなかったので手に入らず仕舞いのまま。コロナ外出自粛期間が
終わって落ち着いてから下巻を買おうと思うものの、いつ収束するのかな。
それかアマゾンかなあ。
この家族はどうなってしまうんだろう。
いろんな人の心の中が決壊していく様が随所に感じられたわさ。

この本の兄弟のようになかなか我が家もコナンとエナリは打ち解けない部分があるので
ちょっとドキドキしながら読んでた感じ。
猟奇殺人の結末はどうなるんだろう。さあ、怖い怖い。

「猫の客」読了

2020-04-28 14:18:39 | さるみみ文庫2020
猫好きなので、本屋でこの本が平積みされているのを見て「ん?」
と思ったが最後、購入していたのが積読本となって数か月経過。
コロナの外出自粛によってできた時間で読まれた1冊。

この著者のことを私はまったく知らないのだけれど、
文章としてはサラサラと静かに流れていく、エッセーみたいな感じだった。
猫の描写がわりと細かくて猫の動きがすぐにイメージできたので、
きっとこの人も猫好きなんだろうな、と思った。

さらりとしていて物足りなさはどこかにあるんだけど、まあこういうのも
時々はいいんじゃない?という本。

「売り上げを減らそう」読了

2020-03-01 22:53:12 | さるみみ文庫2020
随分とブログをお休みしていたんだけど、別にコロナに罹患していたわけでもなく
ただただ忙しくて疲れてたり、風邪ひいて熱出していたりとかで
全然PC立ち上げる気になれずにここまで来てしまったわけで。
でも、本とか読んでいたには読んでた感じ。
先月読み終わっていたのがこの「売り上げを減らそう」
コーチャンフォーで見かけてそのタイトルの斬新さに惹かれて買ってしまったのよね。
私の仕事場でもよく売り上げはいろいろと言われるところなんだけど
そのために職員が忙しさですり減って、有給休暇取得どころか公休取るのもままならず
ホントにその売り上げを追った先に何があるんだろう、って
最近プレイングマネージャーとしてはいろいろと思うこともあり、
そんな中でこの本を読んでいたわけ。
職種も私のところとは違うんだけど、考え方を自分のところに置き換えて
取りうる行動を考えられないかな~なんてことを思いながら読んでた。

で、ちょっといろいろと思うところがあり、新年度の数字の作り方に
ちょっと工夫をしようかと思っていた次第。

今、インプット大全とアウトプット大全って2冊とFACT FULLNESSの3冊が気になってる。
小説も読みたい、でも時間ない。そんな中にあってコロナウイルス流行で
週末は家にのんびりステイになっているので、今週末も読書かな?
なんてことを思ってたりする。

早く収束しないかね。


「チームを変える習慣力」読了

2020-01-28 21:03:47 | さるみみ文庫2020
私は今仕事でチームのリーダーとして働いていて、
私のほかに5人の同僚がいる状況なのよね。上は60代、下は20代と幅が広くて
スキル差も当然大きければ、理解力の差も大きいし、まあとにかくいろいろあって
それに加えて会社からは数字を上げるようにという話を私の上司は言われるので
それを上げていくためにチームがどんな働きするのかを考えるのが私だったりして
もうちょっと給料もらえるんだったら頑張るけど、
どうなのこの薄給は!!とかいつも思っていたり。

どうにもこうにも20代の女の子がゆとり世代だからなのか
なかなか自分で考えて動くということがないのよね。もう社会人歴としては6年とかあるんだけど
指示待ち体質だったりして、言われていないことはやらない、言われていないからできない、
なんてことが起きていたりして、事細かに指示なけりゃ動けないのかよ!
なんてイラついていたわけ。

数字は割と順調に上がっているんだけど、なんか自分の負担感が大きくて
どうにかならんものかねえ、とチームメンバーを自分で動ける、自分で考えられるようにするには
どうしたらいいのか悩んでいたところに出会ったのがこの本だったのよね。

私はマネジメント歴が去年の4月からとまだまだ青いので
この本は「なるほど」と思うことがたくさんあったわね。
もっと社会人歴があって、マネジメント歴がある人が読んだら「そう?別に」かもだけど、
私はいろんな気づきがあったな。

この本の話をサボさんにしたんだけど、彼は普段からそういうことを意識せずに
できているのかもしれないな、と思ったわさ。
とりあえずすごくよかったので、彼の他の著書を読もうかどうか今考え中。

新年度の戦略について割と今ガチで詰めてるところなので、
いろんな知恵が欲しいと心から思うわ。
そんなことを考えるような日が来るとは…

明日も頑張ろう。

「室町無頼(下)」読了

2020-01-06 00:23:48 | さるみみ文庫2020
垣根涼介の作品、下巻も一気読みしちゃったわ。
上巻はどちらかと言えば主人公の「才蔵」の成長物語だったんだけど、
下巻は修業を終えて一人前になった才蔵ではなく、脇を固める大人たちの方に
フォーカスが当たっている感じかな。

一揆につながっているんだけど、その準備や合戦の緊張感や人々の駆け引きの
中にあって、才蔵がどうなっていくのかドキドキしながら読んでいた感じ。
ほんとあっという間に読んじゃった。やはり面白い本ってこうなんだよね。

垣根涼介の作品はまだ2作しか読んでないけれど、登場人物が敵も味方も男も女も
非常に魅力的で惹きつけられるのさね。
それはだれもかれもができすぎキャラ、ということではなくて
出来がよかろうが悪かろうが、人好きする感じか嫌な奴かどちらでも魅力的なのさ。

これは本当にいい作品だったわ。
ネタバレになるのであまり詳しくは書かないけれど
地味な室町時代でありながら、非常に生き生きと描かれているので誰でも楽しめると思う。
歴史ものが苦手な人でも全然大丈夫だと思う。

こいつは春から縁起がいいや!